11:00-18:00 クイックメイク19部屋+廊下掃除+リネン折り

今日はDさん(20代前半・金髪&ピアス)とWさん(20代半ば・ビジネスホテル出身)、愚鈍さんと私の勤務。

出勤早々Dさんに「恋の病は治ったのかい?」と冷やかされて萎えた。私が恋する乙女だったのなんか昭和の時代だもの。こんなトシになって「恋」って言われても。嗚呼だけど「恋をしているから乙女と呼ぶのか 乙女だからこそ恋するのか年齢じゃないね(可能性の道/松浦亜弥)」なんて歌も有った。

1部屋目に入る前に非常階段へダスターを取りに行ったらX君が居て、眩しい笑顔で「お疲れ様で〜す」と声を掛けられた。昨日はX君と目も合わせられなかったけど、やっぱりこの笑顔を見ないと損した気分になるよね!と思った。

昨日はEさんにも「あんなに仲良しだったのに、みかやんがそんなだったらX君も変に思うよ」と言われたことだし、次に会ったら普通にしてようと思い直した。

1部屋目でベッドを組んでいたら、足にひんやりしたモノが当たったので見てみると、床に使用済みスキンが落ちていた(哀)。でもソレは噂の”光っちゃう”スキンだったので、思わず見入った。

けど、ベッド枠下の薄暗い所に落ちていたけど”光っちゃう”という程でもなく、まぁちょっと蛍光かなぁな程度だったのでガッカリ。何をそんなに期待してたんだか>私

次の部屋ではテーブルの下に使用済みスキンが落ちているのを発見した。拾おうとしたら、なんと!破れてた。他人事ながら「破れてるじゃないの!大丈夫かい?」と心配したけど、次の瞬間、そんな気持ちは失せた。

イヤな予感はしたけど、やっぱり床に白子がこぼれた(哀)。

気を取り直して4P部屋へ行ったら、フロント渦巻き君がセットをしている最中で、2つあるベッドの1つを剥がし終えたので、そのベッドを組み始めた。すると、私達の傍らで剥がしたリネン類をまとめていた渦巻き君が小さく「うわっ!」と呟いた。

みかやん「え?何?どーしたの?」

渦巻き君「や、精子ついてて…」

みかやん「・・・・・」

普段、真面目で無口な渦巻き君に「精子」と言われると、妙に生々しい気がした。

渦巻き君がもう1つのベッドを剥がしたので、そちらのベッドへ向かうと、動揺したのか剥がさなくていいオネショマットや防火マットまで剥がして丸めていた。「こっちもアレ(白子)ついてたの」と聞くと「そっちは大丈夫です」という返事だったので、オネショマットと防火マットを広げた。

ところが、オネショマットに丸く色が変わった部分があったので、落ちないシミなのか?と触ってみたらニュルーッと手が滑るぐらいヌメる液体がついていた。手の匂いを嗅いだら間違いなく白子じゃないかっ!おえぇ。

みかやん「渦巻き君!こっちにもついてんじゃん!」

渦巻き君「いろんな所についてるんですよ〜」

ってアンタ、さっき「そっちは大丈夫」って言ったじゃん!

愚鈍さんがオネショマットの替えを取りに走ったので、その隙に泣きながら手を洗った。ひでぇ!渦巻き君にハメられたよ!

一度、作業室へ戻ろうと業務用エレベーターに乗ったら、DさんとWさんも乗り込んできた、更にX君も乗ってきた。ふとDさんが「昨日、電車男を見て思ったけど、やっぱりX君て小栗旬に似てるわ」と言った。先日もフロント可愛い人が「X君て小栗旬に似てない?」と言ってたばかりだった。

あたしゃ昔から小栗旬にはうるさいのよ!”GTO”からチェックして”SUMMER SNOW”も見て、当然”ごくせん”も見た。上○彩は嫌いだけど小栗旬の為に我慢して”あずみ”も見たし、”隣人13号”だって見たわ。

ってことは、やっぱりX君てめちゃ私の好みのタイプってこと???

X君には「凄いね、X君。矢□とも付き合えちゃうんじゃない?」と言うと、X君は「そうですね」と答えて、いつもどおりニコニコ笑ってた。

帰りに「近所のマンションで子供が2人殺された」という話を聞いた。犯人が捕まったのか、目的は何だったのか、殺害方法など、いっさい聞かなかったので、帰り道は何となく怖い気がした。

着替えてラブホを出たら、目の前にマイクを持った人やらカメラを持った人やら大勢の取材の方々がいて怯んだ。ホントに近所のマンションだった。

元々ビビりな私は、地下鉄に乗るまで生きた心地がしなかった。
11:00-18:00 クイックメイク19部屋+廊下掃除

今日は、Dさん(20代前半・金髪&ピアス)とWさん(20代半ば・ビジネスホテル出身)、Eさん(50代後半・高見沢俊彦似)と私の勤務。

休憩前までは土曜と思えないぐらい売り部屋が有って余裕だった。けど、いざ部屋へ入ったら手強い部屋ばかりで参った。

どの部屋も真冬並みに風呂の窓や壁が湯気でベチャベチャだったり、寿司か刺身の残りを放置していたらしく吐きそうなほど生臭い部屋に当たったり。お願いだから、フロントの人はセットに入った時に部屋と風呂の窓を開けといて下さいって感じ。

パッと見、奇麗な部屋でもよく見たら、床に粉々になった頬紅が散乱していたり、夏も終わったのに剃った陰毛で風呂の排水溝が詰まってたり。売り部屋が無い時にベッドメイクに時間がかかる部屋にばかり当たってたら大変だった。

かと思えば、ヘビースモーカーさんがお越しだったようで、玄関から部屋も洗面所もトイレも風呂もタバコの灰だらけにしてらした上に、吸い殻を浴槽と便器の中へ捨ててらっしゃって…(泣)。

トイレ詰まるっつーの!放尿された水の中から吸い殻を拾う者の身になれっつーの!あたしに何か恨みでもあんのかい?と毒づきたくもなる。今日はあまりにも当たりが悪い。Eさんも「今日はだらしないお客さんばかりでウンザリ」と萎えていた。

昼休みは休憩室にX君も居たけど目も合わせられなかった。X君本人の前で冷やかされても困るしX君に悪い。私が若くて可愛くてX君もまんざらでないと思うような子なら良かったけど、こんな婆と冷やかされては、いつもニコニコのX君も笑えないでしょ。

休憩明けに急に忙しくなった。

Eさん「X君と何かあったの?やっちゃった?」

みかやん「はあぁっ?Eさんまで何を!有り得ませんて」

Eさん「みかやんとX君ぐらいのトシの差なら有り得るでしょ」

みかやん「うわーうわーうわー!やーやーやー!(←Sさん状態の大騒ぎ)無いです!どーしてそんな話になるんですか」

Eさん「いつも二人で仲良く喋ってるのに、みかやん全然喋らなかったし、休憩室を出て行くX君を見送らなかったからX君は寂しそうに出て行ったし…」

みかやん「やったやらないまで話が飛ぶから、あたしゃX君に申し訳なくて合わせる顔が無いんですよ!それに、やっちゃったら普通はラブラブなんじゃないんですか?」

Eさん「やっぱりみかやんはX君が好きなんだと思う」

みかやん「やっぱりって何すか?X君は若くて格好良くてニコニコで普通に好きですよ。うわ、や、違った、いや(しどろもどろ)もう勘弁して下さいよー」

Eさん「大丈夫。X君は可哀想だから冷やかさないでおくからね」

みかやん「ええ!私は可哀想じゃないんですかーっ?」

Eさん「あら大変!売り部屋が無くなっちゃったわ。急がなきゃ!」

みかやん「ちょっとぉ!あの…ちょっと!」

酷い。Eさんたらとっとと風呂へ逃げてった。ふと気付いたらそこは最上階の私が嫌いな和室で、前回は座布団にリアルな生理のシミがついて萎えたけど、今回は座布団に何かが付着して白っぽく生乾きになっていた。

勇気を振り絞って匂いを嗅いだら、紛れもなく白子臭(精子のかほり)で「ぐはっ!」と。オマケに座布団のいろんな所にそのシミがついてて、またフロントへ連絡して新しい座布団カバーを持ってきて頂いた。

いやいやいや。畳敷きの小上がりに座卓と座椅子に座布団が有る和室もあるけど、この部屋はフローリングの小上がりに座卓と座椅子と座布団なのよね。余計なお世話だけど、身体とか痛くなかったんだろうか?と思いますわ。

逃げるように最上階を脱出したけど、ベッドメイクしてもベッドメイクしても売り部屋が増えなくて焦る焦る。フロント二宮和也似君が手伝いに来てくれて余計焦った。久々に暑くて汗だくで喉が渇いて砂漠に居るような気分になった。

Eさんも「もうダメ!喉が渇いて干涸びそう!ホント今日は散々だったよね。お客さんもさ、何も給料前に有り金をはたいてこんな所に来なくたっていいのにね」とボヤいていた。ホントいろんな意味で散々だった。
11:30-18:00 本メイク13部屋

今日は、Cさん(60代前半・元看護師)とSさん(10代後半・初バイト)、Eさん(50代後半・高見沢俊彦似)とYさん(50代前半・Bさん似)と私の勤務。

新人のYさんと組むのは2回目だが、Yさんは仕事を覚えるのも早いし、仕事自体も早くて助かる。愚鈍さんとやらとは大違いだ。

Yさんが風呂係をしている間、Eさんがコソコソと私に話しかけてきた。

Eさん「さっき、Yさんに注意したんだけど、Yさんてベッド組みにクセがあるの。シーツでも包布でもナナメに引っ張るクセがあるみたいなんだよね」

みかやん「あぁ。愚鈍さん式なんですか(愚鈍さんは未だにナナメ)」

Eさん「だから、Yさんがまたナナメにやってたら、みかやんからも言って。愚鈍さんみたいに完全にクセついちゃうと困るから」

みかやん「や、でも。愚鈍さん以外の普通の人は一度言ったら分かるんじゃないんですか?何回注意しても改まらなかったのは愚鈍さんだけですよね(毒)」

Eさん「あはは!そうだよね。それもそうだわ!愚鈍さんみたいに曲がって育った人を見てると、仕事を教えた方の身としては責任感じちゃってさ。神経質になってたね。だって〜、愚鈍さんには何回言ったか分かんないぐらい注意したんだもん!」

でしょう!だから「愚鈍さん」に改名したんだもの。

今日は本メイクで1部屋25分でまわっていたけど、新人さんが居るとは思えないほどハイペースだ。愚鈍さんがYさんぐらいのド新人だった頃は風呂掃除だけで40分かかってたもの。Yさんてホントに優秀だ。

夕方、床じゅうカットした髪の毛だらけの部屋に当たった。掃除機をかけ、掃除機を返却してからソファーの上やテーブルの上、テレビ台の上までも髪の毛だらけだったことに気付き萎えた。

ラブホでヘアカットや毛染めの残骸はたまに見かけるが、ちょっと気の利いた人はソレを風呂場でやってくれる。

また掃除機を持ってくるのも面倒なのでガムテでペタペタと毛を拾っているうちに飽きてきた。

みかやん「もーっ!新聞紙ぐらい広げてやってくれたっていいじゃん!」

Yさん「自宅だったら必死で新聞広げるだろうけど、人ん家ですからね」

Eさん「なんぼ人ん家だからって、これはタチ悪いわ!散らかし過ぎだもの!」

三人でブツクサ言いながら毛を拾っていて、ふと専属美容師のエ□ヒ□キの顔が浮かんだ。この犯人がアイツだったら許さないから(笑)!

アイツだったら「俺、個人的にカットしてあげようか?家でもいいし、俺が前に働いてた店でもいいし、場所はどこでもOKだから」とか言って、ラブホに連れ込みそうだ(笑)。実際、前にそんなようなことを言われたし…。

全国のエ□美容師の皆さん、真似しないように(笑)

他に手だてが無くてラブホでカットして差し上げなければならない場合は、比較的被害が少なくて済むお風呂場でやって頂けると幸いです。

帰る間際の部屋で、Yさんが「トイレ行きたい」と言い出した。その部屋に限ってトイレのドアが無かったので、私は洗面所から部屋へ避難して部屋のドアを閉めようとしたのに、Yさんは既に便器の前で中腰になってズボンを下ろそうとしているではないか。

みかやん「ちょ、ちょ、ちょっと待って〜!今、部屋の方へ行くから」

Yさん「別にそこに居ていいですよ。エプロンしてるから見えないでしょうし」

みかやん「やややや(私が困るから・滝汗)」

何が悲しくて50代女性の放尿シーンを見なきゃいけないんだか。近過ぎて音もリアルに聞こえちゃうよ。あたしゃ、そんな趣味は無いから。

大慌てで部屋へ逃げてドアを閉めた。あのまま放尿されたんじゃ、洗面所の私からも部屋のEさんからも丸見えだもの。Yさんのあまりにアッケラカンとした振る舞いに、変な汗が出た。

いくら女同士でもちょっとねぇ。やっぱり、オバ恐るべし!と思った。
11:30-18:00 本メイク4部屋+クイックメイク10部屋

今日は、Sさん(10代後半・初バイト)と愚鈍さん、Dさん(20代前半・金髪&ピアス)と私の勤務。

うっかり地下鉄に乗り遅れて、いつもより1本遅い地下鉄に乗ったら、地下鉄の中の目の保養君に会った。彼は私の目の前に後ろ向きで立っていた為、尻フェチの私には、こりゃたまらん!な状況だった。

尻の形が分からないパンツをチョイスするセンスが好きなんですわ。今日も彼はお洒落でステキだった♪バッチリと目の保養をしたし、仕事頑張るぞ!オー!な気分になった。

出動して、Dさんとは「貞操観念」の話の続きになった。もはや私やWさんは、Dさんにすっかり呆れられたようで、今回は叱られなかった。でもWさんは、逆に「Dさんみたいに真面目だったら、悪い男に騙されるんじゃないか?って心配」と本気で心配してた。

”真面目”っていうか、私らは両極端で何が普通なのか分からなくなってきた。考えたら、ラブホで働いてて貞操観念もあったもんじゃない。なんせ、うちらは不倫さまさまだもの。ラブホじゃ、普通のカップルより、不倫の方が勢力強いもの(精力とは異なります)。

昼休み、Sさんの誕生日だったので、Dさんと私で腕によりをかけてティッシュで花を作った。胸や肩につけられるよう花の裏にガムテープを輪にしたものもつけた力作だ(笑)。

Sさんは「ウケる!」「腹痛い!」と喜んでくれたものの、花を壁に貼付けた。哀しいので隙を狙ってSさんの腰にまんまと花をつけ、Sさんが出動するのを見送った。嗚呼それなのに、Sさんは花をゴミ箱へ捨てて出動した。

Dさん&みかやん「Sちゃん、酷いよ!私達の友情を踏みにじって」

Sさん「い、イジメじゃないですかーっ!」

イジメだなんて人聞きが悪い。イジメっつーか、Sさんイジリね。完全にSさんイジリが日常化している今日この頃だ。

夕方、部屋の入口のドアを開けただけでウン○臭い部屋に当たってしまった。怖々部屋のドアを開けると、部屋にはキツーいウン○臭がたちこめていた。こんなに臭いのに、フロントの人がセットに入って窓を開けなかったなんて信じられない。

狭い部屋なのでキャスター付きのテーブルが置いてあったが、そのテーブルが部屋の隅へ移動していて、広く空いた床の真ん中に何故かスリッパ1足が奇麗に揃えられて並んでいた。

わざわざ確保したスペースで何かがあったってことで、怪しさ満点の光景だ。それにしても臭い。こんな匂いに鼻が麻痺するのもイヤな気がするし、この部屋にいたらうちらからもウン○臭が漂うのでは?と不安だ。

Dさん「うわーっ!酷いね。こんなの屁の匂いじゃないよね?」

みかやん「はい。これはもう間違いなくブツの匂いですけど、ブツが見当たりません」

その辺にブツが転がっていたかも知れないので、怖くなって客用スリッパをはいて、ブツの捜索をした。ブツは無かったが、床の上に茶色いモノが転がっていた形跡があった。勇気有るフロントの人がブツだけ回収してくれたらしい。

ホッとするも、私が部屋係だった。窓、部屋のドア、玄関のドアを全開にして換気している間に洗面係を済ませ、部屋の床拭きを残すだけとなった。

いつもなら手や膝をついて床拭きをするけど、そんな床に手や膝をつけられるワケもなく、スリッパをはいたまますごすごと床拭きをして、いよいよ問題の部分へ。床に茶色い楕円の輪シミが不気味に残っていた。

ゴム手袋をしてダスターで拭き取ると、案の定ダスターには茶色い味噌のようなモノが付着した(泣)。こんな時って完全に萎えてしまって、怒る気力なんて無い。

力尽きてその部屋を出ると、廊下にフロント渦巻き君がいたので確認したが、渦巻き君はその部屋のセットには入ってないそうなので、朝のフロントの人かお客さん自らがブツを回収したらしい。

有り難いことだ。でも、どうせなら、その時に窓も開けてほしかった。朝のフロントの人とお客さん、どっちかがウン○臭フェチだ。そんなわけない。
11:00-17:30 クイックメイク22部屋+ベッドのみ1部屋

今日は、Eさん(50代後半・高見沢俊彦似)とSさん(10代後半・初バイト)、Wさん(20代半ば・ビジネスホテル出身)と私の勤務。

出動直後に売り部屋が無くなり、Wさんとろくに言葉も交わさないまま大慌てで5部屋ぐらいやっつけた。巷の皆さんは3連休の真ん中だけど、日曜の11時から満室って…しかも売り部屋待ちのお客様が待合室で待ってらっしゃるんだから、こっちは軽く萎えてしまう。

ホテルQグループで深夜から朝まで働いていた頃は、昼間に満室になることなんか無いんだろうと思ってたもの。

こないだからずっとDさんに「貞操観念」について問われていて、聞かれるままに若い頃の私の話をしていたら「アンタはどんな男の前にも股を広げてきたのかい?」と叱られた。

「や、そんなワケないじゃないですか。生理的に受け付けないタイプの男とは出来ないし、やっぱりある程度以上好きじゃないと出来なかったですよ」と答えたら、「そんなの当たり前でしょう!」と、もっと叱られた。

それに「当時のみかやんの”ある程度以上好き”と今の私の”ある程度以上好き”とは程度が全然違う!と思う」とも言われましたわ。アイタタタ。ま、そんなのは私がDさんのトシぐらいの頃の話ですから(遠い目)。

Dさんてば、こーゆー話の合間にX君の話を持ち出して「P君なら断わっても、X君にラブホに誘われたら断わらないんでしょ?」とか言って冷やかすんだもの。恥ずか死くもなるって。つーかね、まず間違いなく誘われないから。

で、Wさんはどうも自分と同じ匂いがする気がして、Wさんなら当時の私を分かってくれるだろうと話を振ってみた。

するとWさんは、あまりにも掟破りなお方だった。私の上を行く・・・(以下自粛)。

そんなこんなでWさんと意気投合(?)してしまって、白昼堂々ラブホでエロ話ですわ。お互い、つい過去のイタい想い出話なども披露してしまいましたわ。

その内容を書きたい気持ちは山々ながら、とても表に晒せるものではございませぬ。

夕方、私はベッドの前に鏡がある部屋の部屋係になった。鏡の下には台があり、立って手をつくのに丁度良い高さになっている為、度々鏡に顔や髪の油が付着しているのを目撃してきた。

辞めたBさんも、その鏡に顔の跡や頭の跡がついていると喜んでいた。

今日もベッタリと様々な跡がついていたので、懸命に鏡を拭いたが、油膜が張ったようになって、なかなか奇麗にならないうちに、風呂係を終えたWさんが部屋へ来た。

みかやん「Wちゃん、ごめんね。ちょっと待ってて。鏡に頭の跡やら顔の跡がついちゃってさ。この皮脂ってものは、なかなか手強いよね」

Wさん「あぁ。そこで立ちバックしたんですね♪」

みかやん「た、た、た、た・・・(立ちバック)。Wちゃんたら、可愛い顔してなんてことを!(激照れ)」

Wさん「ふふふふ♪」

鏡の前で立ちバックをしていたであろうことは安易に想像できるものの「立ちバック」とは、私でもなかなか口に出せずにいたのに…。Wさんたらお人形さんみたいな可愛い顔をしてサラリと言ってくれちゃって、あたしゃ本気で驚いた。

というかもう、ちょっと退いたぐらいだよ。

昼間二人でさんざんエロい話をしていたとはいえ、せめて「後背立位」と言ってほしかったよ。って、その方が何かイヤラシいかも。かと言って「後櫓(うしろやぐら)」なら、咄嗟に分かりにくい。

-----はい。後櫓がどんなモノか分からない方の為にリンクをご用意しました。後櫓をご存知なくて尚かつ18歳以上の方は下のリンクをクリックして下さい。18歳未満の方はリンクをクリックせず父兄の方へお尋ね下さい(嘘です)。

http://www.asiandrug.jp/48/48-04.html

今日は、可愛いWさんの小悪魔的な部分が見え隠れしたというか丸見えで、私は驚きの連続だった。
11:00-18:00 クイックメイク18部屋+ベッドのみ1部屋

今日は、Wさん(20代半ば・ビジネスホテル出身)と愚鈍さん、Dさん(20代前半・金髪&ピアス)と私の勤務。

出動してわりとすぐに最も手強い4P部屋のベッドメイクをしなければならなくなり萎えるも、実際4P部屋に入ってみたら物凄く奇麗に使われていた(初)。なんせ2部屋分のスペースを掃除するんだから、黙ってても時間がかかるのにサクッと済んだ。ありがとう!お客さん!

二人だと部屋を奇麗に使ってくれるお客さんも、3P、4P、5Pと人数が増える毎に気が大きくなるのか盛大に部屋中を散らかしてくれちゃってるのに、今回のお客様は2つ有るベッドを1つしか使っておらず、部屋の中の物も殆ど使われていなかった。

お金持ちのカップルが高価な4P部屋を2人で使ったのか、1つのベッドを4人で使ってベッドの上じゃ狂喜乱舞だったのかは分からないけど、そうじゃなくても手強い4P部屋をこれほどまでに奇麗に使って頂いて、感謝感激だ。

気を良くしていた私に、ふいにDさんが声をかけてきた。

Dさん「みかやんて、P君を男を見る目で見てたよね」

みかやん「は、はああぁぁっ?それはないですよ。後輩として可愛いとは思ってましたけど…。だって”みかやんに話したくて仕方ない事がいっぱい有って、早く会いたかったんすよ”とか言われたら、可愛いじゃないですか!」

Dさん「P君が辞めた後の寂しそうなみかやんを見てたら、やっぱり男を見る目で見てたんだと思うよ」

みかやん「違いますって!私はP君よりX君の方が全然好みのタイプなんですよ」

Dさん「じゃ今度はX君かい?」

みかやん「いやいやいやいや。何をおっしゃるやら」

そう答えながらも実は照れてフニャフニャだった。あたしゃ何に弱いって、いつもニコニコの男の子に弱い。もう何度もX君の笑顔に魂を抜かれそうになった。X君てば尻フェチの私が合格点を出せる尻だし、手を繋いだ時のフィット感も抜群だったさ。

いつも横でニコニコ笑っててくれたら、それだけで幸せな気がしない?けどね…。私が今せいぜい24歳ぐらいで独身なら、X君に熱烈急接近もしたさ。24歳から何年経ってると思ってるんだか。

Dさん「じゃあー。WさんかX君のどっちかと絶対にラブホへ行かなきゃならなかったら、どっちと行く?」

みかやん「そんなのX君に決まってんじゃないですか」

Dさん「ほらやっぱり。私なら迷わずWさんと行くもん!」

みかやん「え。ええええー?」

だって、あたしゃビアンのケは全く無いもの。

その後、X君ネタでことごとく冷やかされた。そうじゃなくても照れてフニャフニャになり易いタチなのに冷やかしにはホントに弱くて、私は小娘のような恥じらい・・・そりゃ言い過ぎだ。

昼休みは、愚鈍さんにせがまれてWさんが先日のプリクラを見せていた。DさんとWさんとX君とA班の親分さんと私で6ポーズほど撮ったけど、私が写ってないものもあった。

それを見た愚鈍さんがWさんに「何で〜みかやん居ないの〜?」と聞いた。しかもわざわざ私に聞こえるように。その手のイヤラシい攻撃はもうウンザリなんだってば。そもそも愚鈍さんに関係無いんだし、お前が勝手に俺の名前を口にすんじゃねーよ!って感じ。

あら?私ったら俺だなんて、はしたないワ。

夕方、Dさんが風呂から叫んだので見てみると、排水溝付近に少量のウン○のような様相のモノが有った。限りなくウン○に近い感じではあるが、私達ビビリにそれを確認する勇気は無い。

だけど、ウン○と断定出来れば有る程度ではあるが諦めはつくものの、ウン○なのか何なのか分からないのも、かなり怖いものだ。

Dさんがワーワー言いながら得体の知れないモノを拭き取るのを私はギャーギャー言いながら遠巻きに見てた。怪しくて妖しくて仕方なかった。

Dさん、助けられずにスミマセン。と言うか、純情な私(嘘かも?)をからかうのがイケナイんですよ〜。
11:30-18:00 本メイク8部屋+クイックメイク9部屋

今日は、Cさん(60代前半・元看護師)とSさん(10代後半・初バイト)、Eさん(50代後半・高見沢俊彦似)とYさん(50代前半・Bさん似)と私の勤務。

初めて組んだけど、Yさんはみんなが言うほど強い人でも怖い人でもなさそうだ。ただ、スナックのママをしていること、バツイチで息子さんと二人暮らしなところ、名前がBさんと同じで、あのBさんと境遇や名前が一緒って凄いことだと思う。

朝のA班には20代の若い新人さんが入り、我がB班の新人とどっちが長続きするだろう?と思っていたら、A班の新人さんは何と!一日で辞めたそうだ。我が班のYさんは15年も仕事の掛け持ちをしてきたそうなので、ココでも長く働いてくれるような気がする。

私は人見知りが強くて新人さんが入っても暫くはまともに喋れないけど、見た目が庶民的なので新人さんの方からは気軽に話しかけられる。Yさんにもめっちゃ話しかけられたけど、Yさんの方が遥か年上なので一段と緊張した。

Yさんには仕事のことは極力Eさんに尋ねてもらったので、私は黙々と自分の仕事をすれば良いだけでラクチンだ。Yさんの仕事が終わるのを待つ間も、自分がした仕事を心行くまで点検できる幸せをかみしめていた。

ところが、こんな時に限ってとんだ落とし穴が・・・。

嬉々として風呂掃除を始め、排水溝の蓋を開けたら目皿に山盛りのジンジロ毛で「剃毛後の風呂だったんだ」と萎え、次の部屋で気を取り直してトイレ掃除を始めたら、タンク脇の細いパイプに使用済みスキンが結びつけられていた。

「だからさ。何回も言うけどオミクジじゃないんだからさ!」と心の中で叫んだ。

新人さんの前で、先輩としてこれしきのことでガタガタ言ってはイケナイわよね…と自分に言い聞かせながらゴム手袋をして慎重にスキンの結び目を解いた。解けないとかなりイラつくんだけど、わりと簡単に解けて何よりだった。

そういや、うちのラブホに新しいスキンが入荷して早速部屋に置いているが、新しいスキンは「光っちゃう」らしい。これにはCさんとEさんが何故か大喜びだ。暗闇でニョキッと光っても、だから何?逆にグロくない?と私は思うんだけど。

スグレモノなのかスグレモノではないのかサッパリ分からない。え?ひょっとしてウケ狙いなの?コレで笑いは取れるの?と、私が首を傾げている間もCさんとEさんは大ウケだった。

Eさん「Cさん!Cさん!コレ光るんだよ!社員さんに言って、少し貰って帰ったら?」

Cさん「よく言うよ。わちなんかそんなモン要らないべさ。(生理アガッたって)分かって言ってるんだもの、酷いべしゃ。Eさんが貰って帰って、光るの見てみればいいべしゃ!」

Eさん「だって私、そんなの(チン○ン)ついてないもの!」

Cさん「(チン○ンに)つけて見てみれって言ってないべしゃ!そんなモノ(チン○ン)生えてたら大変だべしゃ!暗い中で(スキンを)出して見てみればいいべしゃ」

Eさん「”出して見る”ったって、そんなモノ(チン○ン)ついてないってば!無いモノどーやって出すのさ?」

Cさん「”出して見る”ってソレ(チン○ン)でなくて、袋の中身(スキン)だべしゃ!もーっ!Eさんだら、どーもなんないわ!」

60歳前後のお姉様達が二人して大笑いしながらギャーギャー言い合ってるのは、端で見ていて面白かった。

ひとしきり笑った後、フロントママさん(40代前半・二児の母)が急に明日で辞めることになったって話を聞いて、ママさんは頼りになるし面白い方だったので、とても残念に思った。

ママさんが病院嫌いの私に「早く病院行きなさい!バセドウ病かも知れないよ!悪性のリンパの病気かも知れないし」と言ってくれたから、病気が分かって今は落ち着いている私が居る。

ママさんが居る間に、ママさんの元の職場・南区のラブホTの裏話をもっと聞いてみたかった。明日は私が休みなので、ママさんと涙のお別れをした。
11:30-17:00 本メイク5部屋+クイックメイク5部屋

今日はDさん(20代前半・金髪&ピアス)と愚鈍さん、Sさん(10代後半・初バイト)と私の勤務。

出勤時から、一昨日の夜にDさんが殴る蹴るの暴行をはたらいていたことや、X君と私が手を繋いでいたこと、皆が私の乳を弄んだことなど、観楓会の話でもちきりだった。

数有る観楓会の話の中からSさんは私に「良かったじゃないですか!手、繋いで!お酒飲んだし、良かったじゃないですか?良かったんですよ。手、繋いで」と力説した。確かに私はウハウハだったけど、Sさんは何ゆえに力説?ま、Sさんは常にクリエイター目線なんでね。

手繋ぎマニアの私は、手を繋いだだけで相手がどんな人か分かると言っても過言ではないような過言なようなだ(どっちだ?)。X君の手は実にしっくりと繋ぎ易く、私の好きなタイプの手だったし、ガッチリと指を組んだことからX君は情熱的で積極的なタイプと判断できる(ホントか?)。

今日はスロットマシンやソファーを動かして徹底的に掃除機をかける日だった。フローリングの上にソファー等が有ればラクだけど、ソファー等が絨毯の上だとキツい。

みかやん「Sちゃん!ソファーとか重くて一人で動かせない時は声かけてね!見てるから(笑)」

Sさん「酷い!見てるって手伝ってくれないんですか?うちがもがいてるのを見てるんですか?それは◎△□※…×&%・・・」

みかやん「え???」

Sさん「うち、こないだDさんとX君と三人で組んだ時も”話が通じない”とか”日本語が分からなくなったんだね”って言われたんです」

Sさんの発言は解析に時間がかかることが多いし、Sさんは時々異次元へ行ってしまうようで、何気に質問したら想像だにしない答えが返ってきて怯むことも多い。

DさんとX君といえば、Sさんと一番トシが近くて話も弾みそうなものなのに、嗚呼それなのに、やはり通じなかったらしい(哀)。

んで、今回Sさんは「〜〜しませんだよ!」とキッパリ言った。それはもう「〜〜しませんミダ」とか「〜〜しませんハムニダ」のノリだった。Sさんにも伝言メモを書かせたら、ちょっとした電報のようになりそうだ(9月6日の日記参照)。

半笑いでソファーを動かしたら、ソファーの下がサービスで置いてある豆だらけだったり、コーヒーの粉が全開でこぼれていたり、ポテトチップスのカスだらけだったりで、酷い目に遭った。

ったく、誰だい?こぼしたモノ全部ソファーの下に隠してんの!

本メイクが終わってやれやれとベッドを組んでいたら、Sさんがしみじみと語り始めた。

Sさん「うち、何、考えてるか分かんないんですよ。だから話が通じなくなるんです」

みかやん「ええ?自分のことなのに、自分で自分が何を考えてるか分かんないの?」

Sさん「や、途中でアレ?うち何を言ってるんだろ?とは思うんですけど、そうは思っててもどんどん話が変になって、深いところへ行っちゃうって言うか、深みにハマる?」

みかやん「ダイジョブヨ!ニホンゴ ムズカシイヨ!シカタナイ!(笑)」

Sさん「ホント、日本語ってうちには難しいんですよ」

や、冗談に素で返されても困るってば。

Sさんたら、高校入試の面接の時も面接官に話が通じなくて困ったそうだよ(泣)。

どこの国の人か、どこの星の人か、何次元の人か分からないけど、頑張れ!Sさん!

みんなは17時で早帰りしたけど、Sさんだけは希望して通常通り18時まで居残りしてセットをすることになった。

フロント子持ち君に「Sさん、残るんなら地獄を見せてあげるよ(笑)」と言われても、Sさんは何のその。逞しいし、若いって素晴らしい!のひとことだ。

と言うか、地獄がどんなモノか分かってなかったのかも?
11:30-18:00 本メイク4部屋+クイックメイク10部屋

今日はEさん(50代後半・高見沢俊彦似)と愚鈍さん(15分早く出動)、Dさん(20代前半・金髪&ピアス)と私の勤務。

何の変哲も無い月曜であるハズなのに、出勤してモニターを見て驚いた。売り部屋が少なくて、ほぼ満室状態。月曜の昼間(11時)としては有り得ない状態だった。作業室から戻ったEさんが「私、行くから。愚鈍さんと行くから。じゃ、行くから」と何だか動揺してた。

みかやん「え?どこへ行くんですか?」

Eさん「社員さんに”売り部屋が少ないから15分から出動して。早出代つけるから”って言われて、みかやんは着いたばかりだし、先に出勤してた私と愚鈍さんが行くことになったの」

みかやん「そうだったんですか。すみません。いってらっしゃい!」

ってことで自動的にDさんと私がペアになる。残り物には福があるってこーゆーことすか?早起きは三文の得というけど、うっかり早くに出勤してたら愚鈍さんと私のペアになってて何の特にもならなかったかも?

ってことでDさんとペアになって何よりだった。

売り部屋が少ないのでバタバタとクイックメイクをして、落ち着いた頃にハッと思い出した。そう言えば昨日、Eさんに「私達は汗かきだから明日はゆっくりやりましょう。じゃないと汗臭いまま観楓会に行かなきゃならないもの」と言われてたんだった。

遅かりし。

今日はいつもと逆で休憩明けに本メイクをすることになった。Dさんと「本メイクってご飯食べた後にやると疲れるよね。やっぱり本メイクは休憩前にやるもんだよね」と多少愚痴をこぼしたけど、汗もひいたし、このまましずしずと本メイクをしなければ、また汗だくだ。

和室の部屋係の時、座椅子の座布団に血がついているのを発見した。座布団の後方中央に細長い涙型のシミで、まさに生理で実に生々しかった。萎えながらフロントへ連絡すると、座布団を持ってフロント子持ち君が現れた。

子持ち君「こんにちわ♪」

みかやん「・・・こ、こんにちわ」

先日、フロントへ連絡して、フロントの女の子からフロント子持ち君に代わった時も、子持ち君は「お電話代わりました」でも「お疲れ様です」でも「どうしました?」でもなく「こんにちわ♪」と言って電話に出た。

この話をCさんにすると、何度話してもCさんはバカウケしてくれる。「外から電話かけてるもんでなくて内線だし、わちたち部外者でもないのに、こんにちわ♪ってことないべしゃ。今度、こんにちわ♪って言われたら、アンタもこんにちわ♪って言ってみて」と言われてたけど、言えたよ。

子持ち君は風呂掃除のことを「お風呂メイク」と言うし、他の社員さんが「お疲れ様です」と言うところを「こんにちわ♪」だし、何とも可愛らしいというか微笑ましい感じだ。

「フロント子持ち君」だとか「可愛らしい」だの「微笑ましい」だの言ってるけど、ホントはうちのラブホで一番偉い人=責任者=支配人だ。スミマセン(滝汗)。

何とも生々しい形の乾いて茶色くなった不気味なシミだったけど、子持ち君の「こんにちわ♪」のお陰で和んだ。

つーか、責任者の方に座布団を持って来させるようなことはしないで、替えの在り処を聞いて取りに行けよ>自分。でもソレは、四隅にフサなんかついてるから普通に座布団だと思ってたけど、よく出来た座布団カバーだと今日知った。

子持ち君曰く「座布団ごと取り替えてたらお金かかっちゃうんで、座布団と全く同じ生地と形でカバーを作って貰ったんですよ♪」だそうだ。

大変勉強になりました…とさ。

仕事帰りにしずしずと観楓会へ行かねば!
会社の観楓会だったので、仕事帰りにススキノへ。

EさんとX君と私でCさんを迎えに行く予定だったのに、誘ってもいない愚鈍さんまでついてくるというハプニングにも見舞われたが、Cさん宅で一休みして、4人でいざグリーンビルへ。

某飲み屋の凄く狭い個室に、朝のA班、我がB班、夜のC班少々、フロント社員&準社員の方、系列のビジネスホテルの方々がぎゅーぎゅー詰め込まれて座って、飲んで食べて死ぬほど笑って楽しかった。

二次会のカラオケへ向かう時から、X君と私はずっとガッチリと手を繋いだまま。カラオケ屋に到着して、トイレに行く時も、飲み物を取りに行く時も、ずっと手を繋いだままだった。

当然、みんなに茶化された。「アンタ達、手、離しなさいよ!」と酔ったDさんに殴る蹴るの暴行(笑)を受けても決して手を離さなかったし、X君も「手が離れないんですよ」なんて言って笑ってた。

X君が隣でニコニコ笑いながら歌ってるのを見て、幸せな気分だった。手を繋いでるだけで何でこんなに幸せで、何でこんなに癒されるんだろ?なんて思ってた。単に私が手を繋ぐのが好きなだけなのにね。

ここまでは良かった。

私達の手を見て、フロント子持ち君が「アンタ達、何やってんの?」と声をかけてきた。何を思ったか、泥酔のためか、はたまたご乱心なされたのか、有り得ないことを言ってきた。

子持ち君「X君!みかやんて、かっわいい!よねーっ」

(↑はい。ここ大事です。テストに出ます。そうじゃなくて。年齢的に顔立ち的に可愛いなんて言われるのは最後だと思うので書き留めておくものです)

X君「ぶーっ!」

みかやん「でしょう!子持ち君!(←酔った上での発言です)つーかX君!笑うところじゃないのに、なんで飲み物を吹いてんのさ!」

子持ち君「みかやんは俺が狙ってたのに、酷いよ、X君!」

X君「ふはははは!」

X君てばホントに酷いよ。そんな笑わなくたって(泣)
フンだ!どうせ一般受けしない顔立ちなのよ。
玄人好みの顔立ちなのよ。悪かったわね。

うわあああああん!傷ついた!凹んだ。酔いも醒めた。

や、慣れてる。あたしゃ打たれ強いのよ。

今日は何だか知らないけど、みんなに乳を弄ばれた。Dさんなんかは、私の乳をムンズグリグリギューギューと力一杯、揉むやら摘むやら引っ張るやらしてくれた。いつも何故か飲み会では仲間内のセクハラを一身に受けてしまう。

最後に、A班の親分さん、Dさん、Wさん、X君、私の5人でプリクラを撮って帰った。プリクラなんて何年ぶりだろう?恥ずかしくてカメラ目線は無理だった。

危うく地下鉄の最終に乗り遅れるところだった。
11:00-18:00 クイックメイク23部屋+ベッドのみ1部屋

今日は、Eさん(50代後半・高見沢俊彦似)とWさん(20代半ば・ビジネスホテル出身)、Sさん(10代後半・初バイト)と私の勤務。

Sさんと順調にセット部屋(ハガシ済み)を攻めていたが、××8号室でつまずいた。モニターで××8号室はセット部屋になっているのに、清掃ボタンを押して部屋へ入ったら、出前の容器は残ってるし、ベッドは使われたままで、まるでセットされていなかった。

ヒマな時なら自分らでセットしてベッドメイクをするけど、忙しいので隣の部屋へ移動した。××8号室をモニター上で「清掃中」にしてしまったので、フロントへ連絡して「セット待ち」に直してもらわなきゃ!と思ったら、次の瞬間に××8号室はモニター上で「売り止め」の状態になった。

ええ?何で?自動的に売り止めに?この時、漠然と「ワケ有りだな」と思った。

-----この少し前

Eさん部隊が××8号室がある階を攻めていると、どこからか女性の泣き声が響いていて、それはもう火がついた様だったそうだ。

どこで泣いているか分からず、泣き止む気配もないので、EさんとWさんが様子を見に廊下へ出ると、廊下の端にある部屋の前に、フロント二宮和也似君と救急隊員3名が来ていて、女性が担架に乗せられるところだったそうだ。

-----更にこの少し前

フロント可愛い人が××8号室へセットに入ると、ドアの前に黒い服を着た人が倒れていたが、いつも黒い服を着てお茶目な悪戯をする二宮和也似の仕業と思い「どーしたのさ?」と声をかけるが返事が無い。よく見ると二宮和也似君ではなくて30代の女性客だ。

慌てて「大丈夫ですか?」と腕を掴んだら、腕は既に冷たくなっていて「あら大変!」と思ったところで女性が気がついたそうだ。

フロント可愛い人が「救急車呼んでいいですか?」とか「どこか具合悪い所はないですか?」と尋ねても女性客は意味不明な事を口走るので、フロント二宮和也似君へ連絡して救急車を呼んだって話だった。

-----なるほど。

男に捨てられたかどうか分からないけど多分そうだろうし、倒れたまま置き去りはキツいよね。追いすがったんだろうさ。そりゃ泣き叫びもするだろうさ。

担架がエレベーターに乗らなくて救急隊ご一行様は非常階段で降りてったそうだよ。実は9階なのにね。女性は無事に救急車へ運ばれたけど、救急車は暫くその場に停車していて、忘れた頃にサイレンを鳴らしてどこかへ行ったらしい。

それよりも何よりも何気にセットに入った部屋のドアの前に人が倒れてたりしたら、あたしが倒れるわ。「うわーっ!」と叫んで飛び上がるのと同時に涙も出るわ。考えただけでゾッとするもの。

それなのにフロント可愛い人ったら「二宮和也似君だと思った」って、なんて冷静なのかしら。

昼休みにSさんに「前に××8号室で女の人の断末魔の叫びみたいのがずっと聞こえてた時があって、××8号室は”ギャーの部屋”って呼ばれてたんだ」と言うと、Eさんも「そうそう!××8号室には何かが棲んでるのよ」と言ったので、Sさんは完全に怯えていた。

休憩明けに××8号室がある階でベッドメイクをして、部屋を移動しようと廊下へ出たら「ギャーギャー」という声が聞こえたので、Sさんたら何を騒いでるのかしら?と振り返ったら、Sさんは怪訝な顔で「今なんか、ギャーって聞こえた…ギャーって」と、また怯えていた。

「この階、今日は何か怖いから違う階へ行こう」と、下の階へ移動してやれやれだった。○○2号室でSさんと二人で床の毛拾いをしていたら、ふいに浴槽のジェットのスイッチが入って「ボーッ」と音がした。二人とも飛び上がって驚いた。

私が風呂係だったので泣きながらスイッチを切りに行って走って戻ったが、浴室の電気を消すのを忘れた。Sさんが浴室へ向かってくれたが、電気のスイッチを切ったとたん、またジェットのスイッチが入って「ボーッ」と鳴り、Sさんはギャーギャー言いながらジェットのスイッチを切ってくれた。

今日は忙しかったので抑えていたものの、遂にSさんが「うち無理!もう無理!怖いよ!今日、怖い!無理、有り得ない!」と暴走した。無理もない、私も怖い。今日は何だか怖い一日だった。
11:30-16:00 クイックメイク15部屋

今日は、Eさん(50代後半・高見沢俊彦似)とCさん(60代前半・元看護師)、Dさん(20代前半・金髪&ピアス)と私の勤務。

ヒマな金曜日のハズだったのに、思ったより売り部屋が少なく、のうのうと本メイクをしていられない状況だったので、出動時からクイックメイクをした。

自分の仕事が終わったのでDさんの仕事を手伝っていたら「イヤーーーん。やめてー。病人に手伝って貰うなんて!私は鬼畜かい?」と言いながらDさんが飛んで来た。

そんな…鬼畜って(笑)。鬼畜だなんて思ってないし、病人と言われるほどの病人でもありませんて。その後、Dさんの仕事を手伝う度に「イヤーっ」「やめてー」「休んでてー」と言いながら、Dさんが飛んできた。

いつもはDさんと組むと、私が部屋の当たりが悪いのに、今日は珍しくDさんの当たりが悪かった。私は風呂ラッキーで喜んでいたら、次の部屋でDさんがドロドロの垢風呂に当たった。

それがもう、我が班の大ベテラン・Dさんが萎えるほどの垢と汚れで、浴槽の栓の周りは完全に汚れでグレーに染まり、浴槽内は上から下までビッチリと真っ黒い垢にまみれていた。

Dさんも「ホントに近所の公園からホームレスの人が来たんじゃないか?って思うよね。(浴槽を洗うために)裸足で浴槽に入るの、気が引けるもん」と言っていた。

いつも思うけど、これほどまでに汚い身体なのに、身体も洗わずに浴槽に飛び込めるって神経が私には分からない。普通は気が引けて、せめて軽く身体を洗ってから浴槽に入ると思う。

つーか、一人で寝泊まりするビジネスホテルならいざ知らず、ココはラブホで普通に連れと来る場所でしょ?こんな汚い身体でツラッと連れとラブホへしけこめるなんて「有り得ない!ホント信じらんない!」(Sさんふう)。

いつか「お風呂に入ったの何年ぶりですか?」とインタビューしたい。

ずっとクイックメイクをしていたので売り部屋は増えたが、お客さんが入ってこなかった為に、私達が休憩に入る頃にはすっかりヒマになっていた。休憩明けに出動したらフロント子持ち君に「早帰り受け付けます」と言われ、Cさんは即座に15時で早帰りした。

15時から16時までDさんとEさんと私の三人で組んだ。三人揃うと姦しい。「Cさんて巨乳だよね」→「意外とボンテージが似合いそう(笑)」って話から「もしもCさんがSMクラブの女王様だったら」って話になった。実際、有り得ないけど…あったら怖いけど。

日頃聞いてるCさん語録を駆使してDさんと物真似合戦になった。

「ゆっくり婆さんとお呼び〜!」
「ほれ、おたく、どうだの?」
「これ、わちの黄金だの。食べなしゃ〜い。美味しいから」
「これ、わちの聖水だの。どうだの?」
「ほれ、あの世さ逝きなしゃ〜い」
「ほれ、どうだの?ほ〜れ、ほ〜れ」

自分らで言い合いながら大笑いした。

もしもの世界の話だからいいけど、ホントにSMクラブに、60代で坊主頭でデップリ太った女王様が居たら倒れるよね。坊主頭って時点で違うよね。や、60代って時点で違うよね。

もしもCさんがSMクラブの女王様だったら「本当にあった怖い話」なんかに載りそうだもの。ちなみに私の自慢の友人である元女王様は、有り得ないぐらい、超がつくぐらい、滅多やたらに美しい。

帰りの地下鉄でEさんと別れて一人になってから思い出してしまい、可笑しくて仕方なかった。「ゆっくり婆さんとお呼び〜!」は我ながら名台詞だと思う。今度Cさんに会ったら吹き出してしまいそうだ。
11:30-18:00 本メイク4+クイックメイク8+ベッド2

今日は、Eさん(50代後半・高見沢俊彦似)と愚鈍さんとYさん(50代前半・Bさん似)、Cさん(60代前半・元看護師)と私の勤務。部屋で二人になると、Cさんが口を開いた。

Cさん「昨日、誰と組んだんだの?」

みかやん「愚鈍さんだよ。最悪さ。愚鈍さんたら相変わらずシーツも包布もナナメに引っ張るから、愚鈍さんが居なくなった隙に直すの大変だったよ」

Cさん「みんなに”真っ直ぐ引っぱりなしゃい!”って同じこと何回も注意されてるのに、わちらのことばバカにしてるから聞きつけないもね!仕事上で言うこと聞かないんだら、どうもなんないもね!アレでもDさんにだけは逆らわないんだわ!」

Cさん「そして愚鈍さんだら、窓の真ん前に立ってても、ベッド組む時に窓を開けてくれないんだよね!わちもその度に”ちょっと!ベッド組むんだから窓開けて!”って言うのに、言われない限り窓は開けないんだのさ!ホントにタチ悪いわ!」

Cさん「なんぼバカでも毎度毎度”窓開けて”って言われたら、開けるもんだって分かるべしゃ。他の先輩達だって黙って窓開けてるんだからしゃ!あの女は普通でないわ。わちも頭にきて”窓あけなしゃいや!”って大きい声出てしまったもね」

-----またCさんが止まらなくなった。でも気持ちは分かる。私ももう何度も愚鈍さんを部屋からつまみ出したい衝動に駆られたもの。

こーゆー時はツラっと話題を変えるしかない。

みかやん「A班に行ったTさん(私と同い年・ホテルC出身)が、風呂掃除中に転んで腰打って、病院行ったらコルセットで固定されたってさ。も少しトシとってたら骨が潰れてたかも知れないって医者に言われたんだって。うちらも気をつけなきゃね」

Cさん「アンタだとかTさんだらまだ若いからそれで済んだけど、そんなことになったらわちなんか、あの世だよ!」

みかやん「あはは!あの世だってー(ツボ)」

Cさん「いやホントにさ。わちなんかがそんなことやったら、あの世行きだって」

みかやん「あはは!あの世はやめて〜(ツボ)」

Cさん「アンタ、元気そうで良かったわ。わちはあの世行きにならないよう気をつけるわ。ゆっくり婆さんでね!」

みかやん「あはははは!(ツボ)」

Cさん「ホント、アンタだったら笑ったら止まらないもね!」

昼休み、Yさんはあーだこーだと一人で喋ってた。昔なら”オバタリアン”と言われたタイプの人だ。しかも休憩室で寛ぐ姿は噂以上に辞めたBさんにソックリで、軽く衝撃を受けた。でも、何にしろBさんほど強烈な人ではないと思う。

夕方、最上階の部屋で、私は自分の風呂&トイレ係を終え、Cさんの部屋係の床拭きを手伝って床を這っていたら、テーブルが油で光ったようになっていた。「Cさん、テーブルに油みたいのついてるから、も1回拭いた方がいいよ」と声をかけた。

Cさんが「あー、ごめんねぇ。コレなんか取れないんだよねぇ」と言ってるのを聞きながら床を拭いていてハッとした。ついこないだ見た(8月30日の日記)淡いピンク色のロウが滴っているではないか。

立ち上がってよく見ると、ベッドの枕元、ベッド周りの床、テーブルの上がロウで光ってた。前回と同じパターンだ。同一人物に違いない。前回残ったキャンドルを使ったんだろう。

フロントへ電話すると、前回と同じフロントの人が「ええ?またロウ?しかもまた最上階で?」と言うので「はい。同一人物の仕業と思われます。お陰でベッド周りの床が滑ります」と答えておいた。

ロウってなかなか厄介だ。ヘラや油汚れ用洗剤が無ければ手強いので、後はフロント陣へお願いした。

Cさんは「なしてロウソクだのさ!意味わかんないもね!ロウソク使ったからって、どうだって言うんだか!ずっと爪で擦ってて、わちもなんも爪痛いわ!こんなにあちこちに垂らしてさ。下手なんでないの、この人!」と鼻息を荒くしていた。

確かに下手だと思う。こんなにロウをあちこちに垂らす人はこのお客さんしか居ない。初心者なんだと思う。いずれ上達して、ちゃんとmyシートなんかも持ち歩くようになるのかも知れないけど、うちのラブホで練習しないでくれ…これ以上最上階を荒らさないでくれ…って感じ。
11:30-18:00 本メイク4+クイック12+ベッド1

今日は、Dさん(20代前半・金髪&ピアス)とSさん(10代後半・初バイト)、愚鈍さんと私の勤務。

昨日、我がB班にYさん(50代前半・Bさん似)という新人さんが入ったそうだ。通常、新人さんには覚えた仕事を忘れないように2〜3日連続して勤務して貰うのに、昨日の帰りにYさん自ら「今日一日働いて疲れたから明日は休むわ」と社員さんへ申し出たそうだ。

みかやん「ええーっ!何それ?はあぁぁっ?出勤日を自分で決めてんの?」

Sさん「だって!うちにそう言ったんだもん!うちに言ったんだもん!うちに!うちに!うちもビックリしたけど、Yさん強くて!Yさん、強い!絶対強いんだもん!」

みかやん「・・・・・」

いたずらにSさんを興奮させてしまった。

Sさんは最近、些細なことで大興奮だし”日本語が通じない”とか”別世界へワープしてしまう”と専らの噂だ。朝から別世界へ行かれても困るのでスルーした。おまけに、こないだはSさんがつぶやいてるのをDさんが聞いたけど、明らかに日本語ではなかったそうだ。

そう言えば、前の職場にも明らかに日本語がカタコトなのに「日本人です」と言い張る派遣さんが来ていた。その人が書いたメモは「現金オクッタ。ジャガイモ至急発送タノム。○○様ヨリ」と漢字はちゃんと書けているのに他はカタカナで、昔の電報のようだった。

それでも、しゃーしゃーと「ワタシ ニホンジン マチガイナイヨ。ミンナ ナニ イウカー」とたどたどしく話していた。ひょっとしてSさんもそのクチだろうか?と思った。

Sさんは何かといえば「ウケる!」「腹痛い!」「有り得ない!」「最悪!」と言うが、何事もその4語で乗り切っているような気もする。あぁそれが日本に来て初めて覚えた言葉なのね…と思う。

-----以上、半分は冗談、半分は本当。

続いてDさんが出勤してくると「Yさんて、辞めたBさんに似てるんだよね。手強そうだよ。なんか悪夢再び…って感じ」と言って怯えていた。どうもBさんに悪く似ているらしい。

つってもBさんはいい時はいい人だった。水商売上がりの人だけあって世間話は面白かったし、愚鈍さんと違ってBさんには憎めない部分もあった。「愚鈍さんに似てるんだよね」と言われたら倒れるけど、Bさんに似てるならまだ救いようがある。

昼休み、愚鈍さんがはしゃいでDさんと喋っていたので、私はSさんに甲状腺腫の写真を見せた。Sさんてば、しきりに裏側を見て「裏、シールじゃないんですね?」と言ってきた。

やっぱり眼のつけどころが違うと言うか、クリエイター目線と言うか、芸術家肌と言うか、裏がシールだったとして甲状腺腫の写真をどこに貼れ!って言うんだか。座っていても倒れそうだった。

愚鈍さんも愚鈍さんで、勝手にDさんと喋ってればいいものを「昔、CDじゃなくてレンタルレコードだったよね?みかやん」と、いきなり私に話を振ってきやがった。そんな古い話をあたしに振ってくるんじゃないわよ!って感じ。倒れるって。

Dさんの前で「私はこんなふうにみかやんに話しかけてますけど、みかやんが頑ななんですよね」という愚鈍さんのアピールだ。

愚鈍さんの腹黒い攻撃にはもう飽き飽きだわ。最悪!と思いながら休憩明けに部屋へ入ったら、床に味噌のようなモノがベッタリとついてるじゃないかっ!

もしも匂いを嗅いでウン○の匂いがしたりしたら始末できなくなる。それでも相方が愚鈍さんじゃ自分で始末するしかない。息を止めて半泣きで始末した。

やれやれと玄関掃除を始めたら、スリッパの裏にも味噌のようなモノがベッタリとついていて、拭いても茶色い色が取れなかった。玄関から部屋へ戻ったら、何だか部屋がやっぱりウン○臭い(涙)。

こんな妖し気なスリッパを使い回すワケにはいかないのでフロントへ電話した。

また私がフロントへ電話しているのが耳に入ったら、愚鈍さんが風呂から出てきて「何かあったの?」としつこく聞いてくるだろうから、電話線を限界まで伸ばして風呂から離れたところでヒソヒソと連絡した。

くあぁーーっ!めんどくせ!

これ以上腹を立ててはもっと恐ろしい目に遭いそうなので慎んだ。
12:30-18:00 本メイク2部屋+クイックメイク10部屋+ベッド2

今日は、Cさん(60代前半・元看護師)と愚鈍さん、Eさん(50代後半・高見沢俊彦似)と私の勤務。

病院寄って1時間ほど遅刻をした為、既にEさんとCさんと愚鈍さんが出動していた。フロント二宮和也似君が「三人とも、みかやんは今日もお休みだと思ってるから、突然行って驚かすといいですよ」と微笑んだ。二宮和也似君はお茶目な人だ。

それもそうだと思い、出動の準備をして三人がベッドメイクをしている部屋へ急いだ。部屋の入口から「おはようございます!欠勤やら遅刻して、すみませんでしたーっ!」と叫ぶと、ベッドを組んでいたEさんとCさんが驚いて振り返った。

「今日、検査の結果が分かって、バセドウ病だったんですよ」と報告すると、風呂掃除をしていた愚鈍さんがまたわざわざ風呂から出てきて立ち聞きしていた。愚鈍さんは「当然、私にも報告があるハズ」と思ってただろうけど、愚鈍さんには構わずEさんとCさんへ報告を続けた。

「ところで、合流したらジャンケンでもして誰かと組むように言われたんですけど」と言うと、すかさずEさんが「じゃ、私と組むかい?」と声をかけてくれたので、すぐに了解した。

懸命に病気の説明をしてもCさんには通じにくいし、こんな日に愚鈍さんと組んで根掘り葉掘り聞かれても萎えるだけだ。今日はEさんと組むのが一番だ。

Eさんとその部屋を出る前に、愚鈍さんにも「欠勤したり遅刻したり、すみませんでした」と声をかけた。愚鈍さんは「大丈夫?・・・」と他にも何か言いたそうだったので逃げた。

別の部屋へ移動して二人になると、Eさんが話し始めた。

Eさん「社員さんから”みかやんは甲状腺の病気らしい”って聞いて、みんなが”甲状腺の病気ってとにかく疲れるんだよ”と言ってたけど、みんなが”疲れた”って言っても、みかやんから”疲れた”とは聞いたことが無いから、疲れ過ぎてて声も出なかったのか?ってね。気付かなくて悪いことしたと思って」

みかやん「そんなことないですよ〜。元々体育会系ですから、そんなに疲れたと思ってませんでしたし、身体を動かす仕事をしてるんだから疲れるのも当たり前だと思ってましたから」

Eさん「これからは無理しないで少しはみんなに甘えた方がいいよ。みかやんは人一倍疲れてるハズなのに、自分の仕事をして、みんなの仕事を手伝ってたんだもの。疲れてただろうさ」

みかやん「いえいえ。重病患者じゃないんですから。取り敢えず普通に仕事も出来ますし…」

若い頃は職場の先輩に「アンタは黙ってたら倒れるまで無理するから怖いよ」と、よく言われてたけど、さすがにもう若くないので、少しはみんなに甘えようかな?とも思ったりして・・・。

や、でも。人間、なにごとも守りに入っちゃダメよねぇ。それに人間なんかよっぽど強い意志が無い限り、ラクな方に流されるもんだし・・・あーでもないこーでもないと考えながら、次の部屋でベッドを組んでいたら、Eさんの「うわーっ!」という悲鳴。

ハッとして見てみると、おねしょマットに思いっきり血がついていた。

イカンイカン。血に弱いEさんの為に常日頃から血はまず私が発見するようにしていたのに、油断した。なんてこった。なんていうか…病気だったという事実が少なからず私の中でショックだったんだろう。

慌てておねしょマットを丸めて交換の為に業務用エレベーターへ走ると、後ろで「走らなくていいから!走るんじゃない!」とEさんが叫んでいるのが聞こえた。

今後も何かとご迷惑をおかけするかも知れませんが、ひとつ宜しくお願いします>職場の皆様。

それにしても、やっぱりEさんと組むと血に見舞われる。
11:30-18:00 本メイク7+クイックメイク5+ベッド2

今日は、Dさん(20代前半・金髪&ピアス)とSさん(10代後半・初バイト)、愚鈍さんと私の勤務。

クジ引きで愚鈍さんとペアと分かった時点で胃がキリキリと痛みだした。愚鈍さんの攻撃にいよいよ胃をやられたようだ。出動前にDさんに「すみません。胃薬を持ってきます」と言ってからロッカーへ戻った。既に先が思いやられる状態だ。

部屋で愚鈍さんと二人になったとたんに「胃は大丈夫?」「胃薬飲んだ?」とウザい。しかしまたこれをのらりくらりとかわすと、前回、足の爪を剥がした時のように「そんなに痛いの!?」ブチギレられる恐れがある。

まして「おめえのせーだろが」などと本心を晒そうものなら、マジギレ&ブチギレ、血で血を洗うような戦いになるかも知れない。愚鈍さんだって明らかに心配してるポーズだけなのにね。

渋々慎重に答えた。もー!こーゆーの本気で面倒くさい。

そうこうしているうちに、愚鈍さんアレルギーが出たのか、今度は鼻水が止まらなくなった。パネェぐらいハナタレで仕事にならない。ベッドを組んでいる最中も鼻水が垂れてくる。

すかさず愚鈍さんは「風邪もひいてるの?」と声をかけてきた。でも顔は物凄く嬉しそうだ…というか「ろみあまざ」と顔に書いてるのを鏡で見せてあげたいわ。私から見るとハッキリ「ざまあみろ」って書いてるもん!

いちいち声をかけてくるのも嫌がらせとしか思えないし、笑みを浮かべながらも攻撃の手を緩めないあたりは本気で怖い。

だんだん胸や背中にも鈍い痛みを感じるようになった。こころなしか心臓もバクバクいってる感じ。愚鈍さん毒による全身アナフィラキシー症状に違いない。

ヤバすぎる。私は愚鈍さん特異的IgE抗体を持っているので、再び愚鈍さん毒を受けたら抗原抗体反応によってアナフィラキシー症状を引き起こす。って愚鈍さんはハチかい?や、ハチよりタチ悪いと思う。

前置きはこのぐらいにして・・・って長過ぎるから。

最上階の或る部屋でベッドを組んでいたら、私の眩しさに弱い目に何故だかベッド周りがまばゆかった。とっとと洗面所の掃除を済ませ、気になるベッド周りの掃除を始めることにした。

よく見たら、ベッドの枕元の台、ティッシュケース、ベッド周りの床にピンク色のロウソクのロウが滴って固まっていた。何かの拍子に擦れた為か、お客さん自ら拭き取ろうとした為か、キラキラと光っていた。

でも、人気の赤や血色じゃなくてごく淡いピンク色だし、ロウソクプレイがお好きな方の殆どがmyシート持参だって話なのに妙にあちこちに垂らしてるし・・・ということは、ロウソク初心者で、普通のキャンドルを使用ってことすか?ええ?

ま、あたしにゃ関係ないけど。それはそうと、白っぽい床に垂れたロウは爪で削り取るようにして擦ってロウ自体は無くなったけど、ビンクのシミ汚れが落ちないのでフロントへ連絡した。

すると愚鈍さんは風呂掃除をわざわざ中断して部屋へ出てきて「何かあったの?」と聞いてきた。何でも知りたい人だし、自分に報告が無いとブチギレる人だ。本当に心底面倒くさいけど仕方なく説明した。

けどさ。何で先輩である私が「愚鈍さん、かくかくしかじかでフロントへ連絡しましたけど、コレなんですよ。ロウです」みたいに言わなきゃなんないんでしょ?困ってないから相談する必要もないし、愚鈍さんの指示を仰ぐ気も毛頭ない。

おまけに「胃」と「風邪」以外は全くの無言だったのに「ロウ」と小耳に挟んだら、知りたくて知りたくて風呂から飛んで出てきたよ。

そーゆー、イヤラシさや厚かましさが私には不気味過ぎて耐えられない。愚鈍さん毒で、すっかり身体を壊してしまいそうだ。
11:00-18:00 クイックメイク21部屋 

今日はEさん(50代後半・高見沢俊彦似)とSさん(10代後半・初バイト)、Wさん(20代半ば・ビジネスホテル出身)と私の勤務。

X君が休憩室で孤立してしまわないよう、一生懸命に話しかけたり茶化していた甲斐あって、たま〜にだけどX君の方から私に話しかけてくれるようになった。昨日はトシが近いWさんと組んで、X君もはしゃいでいたのでは?とWさんに聞いてみた。

すると「私だけが喋ってて全然話が続かないんですよ。X君はみかやんと喋る時のようには私には話してくれませんでした」って話だ。X君にしたらWさんは奇麗なお姉さん過ぎて高嶺の花なんだろう。

その点、私なんかは地面の雑草って言うか、湿地のコケって言うか、食虫植物かもね。Wさんと組むと、その若さ可愛らしさに圧倒されて、何だか自虐的になってしまう。だって、Wさんたらお人形さんみたいに可愛いんだもの。

そんなことを考えながら、風呂掃除を終え、ボーッとトイレへ向かった。便器の蓋を開けたら、水の中にトイレットペーパーが浮いていて、トイレットペーパーの下に茶色い物体が見え隠れしてるじゃないか。

「ぐえっ!」と、速やかに水洗のレバーを回した。そしたら・・・(泣)

便器の中の水位がぐんぐん上がってくるじゃないか。しかも水の中でトイレットペーパーと茶色い物体がクルクル回りながら。ひいいぃぃ。こんなのが床に溢れだしたら大変だ。慌てて逃げた。

離れた所で便器を見ていても、水位が上がってくるのが分かった。水位は溢れるギリギリのところまできた。「うわーっ!怖い怖い怖い怖い!助けてー!」と叫びながら祈るような気持ちだった。

Wさんも駆けつけてくれて、二人で固唾をのんで見守っていたら、水位の上昇はすんでの所で止まった。まさに間一髪、ホントヤバかった。

こんなのはもうトイレのシュポシュポが無いとどうにもならないので、フロントへ電話した。で、ハッとした。今日はX君(20代前半・腰痛持ち)がフロント係だ。何も知らずにシュポシュポを持たされてこのトイレへ来て、蓋を開けてウン○だらけだったらX君も萎えるだろうなぁ。

おまけにシュポシュポで作業したら、水が溢れそうだし…X君、可哀想に。ところがシュポシュポを持って部屋へ来たのはフロントイケメン君だった。やっぱ、こんな時は社員さんの出番だよね(?)。

全く。何を食ったらトイレが詰まるようなウン○が出るんだか。

傍に居たらシュポシュポ係の助手をしなきゃならなくなるかも知れないので「すみませーん。じゃ、お願いしまーす!」と叫んで、逃げるように部屋を出た。

部屋を移動する前に、モニターで出入りするお客さんがないか確認してから廊下へ出たのに、L字形の建物の角を曲がったら、部屋の前に女性が一名立っていた。Wさんと慌てて隠れると、女性客は部屋のドアベルを鳴らしてから入室したようだ。

みかやん「デリヘル嬢さんだったんだね」

Wさん「どう見てもデリヘル嬢ですよね。けど、日曜の昼間っからデリヘル嬢を呼ぶ男って、どうなんでしょう?よっぽど友達も居なくて趣味も無いんですよ。最悪じゃないですか」

みかやん「・・・あははは!」

-----可愛らしい顔と言ってることがあまりにも違ってウケてしまった。

Wさん「だって、こんなに良い天気の日曜なんですよ。外で遊んだらいいじゃないですか?やっぱり友達、居ないんですよ」

みかやん「や、絶好のデリヘル日和!と思ったんじゃないの?」

Wさん「ふふふふ」

Wさんは笑顔も笑い声もホントに可愛らしい。女の私でさえ骨抜きにされそうだ。土日はいいね。Wさんが居てX君が居て、笑顔に癒される。

愚鈍さん自ら「土日は休ませて」と社員さんへお願いしたそうなので、ホントに平和な土日だった。
11:00-18:00 クイックメイク19部屋+廊下掃除

今日はWさん(20代半ば・ビジネスホテル出身)とX君(20代前半・腰痛持ち)、Dさん(20代前半・金髪&ピアス)と私の勤務。

WさんはX君と組むのは今日が初めてだそうで、X君は最近「X様」やら「殿」やら「若」などと呼ばれているので、Wさんは「今日はX様の側室として頑張ります!」と言っていた。

出動して分かれる時に笑顔で手を振るWさんとX君を見て「今日は好きなメンバーばかりで良い一日になりそうだわ。うっとり」と思った。って、嫌いな人って一人しか居ないけど。

最近、喉が渇くというか口が渇くので、いつも飴を口にしている。仕事中、飴だけは口にして良いことになっている。どうしてかは知らないが、前に働いていたラブホでもそうだった。

普段、家で飴を舐めることは無いけど、ラブホ勤めの度に飴のお世話になっていた。

先日、Eさんから激美味なキャラメルを貰ってゴキゲンだった。そのキャラメルは1袋に三種類のキャラメルと、フルーツ味の飴がmixになっていたそうで、私のエプロンのポケットにそのフルーツ味の飴が入っていた。

キャラメルが幸せな甘さだったので、フルーツ味の飴とやらもさぞ甘いと思ったら酸っぱいのなんの!すぐに奥歯の方というかエラの部分が痛くなった。我慢強いタチなのでエラの痛みにも酸っぱさにも負けず舐めていたら、飴の中心にあるゼリーの部分に到達した。

今まで酸っぱいのを耐えたんだから、この柔らかい部分はさぞかし甘くてホッとするんだろうと思った。ところが一段と酸っぱかった。この世のものとは思えない酸っぱさで、エラが痛いのなんの!

あまりのことにDさんに「飴が…飴が…有り得ないぐらい酸っぱいんです」と訴えた。その後、昼休みになってもエラが痛くて痛くて(泣)。

昼休み、最近はずっと脇毛の話に花が咲いていた。今のところは、EさんとSさんと私が脇ツルツル組で、DさんとCさんと愚鈍さんが脇ボーボー組だ。で、Wさんに尋ねると、Wさんはボーボー組だった。

私なんかは自分の脇毛を見たのは2回しかない。二十歳を過ぎたある日、何気に脇を見たら脇毛が1本生えていて、思わず抜いたらそれっきりだった。それが左右で2回。中学の修学旅行では下の毛が生えてなかった為に恥ずかしくてみんなと一緒に入浴できず、それは高校の修学旅行でも繰り返された。

毛の哀しい過去だ。

そういやX君に毛のことを聞いてない。X君は髪は剛毛だし、腕の毛すね毛ともフサフサで手や足の指も毛ガニのように毛が生えてる。私は毛の多いX君が羨ましくて仕方なくて、いつもつい「X君♪今日も毛並みいいねぇ♪」と声をかけてしまう。

で、X君に尋ねると「中学の修学旅行の時は、みんなと比べて(自分が)凄かったです」と、ボーボー組であることを答えた。「X君て、きょうつけ!したら脇毛がハミ毛になるの?」とか聞いて笑ってたら、まだエラが痛い。

飴が酸っぱかったとはいえ3時間以上もエラが痛いのは何事だろう?と、ふとエラを触ったら腫れてた。

フロントママさんに「あーあー。それ、飴じゃなくて、おたふく風邪かリンパか甲状腺だよ」と言われて怯んだ。おたふく風邪は確か罹ったはずだし、リンパって何?甲状腺ってどこ?と狼狽えた。

ともあれ御陰様で平和な一日だった。

----------(9月15日追記)---------

この時、フロントママさんに「甲状腺ってほら、バセドウ病さぁ」と言われたけど、「バセドウ病の人ってガリガリに痩せてるんでしょ?こんなに太っててバセドウ病ってことはないわ!あはは!」なんて笑ってた。

それに耳下腺と甲状腺って場所が違うし、絶対にバセドウ病以外の病気だと思い込んでいた。
11:30-18:00 本メイク4部屋+クイックメイク11部屋

今日はSさん(10代後半・初バイト)と愚鈍さん、Eさん(50代後半・高見沢俊彦似)と私の勤務。

うちのSさんはやたらと声がデカい。私と組んだら蚊の鳴くような声で話す愚鈍さんも、Sさんと組んだ日は滑舌は悪いけど声がデカい。

Sさんは気を遣って一生懸命に愚鈍さんに敬語で話しかけ、愚鈍さんはタメグチで答える。どっちが先輩なのか分からない状態だ。それでも愚鈍さんは、Sさんを「あの子も私と同じで敬語が使えない…」なんて言ってるんだから、愚鈍さんて大した人だと思う。

トシは愚鈍さんより遥か下でもSさんの方が先輩なのにね。

何が言いたいかといえば、そんなこんなで最近じゃすっかり愚鈍さんが勘違いして調子こいちゃってデカい声でワイワイ喋ってるのを聞いててムカついてる次第だってこと。

あーあー。どーしてもダメだ。自分。


Eさんと組むと、どうも血に見舞われる。何度も書いてるけどEさんは血がダメな人なんで、私もEさんと組んだ日は血に対して神経質になる。

ベッドを組もうとしたら、ベッドパットの上でオネショマットがグシャグシャになっていたので伸ばしてみると、思いっきり血がついていたりした場合、Eさんが血を見ていなければ「ああっ!あーあー。汚れてるので取り替えてきます」と言って、大急ぎでオネショマットを丸める。

決して「血」とは言わないし、血は見せない。

そう思ってはいても私あたりは元々がウッカリ者だ。

ベッドを組んでいたらニュルッと足が滑ったので足元を見ると、床に血が滴っていて思わず「うわぁ!血!血ぃ踏んだぁ」と叫んでしまった。

Eさん「ええーーっ?血?血なの?」

みかやん「あ・・・・」

みかやん「や、ジュース?いや、ワイン?赤ワインです(ホントはどう見ても血)」

Eさん「はあぁビックリした。血なのかと思ったよ〜。だって他人の血が足の裏についたかと思えばゾッとするもんね。足の裏に怪我でもしてたら大変だもん」

みかやん「はぁ・・・(や、血だったんですけど?)」

Eさん「本当は裸足じゃなくて、スリッパでもはいて仕事すればいいんだよね。ガラス落ちてる時だってあるし…」

みかやん「ホントですよ!油断してたら何を踏むか分かんないですからね!(お陰で他人の血が足の裏に!だよ)」

Eさんが見てない隙に床の血を拭いて、運良く風呂係だったので風呂で足を洗った。

床に血を垂らしていたお客さんも風呂は奇麗に使ってくれていて、というか風呂は殆ど使ってない感じだったので風呂掃除はラクだった。生理だからお風呂には入らなかったのかも?なんて思いながら排水溝の蓋を開けたら、目皿の上にレバー状の血の塊があった。

やられた。

洗面所で食器を洗っていたEさんが「そう言えば、このお客さん、ワインを飲んでたハズなのに、食器は歯磨きカップしか使ってないんだよね。歯磨きカップでワインを飲んだのかい?あはは!」と笑いかけてきた。

さすがに苦しいけど「ラッパ飲みじゃないすかねぇ(笑)」と微笑み返した。

以前はCさんと組む度に汚物に大当たりだったが、それも最近は無くなった。そんなふうに、そのうちEさんと組んでも血に当たらなくなるかも?と期待しておこう。

苦し紛れに「ワイン」だなんて言ってしまったせいか、今日は帰るまでどの部屋へ行ってもワイングラス洗いをするハメになった。ワイングラスって丁寧に扱わないとならないから面倒なのよね。プラスチックにすればいいのに…。
11:30-18:00 本メイク8部屋+クイックメイク1部屋

今日はDさん(20代前半・金髪&ピアス)とSさん(10代後半・初バイト)、Cさん(60代前半・元看護師)と私の勤務。出勤するとCさんが居た。

Cさん「昨日はしゅみましぇんでしたね。今日も血圧が高かったら休んで病院へ行こうと思ったんだけどね、御陰様で血圧も下がったもんだからしゃ」

みかやん「いやいや、大丈夫なの?無理しないでね。昨日、Eさんがめっちゃ心配してて”Cさん、一人だから。電話してみたら”って言われて電話したんだ」

Cさん「Eさんだら、わちが死んだと思ったんだべしゃ(笑)」

みかやん「や、そんなことはないと思うけどさ。心配してたんだよ」

Cさん「しゅみましぇんでしたね。わちももうトシだから無理しないから」

みかやん「昨日は休んで良かったんだよ。ダスター上げにセットでヘロヘロだったもの。Cさんが無理して出勤してたら倒れてたかもしれないもの」

Cさん「わち、ダスター上げだら何でもない時でも死にそうだもね。ひゃははは!」

Cさんの豪快な笑いが聞けたので安心して出動したら、Cさんたら病み上がりであるせいか、いつにも増して凄いボケっぷりだった。

私が「次、××1号室行くよ」と言ったら、××1号室へ着くまで「次、何番の部屋?」「次、どこ?」「何番行くんだっけ?」と聞いてきた。

部屋へ入ったら入ったで、いちいち老眼鏡をかけないと精算機の時間が読めないCさんの為に「今××分だったよ」と読み上げてあげても「何時の××分さ?」と聞くので時間を答えると、また「で?何分だの?」と聞いてくる。

挙げ句に、ずっと8階の本メイクをしているのに「で?ここ何階だの?」「してここ何番の部屋だのさ?」と。

----------------------------------

部屋番号  入室時間  部屋係 風呂係
(801) (12:05)   C   み
(802) (12:35)   み   C

----------------------------------

↑こんな稼働票の部屋番号と入室時間だけを書くのに、Cさんはドエライ時間を要する。

慣れてはいても、さすがに萎える。これ以上ボケられても困るので作戦を考えた。いつもは私が「次、○○号室行くよ」とか「次、×階へ行って×××号室行くよ」と言うのを今日は全部Cさんに任せた。

しっかりとモニターを見て、同じ階でお客様と鉢合わせにならないように移動したり、ベッドメイクをしなければならない部屋の中でも優先順位が有るのでそれを無視しないようにと気をつけなければならないので、ボケ防止にもなるだろうと思った。

私がCさんと一緒にモニターを見てああだこうだ言ってはCさんの為にならないどころか、結局はあてにされるので、極力モニターも見ないことにした。

嗚呼それなのに。

Cさんが「次、隣の×××号室へ行きましょ」と言うので、隣の部屋の前まで行ったら、突然ドアが大きく開いたので仰け反った。

それでもフロント陣だろうと玄関を見たら、退室間際の男性客が玄関でズボンを上げているところで、下腹部のギャランドゥとパンツを思いっきり見てしまった。幸い男性客は私の刺すような視線にも気付かなかったので、無言で逃げた。

Cさんたらもう信じらんない。

モニターでどこの階の表示を見てたんだか。私達がベッドメイクをして回るのはグレーの表示のセット済みの部屋で、お客様が精算中なら表示は赤だし、精算を終えて部屋を出る寸前ならピンクで表示されるのに。

Cさんたら色も分からなくなったんだろうか?

まぁいいよ。ギャランドゥを拝んだのも久しぶりだから許すよ。私にとってもどうでもいいことなんだけど、ギャランドゥって言葉にはいろんな節があるらしいよ。

http://homepage2.nifty.com/sledge_hammer_web/do.htm

私の中ではギャランドゥはやっぱりヘソ下あたりの毛。

けどさ、その昔、西城秀樹が「ヘソ毛〜♪ヘソ毛〜♪」と歌ってたなら倒れるよね。んなわけないけど。

とまぁこんなふうに一人であーでもないこーでもないと考えていたわけで、そうでもしないと私の一番の味方であるCさんに対してムカついたりしちゃいますから。

次にCさんと会うのは10日後ぐらいだ。達者でいて下され。

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