11:30-17:30 本メイク5部屋+クイックメイク14部屋+点検

今日は、萌えさん(10代後半・超美形)が欠勤して、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)とZさん(20代後半・昔の森尾由美似)と私の三人勤務になった。

夕方、サクサクと三人勤務を進めていて、ふとモニターを見たら、フロントの人が点検をしなければならない部屋や、セットをしなければならない部屋が大量に溜まってきているというのに、偏屈王の姿がどこにもない。

私が今日のフロントだったら、取り敢えず点検だけでも何とかして売り部屋を作ってしまわなければ気が気じゃないと思うのに、偏屈王クラスになるとそんなことには動じないのだろう。

Eさん「偏屈王、さっきからずーっと居ないよね。点検もセットも溜まってきたから、また非常階段にでも隠れてるんじゃないの?」

みかやん「随分前にコンビニボックスの商品の入れ替えをしてるのを見たきりです」

Eさん「それは朝のA班さんが凄い勢いでやってたもの。大した残ってないと思うけどねぇ」

みかやん「あのオッサンにA班さん達と同じスピードで出来るとは思えませんから」

Eさん「そうだけど…」

そうこうしている間にも点検やセットの部屋が増え、偏屈王は非常階段で強迫観念に苛まれているか、”肝臓からくる疲労”を訴えて早退したのか、どっちかだと思った。

そこへフロントから電話が入り、私だけが呼ばれて階下へ降りた。

支配人殿「溜まってきたんで点検だけダーッとやっちゃって下さい」

みかやん「はい。それで…偏屈王は?」

支配人殿「あぁ、アレ、使い物にならなくてさ…」

みかやん「・・・やっぱりそうなんですか…」

社員の二宮和也似氏&電話番姉さん「あれ〜!”やっぱり”だって〜!」

支配人殿「・・・あの…冗談なんで真剣に受け止めないで下さいね」

みかやん「偏屈王は早退したんですか?」

支配人「いいや、居る、居る」

絶対に”冗談”なんかじゃない。口をついて出た支配人殿の本心に違いない。あまりのことに動揺して「私も冗談で言ったんですよ」と言いそびれてしまった。

点検を始めたところでバッタリと偏屈王に遭遇すると、奴はとても不思議そうに「あれ?フロントしてるんですか?」と聞いてきた。お前がこんなに点検を溜め込んでっからだろ!という言葉をグッと飲み込んで「いいえ。点検だけです」と答えて逃げた。

小心者の私なんかは点検の溜まり過ぎに恐れをなして、決死の覚悟で点検に臨もうとしていたところなのに、当の本職フロントの偏屈王がシラッとしていて萎えた。私らの怠慢でお客様をお待たせするようなことは有ってはならないのに、まるで危機感が無い。

どんなに忙しかろうと、自分が大事、自分の身体が大事な人だから、客や会社のことなんか二の次三の次で、まして私ら同僚のことなんか眼中に無いんだろうさ。

次の点検部屋へと急いで廊下を走っている時に、お客様と出会してしまったが、私は急に止まれない。制動距離の間にお客様は私に「お邪魔しました」と深々と頭を下げてくださった。咄嗟に「ありがとうございました」と、私もお客様以上に深々と頭を下げて通り過ぎた。

頭を下げてくださるだなんて勿体ない。物凄く恐縮してしまった。だけど、このような素敵なお客様が偏屈王なんかに頭を下げていたとしたら、もっと勿体なかった。

本職フロントの偏屈王が悠然と仕事をしている間、手伝いの私がバタバタしているのは割に合わない気もするけど、私はお客様のために頑張ろう。

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