22:19-8:36 B番

今日はEさんがA番で、MさんがC番、B君がX番の4人勤務だった。出勤してレジに居ると、B君に元気良く「おはようございます」と声を掛けられ、最初から絶好調だった。

絶好調と言うか浮かれぎみでレジ作業をしていると、さっき帰ったばかりのご婦人がレジへ戻ってきた。さっきはよく顔を見なかったが、改めて顔を見ると、いかにも”ザアマス”奥様風の方で、お団子ヘアに大きな眼鏡のまるで一昔前の塩沢トキを思わせる風貌だった。

ザアマス「ちょっと。あなた!このお豆腐をスキャンして頂けるかしら」

みかやん「はい。失礼致します。68円です」

ザアマス「おかしいわねぇ。レシートだと78円のお豆腐が2点になってますのよ」

みかやん「大変申し訳ございません。私のスキャンミスです。失礼致しました。10円返金致しますので、恐れ入りますが少々お待ちいただけますでしょうか?」

ザアマス「ええ。待ちますわよ」

あーあー。やってもうた。同じような大きさで同じようなパッケージの豆腐だったが、よく見ると同じ物ではなくて、1つは「絹とうふ」もう1つは「絹豆腐」だった。なんて紛らわしい!いやしかし、そんな事より返金処理をした場合は、お客様からレシートを頂いて”戻り伝票”に貼るか、”戻り伝票”にお客様の住所と名前を書いて頂かなければならない。

私のミスで、こんなザアマス奥様に「レシートをくれ」とか「住所と名前を書いてくれ」とはとても言えない。かと言って戻り伝票にレシートも署名もなければ、朝番の”レジの鬼”の方々に大目玉をくらう。正直言ってお客様より朝番の人達の方が怖い。困った。

みかやん「お客様、恐れ入りますが、レ、レ、レシ、レシ・・」

ザアマス「このレシートが必要なのかしら?」

みかやん「はいっ!お、恐れ入ります」

ザアマス「わたくし、家計簿をつけているので普段は必ずレシートを持ち帰るんですの。でも今日は宜しくてよ。これがなければあなたがお困りでしょうから。どうぞお使い下さいな」

みかやん「ありがとうございます。重ね重ね申し訳ございません」

ザアマス「ほら、レジにお客様だわ。わたくしはもう宜しくてよ」

みかやん「恐れ入ります。では失礼致します」

レジに来たのはペットボトル1本お買上のお客さんだったのですぐに済んで、続いて”戻り”作業と返金レシートを出した。ふと振り返るとザアマス奥様がまだサッカー台で袋詰めをしていたので、戻り伝票を持って走った。

みかやん「お客様、私のミスでご迷惑をおかけしましたのに、助けて頂いてありがとうございました。頂いたレシートをこのように処理させて頂きました。今後、このような事がないよう・・・」

ザアマス「あなた、一生懸命にお詫びをしてくださったから、わたくしもお役に立てて嬉しくてよ。これからも頑張って下さいね」

みかやん「はいっ!ありがとうございます!」

はあぁ。浮かれ過ぎた。

パッと見、とんでもないうるさ型のオバ様で、よく通る大きな声でワイワイと叱られるのかと思った。ヒトサマを見た目で判断してはイケナイ。いいお客様で良かった。私も「嬉しくてよ」な気分だった。

その後、B番だったのでいつもどり1時間の休憩を30分で切り上げて、酒の品出しをしようと売場へ出ると、Mさんがビールの品出しをしていてくれた。

みかやん「Mさん!いつもありがとうございます。あとは私がやりますから」

Mさん「そんな。ダメですよ〜。休憩がまだ30分も残ってるじゃないですか。私がやっておきますので、ゆっくり休んできてくださいよ」

みかやん「Mさんったら、そんな事を言って私を泣かせようとして〜」

Mさん「いえいえ。みんなに迷惑をかけないようにって、いつもB番の時に休憩を切り上げてるじゃないですか。B番は大変なんですから甘えて下さい。さ、早く休憩して下さいよ」

みかやん「そんなぁ・・・。じゃ、Mさんがそこまで言って下さるなら、お言葉に甘えて休憩してきます」

休憩室(ロッカーだけど)へ戻って、何だかジーンとしてしまった。必要に迫られてしてきた事だが、ちゃんとMさんが見ていてくれた。「頑張っていれば、見てる人は見てるから」とよく聞くけど、まさにそのとおりにMさんが見ていてくれた事が、無性に嬉しかった。

オバ様にもMさんにも助けられて、いい一日だった。気を引き締めて明日も頑張ろう。

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