ラブホ奮戦記266日目:不届き者
2003年8月28日※Oくんからメールがきた。
O君「トドが”ウチ塩梅悪いねん”生理やて。休むかも?」
みか「私にも生理だって言ってた。ヤバイね」
O君「今夜三人だから休むよ。きっと。賭ける?」
みか「私もトドが休むと思うから賭けない」
0:00-9:00. 18部屋掃除
今日はOくんとの2人勤務。トドはやはり「血の池地獄」との事で休んだ為、C班のK氏が3時迄残ってくれた。C班と言えば、ホテルQの中でも一番忙しい時間帯の班だ。K氏もミスが多いとはいえ仕事は早い。K氏のペースにつられて午前2時までに10部屋の掃除をして控え室へ戻った。
Oくん「2時間で10部屋って凄くない?快挙だよ」
K氏「若い2人の足を引っ張らないように必死だったよ。2人とも走ってるんだもの」
Oくん「俺ら元、陸上部ですからね」
K氏「俺とは足腰の鍛え方が違うと思ってたよ。それにしても3人体制ってキツいよね。今日みたいに1人休んだら2人でしょ。なのにこんなに部屋が空いたらどうしようもないよ」
Oくん「俺やみかやんは今まで無欠勤すからね。会社を休むなんて信じられないっす」
K氏「さすが体育会系は逞しいねぇ」
和やかに休憩時間を過ごしたのも束の間、またバタバタと4部屋の掃除をして午前3時になりK氏は帰っていった。やれやれと控え室の椅子に腰掛けて何気なくモニターを見ると、223号室が今まで見た事の無い表示になっていた。部屋番号が赤で表示され(通常は白)、宿泊マークでも休憩マークでもない”非”という文字が表示されていた。
みかやん「ちょっとOちゃん!アレ、何?」
Oくん「うわっキモイ。何だ、あれ」
”非”という事は非常事態なのだろう。慌ててFちゃんに連絡しようとすると、廊下の方からFちゃんの声が聞こえてきた。何を言ってるのかはよく聞き取れなかったが男同士で話をしていて、所々「金」とか「払う」と聞こえてたので、取り敢えず控え室へ戻った。
Fちゃん「モニター見てビックリしたべ?」
みかやん「驚いたよ!あんなの初めてだもの」
Fちゃん「部屋の非常ボタンを押して、集中ロックが解除された隙に金を払わないで帰ろうとしやがったんだ」
Oくん「やっぱり非常の”非”だったんだ」
みかやん「で?いくつぐらいの奴?」
Fちゃん「60がらみのオヤジだぞ。いいトシして、とんだ不届き者だ。どっかで知恵を付けられたのか、元関係者なのか知らんけど、非常ボタンを押したらモニターはあんな風になるし、フロントじゃ警報が鳴って、通路の非常灯も点いて大騒ぎになるんだ。従業員が気が付かないワケがない。あさはかな奴だ」
みかやん「悪い事は出来ないようになってるからねぇ」
Fちゃん「モニター見てたら、オヤジがつらっと部屋から出てきたから”ふざけやがって!”と思ったけどよ。ニッコリ笑って”お客様、まだお代を頂いてないように思いますが?”と言ったら、”えっ?””はぁ?””何で?”って、しらばっくれやがったんだ。多分、常習犯だぞ。田舎の場末の元祖集中ロックのラブホテルあたりで、老いぼれフロント相手に宿泊代踏み倒して荒らしてたんじゃないか?」
Oくん「へえぇ。で、お金はもらったの?」
Fちゃん「おう。貰った。金持ってるんなら、ふざけた真似しねえで最初から払え!ってよ。なあ!車のナンバーを控えて、俺のブラックリストに書いておいたぞ」
みかやん「ふーん。そんなの持ってるんだ」
Fちゃん「俺はいろんなホテルを異動してまわっただろ。そのホテルだけのブラックリストじゃダメなんだ。だから俺なりのブラックリストを持って歩いてる」
みかやん&Oくん「やるね!」
Fちゃん「ところでよ〜。他のホテルじゃ、さっきみたいにモニターに”非”と出たら、従業員はすぐに通路へ出たりして非常態勢をとる事になってるけど、もしかして何も聞いてなかったのか?」
みかやん&Oくん「聞いてない、聞いてない」
Fちゃん「本当に火事や非常事態だったら、お客さんの誘導があるから、従業員は速やかに、通路で待機するか、問題の部屋へ駆け付けなきゃなんないんだぞ」
みかやん&Oくん「だってそんなの初耳だもん」
Fちゃん「くあぁっ。フロントK子に言って全従業員に周知徹底するようにするな。俺も風呂のペンキ塗りや何かで席を外してる事が多いから頼むぞ!」
みかやん&Oくん「は〜い」
Fちゃんは今まで一度もお客さんに料金を踏み倒された事が無いそうだ。何とも頼もしいFちゃんだった。
O君「トドが”ウチ塩梅悪いねん”生理やて。休むかも?」
みか「私にも生理だって言ってた。ヤバイね」
O君「今夜三人だから休むよ。きっと。賭ける?」
みか「私もトドが休むと思うから賭けない」
0:00-9:00. 18部屋掃除
今日はOくんとの2人勤務。トドはやはり「血の池地獄」との事で休んだ為、C班のK氏が3時迄残ってくれた。C班と言えば、ホテルQの中でも一番忙しい時間帯の班だ。K氏もミスが多いとはいえ仕事は早い。K氏のペースにつられて午前2時までに10部屋の掃除をして控え室へ戻った。
Oくん「2時間で10部屋って凄くない?快挙だよ」
K氏「若い2人の足を引っ張らないように必死だったよ。2人とも走ってるんだもの」
Oくん「俺ら元、陸上部ですからね」
K氏「俺とは足腰の鍛え方が違うと思ってたよ。それにしても3人体制ってキツいよね。今日みたいに1人休んだら2人でしょ。なのにこんなに部屋が空いたらどうしようもないよ」
Oくん「俺やみかやんは今まで無欠勤すからね。会社を休むなんて信じられないっす」
K氏「さすが体育会系は逞しいねぇ」
和やかに休憩時間を過ごしたのも束の間、またバタバタと4部屋の掃除をして午前3時になりK氏は帰っていった。やれやれと控え室の椅子に腰掛けて何気なくモニターを見ると、223号室が今まで見た事の無い表示になっていた。部屋番号が赤で表示され(通常は白)、宿泊マークでも休憩マークでもない”非”という文字が表示されていた。
みかやん「ちょっとOちゃん!アレ、何?」
Oくん「うわっキモイ。何だ、あれ」
”非”という事は非常事態なのだろう。慌ててFちゃんに連絡しようとすると、廊下の方からFちゃんの声が聞こえてきた。何を言ってるのかはよく聞き取れなかったが男同士で話をしていて、所々「金」とか「払う」と聞こえてたので、取り敢えず控え室へ戻った。
Fちゃん「モニター見てビックリしたべ?」
みかやん「驚いたよ!あんなの初めてだもの」
Fちゃん「部屋の非常ボタンを押して、集中ロックが解除された隙に金を払わないで帰ろうとしやがったんだ」
Oくん「やっぱり非常の”非”だったんだ」
みかやん「で?いくつぐらいの奴?」
Fちゃん「60がらみのオヤジだぞ。いいトシして、とんだ不届き者だ。どっかで知恵を付けられたのか、元関係者なのか知らんけど、非常ボタンを押したらモニターはあんな風になるし、フロントじゃ警報が鳴って、通路の非常灯も点いて大騒ぎになるんだ。従業員が気が付かないワケがない。あさはかな奴だ」
みかやん「悪い事は出来ないようになってるからねぇ」
Fちゃん「モニター見てたら、オヤジがつらっと部屋から出てきたから”ふざけやがって!”と思ったけどよ。ニッコリ笑って”お客様、まだお代を頂いてないように思いますが?”と言ったら、”えっ?””はぁ?””何で?”って、しらばっくれやがったんだ。多分、常習犯だぞ。田舎の場末の元祖集中ロックのラブホテルあたりで、老いぼれフロント相手に宿泊代踏み倒して荒らしてたんじゃないか?」
Oくん「へえぇ。で、お金はもらったの?」
Fちゃん「おう。貰った。金持ってるんなら、ふざけた真似しねえで最初から払え!ってよ。なあ!車のナンバーを控えて、俺のブラックリストに書いておいたぞ」
みかやん「ふーん。そんなの持ってるんだ」
Fちゃん「俺はいろんなホテルを異動してまわっただろ。そのホテルだけのブラックリストじゃダメなんだ。だから俺なりのブラックリストを持って歩いてる」
みかやん&Oくん「やるね!」
Fちゃん「ところでよ〜。他のホテルじゃ、さっきみたいにモニターに”非”と出たら、従業員はすぐに通路へ出たりして非常態勢をとる事になってるけど、もしかして何も聞いてなかったのか?」
みかやん&Oくん「聞いてない、聞いてない」
Fちゃん「本当に火事や非常事態だったら、お客さんの誘導があるから、従業員は速やかに、通路で待機するか、問題の部屋へ駆け付けなきゃなんないんだぞ」
みかやん&Oくん「だってそんなの初耳だもん」
Fちゃん「くあぁっ。フロントK子に言って全従業員に周知徹底するようにするな。俺も風呂のペンキ塗りや何かで席を外してる事が多いから頼むぞ!」
みかやん&Oくん「は〜い」
Fちゃんは今まで一度もお客さんに料金を踏み倒された事が無いそうだ。何とも頼もしいFちゃんだった。
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