ラブホ奮戦記258日目:爺と孫娘
2003年8月17日0:00-6:00 5部屋掃除
今日はトドとの勤務。フロントSさんが入院したので、当分の間C班のフロントはダサ坊が代行する事になった。朝は元気いっぱいに電話をしてきたSさんだったが、「マンベの直線(有名な長万部の飛ばしやすい道路)で猛スピード」「事故を目撃した人の話によると、土手から落ちる時、車が一回転」「廃車」「ここは函館と札幌の中間にある長万部」と思うと、全身が痛みだしてきたそうだ。
フロントSさんは元気に再度電話をかけてきたが、退院は9月20日の予定だそうなので、私達が思っていた以上に重症なのだろう。にしても長万部となると、おいそれとは見舞いにも行けない。
日曜で夫は休みなので弁当に腕を振るってくれた。日曜はホテルも暇なので早速、弁当を食べているとダサ坊が控え室へ顔を出した。
ダサ坊「へええ。弁当持参だなんて、みかやんって意外と家庭的なんだね」
みかやん「あたしじゃなくて弁当を作ったのは夫だよ。でも”意外”は余計」
ダサ坊「嘘ーっ!どれ見せて!うわーすげえや!本当に旦那が作ったの?」
トド「いっつも豪華な弁当こしらえてくれてるわ。羨ましいで」
ダサ坊「牛肉と海老とイカ、俺の好物ばっかり。キムチまで入ってて超豪華焼肉弁当だよ。俺にも作ってくれないかなぁ」
みかやん「無理っ!ダサ坊は彼女に作って貰えばいいでしょ」
ダサ坊「やっぱり男として”いい仕事”しないと、そんな事もして貰えないよね。最近、俺、全然ダメだし」
みかやん「はいはい。やっぱり話をそっちの方へ持っていくんだね」
ダサ坊「一応、お約束だからね」
モニターからお客さんが精算を始めた事を知らせる音が聞こえてきたので、それぞれ出動の準備をした。三人でいつものカーテンの陰からお客さんが帰るのを待っていると、部屋から出てきたのは60才位の男性と10代後半か20才そこそこの女の子だった。女の子は白のTシャツに白のショートオールで全身白づくめだった。
ダサ坊「マジかよ!親子どころかあれじゃ、お爺ちゃんと孫娘だよ。こんなのアリかよ〜」
トド「アリやから来てはるんやろ」
ダサ坊「そうだけど、俺なんかあのお爺ちゃんの半分くらいのトシなのに、あっちの方は全然ダメで、あんなお爺ちゃんが、あんな若い子と・・・だよ。あぁなんか自信無くした」
トド「女、変えたら元気になるとか言うやん。やってみたらどないや?」
ダサ坊「いや、そーゆーわけにはいかないでしょ」
お爺ちゃんと孫娘が外へ出たようなので三人で部屋へ走った。ベッドの布団を剥がし始めたダサ坊が「ありゃ〜〜」と変な声を出したので、トドと2人で駆け寄るとシーツが見事に血まみれになっていた。
ダサ坊「お爺ちゃん!無茶すんなよ〜」
みかやん「あらら、これは酷いね」
トド「こんな血が多い日に、あんな白装束とはなぁ。なかなかチャレンジャーやないの。自分が量が多い人やてわかっとったら、生理の日に白い服なんて着られへんて」
ダサ坊「変な事に感心してないでベッド剥がすの手伝って貰えませんかねぇ。ここまで酷いと俺はちょっと」
仕方ないので三人で手分けして、血まみれになったリネン類の始末をした。この部屋を最後にダサ坊は帰り、腐れFが出勤してきた。
腐れF「やっぱり2人じゃキツイだろ。会社側は残業カットとうるさいけど、無理なもんは無理だよな。だからよ〜、せめて1人だけでもC班の誰かを1時まで、状況を見て3時まで残って貰えないかと思ってよ。どうだ?」
みかやん「そりゃありがたいよ。前は中間さんって3時までの勤務の人がいて大助かりだったもん」
腐れF「だろ?昨日、Oくんとみかやんが小さい体で大きな荷物を持ってヨロヨロ歩いてるのを見たらよ〜、自分の娘と息子を見てるようでよ〜。俺なんかハギだけでもフーフー言うのに、メイクならもっと大変だろう」
みかやん「まあね。でも会社が決めた事だから仕方ないよ。理由を説明して貰って一応納得したし」
腐れF「でもよ〜。こんなのが毎日だったらやってられないべ。だから俺、会社にC班を1時までもしくは3時まで残すよう提案する。そしてC班にも了解して貰う。時間はかかるだろうし頼りないだろうけど、もう少し待ってくれ。俺が必ず何とかするから」
みかやん「はあ。じゃお願いします」
あまりにも意外な腐れFの言葉に、トドと2人ですっかり拍子抜けしてしまった。口には出さなかったがトドも私も「腐れFって、いい奴?」と思った。
今日はトドとの勤務。フロントSさんが入院したので、当分の間C班のフロントはダサ坊が代行する事になった。朝は元気いっぱいに電話をしてきたSさんだったが、「マンベの直線(有名な長万部の飛ばしやすい道路)で猛スピード」「事故を目撃した人の話によると、土手から落ちる時、車が一回転」「廃車」「ここは函館と札幌の中間にある長万部」と思うと、全身が痛みだしてきたそうだ。
フロントSさんは元気に再度電話をかけてきたが、退院は9月20日の予定だそうなので、私達が思っていた以上に重症なのだろう。にしても長万部となると、おいそれとは見舞いにも行けない。
日曜で夫は休みなので弁当に腕を振るってくれた。日曜はホテルも暇なので早速、弁当を食べているとダサ坊が控え室へ顔を出した。
ダサ坊「へええ。弁当持参だなんて、みかやんって意外と家庭的なんだね」
みかやん「あたしじゃなくて弁当を作ったのは夫だよ。でも”意外”は余計」
ダサ坊「嘘ーっ!どれ見せて!うわーすげえや!本当に旦那が作ったの?」
トド「いっつも豪華な弁当こしらえてくれてるわ。羨ましいで」
ダサ坊「牛肉と海老とイカ、俺の好物ばっかり。キムチまで入ってて超豪華焼肉弁当だよ。俺にも作ってくれないかなぁ」
みかやん「無理っ!ダサ坊は彼女に作って貰えばいいでしょ」
ダサ坊「やっぱり男として”いい仕事”しないと、そんな事もして貰えないよね。最近、俺、全然ダメだし」
みかやん「はいはい。やっぱり話をそっちの方へ持っていくんだね」
ダサ坊「一応、お約束だからね」
モニターからお客さんが精算を始めた事を知らせる音が聞こえてきたので、それぞれ出動の準備をした。三人でいつものカーテンの陰からお客さんが帰るのを待っていると、部屋から出てきたのは60才位の男性と10代後半か20才そこそこの女の子だった。女の子は白のTシャツに白のショートオールで全身白づくめだった。
ダサ坊「マジかよ!親子どころかあれじゃ、お爺ちゃんと孫娘だよ。こんなのアリかよ〜」
トド「アリやから来てはるんやろ」
ダサ坊「そうだけど、俺なんかあのお爺ちゃんの半分くらいのトシなのに、あっちの方は全然ダメで、あんなお爺ちゃんが、あんな若い子と・・・だよ。あぁなんか自信無くした」
トド「女、変えたら元気になるとか言うやん。やってみたらどないや?」
ダサ坊「いや、そーゆーわけにはいかないでしょ」
お爺ちゃんと孫娘が外へ出たようなので三人で部屋へ走った。ベッドの布団を剥がし始めたダサ坊が「ありゃ〜〜」と変な声を出したので、トドと2人で駆け寄るとシーツが見事に血まみれになっていた。
ダサ坊「お爺ちゃん!無茶すんなよ〜」
みかやん「あらら、これは酷いね」
トド「こんな血が多い日に、あんな白装束とはなぁ。なかなかチャレンジャーやないの。自分が量が多い人やてわかっとったら、生理の日に白い服なんて着られへんて」
ダサ坊「変な事に感心してないでベッド剥がすの手伝って貰えませんかねぇ。ここまで酷いと俺はちょっと」
仕方ないので三人で手分けして、血まみれになったリネン類の始末をした。この部屋を最後にダサ坊は帰り、腐れFが出勤してきた。
腐れF「やっぱり2人じゃキツイだろ。会社側は残業カットとうるさいけど、無理なもんは無理だよな。だからよ〜、せめて1人だけでもC班の誰かを1時まで、状況を見て3時まで残って貰えないかと思ってよ。どうだ?」
みかやん「そりゃありがたいよ。前は中間さんって3時までの勤務の人がいて大助かりだったもん」
腐れF「だろ?昨日、Oくんとみかやんが小さい体で大きな荷物を持ってヨロヨロ歩いてるのを見たらよ〜、自分の娘と息子を見てるようでよ〜。俺なんかハギだけでもフーフー言うのに、メイクならもっと大変だろう」
みかやん「まあね。でも会社が決めた事だから仕方ないよ。理由を説明して貰って一応納得したし」
腐れF「でもよ〜。こんなのが毎日だったらやってられないべ。だから俺、会社にC班を1時までもしくは3時まで残すよう提案する。そしてC班にも了解して貰う。時間はかかるだろうし頼りないだろうけど、もう少し待ってくれ。俺が必ず何とかするから」
みかやん「はあ。じゃお願いします」
あまりにも意外な腐れFの言葉に、トドと2人ですっかり拍子抜けしてしまった。口には出さなかったがトドも私も「腐れFって、いい奴?」と思った。
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