21:44-7:01 A番 

今日はS君がB番で、EさんがC番だった。何だか12月になったとたんに忙しくなった気がする。「何でこんなに売れてんのさ!」と思いながら、黙々と品出しをしていると、後ろから「こんばんわー」と声を掛けられ、振り返ると常連さんファイル・その1のヤンTさんの飲み友達だった。

その1「こないだ、ヤンTさんとまた飲んできたよ。ラブホを辞めたんだってさ。今、昼の仕事を探してるって」

みかやん「えーっ!辞めたんですか!ラブホ時代の友達とヤンTさんの話をしてたところだったんですよ」

その1「言いたがらないんだけど、ラブホでいろいろ有って辞めたみたい。心配してお母さんが実家から出てきて、今、お母さんと2人で住んでるんだって。あの人、弱音を吐いたりしない人だから、よっぽど辛い事があったんじゃないかと思ってさ」

みかやん「ええ〜。お母さんが?あんな所で働いてたんじゃ親御さんも心配でしょう。一人娘ですし」

その1「だんだん職場の話をしなくなったんだよね。何かあったのかな?と思ってるうちに辞めたって聞いて驚いてさ。もっとちゃんと話を聞いてあげれば良かったって思ってね。失敗したよ。やっぱ”あんな所”っていうような所だったの?」

みかやん「はい。こないだは友達と”あんな所”に1人残してしまったヤンTさんが心配だねって話をしてたんですよ」

その1「そうか〜。何にも気付いてあげられなくて悪い事したなぁ」

みかやん「ヤンTさんはそんなふうに思ってないですよ。あのラブホの事だと話せば長くなるし、どうしたって愚痴っぽくなるし、そんなのヤンTさんの性に合わないから言わないんですよ。ヤンTさんなら、そのうちまた笑って新しい職場の話をしますよ」

その1「そう言って貰えると嬉しいよ。ヤンTさんに良い友達がいて良かった。ヤンTさんからあなたの事を”サバサバしてて男っぽいけど、妙に大人な所があって、みんなマダムって呼んでた”って話を聞いたよ」

みかやん「きゃ〜!マダムの話は勘弁して下さいよ〜!そ、それには別の意味も有って、あわわ。あ、いや、マダムって言われると気恥ずかしくて」

その1「年下キラーだって話も聞いてるよ。後輩の男の子達がみんな懐いて凄かったんだってね」

みかやん「そうじゃなくて明らかに恋愛対象から外れてるんで懐き易かったんじゃないですよ」

その1「ヤンTさんて、女性不信みたいなところがあって、地元の頃からの女友達しか信用してなかったのに、あなたにはいろいろ相談してたでしょ。彼女と俺が同じ職場だった時、やっかみ半分で女の先輩に意地悪されてたのに、黙って耐えてたりしたもんだから、放っとけなくてさ。でも男じゃ相談にのりきれない部分があるから、相談できる女の先輩が出来て良かったと思ってたんだ」

みかやん「ラブホん時も50代のオバサンにやっかまれてましたよ。ヤンTさんは可愛いからやっかまれ易いんですよね。彼女はあまり自分の事を話さないし、愚痴ったりしないんで、私も彼女が苦しんでたのを何ヶ月も気付かなかった事があって、ホントにほっとけない人ですよ」

その1「次の職場にも、あなたみたいな先輩が居ればいいけど、どうかなぁ。俺はヤンTさんの彼氏でも何でもないけど、ヤンTさんにあなたみたいな先輩が居た事が嬉しかったって話を一度したかったんで、今日は良かった。で、今度、一緒にのまない?」

みかやん「あ、いいですね!」

その1「ははは!酒豪のヤンTさんに潰されるよ」

みかやん「酒豪って言ったらヤンTさんに叱られるんですってば」

その1「あはは!それじゃまた」

わりとみんなの目から死角になるラーメン売場で話していたとは言え、つい喋り過ぎた。ヤンTさんのお友達を見送ってから「あたしゃ忙しい身の上だったんだ」と気付いて猛然と品出しを始めた。それにしてもヤンTさんには素敵な男性の先輩がいて羨ましい。

私は、男性の上司や先輩はどうも苦手で、何を考えているのか分からなくて勘繰って勘繰ってがんじがらめになってしまった事が多々有った。本当に信頼しあって上手く付き合えた上司なんか歴代2人しかいないし、自分らしく振る舞えて仕事がし易かった男性の先輩なんかも、歴代2〜3人しかいない。

その反動からか、後輩の男の子達は無条件で可愛がってしまうが、男性の上司や先輩が苦手ってのも、いずれ克服しなければならない私の大きな課題だ。

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