0:00-8:00. 11部屋掃除
今日はOくんとトドとの勤務。C班の人達がかなりの量のリネンを折ってくれていたので、朝方までウダウダとリネンを折ったり部屋の掃除をしていた。222号室が空いたので出動の準備をすると腐れFが走ってきた。


腐れF「みかやんとトドで222号室へ行ってくれ。59分で男だけが帰った。酔った女を抱き抱えて来たから多分、女は酔って寝てると思うんだ。様子見てきてくれ」

トドと2人で222号室へ入ると床が水浸しだった。臭いを嗅ぐとシッコだったので、ボロタオルで拭きながらベッドへ近づくと、若い女性が全裸でベッドの上に倒れていた。部屋へ入ったとたんにゲロ臭かったので用心していたが、やはりベッド周りがゲロだらけになっていた。トドがひそひそと「シッコはたれるはゲロは吐かれるわ。こんなんやったら男も先に逃げるわな」と話しかけてきた。

女性がうめき声を上げたので「お客様!大丈夫ですか?」と声をかけると、ささやくような声で「具合悪い。寒い」と答えたので、トドが女性にバスローブを着せようと抱きかかえた。トドが「私の腕を拭いて」と言うので見てみると、思いっきりトドの腕にゲロを吐かれていた。それでもトドは怯まず、物凄い力で女性を引き上げバスローブを着せて、ベッドに寝かしつけた。

女性が吐く度にトドがタオルで口元を拭い、冷たいタオルで顔を拭いていた。”母は強し”だと思った。私にはとても真似できない。ベッドの足元の方に女性の服が脱ぎ捨てられていたが、ドロか何かで汚れているようだった。広げて見ると白いスカートに大量のドロが付いていて、白いTシャツにはゲロが付いていた。「この人。もしかして無理矢理連れ込まれたの?」と怖くなった。

ドロとゲロの服では帰れないだろうと、トドが洗濯をしに行った。女性が譫言のように何かをささやき、手は宙を彷徨うので私の手を差し出すと、私の手を凄い力で握って離さなかった。

女性「あらし〜(あたし)。友達が死んだのに、どうする事も出来なかったの」
女性「あらし〜。イジメに遭ってたけど、その友達と助け合ってたの。なのに」

喋ると咽せてゲロを吐く。トドが居ないので私がゲロを拭いていると、首がアザだらけになっていた。”もしや男に首を絞められたの?”と想像して怖かったが、思わず聞いた。

みかやん「首、どうしたの?男の人に何かされたの?」
女性「これは継母。あらしを虐待するの〜。あらし死にたいの〜」

少しずつ正気に戻り、身の上話を始めた。女性は25才、中学校高校とイジメに遭い、イジメられながらも助け合っていた友達が17才の時に自殺した。25才になる今も自殺した友人の事が頭を離れず、自殺未遂をしたが死にきれずに現在に至る。手首の何本かの傷が痛々しい。

女性の実の母親は行方不明。実の父親は再婚後、亡くなってしまったので、今は女性と血の繋がりのない継母と暮らしているが、日々虐待を受けているそうだ。全身アザだらけだった。継母に虐待を受けながらも家を出ないのは、働かない彼氏の3千万円ほどの借金を女性がピンサロで働いて返済しているので、自活する余裕が無いそうだ。涙ながらゲロながらに語ってくれた。

悪酔いしてヘロヘロの時も回復してからも、話が一貫しているので作り話ではなさそうだ。女性に手を握られたままだったので、手が痺れてきたところにトドが戻ってきた。ずっとトイレに行きたかったのでトドと交代しようとするが、女性が私の手を離してくれない。

やっとの思いで控え室へ戻ると、Oくんが1人でグレていた。

Oくん「戻って来ないから俺1人で掃除してたよ。帰る支度もしたし。はぁ〜疲れた」

みかやん「こっちも大変だったよ。目の前でゲロ吐きまくられるし、手を握って離してくれないんだよ」

トドと腐れFが戻って来て、4人で女性をどうするか相談した。洗濯をした女性の服が乾くまで時間がかかる。女性の家はホテルQから遠い。女性が何時に目を覚ますかわからない。色々考え合わせて、取り敢えずトドと腐れFが午前9時まで残る事にして、午前9時以降はフロントK子に任せる事にした。しかしフロントK子が休みで、午前9時からはフロントH君(23才・普段はベッドメイク係)が来る。

結局、遅くても正午前には女性を起こして、トドが車で女性宅へ送り届ける事になった。私とOくんがホテルQを出たのは午前8時45分だった。やれやれだ。

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