22:44-9:15 C番

今日はMさんとG君がA番で、EさんがB番だった。出勤するとぶっさんが私服で品出しをしていて、その姿が涙を誘った。 ぶっさんは出勤日数と有給休暇の絡みがあって、今日は出勤できない事になっていたが、それでも私服で来て、みんなの品出しを手伝ってくれていた。

私はもう、ぶっさんの顔をまともに見られなくなっているというのに、がっちゃんはフラフラと私の所へ来ては「さすが(ぶっさん)”人の為に”ですよね」とか「”自分で頭を使って考える”ってやつですね」などと言うので、その度に甚だ脱力した。

ぶっさん「今日で最後だからって惣菜の人から弁当を2つ貰ったんだけど、1コ食べない?」

みかやん「わーい!頂きます!」

事務所でぶっさんと弁当を食べていると、Mさんが来て「なんで一緒にご飯食べてるんですかーっ!」と凄く驚いていたが、そりゃあ驚くだろうな。ぶっさんと私が仲良く弁当を食べてる姿なんて、誰も想像出来なかっただろうなぁ。

ふと気が付くと、事務所にがっちゃんもEさんも来て、何故か狭い事務所に全員が揃っていた。

みかやん「みんな、ぶっさんの傍に居たいんですよ。何て美しい光景。何て美しい人達でしょう。涙を誘いますねぇ」

ぶっさん「たっ、たまたまだよ!俺、明日の朝も来るんだから。みかやんは最後に一番会える人なんだから、今からそーゆー事、言わないで!俺、実は前の会社辞めた時、家に帰ってから泣いたよ。そーゆーの弱いんだから」

みかやん「私も退職の日に花束を貰って大泣きした事がありました。あげますか?花束」

ぶっさん「いらないっ!」

みかやん「話変わりますけど、がっちゃんて、あの子ちょっとおかしいですよ。ぶっさんが書いた”わたくしごと”を丸暗記してて、私の傍へ来る度に”人のために”とか”わたくしごと”って言うんです」

ぶっさん「俺もさっき、奴に”人のためにですね”って言われたよ。なんだ、あいつ」

みかやん「ビョーキですよ。昨日から言ってるんですよ」

ぶっさん「あの野郎!」

その後、ぶっさんは馴染みのお客さんに会う度にお別れの挨拶をしていた。私達には何も話さないお客さんも、何故かぶっさんとは話をしていたし、ぶっさんの事を店長だと思ってるお客さんが多くて「店長、辞めるんだってね」と驚くお客さんが本当に多かった。改めてぶっさんの人当たりの良さや優しさや暖かさを・・・もうダメ。泣きそう。

朝になり、私はパン地獄に堕ちていた。そこへ初めて見かけたド派手な婆さんが現れ、それはおぞましい”1人で買い物できない婆さん”だった。

ド派手「ねぇ!お砂糖安い?お砂糖はどこ?」

みかやん「特に安くはないですけど、お砂糖はこちらです」

ド派手「じゃあ次は納豆」

みかやん「納豆はこちらです(ヲイヲイ。次はって何だい?てか、砂糖も自分で持てよ)」

ド派手「日付の新しい納豆を取って」

みかやん「全部、同じ日付です(って、自分で取れって)」

ド派手「ごめんねぇ。持たせちゃって」

みかやん「いえ(そう思うんなら自分で持てよ。アンタ何様だよ)」

ド派手「ええと、次は何にしようかな?」

みかやん「・・・(はあああっ?あたしゃパン地獄なんだよ。勘弁してよ〜)」

ふと見ると、ぶっさんが私に代わってパン地獄に堕ちていてくれていて、レジには朝番の最も恐ろしいAさんが来ていた。ド派手婆さんはAさんが鬼より怖いとも知らず、Aさんに話しかけた。

ド派手「ねぇ、お砂糖、いつ安くなるの?」

Aさん「わかりません!」

ド派手「お砂糖が安くなる予定とかないの?」

Aさん「だから分からないって言ってるでしょーっ!何なのっ!」

ド派手婆さんとAさんのやりとりが聞こえたがっちゃんと私は凍り付いた。Aさんは一目見て「今日はご機嫌ナナメなのね」という顔をしていたが、何が面白くないのか知らないがお客さんにまで怒鳴るとは驚いた。さすがのド派手婆さんもAさんの対応にひるんでいた。

ぶっさんが居なくなったら、Aさんの私達に対する攻撃はますますエスカレートするんだろうなぁと思いつつ、がっちゃんと顔を見合わせて苦笑した。

わざわざみっちが早起きしてぶっさんに挨拶に来た。「やっぱり最後の日にぶっさんに”お疲れ様でした”って言いたいでしょ」だなんて言って、みっちったら義理堅い。私はと言えば、そんなこんなで、ぶっさんにはまともにお別れの挨拶ができなかった。

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