22;18-8:40 B番

今日はMさんがA番で、B君がC番だった。今日もレジが混んでくるとレジ補助のB君がレジに入ってくれたが、「ありがとうございました」と言っても返事はなく、「休憩どうぞ」と言っても無言だった。私はラブホ時代の外道のように、何かあると無言になる人の心のメカニズムがよく分からない。私が気に入らないなら怒鳴ってくれた方がまだマシだと思うのは、私だけなのだろうか?

他人を丸無視するのはかなり勇気が要る事だ。外道を見ていて、気弱そうだが実は気が強いんだと思った。でも外道について言えば、無言攻撃に「私、外道に何か良くない事をしただろうか?」と効果があるのは最初の2〜3回ぐらいで、その後は外道の無言攻撃にも効果は無く「また始まった」とか「外道、今日、生理だね。男なのに。あはは!」ぐらいにしか思われなかった。

結局、外道の場合は無言攻撃をしても何も解決しないどころか、「気難しい男」「お天気屋」「女の腐った奴」と、どんどん嫌われた。

そんな事を思い出しながら品出ししていると、S君が休日出勤して来ていて、B君はいそいそとS君の手伝いをしていた。先日と同様にB君はS君に眩しいぐらいの笑顔を見せていた。

「あー、はいはい。あなたがた男同士の間に割って入るような野暮な真似はしませんよーだ!」(←まだ言ってる)

百歩譲って、B君が誰にでも辛気くさい顔で居るならまだ良いが、S君に対しては改心の笑顔だ。フンだ!

「B君はモーホー様。仕方ない仕方ない。私が女だから冷たいのよ」

と自分に言いきかせた。

レジに若い女性と、ちょっと別の世界へ逝ってしまったような老婆が並んだ。老婆は焦点が定まらない視線でどこかを見ていて、何かブツブツと呟いており、前に並んだ若い女性が怪訝そうに老婆の顔を覗き込んだが、何かよくない事をブツブツと呟くばかりだった。「こんな怪しげな婆さんが、こんな夜中に1人で買い物だなんて大丈夫なんかい?」と、若い女性と私は思わず無言で目を見合わせた。

若い女性は買い物を済ませサッカー台へ向かったが、怪しい老婆が気になるようで、お買上品を袋に入れながら老婆を見守っていた。私は「何も起こりませんように」と祈るような気持ちでレジを済ませ、引きつった笑顔で「○○円頂戴します」と言うと、老婆はずっと手に握りしめていた千円札を私に放り投げてきた。その間も老女は「仕方ないでしょ」「誰のせいさ」「こんちくしょう」等と呟きっぱなしだった。

千円札はグシャグシャで、老婆の汗なのか何なのか湿っていて、内心は「こ、怖い。勘弁してー!」と思っているので、千円札を開く手が震えてしまった。震える手でお釣りを渡すと、老婆は相変わらず何かを呟きながら帰り支度を始めた。

老婆を見守っていた若い女性は「もう大丈夫ですよね?」というような事を私に目で訴えて帰り、その後に老婆が続いて玄関へ向かった。

「はー。やれやれ。怖かったー!」と胸を撫で下ろし、丁度、店内にお客さんが居なくなったので「今だ!いやむしろ今しか無い!」と大急ぎで、品出し後のダンボールを捨てにバックヤードへ走った。店内へ戻ると、レジを離れた僅か30秒の間に、私専用のレジにB君が入り、さっきの怪しげな老女が会計をしていた。

みかやん「す、すみません。さっき帰ったお客さんが舞い戻るとは思いませんでした」

B君「気を付けて下さい!」

みかやん「申し訳ありませんでした」

B君と私の後ろを、さっきの老女が相変わらず焦点の定まらない目でブツブツ呟きながら帰って行った。

「あーあー。B君がC番の時は滅多にレジから離れないようにしてたのに、たまに離れりゃこうだもんなぁ。それにしても、あの婆さんはいったい何をしてたんだい?ったく、何をウロウロしてたんだか」と、多少恨めしく思った。

しかし、老婆は無事に帰宅したのだろうか?壮絶な嫁姑バトルの果てにあぁなってしまったのだろうか?そんな事を思わせるような事をブツブツ呟いていたが、もう目が正気ではなかった。入院させるなり、家族が面倒を見るなりして欲しいものだ。あんな老婆の夜中の一人歩きはキケン過ぎる。

結局、今日、B君が私に言ったセリフは「気を付けて下さい!」と「レジ上げていいですよ!」の2言だった。

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