0:00-6:00 9部屋掃除
今日はHさんとOくんとの勤務。私が一番好きで過ごしやすい三人の勤務だ。Oくんは可愛い後輩だし、Hさんは外見も中身も本当に素敵な優しい先輩だ。Hさんはいつも私やOくんを守って庇って助けてくれる。トドの病的な意地悪な仕打ちにも、感情の起伏の激しいNさんの無言攻撃に耐えられたのも、Hさんがいてくれたからだ。出勤してシフト表を確認して今日の幸せな三人勤務の喜びをかみしめていた。

ホテルQでも、1人客や同性客、3P客を受け入れるようになってから、様々なお客さんが来るようになった。らくがき帳を見ると「男1人はやっぱり寂しい。今度は彼女と来るぞ」とか「今日は親友のユキと知らない男と三人で来ちゃいました」とか「あかね&みほ 無事に養子縁組できますように」等と書かれている。

部屋が空いたので三人で控え室入口のカーテンの陰でスタンバイしていた。お客さんが玄関から出て行ったので出動しようとしたら、入れ違いにお客さんが入って来たので慌ててまたカーテンの陰に隠れた。見ると、お客さんはスーツ姿の中年男性2人だった。こーゆー場合、2人で別々の部屋に入って後からそれぞれデリヘル嬢を呼ぶというパターンが多いが、この中年男性2人はいそいそと220号室へ入って行った。

Oくん「あれれ?デリヘル呼ぶんじゃないの?」
Hさん「デリヘルさん呼んで3Pかしらねぇ?うふふ」

等と話をして空いた部屋の掃除へ向かった。掃除をしていると、I氏が売れたコンビニボックスのエログッズの補充を持って来た。

I氏「見ましたか?男性2人で来たんですよ」
Oくん「デリヘルさん、呼ぶんじゃないんすか?」

I氏「あの部屋の男性から電話がきたんですけど、呼ぶのはデリヘルさんじゃなくてタクシーなんですよ。”明日の朝5時半にタクシーを呼んで下さい”って」

Hさん「じゃあ、俗に言うモーホーかしら?」

I氏「2人とも実直なサラリーマンって感じでしたから、ただお酒を飲んだ帰りなんじゃないですかねぇ」

Oくん「朝5時半なら俺ら掃除に入れますよ。その時全てがわかります」
みかやん「別にわかんなくてもいいんだけどね」

掃除を終えて控え室へ戻ってもOくんはしつこかった。

Oくん「男同士なら生理なわけないし、スキンも使わないから例えヤってもわかんないんじゃないすかね」

Hさん「あらヤダ。Oくんったら素人みたい。ゴミ箱のティッシュの状態とか、シーツの上の毛の種類や数、ベッドの乱れ方でもわかるでしょう?白子が垂れてたりしたら決定的ね」

Oくん「俺はそんなの見るのイヤっすよ!だって、おやぢ2人っすよ!あり得ないって!」

みかやん「あり得ないとは言い切れないからねぇ。ははは」
Oくん「俺、風呂係を希望します」

ついに5時半になって220号室の掃除へ向かう事になった。ローテーションで私は洗面&トイレ係、Hさんは風呂係、問題のOくんは部屋係だった。部屋係がベッドの布団を剥いで、部屋係と洗面&トイレ係がベッドを組む。Oくんは最も恐れていたベッドの布団を剥いでベッドを組む係だった。恐る恐る部屋へ入ると、ベッドの上に丁寧に布団やベッドカバーが掛けられていた。こーゆー場合は大抵、何かを隠している。

ベッドの布団を剥がすOくんの手に緊張が走った。布団が剥がれてシーツが剥きだしになると、シーツは乱れていて、シーツの中央部分には無数の陰毛、そして大小2つの白子のシミがあった。Hさんが言ったとおりの光景だった。

Oくん「ああああぁ。ヤってるよぉ。えーん」
みかやん「”えーん”って私の真似しないでよ」
Oくん「だって。だって。だって。だって。。。」
みかやん「早く剥がしちゃってよ。ベッド組めないよ」

Hさん「こんな事だろうと思ったわよ。私がやるわ。男同士の白子と思うからダメなのよ。いつもの普通の白子と思えば大丈夫よ。普通の白子って言うのも変な言い方だけど」

Oくん「申し訳ありません」

いつもいつもHさんは私やOくんを助けてくれる。頼もしい先輩だ。一方、Oくんは帰り道でも「あり得ない。あり得ない」とつぶやいて、いつまでも凹んでいた。Oくんもそろそろ親離れならぬHさん離れが必要かも知れない。

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