21:46-7:23 A番
 
今日はS君がB番で、B君がC番だった。通常はB番がレジ専任で、レジが混んでくるとレジ横に用意してある携帯電話でC番の人を呼ぶという形になっている。一見普通の携帯電話で普通に会話も出来るが、内線ボタンを使用すると、スピーカーと連動していて店内中に響き渡る呼び出し音が鳴る。

この呼び出し音が鳴ったら、C番は店内のどこからでもレジへ駆け付けなければならないし、朝5時半にトラック便が到着したら、B番がこの携帯で全員を呼び出す為に使用する。私は今日はA番だったので、レジ開設以外でレジに入る事は滅多にないが、土曜の夜で忙しく、S君が何度かB君を呼びだしていた。

品出しをしていると、何かに脅えるようにキョロキョロしながらあくせくと買い物をしているご婦人を見かけた。気になったのでチラ見していると、本当に何かに脅えているように見えるので「もしかしてあの人には私には見えない何かが見えているのかも?って事は、それは霊?キャー!勘弁してー!」と怖くなった。

それでも怖い物見たさで、そのご婦人を目で追うと、レジの方へ向かった。私もサリ気にレジへ向かう(暇なのね私って)。そのご婦人がレジに並んだのが4番目だったので、S君が携帯で呼び出し音を鳴らした。私は既にレジ付近に居たので、B君が来る前にレジに入った。

「お待ちのお客様、こちらのレジへどうぞ〜」と叫ぶと、問題のご婦人が私の所へ走ってきた。私の思うツボだ。すると、そのご婦人がマユをひそめて私に顔を近づけてきた。

ご婦人「あそこにいる男の人、ずっと私の後をつけてるの。ストーカーじゃないかしら?もう怖くて怖くて。ずっとなんですよ。私が歩くとおりに着いてくるんですもの。本当なんですよ。怖かったわ〜」

みかやん「そうだったんですか。お申し付け下されば警備員を差し向ける事も出来たのですが・・・」

ご婦人「いえ、あまり大袈裟にしたくなかったので。どうせタクシーで帰ろうと思っていたので、ココを出たらタクシーに飛び乗ります」

みかやん「そうですか。ではお気をつけてお帰り下さい」

ご婦人「1人で怖い思いをしたけど、あなたに話したらラクになったわ。ありがとう。じゃ気を付けて帰ります」

みかやん「はい。ありがとうございました」

その男性というのは、わりと常連の方で、私もよく覚えていた。前のお客さんが買い物カゴに商品を忘れて帰ろうとした時に「お忘れですよ!」と叫びながら追い掛けて商品を渡してくれたり、私が受け取った小銭を落とした時には、沢山積まれた買い物カゴを除けて這い蹲って一緒に小銭を探してくれた親切なお客様だ。とてもストーカーとは思えない。

一方そのご婦人というのは、色白でデ〜〜ップリと太ったお金持ち風で、お世辞にも「お綺麗」とは言えないタイプの方だった。男性は30代前半で、ご婦人は50代半ば。あの男性が、老け専でデブ専でストーカー?いや、有り得ない。

となると・・・あのご婦人の被害妄想としか思えない。たまたま、あの男性の行く先々に、あのご婦人が居たのだろう。それがたまたま度重なったという事なのだろう。あの男性、いいお客さんなのにストーカーだなんて思われて、お気の毒に・・・と思っていた。

S君「すみません。A番で忙しいのにレジに入って頂いて」

みかやん「いえ。たまたまですよ。たまたま。ホントにたまたまで・・・じゃ、失礼します」

S君に言われて思い出した。私はA番で忙しかったのだった。こうしちゃいられない!とバタバタと作業を進めるも、帰りに退勤の打刻をしたのは7:23。ストーカーに追われている人のストーカーをしたりするから、こんな事になるんだ。でも、あのご婦人が何に脅えていたのか分かって、私的にはかなり気分爽快だった。

しかし、こんな事で30分も残業してしまった事がB君に知れたら大変だし、会社に対しては全く面目次第もない。ったくいくつになっても好奇心旺盛で、何だか急に恥ずかしくなって逃げるように帰った。

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