101日目:宇宙遊泳

2005年1月11日
22:50-8:40 B番

今日はみっちがA番で、がっちゃんがC番だった。昨日でぶっさんが退職して、いきなり私と新人君2人の勤務で緊張しつつ出勤すると、カウンターにお客様からのクレームメールが張り付けられていた。

クレームの内容は「我が子2人に買い物の仕方を教えようと、店内が空いている時間を選んで来店し、誰も並んでいないレジで子供が駄菓子を買おうとしたら、レジ係の30代女性にせかされ、お釣りをばらまかれ酷い対応をされた」という事だった。

がっちゃん「こんなの朝番のAさんに決まってるじゃないですか!」

みかやん「間違いなくAさんだろうね」

がっちゃん「俺らはAさんが別の客に怒鳴った現場に居ましたからね。Aさん以外に考えられないですよ。しかしまぁ、感じは悪いは顔は悪いは性格は悪いは、最悪ですね」

みかやん「あたしゃそこまで言えないけどね」

そこへ何とも奇天烈なお婆さんが来た。白髪の短い髪をつんつんヘアみたいに、数カ所を輪ゴムで結わえていて、北海道の真冬だというのに薄着にスニーカーで、それに似つかわしくない皮の大きなハンドバッグを持っていた。

林檎とミカンを1コずつお買上だったので「126円頂戴します!」と言ってからが恐ろしく長かった。スローモーションのような早さで、床のバッグをサッカー台に乗せ、またスローモーションでバッグを開け・・・あまりの遅さに早送りして見たい気分になった。後に並んだお客さんも、苦笑いしていた。

がっちゃんが気を利かせてレジに入ってくれて、奇天烈婆さんの後に並んだお客さんをさばいてくれたが、それでも尚、奇天烈婆さんはスローモーションでバックの中の財布を探していた。

まるで宇宙遊泳。

数分後、奇天烈婆さんは途中で息切れしながらも、ようやくバッグから財布を出した。財布と言うか、コンビニ袋に入った巾着だった。

奇天烈「ん?で?なんぼ?」

みかやん「126円です」

そりゃこれだけ時間が経ったら、いくらだったかなんて忘れてしまうさ。はいはい、ここから126円を出すのが長いんでしょ?と思っていたら、奇天烈婆さんは驚きの早さでサクッと150円を出した。それにしたって、みかんと林檎を1コずつ買うのに所要時間10分弱。私はこの奇天烈婆さんにかかりきりで、がっちゃんは私の後のレジから動けなかった。

がっちゃんと声を揃えて「ありがとうございます」と奇天烈婆さんを見送った時は、ドッと疲れた。奇天烈婆さんは歩くのは早く、トコトコと玄関へ向かったと思ったら、急にUターンしたので、思わずがっちゃんと顔を見合わせた。

その後、奇天烈婆さんは冷凍イカ2ハイお買上200円、所要時間5分。またフラフラと店内へ舞い戻りコマイ140円のお買上、所要時間5分。がっちゃんと私のロスタイムは合計20分弱。3回もレジに来ないで一度で買い物を済ませてくれぃ。

「4度目はありませんように」と祈るような気持ちで奇天烈婆さんを見送ると、今度は店内へは戻らず、いきなり客用サッカー台の上にどっかりと腰を下ろし、さっき買ったみかんを食べ始めた。さすがにがっちゃんも私もゲンナリして、奇天烈婆さんに構わず各自の仕事を始めた。

それでもやっぱり気になり、作業をしつつ奇天烈婆さんをチラ見していると、なんとみかん1コ食べるのに30分もかかっていた。

みかやん「ありゃ宇宙遊泳だよ。婆さんの周りだけ無重力かい?」

がっちゃん「あーはっは!まさに宇宙遊泳でしたね。アレは酷い」

なんて話しているうちに奇天烈婆さんは忽然と姿を消していた。

休憩時間になり、みっちをからかおうと、専属美容師のエロヒロキ君からきたさほどエロくないメール「姫!少々お言葉が下品でございますゆえ、フリーダイヤルにお電話なされ。0721-1919 オナニーイクイクまでじゃぞ。くれぐれもお掛け間違いのないように。姫!」というのを見せた。

みっちは一瞬にして赤面し「か、変わった事を言う人だ。頭、クラクラするぅ」と言って逃げて行った。みっちは照れるとすぐ逃げる。このぐらいで頭がクラクラするようでは、エロヒロキ君とはお友達になれ。。別に友達にならなくてもいいか。

朝、ぶっさんが来た。いよいよ涙のお別れだ。

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