11:00-18:00 点検13+セット+コンテナ移動+回収+メイク手伝い他

今日は、朝フロントの掛け持ちさん(30代後半・バイト3つ)と、朝昼フロントの大型さん(30代前半・170センチ超)と、昼フロントのホスト君(20代前半・女顔の元ホスト)と私の勤務。

バレンタインなので、セットに入ると昨日以上にチョコやケーキやプレゼントのゴミばかりなのに、今日は当ラブホからお客様へのささやかなプレゼントとして、飲むコラーゲンと透け透け丸見えショーツを用意したのでそのゴミも有り、朝からどの部屋へ行ってもゴミとの戦いだった。

セットばかりしていると点検の部屋が溜まるが、何故か私が点検しよう!と思う度に、社員さんからの”回収”の電話を受けてしまい、今日もコスプレや美顔器やDVDの回収に追われた。私が以前フロントをしていた頃は、こんなに回収なんか無かったのに…。

レンタル品は退室前にご返却頂くことになっているので、レンタル品回収の後はすぐにその部屋が空く。部屋が空いたら私達フロント係がセットに入るというパターンだ。

売り部屋も少なくなったので、お客さんが部屋を出たらすぐにセットに入りたいのに、部屋の真ん前の廊下で抱き合ってちゅーしているカップルを目撃してしまって激しく萎えた。

そんなことは後回しにして、今すぐそこから立ち去ってくれ!つか、今タップリとそーゆーコトしてきたばっかりじゃないの?廊下で再燃されても困るんですけど…とジリジリしながらもコッソリと様子を見守ったりして…(笑)。

だけど…長い!いつまでやってんだか…と待ちきれずに最上階へ移動すると、若い男女4名が、ワイワイと大盛り上がりで4P部屋へ入って行くのが見えた。入室前からあの騒ぎじゃ、部屋でも狂喜乱舞で大変な荒され具合かも知れない。

あとで4P部屋が空いてもセットは免れますように…と祈るような気持ちだ。

今日は、ケーキの他、客室で某フライドチキンやピザを食べているお客様が多かった中、テーブルの上に漬け物とおいなりさんの食べ残しと、お茶だけという部屋があった。バレンタインデーにおいなりさんて。好きずきなんだろうけど、地味すぎるでしょ。

だけど、うちの近所のスーパーでも「ええ!こんなモノまで!」というような和惣菜に平気でポップなバレンタインシールが貼られていたりするから、その手の戦略にまんまと嵌ったのかも。アレはああ見えて、スペシャルなバレンタインいなりにバレンタイン漬け物だったのだろう。でもやっぱり地味…。

満室になったので、部屋が空くとメイクさん達と一緒にセットに入った。一緒に部屋へ入った場合、メイクさん達はセットを手伝ってくれてからベッドメイクを始めるのだが、その部屋はベッド周りが使用済みスキンやティッシュだらけだった。

私はメイクバッグからビニール袋を貰って、それを手に被せて生々しいティッシュを拾っていたが、近所さんは果敢にもソレらを素手で拾っていたので、”近所さんたらチャレンジャーだわ。慣れって恐ろしい。私には無理!”と思っていた。

すると近所さんは突然「うわっ!ヌルッとした!ぎゃーっ!ヌルッっていったヌルッってー!うわ〜ん、泣きそう!吐きそう!ええ?みかやんズルい!自分だけ手にゴミ袋してぇ!」と大騒ぎして手を洗いに行った。ふふん、まだまだ甘いよ近所さん(笑)。

どうしてなのか、ゴミ箱というモノの存在を丸無視して、局部を拭いたティッシュを嫌がらせのようにベッド周りに散乱させるお客さんは意外と多い。今時の若い子の家にはゴミ箱が無いんだろうか?と呆れてしまう。

局部を拭いたティッシュなんか、妙にヒンヤリしたりヌメヌメしたり、黄色かったり茶色っぽかったり、気持ち悪いこと汚いことこの上ない!ホント勘弁してほしい。

17時過ぎ、フロントがホスト君と私の二人になってから、二人とも回収地獄に堕ちた。その間、社員の早口氏がセットや点検をして下さったので助かったものの、バレンタインと土曜が重なったら忙しいなんてモンじゃなくて、ホントに地獄だった。

見かけによらず頼もしいホスト君もさすがにお疲れの様子で、そのホスト君が3月15日で退職すると知って、物凄く寂しく心細くなった。新卒君に続いてホスト君まで私を置いていなくなっちゃうなんて酷いよ(泣)。何だかドッと疲れた。
11:00-18:00 点検24+セット+コンテナ移動+ダスター上げ+回収他

今日は、朝フロントの関取さん(20代前半・80キロ超)と私の勤務。朝1で廊下を走っていて関取さんに会うと「あ〜良かったぁ!今日はみかやんだぁ」と言われ、そんなふうに言って貰えると嬉しくて、つい頑張ってしまう単純な私だ。

セットをしていると関取さんが手伝いに来てくれて「次、最上階の某奥の部屋へ行こうと思うんですけど、一緒にセット入って貰っていいですか?」と言ってきた。おやすい御用だが、好奇心旺盛な私はやはり「何故?」と思う。

関取さん「実は…超ベテランフロント女史が在職中に、その部屋にまつわる超怖い話を聞いてしまって、それからずっと怖くて一人じゃセットや点検に行けないんですよ。今日はみかやんだから甘えちゃおうかなぁと思って…」

こんなふうに甘えられると可愛くて仕方ない。

みかやん「甘えちゃって全然OKだよ。でも何?何があったの?私、そういう話って聞いてもすぐ忘れるタチだから、言ってみて」

関取さん「いいんですか?ホントに怖いですよ」

聞いたら怖くて怖くて、ぞぞぞぞーっと鳥肌が立って、ここで文字にすることさえ無理。人にも言えない。幸い天気も良く室内が明るかったので、何とか二人でセットをしたが、外が暗くなったら一人でセットや点検は無理だ。そうじゃなくても最上階は薄暗くて不気味な感じなのに…どうしよう(泣)。

関取さん「他のフロントさん達には話してないんですよ。みんな怖がって誰もセットや点検に入らなくなったら困るじゃないですか」

みかやん「そうだよね。私も言えない(怖くて口に出来ない)」

関取さんと別れてセットを始めると、バレンタイン前日なのでどの部屋へ入ってもチョコやケーキやプレゼントの包み紙や緩衝材などのゴミだらけだったり、ケーキを食べたギトギトの食器だらけだったりで、手強くて手強くて…。

怖い話も忘れてセットや点検に追われていたら、朝メイクさん達が昼休みに入る前の最後の部屋として霊の部屋、いや、例の部屋へベッドメイクに入った。ということは、朝メイクさん達や関取さんが昼休みの間に、私がその部屋の点検をしなければならないってことだ。当然一人で。

渋々点検に行くと、風でドアがバタンと閉まっただけで怖くなり、大声でELLEGARDENの曲を歌っていると、電話が鳴って飛び上がって驚いた。別の部屋へ回収へ行けという指示だ。回収へ行ってこの部屋へ戻った時に、また風でドアが閉まると怖いので、浴室や部屋の窓を閉めてから部屋を出た。

戻りたくはないが点検の途中なので仕方なくその部屋へ戻ると、また勝手にドアがバタンと閉まった。さっき窓を閉めた筈なのに(泣)。大急ぎで点検の続きを始めてコンビニボックスを開けて愕然とした。補充用のドリンクを持ってくるのを忘れていたではないか。

エレベーターホールへ走り、ドリンクを持って部屋へ戻り、今度は自分でドアを閉めた。最初からこうしていたら何も怖いことなんか無かったのに、私ったらイヤ〜ねぇ…と思いながら、窓のロールカーテンを降ろし、モニター画面を消したら、部屋はかなり暗くて…もう無理!と走って逃げ出した。

怖くて、あの部屋の点検は暫く無理かも。

昼休みに入ると、一昨年と昨年に一緒にフロントもした朝メイクのお人形さん(20歳・超キュート)が「今日が最後の出勤なんです。お世話になりました」と挨拶に来てくれた。タレントデビューで上京の為に退職するそうだが、ココから大手芸能プロダクション入りって凄くないかい?

以前からお人形さんのように可愛いとは思っていたけど、タレントになるとは!気の早い社員さんは色紙を持ってきて「サインしてくれ」と頼んでいた。

関取さんが帰った16時過ぎ、私一人ではどうにもならない忙しさに見舞われた。バレンタイン前日恐るべしという感じで、どう考えても無理!と開き直りつつも出来る限りのことをしたら、帰りに近所さんが「今日は酷かったよね。走りまくって疲れたでしょ」と労ってくれた。

こんな一言が嬉しくて、お陰で明日も頑張れそうだ。近所さん、ありがとう。


11:00-18:00 点検18+セット++ゴミ袋折り+コンテナ移動+ダスター上げ他

今日は、朝フロントの関取さん(20代前半・80キロ超)と、朝昼フロントの大型さん(30代前半・170センチ超)と、昼フロントのホスト君(20代前半・女顔の元ホスト)と私の勤務。

露天風呂付きの部屋へセットに入ると、物凄いオヤジ臭とケモノ臭が漂っていた。玄関から一直線に窓辺へ走って窓を開け、ふと振り返ると床の真ん中にペット用のトイレシートが広げられていたが、シート上で用を足された形跡は無く真っ新だった。

浴室の窓も開け、露天風呂のドアも開け放してからゴミをまとめていると、昼メイクさん達がベッドメイクに来た。Sさんだったので「大丈夫?臭くない?この部屋に入った時、酷い匂いがしたんだよね」と聞くと「何か匂いますけど、そうでもないです」という返事。

風が強かったので、匂いは外へ流れたのだろう。部屋の荒らされ方も酷かったので、テーブルの上に食い散らかされたペットフード等を拾い、ようやくその部屋を出た。

最上階へ行くと、エレベーターホールで大型さんが洗面器を持って呆然と立っていた。なぜ洗面器?と覗き込むと、透明なお湯が入っていて、大型さんは「匂い嗅いでみて」と一言。

みかやん「うわっ!何これ?ココナッツミルク?」

大型さん「木の循環風呂に入ってたお湯なんだよ。有り得なくない?」

みかやん「有り得ない!入浴剤を入れられたんだね」

大型さん「入浴剤は入れてくれるな!って書いてあるのに何してくれちゃってるんだか…ねぇ!」

結局、その部屋は暫く売り止めになった。

祝日とはいえ水曜日だからかヒマ気味で、朝メイクさんが1隊早帰りになり「これで少しラク♪」と喜んでいたら、支配人に「エレベーターに脚立を乗せたので、電球交換をして下さい」と言われた。脚立は各階エレベーターホールにも有るのだが、エレベーターに積まれていたのは一回り大きな脚立だった。

高所恐怖症の私はソレを見ただけで立ち眩みがしたが、脚立を抱えて部屋へ入る所を運良くホスト君に目撃され「大丈夫ですか?電球なら俺、やりますよ?今日は朝から電球交換ばっかりです」と追いかけてきてくれた。

部屋へ入って二人で確認すると、ベッド真上の天井の電球が切れていた。以前、超ベテランメイク女史が、ベッドの上に脚立を乗せて電球交換をしているのを見て泣きそうになったが、今回もそのパターンらしい。

綺麗に組んであるベッドの上に脚立を乗せて、ホスト君が脚立に上がったが、見るからに不安定で怖い。

みかやん「うわぁ!大丈夫?どっか押さえてようか?」

ホスト君「取り敢えず部屋の電気、一度消して貰えます?」

みかやん「はいはい。で?押さえなくて大丈夫?見てるだけで怖いんだけど…」

ホスト君「これホントめっちゃ怖いですよ。ベッドの上だし高いし…」

みかやん「私には無理!ホスト君は凄いよ。中国雑伎団にも入れると思う」

運良くホスト君に助けられたが、本当に私には無理な芸当だ。もしも私が…と思っただけで、お腹や足から力が抜けて歩けない。

Sさんに会ったので、今朝のケモノ臭の部屋について聞くと「やっぱり何か匂うと思ったら、ソファーの下あたりにに水がこぼれてて、それは水じゃなくてオシッコで、その横にカリントウみたいなウン○が有って…仕方ないんでうちが拾いました」と、嘆いていた。

可哀相に…お客様も気を遣ってトイレシートをご持参だったのに、全く的外れな場所でされちゃどうにもならない。セットの時にウン○を踏んだりしなくて良かった。

夕方から順調に売り部屋が増え、昼メイク2隊が17時半で早帰りになり、遅番チーム1隊だけが残った。こうなると、ホスト君と私のどちらかが回収地獄に見舞われたとしても、もう一人がセットや点検や片付けが出来る。楽勝じゃないか。

ホスト君と二人で「土日でも、いつもこのぐらいの忙しさだったらラクなのにね」と、滅多にないヒマ気味な祝日に出番だったことを喜んだ。

そのホスト君も、いよいよココを辞めるかも知れない…という噂で、今夜からホストクラブの”内勤”をするそうだ。内勤と言っても、行ってみないと具体的に何をするかは分からないらしいが…。

やっぱり男手は必要なんで何とか考え直してほしいものだ。
1月31日で退職した後家さんから早速電話がきた。身近に、病状や精神状態を心配してくれる人が居てくれて、本当に有り難い。

後家さん「もう自分を責めるんじゃないよ。みかやんはあんな所でよくやってたって。後輩達と年寄りの板挟みになってさ。相手がアレじゃ大変だもの。これで肩の荷が下りたと思えばいいのさ」

みかやん「そうなんだよね。お陰で今は面倒なことに巻き込まれなくて済むよ」

後家さん「そうでしょう。支配人のことはね、みかやんが支配人の言葉に一番傷付いたなら、それはパワハラ以外の何ものでもないし、今も気に病んでるならそれはもうトラウマなんだよ。そこはうやむやにしないで過去の事実として受け止めて、まずは傷付いた自分を自分で慰めてあげた方がいいと思うよ」

みかやん「傷が深すぎてどう受け止めていいかも分からなかったもの」

後家さん「支配人もさ、支配人ったって30そこそこでしょ。騙されるんだわ。若いもんだもの騙されても仕方ないんだぁ。タチの悪い大人に入れ知恵されて、ヤンチャな坊やがオイタした、と思えば腹も立たないでしょ。こういう時は自分がラクなようにラクなように考えていかないと、みかやんがパンクするよ」

みかやん「なるほどね。鬱々といても自分が損なのは分かるんだけど、具体的にどう考えていけばいいのか分からなくて…」

後家さん「近い将来”あの日に心が殺されたせいで、こんな性格になってしまった”って嘆くより、”あの日を境に、あんな事も受け止めて克服できる自分になれた”と思えた方が幸せでしょ。あの日の感情にはケリをつけて、プラスに考えていかないと。考えるなら近い将来どうなりたいか?ってことを考えた方がいいよ」

みかやん「近い将来ね…考えてもみなかったよ。や…なんて言ったらいいのか。本当にいつもありがとう」

後家さん「なんもなんも。私、自分の事となると全然ダメだから、みかやんには随分助けて貰ったもの。今度は私の番だって。で?次はいつ遊びに来てくれるの?模様替えも済ませて待ってるんだけど?」

みかやん「15日からの来シフト表を見たら出番が14日しかなくて、休みいっぱいあるから15日過ぎにお邪魔したいんだけど」

後家さん「出番が14日じゃお母さんへの仕送りもままならないでしょ。大変だねぇ。我が家には絶対手ぶらで来てよ!じゃ15日以降に会えるのを楽しみにしてるから。会って話したいこと山ほど有るんだからね。それまで頑張り過ぎないで元気に仕事しててね」

後家さんは何て素敵な人なんだろう。いい人すぎて聡明すぎて昼メイクの年寄り連中とは合わなかったんだと思う。私もココで学ぶべきことを学んだら、気持ち良く潔く前向きに卒業していける人になりたい。


11:00-18:00 点検33+セット+コンテナ移動+ゴミ袋折り+食器洗い+ルームサービス他

今日は、朝フロントの掛け持ちさん(30代後半・バイト3つ)と私の勤務。

午前中、お客さんの出入りが全く無く、不気味なほどヒマだった。コンテナ移動を終わらせ、作業室を片付け、いよいよ仕事が無くなって、ゴミ袋を折りながらベッドメイクが終わるのを待って点検へ行くというパターンになり、掛け持ちさんと雑談をした。

まだ新人の掛け持ちさんと組んだ日は何かと忙しく、掛け持ちさんがセットや点検をしている間に、私がその他全部を引き受けることが多くて、まともに話をしたことが無かった。

掛け持ちさんは小学1年生の娘さんを育てる為に、バイト3つを掛け持ちし、趣味でミニバレーをしているそうだ。どこにそんな時間が?と思うが、ちゃんとミニバレーの練習にも参加し、大会にも出場するというスーパーママさんだが、ココではちょっとお疲れ気味な様子。

私もかつてはバイト掛け持ちの身だし、掛け持ちさんはガリガリに痩せていて化粧っ気もなく痛々しい印象なので、仕事とは言え「アレもしてほしい」「コレもやって」とは言いにくくて、つい何もかも引き受けて自分が苦しくなる(哀)。

でも、そのうち掛け持ちさんも、セットや点検以外の仕事も覚えてやってくれるだろうし、状況も見られるようになるだろうし、優先順位も考えて仕事してくれるだろうさ。それまでの辛抱だ。頑張ろう。

客数は少ないものの、相変わらずコスプレ等の貸し出しやルームサービスは多く、たまたま私が何度も同じ部屋へ貸し出し品やルームサービスを届けたが、その度にバスローブ姿の若い男女が揃って玄関先に出てきて「ありがとうございます」と満面の笑みで、物凄く嬉しくて有り難いのだが照れ臭くて仕方なかった。

こんなのどかでヒマな間にリネン屋さんが来てくれたら良かったのだが、連日の大雪で道路は渋滞し、あちこちで車が埋まっていたそうで、リネン屋さんが到着したのは私が昼休みに入った後の15時半。

しかも私がTVを見ている間に一気にお客さんの総入れ替え状態になっていて、16時に昼休みを終えた頃には売り部屋もセット部屋も激減、届いたリネンコンテナは手付かずの状態だった。リネン類やダスターも何とかしたいが、まずはセットだ。

大慌てでセットをしていると、Sさんと近所さんがダスター上げをしてくれていて、更に慌ててセットをしている間に点検も溜まり、支配人に「セットはメイクさんにやって貰いますので点検をして下さい」と言われて、助かった。

急ぎたいのにセットに入れば、浴槽に巨大スキン風船が浮いていたり、トイレの水道管に使用済みスキンが結びつけられていたりで萎え萎えだった。別にもう驚かないし、見飽きてますからっ。

Sさんと近所さんには申し訳なかったが、あまりにも急激に状況が変わって私もビックリで、午前中のヒマさ加減は、まさに嵐の前の静けさというやつだった。

帰る前にゴミ捨てにも行ってくれた近所さんが「はあぁ」と大きなため息をついた。

みかやん「ゴメンねぇ。ダスター上げやらセットやら疲れたでしょう」

近所さん「私、フロント無理!こんなの一日中とか毎日やったら死んじゃう!」

みかやん「私も何度も死にかけたけど、死にはしないみたいだよ(苦笑)」

まぁ私もこのトシでよくやってると思いますわ。フロントになってからストレスなのか一段と太ったけど、大型さんにしろ関取さんにしろ、フロントでバリバリ働いてる女子は皆ガッチリ体型だ。こうも仕事がハードでは、スタミナがもたないからかも知れない。私も目出度くフロント体型か…。

ちなみに、掛け持ちさんと私以外のフロント女性は、揃って巨乳だ。夜フロントさんなんかは特に凄い爆乳トリオで、面接の時に乳の大きさで選考してるんじゃないか?って話。

今後はダイエットより体力作りを考えて、帰宅したらスロトレしよう。


11:00-18:00 点検18+セット+コンテナ移動+ルームサービス他

今日は、朝フロントの関取さん(20代前半・80キロ超)と、朝昼フロントの大型さん(30代前半・170センチ超)と、昼フロントのホスト君(20代前半・女顔の元ホスト)と私の勤務。

出勤途中の地下鉄内に関西弁の親子が居て、子供が突然「オードリーやて!オードリー言うたで」と騒ぎ、母親に「オードリーちゃうわ!大通りや!大通駅やろ。春日なんか居てへん」とビシッと言われていた。

今日の予想最高気温は0度で特別寒くはないが、セットに入ると暖房全開で30度にしている部屋が多く、ドアを開けただけで熱波が押し寄せてきて暑いのなんの。雪祭りに来た観光客が、外の猛吹雪に圧倒されたのだろう。

そういう部屋では洩れなく、ポットで湯を沸かし、お茶やコーヒーや紅茶の暖かい飲み物が飲まれていたので、お湯捨て、食器下げ、Tバッグ捨て等でセットに手間がかかった。でも観光客の方々には、風邪をひかずにお帰り頂けると幸いですわ。

客室にDVDを届けに行くと「安兵衛オジサン」という仇名の常連さんが出て来たが、今日になってその仇名は私の聞き間違いで、本当は”安い部屋にしか入らない”という由来の「安部屋オジサン」であることが分かった。

微笑ましいほど礼儀正しい常連さんを「安部屋オジサン」だなんて、ちょっと酷くない?ま、いいんですけど。

巷の皆さんが雪祭りへ出かけた為か、常に売り部屋が10前後有り、久々にラクな日曜だった。私が一人で作業をしていると、元々面倒見の良いホスト君が「大丈夫ですか?」「どうかしましたか?」と世話をやいてくれて有り難かった。

お客さんが大量に残した蕎麦をどう捨てよう?と悩んでいたら、サッと代わって捨ててくれたり、重いダスター入りの袋を一緒に持ってコンテナに乗せてくれたり、吹雪なのに外へのゴミ捨ても一緒に行ってくれた。

みかやん「ありがとう。何だか”忍びねぇな”だわ」

ホスト君「トータルテンボスでしたっけ?」

みかやん「分かってるなら”構わんよ”って言ってよ」

ホスト君「だって俺、トータルテンボスってあんま好きじゃないんで…」

こんな時、大型さんなら何の迷いもなく「構わんよ」と言ってくれる。私が何の期待もせず仕事中に「有ると思います」と言えば、大型さんは普通に「吟じます!」(天津木村)と言うし、大型さんに「おはよう」と声を掛ければ「ジョニー・デップです!違うか!」(ものいい)と返してくれるのに。

今日なんかは大型さんにいきなり「お前、俳優の高橋だろ?」(キングオブコメディー)と声を掛けられ、返答に詰まった私に、大型さんはすかさず「握手してやるよ」と言うような強者だ。

三人とも大のお笑い好きだが、ホスト君はすべらない話派、私はレッドカーペット派、大型さんに至ってはお笑い番組は完全網羅している。余裕が有ったのですっかりお笑いの話に興じてしまった。

一人で仕事させてしまってゴメンよ>関取さん。

私の昼休みに、仕事を終えた超ベテランメイク女史が「”みかやんが居ると休憩室の雰囲気が悪い”なんてとんでもない。今の方がシーンとしてるしSさんなんか寝てるよ。うちらが一服に行けば喋るけど、うちらが出たらまたシーンだよ。全然みかやんのせいじゃない」と声を掛けて下さった。

近所さんも後家さんも同じように言ってくれて、私は幸せ者だ。だって私、基本的にお喋りだからいつも誰かと話して笑ってたもの。話が合わなくて面白くなかった人が勝手に「雰囲気悪い」と言ったんでしょ。

口を開けば嫌味や悪口しか言わない人と話して楽しいか?って事を考えてほしい。話しかけられれば普通に答えるけど、それに嫌味が返ってくれば普通に閉口するでしょ。

その人「アンタ、Tシャツ2枚も着て寒いの?」

みかやん「病気が今迄と逆の方に悪化してるから寒いんだよね」

その人「あーはっはっ!ひゃーっはっはっ!若いのに…。ひゃはは!」

という事もあった。”病気が悪化してる”と言っているのに何故大爆笑なのか?思い出してムカつきかけたところで、大型さんに「”ホワイト赤マン”て知ってる?アホだけど面白いよね」(5GAP)と話しかけられて気が紛れた。

お笑い好きの大型さんのお陰で楽しい一日だった。ありがとう。



それにしても言葉の力とは恐ろしいもので、打たれ強かったはずの私をこんなにも苦しめるとは予想外で、心が殺された事件以来、何をしていても気持ちがあの日に引き戻される感じ。こんなことなら殴る蹴るの仕打ちを受けた方がまだマシだったかも。

何となくあの日の占いを見てみたら「対人面はあまりよくない状態でしょう。自分自身の責任というよりは、逆らいきれない運気の流れがあるようです。学校や会社では、本当はみんなが悪いのに、なぜかあなた一人が怒られて責任を問われてしまうかもしれません」とのこと。殆ど大当たり。

”対人面はあまりよくない”と言うか、最悪でしたけど”逆らいきれない運気の流れ”って何?と考えた時、それは因果応報とかカルマという流れで、自分のした事は良い事も悪い事も全て自分に返ってくるというなら、いま私がこんなにも言葉の力に打ちのめされているのは、私も誰かを言葉の力で打ちのめしていたということなんでしょね。

多分、上半身裸で黒タイツをはいたモンスターエンジン的な誰かが私に「心ない言葉で他人を傷付けてなかったか振り返りなさい」とか「言葉は時に暴力となることを思い知りなさい」とか「言葉を大切に使いなさい」と言ってるんでしょう。思い知ったわよ(泣)。

(ちなみにモンスターエンジンは”私は神だ”というネタをやってました)

だけど、その一方で”自分の身に起こることは全て自分のプラスになる”ってこともよく言われることだから、いつかは「あの時、あんなに酷い目に遭ったお陰で今は…」と思える日が来るんでしょう。現時点では全く期待できないけど…。

今の私は、そういうことに期待する素直さや、理不尽なことも受け止められるような度量も持ち合わせていない。全く修行が足りんよ。

そんなことばかり考えて日々鬱々と、虚しく過ごしてしまったわけで、突破口のようなものを見つけられずに藻掻いていた。

すると今日、いつも聞いているインターネットラジオ”Hedgehog Diaries”で細美武士氏が「あなたが虚しく過ごした今日は、昨日死んでいった者があれほど”生きたい”と願っていた明日」というハガキを読んだのを聞いて、また打ちのめされた感じ。もちろん今度は良い意味で。

いやぁ全くだ。全くそのとおりだ。こうしちゃいられない!と何故か家の大掃除を始めた(苦笑)。片付けや整理は、そのまま心の整理になるらしいから。実際、私あたりは物凄く単純で、発想も物凄く短絡的ではあるけれど、大量のゴミを捨てたら心も少しスッキリした。

だけど私…片付けやら整理整頓やら掃除やゴミ捨ては、いっつも職場でやってるよね…と思ったら少し笑えたし…。

反省材料が沢山あって、まだまだ藻掻き続けるだろうけど、一つずつやっつけて浮かび上がっていかないとね。過去と他人は変えられないって言葉もあるし、私が大きく成長して変わっていきたいよね。


ラブホ812日目:リング
11:00-18:00 点検25+セット+ポップ入れ替え+コンテナ移動+ダスター上げ+ルームサービス他

今日は、朝フロントの掛け持ちさん(30代後半・バイト3つ)と私の勤務。

出勤すると来月のシフト表が出来ていたので見てみると、出番が14日しかなくて軽く目眩がした。早速、朝メイクさん達にも「メイクの頃は出番20日位でしょ?6日も減ったら給料何万円も違うよね」と同情されたが、2月は28日迄しか無いし、フロント全員の出番が一律14日なので、どうしようもない(哀)。

けどやっぱり死活問題だ。新卒君が時給が高くて時間も長いナイト班へ移りたくなる気持ちが良〜く分かった。私も、またバイトの掛け持ちをするか、全く別の仕事を探すか悩むところだ。

重い足取りで出動すると、平日の午前中は殆ど朝メイクさん2隊と昼メイクさん2隊で本メイク(1部屋約30分)をするが、今日は1隊だけ本メイクで残り3隊がクイックメイク(1部屋15分)だったので、土日並みにセットや点検に追われた。

それに加えて、出張マッサージの他に出張エステも注文出来ることになり、そのポップを客室に入れて回る作業も有り、こんな日に限ってリネン屋さんの到着が異常に早く、平日の昼間だというのに「キョウレツー!(ゆってぃ風)」と叫びたくなる忙しさだった。

バタバタとコンテナ作業をしている間に、更に点検とセットの部屋が溜まり「今日はこんな日なんだ」と諦めた。

セット済みの部屋が無いとメイクさん達が路頭に迷うので、兎に角セットをしていると、またとんでもないゴミ部屋に当たった。テーブルの上が隙間無くゴミだらけだったのでゴミを拾っていると、手に何か「グニュッ」とするモノが触れたのに、パッと見なにに触ったのか分からない。

ソレに触れた指先が妙にヌメヌメしたので、その怪しいヌメり具合にイヤ〜な予感がしてよく見てみると、テーブルの上には透明なシリコンで出来た小さなドーナツ形のモノが有り、その横にあった空箱には”パワフルリング 勃起状態をひきしめて維持”と書いてあって…。

「全くもう!こんなモノを剥き出しで置いておくから、思いっきり触っちゃったじゃないの!」と、半泣きで手を洗った。

だけど、初めて見たモノだったし、こういうモノの説明書を読むのは好きなので「昼休みにゆっくり読みましょ。ぐへへ」と、空箱はしっかりポケットに入れた。趣味ではなくて向学のためにね(照)。

だって、こういうモノが何か分からなくて、手にとって見てみたり、匂いを嗅いでみたり、ドロップ?とナメてみたり(そんなワケない)したら危険だもの。ちなみに今回のコレは”陰茎組織を痛める恐れがあるので、装着時間は絶対に30分以内として下さい”とのこと。

絶対に…だってさ。遅漏の人はヤバくない?いやいや、勃起状態が維持しにくい人が使うモノなんだから、遅漏の人は関係ないんだよ。そうかそうか…って私、誰と喋ってるんだか。精神的ショックから立ち直れないまま、かなり精神が蝕まれてきた気が…(怖)。

取り敢えずSさんも居ないので、一人心の中で「タメになったねえ〜。タメになったよお〜」(もう中学生ふう)と呟いてみたが、やはり一人だと虚しい。

そんな昼休みを終えて出動すると、朝メイクさん達が帰って昼メイクさん2隊になったものの、今度はルームサービスやコスプレの貸し出しばかりで、セットが捗らずまた焦る。

「やっぱり今日はこんな日なんだ」と諦めかけたら、昼メイクさん達が17時半で早帰りになった。気を良くして溜まっていた点検を片付け、作業室へ降りると、一人で残っていたSさんが、セットバッグやゴミを片付けていてくれて、ゴミ捨てまで行ってくれていて感動した。

仕事が全く捗らなくて一時はどうなることかと思ったが、Sさんに助けられてラッキーだった。終わりよければすべてよしってことで、今日もいい一日だった。

Sさんのこと

2009年2月3日 お仕事
心優しい近所さんが、Sさんにも「みかやんがかくかくしかじかで、こういう目に遭ったんだけど、誰かに”みかやんとは働けない”とか”うち無理!我慢してた”とか言ったことある?」ということを遠回しに確認すると、Sさんは「うち、何も言いません!誰にも!」と答えて「わーっ!」と泣き出してしまったそうだ。

近所さんに「休憩室ではみかやんを中心に盛り上がってたのに、居ないから雰囲気悪くて…。こないだの土日だってEさんは一言も喋らなかったし…。Sさんだってみかやんみたいに茶化してくれる人が居なくなったから、休憩室では殆ど寝てるの。Sさんも寂しがってるから、会った時は前のように茶化してあげて」

と言われて、その翌日にまずSさんに「泣かせちゃってゴメンね」と謝った。するとSさんは「いいんです!うちが悪いんです。うちのせいにしていいんです。(それであなたがラクになるなら)うちが悪いってことにして下さい」と大騒ぎだ。

「疑ってたワケじゃないんだよ。支配人の言葉を鵜呑みにしてたら、冗談じゃない!ってアホくさくてそのまま辞めてたもの」と言っても、Sさんは「うちのせいでいいんです。そういうことにして下さい。うちが…うちが…」の一点張り。

Sさんはいつもそうだ。「うちさえ我慢すれば丸くおさまる」とか「面倒なことはうちが引き受ければ相手がラクになる」という自己犠牲精神のもとで何でもかんでも一人で背負い込んでしまう。

そんなSさんは意地悪婆さんの恰好の餌食となっていて、仕事中にアゴで使われたり、不当な八つ当たりをされても愚痴も文句も言わないので、タチの悪い奴には「何でも引き受け、拒否も出来ない便利な子」として、いいように扱き使われていた。

それを何とかしたい!と思っていたけど、私が昼メイクを出たことで頓挫してしまった。Sさんには「何でも安請け合いしちゃダメだよ」とは言ったが、若い分、年寄りには必要以上に気を遣ってしまうらしい。

その件を主犯格の意地悪婆さんに話そうとしたら、話の途中で「Sさんに文句言われるなら分かるけど、アンタに言われる筋合いないわ!」と物凄い剣幕で…。年寄りってのは”人の話を聞く・理解する”という能力が衰えるものだそうだけど、少しでも耳を傾けるように話せなかった私も力不足だった。

私を逆恨みするのは構わないが、またSさんに八つ当たりされても困る。どうしたもんだろう…と思っていた矢先のことだった。私は鬼婆の巣くう昼メイクを出られてラッキーだったが、残してきたSさんが気がかりだ。

Sさんのような人を世間では”リュックサック症候群”と呼ぶそうで、何でも一人で背負い込んで過剰なストレスを溜め込み、いずれパンク…ということも多いらしいので、Sさんが心配でならない。

Sさんも私には少しずつ愚痴みたいなものや、自分の意見のようなものを言うようになってきていた。昨年末、近所家に招待されて、近所さんと近所さんダーリンとSさんと私の4人で焼肉パーティーをして楽しいひとときを過ごした。

その帰り、Sさんのバス時間までに小一時間あったので一緒にバスを待つ間、殆ど自分のことは話さないSさんが、珍しく家族や友人のことを話してくれて嬉しかったのを思い出す。その時の無邪気な笑顔が何とも可愛らしかった(普段のSさんはポーカーフェイス)。

若いんだから職場でだって、もっと自由で無邪気で居たっていいのに…そんなふうに思ったけど、私にはどうすることも出来なかった。それなのに私を不憫に思って泣いてくれたりして…。こんな子を意地悪婆さん達は陰で「クソガキ」とか「あのバカ」と言っているんだから本当に信じられない。

こうして、近所さん、後家さん、Sさんの無実が証明された。

近所さんも「残りの人は聞いたところで絶対に本当のことは言わないと思う」と言うし、私も近所さんが危険を冒して私のように陥れられては困る。相手は有ること無いことでっち上げ、社員さんまで誑し込むという邪悪な合わせ技を持っている。近所さんに危ない橋を渡らせるわけにはいかない。

ぶっちゃけ、婆さん達のことは今更どうでもいい。三人の無実が分かっただけで充分だ。近所さん、ありがとう。Sさんを頼みます。


ラブホ811日目:中国性保健
11:00-18:00 点検24+カラオケ新譜入れ+小冊子入れ替え+セット+コンテナ移動+ダスター上げ他

今日は、朝フロントの大型さん(30代前半・170センチ超)と私の勤務。

月初めなので、カラオケ本に新譜を加えたり、タウン誌を2月号に替えたりという作業はあったが、朝メイクさん達は本メイクをしていて、昼メイクさんは1隊だったので、比較的ラクに進められた。

朝メイクに新人男子(24歳)が入り、一度はココの昼メイクの面接を受けて洩れたが、朝メイクの募集に再び面接を受けて合格したそうで「そんなにまでして、どうしてもココに入りたかった理由は何?」と専らの噂になっていたが、単に家が近所らしい。

ハキハキしていて清々しい若者で、今後に期待特大だ。

月曜は最上階の本メイクの日で、ベッドメイクの後に私達フロント係が点検して戸締まりをして売り部屋にするが、最上階は天井が高く、低身長の私は窓のロールカーテンやシェードを引く紐に手が届かない(泣)。その点、大型さんは私と身長が20センチ違うので、楽勝なんだろう。羨ましい。

私は最も手強い最上階の5号室の点検に入ってしまい、まずベッドに乗って、鏡の前の台に足を掛け、窓枠に乗り、やっとの思いでシェードを下げた。ん?ってことは、もしもお客様が小柄なカップルだったら、一度シェードを上げたら下げられないってことじゃないか。

紐、長くしてよね…と別の部屋でもシェードの紐に手が届かず、ふと天井を見上げたら、何故か天井にだけ茶色いシブキが点々とついていて、壁の上部は綺麗なまま。薄暗い部屋で血しぶきみたいなシミを見て怖くなり、社員さんへ電話をして逃げるようにその部屋を出た。

気分を変えてセットをしようとドアを開けたら、キツいオヤジ臭が漂った。そう言えば、さっきこの部屋にルームサービスを届けた時、オヤジ臭と共にパンツ一丁の60代男性が出てきて、渋い声で「サンキュー」と言って下さったけど、臭いから出来ればこの部屋にはセットに来たくない…と思ってたんだった。

忘れてた(泣)。仕方なくセットを始めると、テーブルの上に妖しげな薬らしきモノの空箱が有り、”中国性保健”何とかと書いてある。直訳すれば「中国の性の健康」?効能書きも全て中国語で書いてあってワケが分からないが、所々に淫靡な文字が…。

効能の所には、促▲生殖器第二次▲育、提高男性睾丸▲再造能力、▲▲萎早泄、勃起不▲、生殖器短小具有明▲、等と書いてある。中国の文字の部分は読めないが、充分だ(笑)。何て分かり易い!中国のバイアグラ的なモノなんだろう。

それにしても、勃起不全とか早漏は分かるけど、短小にも効くのかい?へえぇそうなんだ…って自問自答しながらも、私は妙に”萎+早+泄”という文字の組み合わせにシビれてしまって、暫く一人で半笑いしていた。

ちなみに成分は、鹿の何かと、牛のどこかと、羊の睾丸らしい。

お客さん、面白いゴミを残してくれてありがとう♪でも、部屋はオヤジ臭がキツくて暫く売れそうもありませんから。残念です。

朝メイクさん達が帰った後で4P部屋が空いたのですぐにセットをすると、追いかけるようにSさんと近所さんがベッドメイクに来た。

Sさんに「担当の方々の為にすぐセットに入りましたよ。”早く行きたいのに、まだセット入ってない!”と怒られると困るんで(笑)」と言うと、Sさんは以前と同じように「うち、怒んないですよー!」「ここはすぐセット入らなくていいんです!」「うち担当じゃないし」と大騒ぎだった。

Sさんの誤解は解けたものの、イマイチ私がSさんを茶化しきれてないというか、自分でもぎこちない気がした。

セットを終え、さて次は何号室へ行こう?とモニターを見ると、部屋のどこかが故障していたり、オヤジ臭が酷かったりで売り止め(通称:トメ)になってる部屋が多く、以前こんな時はいつもSさんと・・・。

みかやん「トメになったねえ〜」

Sさん「トメになったよお〜」

・・・と”もう中学生”風にはしゃいでいたけど、それがもう遠い昔のことであったような気がして、何だか寂しかった。いやいや、無実だったSさんに対して私がわだかまっててどうする。次回は思いっきり茶化して差し上げましょっと。


11:00-18:00 点検23+セット+ダスター上げ+ルームサービス他

今日は、朝フロントの掛け持ちさん(30代後半・バイト3つ)と、朝昼フロントの大型さん(30代前半・170センチ超)と、昼フロントのホスト君(20代前半・女顔の元ホスト)と私の勤務。

通勤途中で駐車場入口が”満室”の表示になっているのを見てしまい、慌てて出勤したにも関わらず、お客様方は一気にお帰りになり、今週もコンビニボックスへ補充するドリンクやアダルトグッズ等が買い物かご2つにもなり、てんやわんやの退室ラッシュになった。

飽きるほどセットをして1時間後には落ち着き、昼休みに入る朝メイクさん達や超ベテランメイク女史が「今朝は大変だったでしょ」と労って下さり「みかやんをこんなふうにした人が、今にココに居られなくなるから頑張るんだよ」と激励して下さり、本当に有り難かった。

作業室でセットバッグを片付けていると、社員さんにコスプレを届けるよう言われ、手渡されたのはあまり人気の無い”長襦袢”だった。

ホスト君「うわ!何ですかソレ?意味分かんない!そんなの借りる人いるんですね」

みかやん「長襦袢さ。あんまり貸し出されてるの見かけないけど、和室には合うんじゃないの?」

などと話して長襦袢を届けると、部屋から出て来たのは50代女性だったので、何となく納得した。セーラー服やメイド服だと、さすがに怯む。

だけど時々、セーラー服をご用命の50代や60代女性もいらっしゃり、そういう女性を老昼メイクさん達は「”ミヨちゃん”だべさ」と言っていて、昭和40年代に加藤茶さんが「僕の可愛いミヨちゃんは〜(中略)前髪垂らした女の子。あの子は高校二年生♪」と歌っていたそうだ。

それ以来、私はコスプレ回収で50代や60代の女性がセーラー服をご返却下さった時は、心の中で「ミヨちゃんだ!懐旧の念にかられたのね」と思ってしまう。せっかくなので男性用に学ランも有ればいいのに。それもROOKIES風のと舟木一夫風…って例えが古すぎるでしょう。要はワル系と真面目系ってことで。

学ランが有ればホスト君も、セーラー服姿のオッサンに怯むこともなかったかも…でも、そういうオッサンは学ランが有っても見向きもせずセーラー服を借りて、やっぱりホスト君は「ぐはっ!」となったんだろう。

次に作業室へ降りた時は、回収された”ハロウィン”という名の魔法使い風のコスプレが有り、すかさず大型さんのツッコミが入った。

大型さん「ほんとコレ、意味分かんないよね。こんなつばの広い帽子かぶって、どうするんだか。どうだって言うの?コレを借りる人の意図が全く分かんない!」

みかやん「分かんないよねぇ。あと”忍者”なんかも設定が難しそうじゃない?連れが勝手に借りたとしてもリアクションに悩むよね」

大型さん「悩んで気が散るわ!こんなんで萌える男の気が知れないよね」

大型さんたら、気が散るほど悩まなくても…。やはりコスプレはセーラー服やナースやOLあたりが無難なのかも。ちなみに私が個人的にオススメなのは”クラブドレス”で、なかなかセクシーだ。

夕方からの退室ラッシュが始まって、コスプレ談義に夢中になってもいられず、セットに追われた。

急いでいる時に限って、浴槽の幅広い蛇口にスッポリとスキンが被せられていたのが外せなくてイラついたり、貸し出した追加の枕が「腰に当てて行いました」と言わんばかりにベッドの中央にあって生々しさに萎えたり、コスプレやDVD等の回収に忙しく、相変わらずセットは捗らなかった。

帰りにホスト君が「はぁ〜、もう疲れた!ホントやだ!満遍なく忙しかったらいいのに、朝と帰りばっかりバカみたいに忙しくて。この仕事のこーゆーのホント嫌い!俺もうヤダ!」と、珍しくボヤきにボヤいていた。

ホスト君て、そういうことが気にならない人だと思っていたけど、なぁんだ私と同じじゃん、みんな同じように思って仕事してたのね…と思ったら、一段と気持ちがラクになった。

来週もホスト君と頑張ろう。少しでもホスト君がラクできるよう、私がもっと頑張ろう。


11:00-18:00 点検21+セット+セットバッグ上げ+ルームサービス他

今日は、朝フロントの大型さん(30代前半・170センチ超)と掛け持ちさん(30代後半・バイト3つ)、朝昼フロントの関取さん(20代前半・80キロ超)、昼フロントのホスト君(20代前半・女顔の元ホスト)と私の勤務。

今日もフロントがフルメンバーで、社員さんが一人少ない為に大型さんがフロントと作業室が有る2階に残ることになった。朝から売り部屋が少なくて忙しかったが、大型さんが2階でドリンクの補充やコンテナ移動、セットバッグ片付けもしていてくれるので物凄く助かる。

優先的に売り部屋にしなければならない露天風呂付きの部屋が空いたので、セットへ向かおうとするとホスト君と鉢合わせになった。一瞬、私の方が早かったので「露天でしょ?いいよいいよ、私が行くから」とセットに入ったら、足の踏み場もない程のゴミの山だった。

やられた…これは大荒れの部屋専門のホスト君が来るべき部屋だった(ホスト君はいつもとんでもない部屋にばかり当たる)…と思うが遅かりし。

空き缶十数缶を拾い、散乱したティッシュを拾い(汚)、食い散らかされた残骸を片付けるとゴミ袋が4袋分にもなり、その他にもルームサービスの食器等も有った。千手観音でもない限り一度で運べる量ではない。

そこへベッドメイクに来た近所さんが、見かねて大量のゴミをエレベーターホールへ運んでくれたではないか。全く有り難いことだ(感涙)。

次の部屋でセットをしていると、今日が最後の勤務となった後家さんがベッドメイクに来て、凄い早さでセットを手伝ってくれた後「みかやん、お世話になりました。ありがとうございました。また遊びに来てね」と声をかけてくれた。

「私の方こそありがとう!また遊びに行くから♪」と答えると「もう少しココで頑張るんでしょ?調子悪いのに大丈夫?身体に気を付けて頑張るんだよ♪」と言ってくれて、その傍らでSさんがニコニコと微笑んでいたのが印象的だった。

なんか今日はいい日だ。後家さんが辞めるのは寂しいが、また頑張ろう!と気をよくして部屋を出ると、廊下に男性のはしゃぐ声が響いていた。

振り返ると、長身の若い男性二人がそれはそれは仲むつまじくじゃれ合いながら、廊下の奥の部屋へ入って行くのが見えた。

今時の男同士カップルは実にオープンだ(驚)。

満室になって落ち着いたので作業室へ降りると、ゴミ袋折りをしていた近所さんがツツツと寄ってきて「また貰った肉が有るの。明日持ってくるから食べて♪」と言い、私は「じゃ私は鬼のお面付きの豆を持ってくるから、ダーリンと豆まきして♪あとダーリンの好物(イクラ)も持ってくるね」という話をした。

近くに老昼メイクさんが居たが、どうせ耳が遠くて聞こえてないだろうと、近所さんも私も割と普通に話していた。

そこで1部屋空いたので、私はセットへ、近所さんと老昼メイクさんはベッドメイクへと三人で同じ部屋へ向かった。セットを終えた私が部屋を出ると、またも廊下に男性のはしゃぐ声が響いていた。

もしや?と振り返ると、やはりさっきの男同士カップルが一段と楽しそうに「あはは!」「ひゃはは!」と、もつれ合いながら廊下を歩いてきていた。ラブラブだなんてもんじゃない。愛を確かめ合ってきたばかりだろうし、歓びでいっぱいなんだろう(照)。

男同士のカップルにここまで熱々ぶりを見せつけられるとは…。

すっかり毒気(?)に当てられて別の階へ逃げると、丁度また露天風呂付きの部屋が空いたので、そちらへセットに入った。

泊まり明けと違って休憩明けだったので部屋は綺麗だったが、露天風呂の底にバスタオルとバスローブが沈んでいて、網を引く漁師さんの気分でソレらを引きずり出したものの重い重い。

ジャブジャブのまま回収してセットバッグへ詰め込むワケにもいかず、足で踏んで水気を絞りながら、漁師さんかぁ…フロントX君は元気だろうか?…彼がココをやめてもう1年経ったんだぁ…今もあの笑顔があったらも少し元気だったかなぁ…などと油断するとすぐ気持ちが楽しかった過去へと退行してしまう。

前進あるのみ!と自分に言い聞かせても、どうにも気持ちが定まらない。今回ばかりは、あたしゃホントにヤバいんじゃないか?と不安になってきた。
近所さんが、早速後家さんに真相を確認してくれた。

近所さんの話によると、後家さんは「支配人にも社員さんにも、みかやんのことを聞かれたことは無いし、私は誰よりみかやんにはお世話になったし、一番感謝してるから間違ってもみかやんを悪く言ったりしない。ただ、ある人に”みかやんが後家さんを物凄く悪く言ってたから気を付けな”と言われたことはある」って話。

近所さん「後家さんは、みかやんの身体のことを心配してたよ。”ずっと体調悪いって言ってたのにフロントなんかして大丈夫なの?”って」

みかやん「そうだと思った。私に”後家さんがみかやんを仕事の鬼だとかバカ丁寧だとかって文句言ってたよ”って言ってきた人と同じ人の仕業だと思う」

近所さん「みかやんを悪人に仕立て上げる為に、そんなふうに吹き込んだんだろうさ。子供じゃないんだから、誰と誰が仲良くしようが関係ないのにね」

つまんないことの為に、この仕打ちはあんまりだよ。有ること無いこと言って画策してるのは、そっちでしょ!

その後、すぐに後家さんからも電話がきた。

後家さん「いやぁちょっとぉ!おっそろしい職場だねぇ!私も色んな所で60過ぎの鬼ババに酷い目に遭わされたけど、こんなに酷いのは初めてだもんね。近所さんから聞いて私もなんもびーっくりしてさ。恐ろしいわぁ。みかやん、身体は大丈夫なの?私は心配で心配で…でも声も掛けられなくてゴメンねぇ」

みかやん「いやいやなんも。ありがとう」

後家さん「結局さ、僻みでしょ?みかやんが居ると色んな面で自分が一番になれない、みかやんが居れば誰も自分をチヤホヤしないって理由でしょ?呆れるよねぇ。私は、みかやんとSさんとか、みかやんと新卒君の話を聞いてるだけで充分楽しかったけど、その人は自分が話題の中心じゃなきゃ気が済まないんでしょ?」

後家さん「”みかやんが居ると休憩室の雰囲気が悪い”なんて、よく言えたもんだよね。みかやんが居なくなってから休憩室なんかお葬式状態だよ。最近になって少し年寄り同士で話してる程度だもの。今は一応私も在職中だから言えないけど、月末で辞めたら私が聞いたこと知ってること、みんな教えるからまた遊びに来て」

とのことで、後家さんとも誤解が解けて良かった。

後家さんは昨年の11月に入った新人さんだが、60過ぎの女性が大の苦手で、入って早々から「今日はあの人にこう言われた。あの人にこんな態度をとられた」と何度も電話を貰ううちに親しくなった。

その後、後家さんがみんなに「私、みかやんが大好き♪みかやんは素晴らしい」と言っていたので、「とっても嬉しいんだけど、そう聞いて面白くない人も居るわけだから、みんなの前では勘弁して」と、お願いしたこともあった。

後家さんとは同じ区内に住んでいて家も近いので、休みが合えば後家さん宅へ遊びに行ったりして、色んな話をした。

ベッドメイクの仕事がキツいこと、一日じゅう二人で顔を付き合わせて働くことに馴染めないこと、60女の意地悪が気になって仕方ないこと等を打ち明けられ、後家さんの退職の意思に同意したのも昨年のことだ。

私は随分前から退職理由を知っていたのに、後家さんが退職することまで私のせいになってるんだから笑うしかない。

後家さん宅へ遊びに行く度に激しくもてなされ「私には最悪の職場だけど、みかやんみたいな人が居てくれて、それだけはラッキーだった」とまで言ってくれていた後家さんが「みかやんとは一緒に働けない」等と言うわけがない!と思っていたら、やっぱりだ。

後家さんが退職してからまた遊びに行くことになった。どんな話が聞けるか、或る意味楽しみ。

本当に恐ろしい職場だった。私はあの魔窟を脱出できて良かった。


11:00-18:00 点検26+セット+コンテナ移動+ダスター上げ+ルームサービス+電球交換他

今日は、朝フロントの掛け持ちさん(30代後半・バイト3つ)と私の勤務。

朝1で社員さんに「××3号室の洗面所の電球が切れているので交換して下さい」と言われ、物凄く緊張した。私は高い所が全然ダメで、洗面台の高さでギリギリのギリだからだ。

ベッドメイク係の頃も、本メイクの時は洗面台に乗って鏡を天辺から拭かねばならなかったが、へっぴり腰で洗面台に乗り、チャチャッと済ませ、それだけで命からがらという感じだった。だけど、電球交換はチャチャッというわけにはいかない。

シェードのネジを外して電球を外して…と、やっている間に気が遠くなってきて、洗面台を降りた頃には汗だくで心臓がバクバクいってた。電球交換もフロントの仕事なのだが、ホント勘弁してほしい(願)。

続いて、貸し出し用のシャンプー&リンスを届けるよう社員さんに言われたが、怖い思いをした為に手が震えて、カゴの中のシャンプー&リンスがカタカタ鳴って恥ずかしかった。

さて、セットと点検を!と思うが、コスプレやその他のレンタル品の貸し出しや回収ばかりで、一向にセットや点検には着手出来ず。私がこうしている間に、掛け持ちさんがセットと点検をしているだろうと思ったが、掛け持ちさんもコスプレやヘアアイロンを持って走っていた。

最近のお客さんは借りすぎ頼みすぎ。や、いいんですけど…。

或る客室にメイドのコスプレを届けてやれやれと思ったら、衣装変更とのことでナース&医者のコスプレを届けると、若い男性が出てきて「えっ?俺のも有るの?あはは!すげっ!」と大ウケで、女性がコッソリと男性の分も注文したらしい。こんなに喜んで頂けると何だか私も嬉しくなる。

心の中で「メイドでもナースでもどっちでもいいじゃん!つか、一度で決めてよね!」と思ってたことは内緒ってことで…。

よし、点検開始!と思ったら、今度はクレジットカード払いのお客様に当たり、客室でカードをお預かりして、フロントで決済し、客室へ戻ってサインを頂き、控えとカードをお渡しするという面倒くさい工程だが、ふと見たら目にも眩しいゴールドカードじゃないの!

そういやさっき、私の大好きなお金持ちの香りがしたわ♪と思わずウットリ。

ウットリしてる場合じゃない。完全に仕事が押している。おまけに掛け持ちさんが昼休みに入って私一人だ。キョウレツーッ(ゆってぃ風)!と呟きながら大慌てでセットと点検をした。

こんな日に限ってリネン屋さんの到着も遅く、いつもならコンテナ作業をして、ダスターを各階に配って15時から昼休みに入るが、今日はリネン屋さんが到着したのが15時半。掛け持ちさんは16時で帰るので、16時から何もかも私一人でやらなきゃならない。

リネン屋さんに新人さんが入って大変だったようだし、こんな日もあるさ。だけど「ちっちゃいことは気にすんな、それワカチコワカチコ(またゆってぃ風)」と、自分に言い聞かせても虚しい気が…。

昼休みを終えて16時に出動すると、点検とセットの部屋がゴッソリたまっていて、ダスターはコンテナに入ったまま。こんなんで18時に帰れるんだろうか?と先が思いやられたが、17時から昼メイクさん達がベッドメイクを止めてリネン折りを始めてくれて命拾いした感じ。

その隙にガーッと点検してバーッとセットしてワーッと片付けた。

以前はフロントの仕事はあくまでも”手伝い”と思っていて、手伝いなのに何でこんなに精神的に追い詰められて、ハードな思いをしなきゃなんないの!と被害者的な意識が強かったが、昼メイクを出てからは当然のように「これが私の仕事」と腹を括った。

それ以来、かなり気持ち的にはラクになったが、これからだって今日みたいな仕事が押せ押せで巻き巻きで急がなきゃならない日もある。けど、みんな懸命に仕事をしていて誰のせいでもない。

忙しいなんて一瞬のことだ。色んなことに巻き込まれて仕事が捗らなくても「ちっちゃいことは気にしない、それワカチコワカチコ」で乗り切ろう。ありがとう、ゆってぃ。馬面の人、結構好きです。


ラブホ807日目:伯爵
11:00-18:00 点検25+セット+コンテナ移動+ダスター上げ+シーツ&ホーフセット作り他

今日は、朝フロントの関取さん(20代前半・80キロ超)と私の勤務。

出動してすぐ4P部屋にルームサービスを届けに行って、部屋から出てきたお客様と同時に「あ!」となった。ドラキュラ伯爵役で有名なクリストファー・リー氏によく似た男性で、私が心の中で”4P伯爵”と名付けたお客様だ。

約8ヶ月ぶりにお目に掛かったが、今日も元気に4Pでいらっしゃる。4P伯爵がお見えになると、ルームサービスだ、リネン類の追加だ、スキンの追加だと同じ日に何度もお部屋へ足を運ぶことが多く、その度に「あ、こりゃまたどうもどうも」的なフレンドリーなご挨拶をして下さる。

私のことを覚えていて下さったようで「あ、どうもどうも久しぶり」的なご挨拶をされてしまい、今日も2度3度となると気恥ずかしい感じになりそうだ…と思っていたら、本日2度目のルームサービスは関取さんが行ってくれて一安心だった。

みかやん「いま4P部屋へ行って来たんでしょ?あのお客さん、いっつも4Pだよね!」

関取さん「よく見かけるお客さんですけど、いつも4Pかどうかは気付きませんでした」

みかやん「や、絶対3人か4人なのさ。あのお客さんが小さい部屋で2人なんて見たことなくて、必ず広い部屋に3〜4人なんだよ。もう男女が1対1じゃ満足出来ない人なんだと思う。今度、何か届けに行ったら玄関に靴が何足有るか見てごらん、絶対2足じゃないから。もう1対1じゃ出来ない人なんだよ!」

私がフロントから離れている間もずっと4P伯爵としてココをご利用頂いていたことが嬉しくて、つい興奮してしまい、関取さんに笑われた。

気を取り直して点検を始めた。点検の時は、エレベーターホールに予め用意しておいたコンビニボックスへの補充品を持って部屋へ行くが、リストには”××5号室 ミズ ジュウロクチャ”と書いてあるのに、エレベーター前には何故か、水とローターが置いてあった。

こんな恥ずかしい過ちを犯すのは私しか居ない(照)。

実は以前にも一度、”ジュウロクチャ”と”ジュエルロータ(ローターの商品名)”を読み間違えて用意したことがある。脱力しながらローターを手に作業室へジュウロクチャを取りに戻ったところを不運にも関取さんに目撃された。

関取さん「あれ?どうかしたんですか?」

みかやん「それがその…ジュウロクチャって書いてあるのに、私ったらジュエルローターを用意してしまって…パッと見、似てるよね?印字薄いし…」

関取さん「あはは!確かに”ジュ”と”ロ”が、かぶってますよね」

と、また関取さんに笑われてしまった。いやいや、笑って貰って嬉しいですヮ。なんせ今日は、朝メイクさん達がお昼で早帰りしてしまうほどヒマですから。関取さんと楽しく仕事が出来て何よりでしたわ。

夕方、若い男性が深夜フロントの面接に来ていた。新卒君(20代前半・意欲的で勤勉)の後輩になるかも知れないのでチラ見していると、「前のホテルでは”ハガシ”を専門にやってました」と言い、支配人に「そのハガシというのが、こちらのフロント係のメインの仕事になります」と言われていた。

「ハガシ」という言葉を聞いたのは何年ぶりだろう?無性に懐かしかった。

ベッドメイク係より先に部屋へ入って、ゴミをまとめたりベッドのカバー類を剥がしておいたり、風呂の湯を抜いておくことをココでは「セット」と言うが、ラブホQでは「ハギ」、ラブホPでは「ハガシ」と言っていた。

ちなみにモニター上では、ココではセット済みの部屋は「S」と表示されるが、ラブホQとラブホPでは「は」と表示されていた。

・・・・・(泣)。

あぁダメだ。毎度のことながら、ラブホQでの楽しかった日々を思い出すと、ホームシックにも似た懐かしい気持ちで胸がいっぱいで切なくなる。ココで辛いことがあると、思い出すのはラブホQで一緒だったO君やトドしゃんのことだ。

イカンねぇ。こんなことじゃイカンよ>自分。ココでもまた一から楽しい想い出を作っていこう!と考えなきゃ。幸い、フロントの同僚には物凄く恵まれているじゃないか。しっかり前を向いて進んでいこう。前進あるのみだ。



昨日の仕事の帰り、近所さんが私を待っていた。「お疲れ様です」と言って通り過ぎると「待って!どうして私を避けるの?いったい何がどうなってこうなったの?」と追ってきたが、支配人に口止めされているので口ごもった。

近所さん「三連休明けで出てきたら、シフト表からみかやんの名前が消えて、辞めたUさんの名前が入ってて、何が何だか分からなくてEさんやCさんに聞いてもはぐらかされるの!いったい何があったの?話して!」

みかやん「おっかしいよねぇ。知らないわけないのに…」

近所さん「休憩室でも誰も何も喋らないし、あんなに酷かったEさんのUさんに対する悪口がピタリと止まって、自分の隣にUさんを座らせたりしてるし、私はみかやんに避けられてるみたいだし、本当に何が何だか分からないの!どうなってるの?」

近所さんの必死な様子に私は混乱した。こうなると私の方が何が何だか分からない。

みかやん「12日に支配人に”あなた、昼メイクさん全員にもう一緒に働けないって言われちゃったけど、どうしようねぇ”って言われて意味分かんなくてさ」

みかやん「支配人が”あなた、人の悪口を言い過ぎるし、有ること無いこと言いすぎる。あなたが居ると休憩室での雰囲気も悪い。だからもうあなたとは働けないって”って言うから”その言葉そっくりそのまま向こうにお返ししたいです”って言ったの」

近所さん「はあぁーっ?何それ!ひっどい!私、そんなこと言ってないし言うわけない。Sさんも後家さんも、そんなこと言うわけないよ!嘘だ!」

みかやん「でしょう!私もそう思って”近所さんやSさんや後家さんもそう言ったんですか?”って何度も聞いたよ。でも支配人は”うち無理”とか、Sさんから直接聞いたような口ぶりで…」

近所さん「無い無い!Sさんなんか誰より支配人を恐れてて、世間話を振られただけで声うわずってテンパるのに、そんなこと支配人に言えるわけないし、みかやんのことをそんなふうに言うわけもないって」

みかやん「私もそう思った。だけど支配人は私のことを”トラブルメーカー”だって頭ごなしで反論も聞いて貰えなかったよ」

近所さん「ホント酷い。Uさんなんか私が入ってから何回トラブル起こした?いつもEさんやCさんを怒らせて…挙げ句の果てにブチギレて早退して辞めるような人のことをトラブルメーカーって言うんじゃないの?そんな酷いこと言われて一人で耐えてたなんて…。すぐ話してくれれば良かったのに…」

みかやん「私なりに後輩達とは信頼関係を築いてきたつもりで、あとは上との橋渡しを…って頑張るつもりだったけど、トラブルメーカーなんて言われたらもう何もかもMAXめんどくせぇ!ってなって…」

近所さん「私だったら辞めてたかも。でもみかやんが辞めないでいてくれて良かった。私が何も知らないうちにみかやんが辞めてたりしたら、そんなの絶対イヤだったもん」

みかやん「支配人の言葉を真に受けたら辞めてたかも知れないけど、支配人の言葉より近所さんやSさんや後家さんを信じたかったから辞めなかった。もし本当だったらきちんと謝罪してから辞めたかったし…」

近所さん「そんなこと有るわけない!みかやん、誰かにハメられたんだわ!うちらが外でも会って遊んでるのを知らない人が勝手に”昼メイク全員”なんて言ってるんだわ。支配人は誰に騙されてるんだか…あの人とあの人しか居ないっしょ!私、確かめてみる!」

みかやん「や、支配人に”言った言わないでモメられると一番困るから蒸し返さないでくれ”みたいに釘を刺されたの。近所さんの気持ちが分かっただけで充分だよ。ありがとう」

近所さん「何それ?会社ぐるみでみかやんをハメたってこと?それとも支配人のパワハラ?確かめられると困る人が居るから、釘刺したんじゃないの?みかやんがこんな酷い目に遭わされて黙ってたんじゃ私の気が済まないわ!陰で有ること無いこと悪口ばかりなのは向こうでしょ!私に任せて!」

近所さんはなんていい人なんだろう。近所さんと出会えて良かった。ちゃんと信頼関係が築けていて本当に良かった。なんだかんだ私は強運だし、友達には最高に恵まれている。ピンチの時はこうして手を差し延べてくれる人がいる。私は幸せ者だ。

ということで少しずつ心の整理をしていかなては…。殺された心を成仏させなければ…。


11:00-18:00 点検21+セット+ダスター上げ+ベッドメイク手伝い他

今日は、朝フロントの掛け持ちさん(30代後半・バイト3つ)と、朝昼フロントの大型さん(30代前半・170センチ超)と、昼フロントのホスト君(20代前半・女顔の元ホスト)と私の勤務。

出動前から満室で、11時の退室ラッシュは凄まじいものになった。お客様が客室で会計ボタンを押すのと連動して、作業室のプリンターからはコンビニボックスから売れた物の商品名と部屋番号が印字されたレシートが出てくる。

11時から出勤の私達は、そのレシートを見ながら冷蔵庫からドリンクを出し、棚からアダルトグッズや日用品等を用意するが、あまりにも一斉にお客様がお帰りになった為に、プリンターの印字音は鳴りやまず、何メートルもレシートが出てきて、かなり怯んだ。

買い物カゴ2つにギッシリと補充用のドリンクや日用品を詰め込み、ようやく出動して哀しいかな自らセット地獄へ堕ちていくことになる。それでも、夕方の退室ラッシュと違って、11時のラッシュはフロントが4人居るので、ふと気が付くとまた満室になって落ち着いていたりする。

その間に、回収してきたリネン類が入ったセットバッグをバラして作り直したり、回収してきたゴミをまとめたり、ルームサービスの食器を片付けたりするが、フロントが揃うのでその時に「今日こんなお客さんが居た」とか「とんでもない部屋に当たった」とか言う話になる。

みんなでルームサービスの話をしていたら、ホスト君が「俺、前にラーメンの出前を客室に届けに行ったら、コスプレのセーラー服を着たオッサンが出てきた時があって、最悪でしたよ」という話をしてくれて、一同大笑いした。

「あはは!私だったらラーメンひっくり返したかも?」とか「そん時のギョッとしたホスト君の顔を想像したら可笑し過ぎる!」と大ウケだったことに気を良くしたのか、ホスト君も「俺、この話ちょっと自慢なんです」と誇らしげだった(笑)。

お陰でこれ以降はルームサービスを届ける度に笑いがこみ上げて苦しかった。

大笑いしたのも束の間、一人が昼休みに入り、一人がセットへ行き、一人が点検へ行き、残った私が一人でダスター上げを始めると、今日も超ベテランメイク女史が「こんなの一人でなんかやらせられないよ。腰悪くするって」と手伝って下さった。

メイク女史は一昨年に腰の手術をしたが治りきらず、今も痛む腰を騙し騙し仕事をしているので「いえいえいえ。メイク女史が一番腰が悪いじゃないですか」と言っても手伝って下さる。そういう私も早速腰を痛めたので、素直に甘えてしまって全く面目ない。

夕方からの退室ラッシュを迎え、忙しくてホスト君の「セーラー服オヤジ」の話も忘れた頃、社員さんから「××3号室。DVDとシャンプーリンスの回収をお願いします」との指示があり、××3号室へ行くと黒のビキニパンツ姿の男性がDVDを片手に出てきた。

貸し出し品は退室前にご返却頂くことになっているので、回収に行くと大抵のお客様は服を着て帰り支度をしてらっしゃるというのに、ビキニパンツ一つって。しかも大柄でスキンヘッドでド迫力で怖いんですけど…。

と思いながら「恐れ入りますが、シャンプーとリンスも…」と言いかけると、男性はクルリと後ろを向き、部屋の中に居るお連れ様に「ねぇ!シャンプーとリンスもだって」と声を掛けたら、ビキニパンツがTバックというか、尻にくい込んだ状態になっていて…。

まるで、くまだまさし。

必死で笑いは堪えたが鼻水が吹き出た。

17時を過ぎてホスト君と二人になってから、また大変な忙しさに見舞われたが、くまだまさしや想像上のセーラー服オヤジの姿が目に浮かんできて、笑えて仕方なかった。

不謹慎だが、忙しすぎることに被害者意識のようなものがはたらいて泣きそうになったり、忙しすぎることにぶつけようのない怒りを感じて「キーーーッ!」となったりするより全然マシじゃないか。

楽しく働けて良かった…というか忙し過ぎて壊れたかも(笑)


11:00-18:00 点検15+セット+ルームサービス+メイク手伝い他

今日は、朝フロントのホスト君(20代前半・女顔の元ホスト)と掛け持ちさん(30代後半・バイト3つ)、朝昼フロントの関取さん(20代前半・80キロ超)、昼フロントの大型さん(30代前半・170センチ超)と私の勤務。

4連休明けで物凄く久しぶりに出勤した気分。私が今も独身であれば傷心の一人旅に出ていたところだが、そうもいかず。というか4連休のうち二日間は腰痛で動けず、昨日買った腰椎ベルトを装着して出勤。給料日前のベルト代4000円はイタい出費だった。

連休中に腰の痛みが引いてから、あらゆる腰痛体操やストレッチをしてみたが、明らかに身体が鈍っているのに出勤したら土曜で、出動してすぐに満室になって忙しい。大丈夫なんだろうか?自分…と不安になった。

ところが今日は社員さんが一人少ない分、フロントがフルメンバーで、朝フロントで出勤したホスト君が作業室での作業を一手に引き受けてくれたお陰で大助かりだ。安心してセットや点検に没頭できる。

気を良くしてセットに入った部屋は、ハンパない発酵臭に包まれていた。テーブルの上にビニール袋が有り、その中に白いモノが捨てられていて、匂いはそこから漂っているようだ。手にとってみるとズッシリと重く、漬け物のような匂い…なんだろう???

紙おむつだよ!

恐ろしくて、大人用が1枚なのか子供用が2枚か複数枚なのか、確かめてみる気にもならないしとにかく臭い。

子連れ客の仕業なら部屋はもっと散らかっていて、子供の食べ残し等も有るハズだが、部屋は綺麗でゴミはティッシュ類と紙おむつのみ。こんな所のベッドでわざわざ介護をするとも思えない。やはり、そういうプレイだったのだろう。

萎えながらその部屋を出ようとすると、隣の部屋から若い男女が出て来た。絵に描いたようなチャラ男とギャルという組み合わせ。その二人が立ち去ってから部屋を出ると、廊下がチャラ男の整髪料かフレグランスの香りで充満していた。

廊下に消臭スプレーを撒き散らし、おむつ部屋にも消臭スプレーをしてから、チャラ男が出てきた部屋へセットに入ると、臭いなんてもんじゃない。そこへ朝メイクさん二人がベッドメイクに入ってきて、口々に「うわっ!くさっ!」「何コレ!」と叫んで絶句した。

みかやん「この部屋から凄いチャラ男が出てくるのを見たんだけど、チャラ男はチャラ男でも、なんつーの?清潔感が無いっつか汚い系のチャラ男?」

朝メイクさん「あー分かる分かる!居るよね、汚いチャラ男!汚くて臭いから香水でも浴びたのかい?逆に臭いわ(笑)」

などと話しながら満室なのでベッドメイク手伝いをしていると、食器類が無くなっていることに気付いた。さっきのギャルが勝手にお持ち帰りになったらしい。チャラ男もチャラ男ならギャルもギャルだ。

朝メイクさん達が部屋を出てから点検をして部屋を売るが、臭くて暫くは売れそうもない。満室の時に、こんな理由ですぐに売れない部屋に当たり、なんだかなぁと思って一段と萎えた。

満室のまま落ち着いたので、作業室でホスト君や朝メイクさん達と和気藹々とゴミ袋折りに勤しんだ。忙中閑ありというやつだが、その僅かな時間を若者チームと過ごせて楽しかった。やっぱり若い子達はイイ!…しみじみとそう思う今日この頃だ。

17時過ぎから、売り部屋もセット部屋も無く、点検しなきゃならない部屋は増え、焦って走り回った。業務用エレベーターを待っている間ももどかしく、客用エレベーターに乗ったら、昼間のチャラ男臭が充満していた。

ったく、どんだけなんだか…思わず笑えてしまった。

今日、初めて腰椎ベルトというものを装着して仕事をしてみたが、かなりイイ感じに腰がラクだった。明日は給料後の日曜でもっと忙しいハズ。明日もしっかり装着して頑張ろう。


ラブホ804日目:外界
11:00-18:00 点検15+セット+セットバッグ上げ+コンテナ移動+ダスター上げ+ルームサービス+回収他

今日は、朝フロントの関取さん(20代前半・80キロ超)と私の勤務。一昨日と昨日の忙しさが嘘のようにヒマになり、ホッと一安心。一人細々と作業をしようと思っていたが、コンテナ移動は支配人殿が代わって下さり、ダスター上げは関取さんが手伝ってくれた。

なんつってもアラフォーですから、手を差し延べて頂けると素直に喜ぶのです。

ヒマと言ってもセットや点検の他、貸し出しや回収にちょこちょこと駆り出されるわけで、客数のわりに枕や加湿器やDVDの貸し出しがやたら多いことに驚いていたら、知らぬ間に足枕や空気清浄機や美顔器やファットクラッシャー(脂肪ブルブル)と、レンタル品目が増えてるじゃないの。

美顔器とかお腹に巻いてブルブルの奴なんか、わざわざ連れの目の前でやるもんじゃないし、みんな家で一人でやるんでないの?と思っていたのに、予想外に借りてるお客さんが多くて…というか多すぎるでしょ(驚)。

その合間を縫って、関取さんに仕事上で確認しておくべきことをしっかり教わっておいた。今じゃ関取さんの存在が見たまんま物凄く頼もしい。

昼メイクから出てみたら外の世界は天国だ。超ベテランメイク女史を始め朝メイクさん達も朝フロントさん達も電話番姐さんも、みんな良くしてくれるし素晴らしい人達だ。

老獪な手口で陥れられることもなければ、狡猾な罠に嵌ることもない。執拗な嫌味に苛まれることもなければ、陰で有ること無いことを言われて苦しむこともない。フロントの仕事は病状悪化中でアラフォーの私には身体的にキツいが、それだけだ。幸せなことじゃないか。

…と思っていたら、若い男の子がバイトの面接に来ていた。さりげなく聞き耳を立てると、どうやら昼メイク希望らしい。一瞬、不憫に思えたが、若い男の子なら可愛がられるんだろう。多分。

色々教えて貰ったり助けて貰ったりしたので、帰る前の関取さんに「今日はありがとう!助かった」とお礼を言うと「いいえ〜。私なんかな〜んにもしてませんよ〜」と笑顔で、実に謙虚だ。私も見習おう。

外の世界の皆さんは、毎日様々なシーンで私に良い刺激を与えてくれる。心が洗われていく思いの中で、少しずつ環境に適応しながら自分も良い方向に変わっていけそうだ。昼メイクを離れたことで、別の視点で物事を捉えられるようになってきた気もする。

最悪の顛末だと思っていたが、良い転機を迎えられて私はラッキーだった。

だけど、その一方で12日に心が殺されたままの私も居るわけで、漠然と「人はこうして対人恐怖症や鬱病になるんだろうなぁ」と思ったりもする。12日のことが完全にトラウマとなる前に、自力でこの気持ちを成仏させなければ。

関取さんが帰って一人になったが、元々客数が少なかったので退室ラッシュもさほど影響なく、淡々とセットと点検を繰り返していると昼メイクさん達が17時で早帰りになり、点検をする部屋が無くなった。

17時からセットをすると何故か血まみれの部屋ばかりで「何でよってたかってみんな生理なの?」と思ったが、幸い被害はバスタオルのみで、オネショマットや防火マットに被害は無く、交換せずに済んで何よりだった。

コトに及ぶ前にバスタオルを敷いてくれてありがとう、お客さん!だ。

たまにはこんな楽勝の日もないとかなり辛い。今日は休みじゃなくて良かった…と幸せを噛みしめながらロッカーで着替えていたら、腰に違和感を覚えた。どうにも腰が重怠い。必死過ぎて、フロントをするとテキメン腰にくるということを忘れていた。

どうかこの重怠さが痛みに変わりませんように…。


11:00-18:00 点検15+セット+コンテナ移動+ダスター上げ+食器洗い+ルームサービス+ベッドメイク手伝い他

今日は、朝フロントの掛け持ちさんが葬儀の為に欠勤し、朝昼フロントの大型さん(30代前半・170センチ超)と、昼フロントのホスト君(20代前半・女顔の元ホスト)と私の三人勤務になった。

こんな日に限って出勤時から満室でセットや点検に追われまくりでゼイゼイ言ってたら、社員の早口氏もセットや点検をしていて下さり、有り難いやら申し訳ないやら。従業員一丸となって売り部屋を増やそうと必死だったが、油断も隙もなく満室になる。

日曜の書き入れ時に閑古鳥が鳴いてるようなラブホじゃなくて何よりだが、どうにも忙しい。

そんな時に限って手間暇の掛かる4P部屋が空き、超ベテランメイク女史と朝メイクさんと一緒に私もベッドメイクのお手伝いをした後、点検をして売り部屋にしたら、すぐに若いカップルが入った。

ところがそのカップルは入室してものの1〜2分で退室し、何事か?と思えば入室キャンセルで「やっぱり別の部屋にする」とのことだ。4P部屋なので休憩料金もお高いし、ベッドが2つ有っても別々に寝るワケじゃないし…ってことなんだろう。軽く点検し直して売り部屋に戻してやれやれだ。

満室なので部屋が空くとすぐセットに入る。メイクさん達もベッドメイクに追いかけて来る。従業員同士、部屋で会っても廊下で会ってもどこで会っても「お疲れ様です」と声を掛け合うが、老昼メイクさんは朝から「おはようございます」もなければ「お疲れ様」も無かった。

昨日、食器棚がコーヒーまみれでやり直しになった事を逆恨みしたのか何なのかは知らないが、そういう人だと分かっているので驚きはしない。でも、人としてどうよ?と呆れはする。

私が何度挨拶しても老昼メイクさんが全くの無言なので、老昼メイクさんと組んでいた若い昼メイクさんが、私に気を遣って元気良く大声で「お疲れ様です!」と言うのが痛々しい。相も変わらず、なんとまぁ…と思ったらドッと疲れた。

私はミスからも学ぶ気持ちを忘れないような謙虚な婆さんを目指そう。

まだまだ「疲れた」なんて言ってる場合じゃない。気を取り直してDVD回収へ行ったら、”○兵衛オジサン”と呼ばれている常連さんが出てきて、8ヶ月前と少しも変わらずいつもどおり「ありがとうございました」と直角に頭を下げられて恐縮した。

どこか微笑ましい○兵衛オジサンに再会出来て、気を良くして昼休みに入った。私の昼休み中にお帰りになるメイク女史に、今日も「負けるんじゃないよぉ」と励まされてリフレッシュ完了。

しかし、16時半からお客様の退室ラッシュが始まって、セットをしてもセットをしても、メイクさん達3隊に対してセットがギリギリで間に合っている状況で、かなり厳しい。

嗚呼それなのに、セット中の部屋にも、退室前にご返却頂くことになっているDVDやコスプレや加湿器などの回収の連絡が入り、セットを中断して回収へ走る。そんなこんなで思うようにセットが捗らなくて焦る。

かといって、あんまり急いでセットしてお湯の入った浴槽に滑り落ちたりしては大変だ。ところが、ふと気付くと以前と違って最近は、お客様が浴槽のお湯を抜いて帰って下さってる部屋が多いではないか!心の中で「お客さん、ありがとう!」と呟きながら必死でセットをした。

帰りに私がセット地獄に陥っている間に点検地獄に陥っていたホスト君に会うと、彼もグッタリしていて「回収で回収で点検が進まなくて、1部屋の点検に20分ぐらいかかりました」と嘆いていた。恐るべし退室ラッシュ。

帰り道で、私の後ろを若いビジネスマン二人が歩いていた。「明日、ロリータクラブの会合があるだろ?その後で…」という話が聞こえたので、ロリータという言葉に反応して思わず振り返ると、後輩らしき男性が必死で「ロータリークラブですよね、ロータリークラブ」と言い直していた。

見知らぬ人達に笑わせて貰って疲れも吹っ飛んだ。ありがとう。


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