私の住むS区でひったくりや強盗など物騒な事件が続いたらしく、昼の会社の人達が大騒ぎしていた。ホテルQへ行く時に必ず寄るコンビニを出て、行く手を見渡したら急に怖くなった。斎場や病院、神社の横を通ってホテルQへ行くのに私1人しか歩いていない。痴漢に遭うようなトシではないし、金を持っているふうにも見えない私だが怖くなってOくんへ電話した。

みかやん「今どこ?」

Oくん「○○通りのセイコマにいるよ」

みかやん「走って行くから○○通りの角で待ってて」

Oくん「いいよ。でもどーしたの?」

みかやん「こっ、怖い」

小走りで○○通りの角を目指すと、Oくんが○○通りの角を曲がって私の方へ歩いて来てくれていた。

みかやん「ありがとう。助かった。こないだは私の傍で不審な音がしたし(先日、何者かが私に向けて空気銃を撃って私の横の雪山に当たってパンパン鳴っていたような音が聞こえた為、鬼ダッシュで逃げた)、今日はひったくり事件でみんなに脅かされて怖かったよ〜」

Oくん「無事で良かったね。でも俺、頭が痛くて寒気がするんだ」

みかやん「大丈夫なの?頭痛薬持ってるから後であげるよ」

0:00-9:00. 15部屋掃除

今日はHさんとOくんとの勤務。私が肌身離さず持っている頭痛薬をOくんに飲ませたものの、どうにも調子が悪そうだった。私も胃が痛んでいて二人とも絶不調だった。

一昨々日は5部屋、一昨日は4部屋掃除で暇だったのに、給料日の後のせいか久しぶりに忙しく午前2時まで休みなく掃除に追われた。午前2時の時点で掃除待ちの部屋が3つあった。

Oくん「Hさん、この辺で少し休みませんか?」

Hさん「今日はどんどんお客さんが入って来るし、待機の部屋も3つ残ってるから休めないけど、どうかしたの?」

Oくん「すいません。俺、悪寒と頭痛が止まらなくて熱も出てきた気がするんです」

Hさん「じゃあ控え室に戻って休んでいて。こっちは大丈夫だから」

Oくん「申し訳ないす。少し休ませてもらいます」

3部屋くらいならHさんと二人でも大丈夫!とたかをくくっていたら、急にお客さんがバタバタと帰り始めて忙しくなった。相変わらず生理のお客さんが多く、おねしょマットの交換に何度も部屋と控え室の間を走った。

スキンの空袋があるのにスキン本体が無かったので、Hさんと部屋中のスキン大捜索をしたら風呂の椅子の下から出てきた。部屋の備品を根こそぎお客さんに持ち帰られてしまい、備品室へ走って大わらわだった。忙しい上に様々な出来事に見舞われ、さすがのHさんも疲れたようで待機部屋を2部屋残して3時半に休憩する事にした。

Oくんが控え室へ戻って来たのは午前3時40分だった。

Oくん「すいませんでした。薬飲んで爆睡してました」

Hさん「こーゆー時はお互い様だから気にしないでね」

Oくん「1時間半も穴をあけました。何部屋やったんですか?」

Hさん「6部屋よ。二人勤務だとそれが限界だわ。みかやんにお礼言ってね」

Oくん「みかやん、胃は大丈夫だったの?」

みかやん「胃袋が破れそうに痛かったよ。で、破れた」

Oくん「うそー!ごめんなさい」

みかやん「冗談だよ。でもね、本当に大変だったよ」

Hさん「生理の日の丸部屋ばっかりだし、スキンは見つからないし、根こそぎの客はいるし、みかやんなんか走りっぱなしだったのよ。残りの2部屋はOくんに任せるわ」

Oくん「はい。なんとか頑張ります」

Oくんが復帰して三人で残りの2部屋を掃除した。Oくんは風呂係を買って出たものの、入った部屋の風呂場は天井も壁も風呂の湯気で完全に蒸し上げられいたが、文句も言わずに黙々と壁をタオルで叩いていた。

次の部屋でOくんはトイレ&洗面係だったが、またも洗面所のブラシや歯磨きカップ、シャワーキャップやヘアゴムを乗せるトレイまでお客さんに持ち帰られていた為に、走って備品室へ取りに行った。ようやく戻ってトイレ掃除にとりかかると、便器の中に思いっきりウン○が残っていて凹むOくんだった。

Oくん「6部屋休んだツケが全部回ってきたような気がします」

Hさん「いいんじゃない?便器にウン○なんて運がいいのよ」

Oくん「確かに。ラブホでウン○する人って滅多にいませんからね」

みかやん「次は部屋係でしょ?きっと何かいい事があるよ」

Oくん「だといいんすけどね」

と言っていたが結局このウン○の部屋が最後だった。

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