X君宅&月影荘
今日の私のテーマは”思い出作り”だった。

今夜、社員のイケメン氏と社員になった特大君の歓送迎会がある為、夜にX君と待ち合わせる予定だったが、X君も私も休みだったのでX君宅へお邪魔することにした。

夏の偏屈王事件以来ココで働くことに限界を感じ始め、私の中で「この仕事は大好きだけどココじゃないのかも知れない」という思いが日に日に強くなり、もはや辞め時に迷っている状態だった。しかし後悔はしたくないので、精一杯働いて、良い思い出を残したい…と考えていた。

X君宅へお邪魔したのも、X君がどんな所でどんな風に暮らしているのか、最後に見ておきたかったからで、思い出作りの一環だ。とりとめのない話をしたり、X君が作ってくれた焼きうどんを食べたりして時は流れた。

歓送迎会会場の月影荘では、細長いテーブルの壁側の右角にトド山さん、対角線上の左角にX君と私が座り、向かい側は特大君とイケメン氏で、身体の大きな特大君が動き易いようにと、彼には通路側の角の席が用意されていた。

乾杯の後、特大君が席を立った隙にトド山さんが来た。まんまとX君の近くに来たようだが、イケメン氏に「ここは特大君の席だよ」と窘められたにも関わらず、そんなの関係ねぇ!とばかりに「私、こないだX君と飲みに行ったのぉ」と言った。私にも聞こえよがしだ。

トド山さんは、みんなの前でその一言が言いたくて仕方なかったようだ。イケメン氏は私の顔色を伺いながら、苦し紛れに「そんなことしたら、みかやんに殺されるのにぃ」と言ってくれた。

トド山さんは「みかやんに断ってから行ったもん!つか、みかやんも誘ったけど、急だったから行けなかったんだもん!X君宅でピザ食べようと思ったけど、一人暮らしの男の人の家に行くのも気が引けたから飲みに行ったんだもん」と答えた。

私はようやくトド山さんが私をライバル視していたことに気付いた。しかも恋のライバルらしい(寒)。

イタリア〜ンな店にピザを食べに行くもんだと思っていたが、トド山さんはX君宅でピザを食べようと考えていたようだ。「X君宅へ行くのに気が引けるのはアンタに下心が有るからでしょ?あたしゃX君とどうこうなろうなんて思ってないから、何の抵抗も無くお邪魔してきたよ」という言葉を飲み込んだ。

特大君が戻ると、トド山さんは「アンタ、あっち行きな!あっちのオバサン達が待ってるから!」と、自分が居た席を指差した。特大君は困惑の表情を浮かべたが、壁とみんなの背中の間を大きな身体を小さくして「すみません、すみません」と言いながら通り抜け、壁側の角の狭い席に大きな身体をねじ込んだ。

主役の特大君にそんな思いをさせても、自分がX君の傍に居られりゃいいのか?トド山さんの、なりふり構わぬ姿に呆れ果てた。こんなに必死な30代バツイチ女を初めて見た。特大君が不憫で腹が立ったが平静を装ってX君と話をした。

トド山さんがX君と私の会話に入ってこなかったので安心していたら、トド山さんは男子社員に個別に擦り寄り「○○氏、だ〜い好き♪」としなだれかかったり、トイレに立つ男子社員の手を引いてトイレに行っては暫く戻らない…というのを繰り返していた。

見ていて本当にイタかった。

あまりのことに少しも酔えず、普段は飲まないビールを呷った。そして…悪酔いした(萎)。

二次会へは行かず帰ろうとした時、トド山さんがX君を呼び止めた。「X君さぁ、こないだ言ってたことと話、違うよね?」と言ってX君と私の繋いだ手を睨み、恨みがましい目で私を見た。

トド山さんとX君が飲みに行った時「みかやんとはどうなの?」という質問にX君が「あんなオバサンと俺は何の関係もないよ」みたいな話になったことは容易に想像出来る。それをわざわざ私に聞こえるように言うのは、よほどの敵対心なのだろう。

トド山さんに言われなくてもX君が私をそう思ってるのは承知の上だ。職場で一緒に居る時に仲良くしてくれりゃいいんであって、私はX君と個人的に外で会いたいなんて思ったこともなかった。

X君を二次会会場へ送り届け「私は帰るから楽しんできて」と言ったが、X君は「行かないなら俺も行かない」と言って、結局、街の中を延々と歩くことになった。

こうして私の”思い出づくり”は終わった。トド山さんにぶち壊された感も有るけど、うちの班で楽しく素敵な思い出を残したい!なんて思った私が馬鹿だったと痛感した。

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