ラブホ206日目：加齢臭

11：00-18：00　クイックメイク18部屋＋ゴミ袋折り

今日は、Sさん（10代後半・初バイト）とWさん（20代半ば・ビジネスホテル出身）が遅番、Tさん（同い年・ホテルC出身）と愚鈍さん、X君（20代前半・腰痛持ち）と私の勤務。

出勤して休憩室前の自販機でコーヒーを買っていたら、愚鈍さんが鬼の形相で「おはようございます！」と言ってきたので私も応えた。休憩室へ入るとTさんが居た。

Tさん「おはよ！愚鈍さん、凄い顔してなかった？」

みかやん「おっはよー！もうね、鬼みたいだったよ！」

Tさん「はあぁ。今度は逆ギレかい？困ったもんだね」

みかやん「Eさんと私が話した内容を聞いたんだろうさ。もうね、愚鈍さんなんか面倒臭くてどうでもいいの。呆れて話す事も無いから、あからさまにブチギレた顔して喧嘩売ってこないでよねって感じ。ホント酷い顔してたよ」

Tさん「私にもブチギレた顔だよ！私、クジ運が悪いから今日は愚鈍さんと組みそうでイヤ！最悪！」

Tさんは昨夜からメールで「クジ運悪いから愚鈍さんとペアになりそう。やだやだ」と言ってたけどホントにクジ運が悪い人だ（哀）。

部屋に入ってからX君に「P君にも言ったんだけど、グダグダと私の悪口を言って回ってる輩が居るから、X君は聞き流してね。まともに相手したら、ババアどものドロドロな世界に引きずり込まれるからね」と言っておいた。

X君「そういや、P君が”辞める”って言ってました」

みかやん「えーっ？冗談…だよね？」

X君「や、それが・・・？？？」

そう言われれば私にも思い当たるフシは有る。

系列店で深夜のベッドメイク係を募集していたそうでP君は私に深夜のラブホについて執拗に聞いてたし、愚鈍さんに風呂掃除を点検＆注意された事に珍しくブチギレてたし、「もし俺が居なくなっても性格真っ直ぐな若い男が入ってきますよ♪」とも言っていた。

そ、そんなぁ・・・そんなの嘘だよね？辞めたりしないよね？＞P君。P君みたいに、低俗な人の戯言に惑わされない頭の良さと、強い正義感を持った真面目で硬派な若者がココには必要なのよ。

様々な事が頭をよぎって不安になるが、P君が居なくなるなんて信じられないから信じない！と思う事にした。

気を取り直して風呂掃除を始めようと浴室へ入って久々に「ぐはっ！」っとなった。物凄い刺激臭だ。苦いようなしょっぱいような酸っぱいような強烈なオヤジ臭が浴室に充満していた。

こんな時は、鼻呼吸は無理だし、口呼吸だって辛いものがある（泣）。

X君が浴室の隣にある洗面所に来たので、力無く「オ、オヤジ臭が…」と言ったら、X君は「うわ！ホントだ！凄いオヤジ臭だ！うっはー！」と言って、いつもどおりニコニコ笑ってた。

私はあまりのオヤジ臭に酔ってきたので、排水溝の蓋を開けて、そこへボディーソープを垂らした。そうすると、排水溝から上がってくる湯気にボディーソープの香りが混じって、かなりオヤジ臭が軽減される。

呼吸がラクになったので浴槽を洗い始めたら、今度はオヤジの垢にやられた。浴槽の回りにグルリと垢の輪がついていて、手強かった。おまけに洗面所の床の上は、オヤジの安い靴下の黒い繊維ゴミだらけだった。

こんなの、オヤジの連れの女性の仕業とは思いたくない。

それでも横でX君がニコニコしていてくれるので、気持ちは随分救われた。X君の笑顔は抜群にイイし、私が何か言う度に抜群の笑顔をたたえながら答えてくれる。ホントに今時珍しいぐらい物凄い笑顔の若者だ。

「今はこんな可愛い顔して笑ってるけど、20〜30年後はX君だって見る影も無いオヤジになってて、強烈なオヤジ臭を発してるかも知れないよね…。あ、でも20〜30年後なら、あたしゃ多分生きてないから関係ないか？うん、関係ない」と、つまらない自問自答をしてみた。

20〜30年後は無理としても、2〜3年後にP君とX君が学校とココを卒業するのを見届けたい。P君にもX君にも、学生でいる間はココに居てほしい。

P君！「辞める」なんて言わないでーっ（泣）