ラブホ奮戦記174日目:血と893
2003年5月4日秘密のつづきとお知らせ有り
0:00-9:00 12部屋掃除
今日はYくんとトドとの勤務。出勤時には満室で、お客さんの入れ替えが終わるとまったり。日曜祝祭日前日の典型的なパターンだった。
1部屋目の掃除で部屋係のYくんが、ベッド枕元にある名刺の裏に「布団汚しました。ごめんなさい」と書いたメモを見つけた。ベッドには綺麗に布団やカバーが掛けられていたので、Yくんが恐る恐るベッドの布団を剥がすと、やはり血まみれだった。Yくんは泣く泣くシーツをビニール袋に入れて汚物処理をした。1部屋目でのアクシデントは後々まで尾を引く事が多い。Yくんは1部屋目の恐怖に脅えていた。
次の部屋でYくんは風呂係だった。風呂の床に赤黒い塊が落ちていて驚いていた。
Yくん「姉さ〜ん!な、何すかコレ?」
みかやん「それは生理の血の塊だわ」
Yくん「こんな塊になっちゃうんすか?”生理中の彼女のアソコを触っていたら、赤い塊が出てきて、それをクリが取れた!と恐怖におののいた男がいた”って笑い話を聞きましたけど、その時はピンとこなかったんすが、これじゃ笑えないっすよ。こんなのが指に付いてきたらそりゃもう驚くって。クリも取れたんじゃねぇか?って思うって。。。あっ!変な事、言ってすみません」
みかやん「いや別にいいんだよ」
3部屋目でYくんはトイレ係だった。便器の蓋を開けると血の海になっていた。生理のお客さんが用を足して水を流していなかった。当然のように汚物入れには使用後のナプキンが入っていた。Yくんは血に見舞われ続けて凹んだまま控え室へ戻った。
Yくん「生理の客は帰りやがれ!するな!しなくてもいい!」
みかやん「あははは。まあまあ」
Yくん「笑い事じゃないっすよ。人ん家だと思って何て事を」
そこへI氏が走ってきた。
I氏「大変なんですよ。男性客から電話で”手ぬぐいに血が付いてる。客前にこんな物を出すのか”と凄まれて研修中のY氏が客室へ行ったら、連れの女性が泣きながら手ぬぐいを持ってきてコッソリと”本物の893ですから”と言ったんですって!」
Yくん「やっぱり血は迷惑なんすよ」
I氏「これが回収した手ぬぐいです」
I氏が差し出した手ぬぐいを見ると、三つ折りにした後ろの部分に大きな茶色いシミが付いていた。
みかやん「これ、うがい薬ですよね?」
I氏「イソジンの臭いですよね。どうしてこんな物が」
みかやん「前の班が掃除した時、お風呂ラッキーでリネンセットも手つかずで、放置したとか?前のお客さんが、うがいしてこぼしたのを拭いてそのままセットへ戻したとか?」
I氏「デリヘルさんは消毒液を持って来るけど、イソジンは使わないだろうし変だと思ったんですよ。でも連れの女性は何故泣いていたんでしょ?」
Yくん「連れの女がうがいして、手ぬぐいで拭いて放置したんじゃないすか?それを893さんが激怒したから”自分だ”とは言えなくなったとか?」
I氏「車番を調べたら赤い車でゾロ目のナンバーで、ちょっとした常連さんなんですよ。今まで一度もトラブルは無かったのに。”これで金取る気か?”ってノリなんですよね。ああ大変だ。やっぱり常務へ電話しよう」
I氏は走ってフロントへ戻った。結局は常務がお客さんへ電話をして平謝りで事なきを得たそうだ。晴れ晴れとした顔でI氏が控え室へ来て知らせてくれた。
I氏「893さんは人一倍義理人情に厚い方々ですから、誠心誠意お詫びをすればわかってくれるんですよね。893さんの中でも偉い人ほどカタギとは問題を起こさないって言うし。はは。ああ良かった」
朝方893さんのお帰りだった。絶対にバレないようにコッソリと覗いて見ると、ジャージ姿で長身で丸坊主の50代男性だった。鋭い眼光を放ち、一目見てその筋のお方とわかるタイプだ。覗いていると、893さんと目が合って凍り付いた。893さんは口の端を少し上げ片手を上げて、カーテンの陰から片目しか出していない私に向かって「また来るよ」と言ってお帰りになった。
私の足元で、片目だけを出して覗いていたYくんも凍り付いていた。
みかやん「意外にも高倉健さん風だよね。シブかった」
Yくん「カッコイイっすよ。男の中の男って感じ」
最後まで何故イソジンが付いていたかはわからなかったが、硬派ヤンキーのYくんもいずれは義理人情の世界へ行くかも知れないと思った。
0:00-9:00 12部屋掃除
今日はYくんとトドとの勤務。出勤時には満室で、お客さんの入れ替えが終わるとまったり。日曜祝祭日前日の典型的なパターンだった。
1部屋目の掃除で部屋係のYくんが、ベッド枕元にある名刺の裏に「布団汚しました。ごめんなさい」と書いたメモを見つけた。ベッドには綺麗に布団やカバーが掛けられていたので、Yくんが恐る恐るベッドの布団を剥がすと、やはり血まみれだった。Yくんは泣く泣くシーツをビニール袋に入れて汚物処理をした。1部屋目でのアクシデントは後々まで尾を引く事が多い。Yくんは1部屋目の恐怖に脅えていた。
次の部屋でYくんは風呂係だった。風呂の床に赤黒い塊が落ちていて驚いていた。
Yくん「姉さ〜ん!な、何すかコレ?」
みかやん「それは生理の血の塊だわ」
Yくん「こんな塊になっちゃうんすか?”生理中の彼女のアソコを触っていたら、赤い塊が出てきて、それをクリが取れた!と恐怖におののいた男がいた”って笑い話を聞きましたけど、その時はピンとこなかったんすが、これじゃ笑えないっすよ。こんなのが指に付いてきたらそりゃもう驚くって。クリも取れたんじゃねぇか?って思うって。。。あっ!変な事、言ってすみません」
みかやん「いや別にいいんだよ」
3部屋目でYくんはトイレ係だった。便器の蓋を開けると血の海になっていた。生理のお客さんが用を足して水を流していなかった。当然のように汚物入れには使用後のナプキンが入っていた。Yくんは血に見舞われ続けて凹んだまま控え室へ戻った。
Yくん「生理の客は帰りやがれ!するな!しなくてもいい!」
みかやん「あははは。まあまあ」
Yくん「笑い事じゃないっすよ。人ん家だと思って何て事を」
そこへI氏が走ってきた。
I氏「大変なんですよ。男性客から電話で”手ぬぐいに血が付いてる。客前にこんな物を出すのか”と凄まれて研修中のY氏が客室へ行ったら、連れの女性が泣きながら手ぬぐいを持ってきてコッソリと”本物の893ですから”と言ったんですって!」
Yくん「やっぱり血は迷惑なんすよ」
I氏「これが回収した手ぬぐいです」
I氏が差し出した手ぬぐいを見ると、三つ折りにした後ろの部分に大きな茶色いシミが付いていた。
みかやん「これ、うがい薬ですよね?」
I氏「イソジンの臭いですよね。どうしてこんな物が」
みかやん「前の班が掃除した時、お風呂ラッキーでリネンセットも手つかずで、放置したとか?前のお客さんが、うがいしてこぼしたのを拭いてそのままセットへ戻したとか?」
I氏「デリヘルさんは消毒液を持って来るけど、イソジンは使わないだろうし変だと思ったんですよ。でも連れの女性は何故泣いていたんでしょ?」
Yくん「連れの女がうがいして、手ぬぐいで拭いて放置したんじゃないすか?それを893さんが激怒したから”自分だ”とは言えなくなったとか?」
I氏「車番を調べたら赤い車でゾロ目のナンバーで、ちょっとした常連さんなんですよ。今まで一度もトラブルは無かったのに。”これで金取る気か?”ってノリなんですよね。ああ大変だ。やっぱり常務へ電話しよう」
I氏は走ってフロントへ戻った。結局は常務がお客さんへ電話をして平謝りで事なきを得たそうだ。晴れ晴れとした顔でI氏が控え室へ来て知らせてくれた。
I氏「893さんは人一倍義理人情に厚い方々ですから、誠心誠意お詫びをすればわかってくれるんですよね。893さんの中でも偉い人ほどカタギとは問題を起こさないって言うし。はは。ああ良かった」
朝方893さんのお帰りだった。絶対にバレないようにコッソリと覗いて見ると、ジャージ姿で長身で丸坊主の50代男性だった。鋭い眼光を放ち、一目見てその筋のお方とわかるタイプだ。覗いていると、893さんと目が合って凍り付いた。893さんは口の端を少し上げ片手を上げて、カーテンの陰から片目しか出していない私に向かって「また来るよ」と言ってお帰りになった。
私の足元で、片目だけを出して覗いていたYくんも凍り付いていた。
みかやん「意外にも高倉健さん風だよね。シブかった」
Yくん「カッコイイっすよ。男の中の男って感じ」
最後まで何故イソジンが付いていたかはわからなかったが、硬派ヤンキーのYくんもいずれは義理人情の世界へ行くかも知れないと思った。
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