11:30-18:00 クイックメイク23部屋

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)と私の二人勤務。Sさん(20代前半・初バイト)がフロントだった。

出勤すると、Eさんが「ココの玄関の前まで来たら、目の前でタクシーが止まって、男の人が二人で降りてココの玄関に入ってったの!いつものクセで”隠れなきゃ!”と思ったんだけど隠れる場所も無くて”あ、外だからいいんだ”って気付いて力が抜けちゃった(笑)」と興奮していた。

みかやん「普通に通勤中に外を歩いてる分にはココの従業員だと分からないのに(笑)私も多分逃げ惑ったと思います。習慣って怖いですよね」

Eさん「私ったら咄嗟に電信柱に隠れようとして”違う違う!隠れなくていいんだ”と思ったら、自分でも可笑しくなっちゃって」

みかやん「私なら電信柱じゃ隠れきれないんで、もっと慌てたかも知れません」

陽気に出動して1部屋目で、ドギツいピンク色の頬紅がフローリングや絨毯の上で粉々になっていた。それが木目や絨毯の奥にめり込んで、掃除機で吸っても水拭きしても床がほんのりピンクで、妙にイヤラシイ感じに仕上がってしまったが、どうしようもない。

そうこうしている間に売り部屋が数部屋しか無くなり、慌ててベッドメイクするも、1隊では追いつかず更に焦った。1隊しか居ない時に限ってこんなもんだ。

普段ならこんなに慌ててベッドメイクをしたら暑くて鼻血が出そうなのに、今日は寒くて少しも身体が温まらなかったどころか、窓側でベッドを組むとフローリングが冷たくて足の裏がジンジンしたり、開放した風呂の窓が凍って閉まらなくなったり。

最高気温がマイナスだと風呂の窓も凍る。その度にEさんに「みかやん、助けて」と呼ばれ、私の馬鹿力で強引に引っ張ったり叩いたりして窓を閉めていた。

風呂でEさんが「やーっ!ちょっとぉ!」と叫んだので、また窓か?と思って見に行ったら、浴槽が真っ黒な垢でドロドロになっているのを久々に見た。

Eさん「このお客さん、大晦日もお正月もお風呂に入らなかったってことでしょ。十日やそこらじゃこんなにならないだろうし、いったいいつからお風呂に入ってなかったんだか。今時、風呂ナシのアパートも無いだろうにさ」

みかやん「それを考えると怖いですよね。お風呂嫌いな人って”自分は汗をかかないから汚れない”と固く信じてるらしいですけど、そんなのは単なる思い込みで、実際お風呂に入ったらこうなるんですよね」

Eさん「こんなの汚ギャルか汚染オヤジでしょ。汚ギャルと汚染オヤジでペアで来られたりしたら目も当てられないわ。こんな汚い人とやっちゃったと思ったらゾッとするよね」

みかやん「あはは!汚染オヤジって…」

心当たりの有る方は、ラブホへ来る前に入浴しないと、お連れ様やベッドメイク係に嫌われる…と思いますヮ。

夕方、部屋へ入ってベッドメイク道具が入ったバッグをソファーの上へ置こうとしていたEさんが「うわーっ!何コレ!」と叫んだので見てみると、ビニールレザーのソファーの上が血まみれだった。

血は広範囲についていて、所々乾いていたりまだ濡れて光っていたりで、血に弱いEさんは大騒ぎだ。仕方ないので私が「こんな所をこんなに汚して…同じ女としてこっちが恥ずかしいですよね」と言いながら、洗剤をかけて拭き取った。

するとEさんが「ホントだわ!生理なんだもの、ナプキンなりタンポンなりしてソファーに座るもんでしょ!どんな女か知らないけど、非常識だわ!」と猛然と怒り出した。

ふと見ると、床にも点々と血が滴っていた。部屋係は私なのでまぁ良いとして、風呂を確認すると、浴室の床も血だらけで洗面器は真っ赤な液体で満たされており、ついでに確認すると、トイレの便座は乾いた血でコベコベになっていた。

血に弱いEさんに代わって私が血の始末をして回り、Eさんは「どこまで非常識なんだか!」とか「非常識にも程がある!」とか「非常識な女もいたもんだわ」と言いながら、私の後をついて回った。

Eさんが執拗に「非常識」「非常識」と言うのが可笑しくなって、思わず吹き出すと、Eさんは「だって、こんなにあちこち血だらけにして歩くような非常識な女なら、男の人だってイヤでしょう。こんな非常識な女との付き合いは考え直した方がいいわ!」と言って照れていた。

凄い勢いで憤慨していたのに、急に照れてしおらしくなったEさんが妙に可愛らしかった。

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