奇跡的にと言うか無理矢理朝6時に仕事を終えてHさんとOくんと、まだ暗い道を歩いた。5分ほど歩いた所でHさんと別れる。今夜はホテルPからトド襲来の為、私とOくんは休みだ。

Hさん「Oくん、今日は本当にありがとう!今夜は頑張るわよ」

みかやん「今日はOくん大活躍の巻でしたからね」

Oくん「・・・・・」

一昨日から別人のように私達とはろくに口をきかなくなったOくんだ。私とは昨日のメールで仲直りしたと思っていたのに。

Hさんと別れてOくんと二人で歩いた。早朝の北海道は寒い。手袋無しでは手がかじかんでしまうのに、バッグの中を探しても左手の手袋が見つからなかった。とりあえず右手だけ手袋をして歩いたが左手が冷た過ぎる。両手をポケットに突っ込んで歩いているOくんの右ポケットに私の左手を入れた。

Oくん「な、何するんですか!」

みかやん「だって左手の手袋が無いんだもの」

Oくん「あっ!すっげえ冷たい手」

と言ってOくんはポケットの中で指を絡めてしっかりと私の手を握ってくれた。
ようやく少し話ができそうかな?と思った。

みかやん「ねぇ!何があったの?」

Oくん「別に。普通に俺はクールガイっすよ」

みかやん「あたしの知ってるOちゃんはクールガイなんてのとは180度違う人だもの」

Oくん「いろんな役を演じられるんじゃないんすか」

みかやん「Oちゃんは劇団ひまわりの子役なんかじゃなかったもの」

Oくん「なんで子役なんすか・・・」

やっと少し笑ってくれた。

みかやん「どうしたの?なんか辛い目にあった?」

Oくん「どうもしないし俺は全然普通っすよ」

みかやん「全然、普通じゃないよ。あっ!わかった!背中にファスナーが付いてて開けると中に別のちっちゃい人が入ってるんでしょ?それかMIBみたいにOちゃんの皮を着たエイリアンかも?どうしよう」

Oくん「そんなわけないじゃないすか。俺は元々あんな奴です」

みかやん「そんなの嘘だよ。Oちゃんは笑い皺が出来る位いつもニコニコで笑い上戸で天真爛漫で無邪気な若者だったもの」

Oくん「笑い疲れたんじゃないすか?若くてもいろいろあるんすよ」

みかやん「昨日のメールに”辞める”って。本当に辞めちゃうの?」

Oくん「多分。でも来月いっぱいは居ますよ」

みかやん「Oちゃんが辞めちゃったらマジ寂しいよ〜」

Oくん「女の人と手を繋いで歩くなんて1年ぶりかな?」

みかやん「あたしの知ってる明るくてお喋りで可愛いOちゃんにはもう会えないのかな?」

Oくん「さぁ。ひょっこり帰って来るかも?二重人格かも知れないし」

みかやん「そっか。本物のOちゃんはどこかのピンサロかキャバクラにハマってるかも」

Oくん「そうかも。みかやんと手を繋いで歩くのもこれが最初で最後かな?」

みかやん「キミは替え玉君で、本物のOちゃんにはあたしと手を繋いだ記憶が無いんだね」

結局Oくん家の近所まで一駅歩いてしまった。最後は笑いながらわけのわからない話をしていた。横断歩道を渡るOくんに「本物のOちゃんに”早く帰ってきて”って伝えてね〜」と言ったらOくんは無言で手を振って帰って行った。

速攻帰宅して小一時間ほど寝て昼の会社へ行った。

眠い目をこすりながらひたすらポスレジ打ちをして、帰宅後いろんな事を思い出した。夫と結婚前に街で喧嘩をして無言のまま手を繋いで街中を歩き回ったら「腹減ったな。メシでも食おう」となんとなく仲直りした事や、新婚当時に寝る前に喧嘩してお互い素直に「ごめんね」と言えないまま布団に入ったものの、手を繋いで眠ったら翌朝には二人ともけろりとしていた事を思い出しながら爆睡した。

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