朝、トドから電話がきた。

トド「お宅の玄関前におるんやけど、家におらんの?」

みかやん「いや、おるおる!今、出るよ」

トド「コレ食べて明日から職探し頑張ってな!ほんで、コレ置いてドライブ行こや!」

と私の好きな包包の餃子&焼売のセットを手渡してくれた。外へ出てトドの車に乗り込もうとすると、昨日と同様にOくんが居た。

トド「いい天気やし、海、行こうや!函館におった頃、いつも海を見に行っとったって言うてたやん!」

みかやん「覚えててくれて嬉しいよ。函館に居た頃は本当によく海を見に行ってたんだ」

Oくん「ドライブと言えば、飲み物と煙草だよね。はいどーぞ」

トドとOくんと小樽の海へ着いた。海を見ながらいろんな話をした。

結局、ベッドメイク係とフロント係が同じ時給のアルバイトだという事が諸悪の根元だという話になった。

フロント係は、ベッドメイク係の間の問題や、フロント対お客様の問題、ベッドメイク係の失敗、何故か売上げについても、会社側から責任を問われる。ベッドメイク係と同じ時給なのに、売上げについてまで責任を問われるのは、フロント係にとっては大きなストレスとなった事だろう。

ホテル○ラノのオープン前は、社長が居て、その嫁が専務で、社長の3女の入り婿が常務だった。社員はフロントK子1人のみで、ホテルQとホテルKを任されており、残りの系列店3店舗は店長という名の多少時給の高いフロント3名が各店を任されていた。

ホテル○ラノのオープンの時、社長は当時名ばかりだった常務に店を任せる事にした。常務は自分の才覚でフロント陣やベッドメイク係を選び、常務自身が思い描いたとおりのホテル○ラノをオープンさせた。ホテル○ラノの近隣には、フロントK子が任されているホテルQとホテルKが有り、否が応でも常務vsフロントK子という状態になった。

ホテルKはひっそりとした小さなラブホテル、ホテルQは表通りに面しているが内装はボロボロの古いラブホテル、その裏通りにホテル○ラノが新装オープンした為に、当然の事ながら経営状態はホテル○ラノの一店勝ちになり、常務vsフロントK子の軍配は常務に上がった。

当然といえば当然の話なのに、そこで常務やホテル○ラノのフロント陣は、自分達は優秀だと勘違いしてしまった。黙っていても売上げが上がり、会社側に責任を問われる事が無いからだ。そこで更に常務一派は勘違いをし、フロントK子やホテルKやホテルQのフロント陣やベッドメイク係を「フロントK子信者」と呼んで、軽視するようになった。

力を付けたと勘違いした常務は、フロントK子の存在自体が面白くなかった。ホテル○ラノがオープンした事で、ホテルQとホテルKの売上げが上がらないのを激しく非難し、ホテルQとホテルK内部の問題を嘲笑い、フロントK子とその信者を忌み嫌うようになった。

そのような背景があり、ホテルQやホテルKのフロント陣は、常務に些細な事を大問題とされ事ある毎に責任を問われていた。あまりの風当たりの強さに、上手く立ち回れないフロントや、上手い言い訳が浮かばないフロントは、誰かに責任転嫁するしかなかった。それが外道であり、私だったという話だ。

という事をトドが大阪弁で熱く語ったが、そんな事は私達にとってはどうでもいい話だ。ただホテルQでアルバイトをしていただけで「K子信者」と忌み嫌われる筋合いは無いし、外道の力量不足を私のせいにされる筋合いも無いし、バイトが派閥争いに巻き込まれるなんて有り得ない話だ。ちゃんちゃら可笑しい。

他の人のせいになるくらいなら私のせいで結構だが、正しい事をしていても事実を捏造されて報告されては、そのうち正しい事をする事さえ馬鹿馬鹿しくなり、私まであの会社で腐ってしまいそうだ。あんな会社で腐ってしまうほど、落ちぶれてはいないつもりだし、堕ちて行ってもいいと思えるほどの会社でもない。

トド「みかやんもおらんようになってもうたし、ウチも辞めよう思ったんや。でも、Oくんや7号君や8号君に”俺らが辞めたら誰がみかやんに、腐れ連中の堕ちていく様子を伝えるんですか”言われたんや。もしかしたら改善してくかも知れんしな。言うの恥ずかしいけど、みかやんが辞めたのウチら無駄にせえへんからな」

この3日間、ずっとOくんやトドが傍にいてくれた。2人の気持ちがとても有り難かった。3人で見た海はとても穏やかで綺麗だった。

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