※4月13日の日記です。

11:00-18:00 点検26+セット+コンテナ移動+ダスター上げ+回収他

今日は、朝フロントの掛け持ちさん(30代後半・バイト3つ)と、昼フロントの私の勤務。

一昨日の最高気温が10度で今日は21度。4月の北海道にしては有り得ないほど暖かいのに、セットに入ると暖房ガンガンの部屋ばかりで、朝からすっかり汗だくになった。

汗だくでセットや点検をしていると、回収やルームサービスの連絡も入り、客室へ貸し出したヘアアイロンの回収に行くと、若い男性が出てきて「まだ熱いんですが大丈夫ですか?」と気遣って下さり、朝から早速有り難い。

いやしかし、朝からずっと私一人でセットや点検に回収やルームサービス届けに駆けずり回っているではないか。そう気付くとまた掛け持ちさんの姿が無く、彼女は綺麗にキッチリとダスター置き場の整理をしてくれていた。

それはそれで有り難いのだが、私はソレを”どうしてもやっておかなければならない仕事”と思っていないので、状況的に時間的に人員的に余裕のある時にしかやらないし、届いたダスターを運んだ時についでにやっている。ま、朝フロントさんの仕事内容は私には分からないから…。

点検をしていると、社員さんから電話で「隣の部屋の露天風呂の循環が止まっているので、もう少し時間が経ってから点検して下さい」との事だった。その事を掛け持ちさんにも知らせようとしたら、掛け持ちさんがその露天風呂の部屋の点検を終えて、売り部屋にして出てきたところだった。

驚いて「ええっ!循環止まってたんじゃないの?」と聞くと、暫しの沈黙の後「全然覚えてません」という返事。掛け持ちさんは慌ててその部屋へ戻り、売り部屋を解除して中へ入って、また売り部屋にして戻ってきた。

「大丈夫です!循環してました」と言うが「で、湯加減は?」と聞くと、また暫しの沈黙の後で「・・・・。だ…大丈夫でした」という返事。本当に大丈夫なんだろうか?色んな意味で…。

普段の掛け持ちさんは作業室での作業を殆どしないので何も分からず、昨日もフロント女史に「誰がこうしたの?」と咎められて「スミマセン。私です」と詫びていた。分からなかったら聞いてくれれば良いのだが、掛け持ちさんは勝手な判断での意表を突く行動が目立つ。

皆と同じように動いてほしいが、掛け持ちさんは暴走や迷走が多い。一生懸命なのだが頑張る方向が皆と少し違うというか何というか…。今日は、掛け持ちさんがリネン屋さんが来る前のセットバッグ上げと、ダスター上げを半分手伝ってくれたので、早速フロント女史の注意が効いて何よりだったが…。

だけど、どうしたもんだろう?とメイク女史に打ち明けると「みかやんが頑張り過ぎるから掛け持ちさんが何もしないんだよ。少し任せた方がいいよ。見てたらやっぱりみかやんがフロントで一番動いてるもん。いっつも走り回って…」と、アドバイスして下さった。

メイク女史は私を買いかぶり過ぎですってば。でも私は他人に「みかやんて働かないよねぇ」とか「仕事できないよね」と言われるのが何よりイヤなので、自分なりに一生懸命仕事をしている。例えバイトでもイケメンだろうが年寄りだろうが、一生懸命に働かないで適当にいい加減な仕事をしている人は大嫌いだ。

メイク女史の仰せの通り、も少し掛け持ちさんに任せて様子をみよう。

帰りは契約更新があって、雇入通知書に署名と捺印をした。ふと見ると”定年制 有り 65歳”と書いているではないか。社員さんの説明によれば「65歳過ぎている人も居ますが、会社側に”まだ出来る”と判断されたらOKなんですよ」との事。

どう見ても”まだ出来る”ではなくて”もう無理”というご老人が確実に一人居るが、会社側の判断なので仕方ないのでしょう。完全にお荷物となっている人による被害は深刻化する一方の現状で、私達はいつまで被害者であり続ければ良いのか…。
※4月12日の日記です。

11:00-18:00 点検28+セット+セットバッグ上げ+メイク手伝い他

今日は、朝フロントの掛け持ちさん(30代後半・バイト3つ)と、朝昼フロントのフロント女史(30代後半・超ベテラン)と、昼フロントの大型さん(30代前半・170センチ超)と私の勤務。

朝から大忙しで、ようやくセットを終えたと思ったら即満室で、満室になると部屋が空いたらメイクさんと共に出動して、セットの後でベッドメイク手伝いをし、メイクさん達が部屋を出た後で点検をして部屋を売るというパターンになり慌ただしい。

忙しかったので、フロント女史の指示で掛け持ちさんが一人でリネン出しやダスター上げをしていた。リネンもダスターも大量に届いていたので、何とか手伝いたかったが忙し過ぎて無理だった。

その後はセットをしても点検をしても常に満室で、こんな日に限って頼みの綱のメイク女史がお休みだったが、今日も女子社員さんと社長の親族氏の大活躍のお陰で仕事は捗るし、メイク女史に代わって今日は朝メイクの六法君が風呂係をして大活躍だった。

社員さんと朝メイクさんには優秀な人が揃っていて本当に助かる。

そんな中、大型さんは昼メイク最年長がベッドメイクをした後の点検にばかり当たり、急いでいるのに食器に汚れは残っているわ、トイレにウン○が飛び散ったままになってるやら、床は毛だらけやらで、点検に時間が掛かって憮然としていた。

昼メイク最年長のベッドメイクの後に点検に入ったら、それはもう”点検”ではなく2回目のベッドメイクをしているようなものだ。だから私は昼メイク最年長には極力近づかない。あの拭き方、あの洗い方で綺麗になるワケがないと、3年ほど一緒にベッドメイクをしてきてよ〜く分かっている。

私はいそいそと朝メイクの60代ペアの元へメイク手伝いに行った。朝メイクさん達は仕事が早くて綺麗だし、お風呂は六法君がピカピカに仕上げてくれたので、点検には殆ど手間がかからず、仕事が捗りまくった。

同じ60代でこうも違うものだろうか?点検時の昼メイク最年長の被害が続発していて、みんな本当に萎えている。大声でお喋りしたり、高笑いしながらベッドメイクしている場合じゃないと思う。

そんな事を考えながらセットに入ったら、浴室のテレビがエロチャンネルのままつけっ放しで、大音量であえぎ声が轟いていた。たまらずすぐにテレビを消すと、浴室の窓が開いていた為に隣の部屋から、エロチャンネルに優るとも劣らない大きなあえぎ声が聞こえてきて、もうどうしようもなかった。

何も競い合うように大きな声で喘がなくたって…。勝ち負けの問題でもないでしょうに…。

ようやく昼休みに入り、仕事を終えた六法君とテレビを見ながら話をした。朝メイクのお姉様方が常日頃から「スレてなくて本当にイイ子」と絶賛しているだけあって、素直で真面目でイイ子だ。都会育ちの新卒君やホスト君のような派手さは無いけど、一緒に居ると穏やかに時が流れる感じ。

六法君が帰って出動してセットをすると、トイレの汚物入れに「え?イチジク浣腸ですか?」と怯むような形状のモノが入っていたが、よく見るとボラギノールだった。どうりで小さいハズ。

今日は朝から、ベッドを剥がすとスネ毛だらけの湿布が出てきたり、血のついたガーゼや包帯が出てきたりで「なんも怪我が治ってからゆっくり来ればいいべさ」と思っていたけど、さすがに痔の場合は「痔が治ってからゆっくり…」というワケにはいかないよね(笑)。

夕方の退室ラッシュが始まると、社員さん達が客室へ補充するドリンク類をマメにマメにエレベーターに乗せていてくれたので、それだけでも点検が捗って大助かりなのに、セットバッグもこまめに片付けていて下さり、このままずっと女子社員さんと社員の親族氏と一緒に働かせて貰えますように…と祈るような気持ちだった。


※4月11日の日記です。

11:00-18:00 点検21+セット+セットバッグ上げ+メイク手伝い他

今日は、朝フロントの掛け持ちさん(30代後半・バイト3つ)と、朝昼フロントのフロント女史(30代後半・超ベテラン)と、昼フロントの大型さん(30代前半・170センチ超)と私の勤務。

フロント女史が早速、掛け持ちさんに「リネンの作業とかダスター上げは朝フロントと昼フロントと共同でやらなきゃダメだよ〜」と言って下さり、今日はリネン出しの作業やダスター上げをフロント女史と掛け持ちさんの二人でやって下さったお陰で大助かりだった。

何かの本に「注意やお願いをする時は、その時その場でサラリと言いましょう。長く胸にしまっていると、怒りや恨みの気持ちが湧いてきて言いにくくなります」と書いてあったけど、フロント女史は嫌味なわけでもなく怒るわけでもなく、いつも”サラリ”と言える方なので、とても素敵な先輩だと尊敬している。

しかし、その話を聞いた大型さんが「私と一緒の日は、掛け持ちさん、いつも手伝ってくれてたけど…」と言った。

みかやん「えーっ!何で?若さにも体格にも恵まれてバリバリ働ける大型さんを手伝って、何で同世代でちんちくりんの私の時は手伝ってくれないの?イジメ?」

大型さん「う〜ん。差別…かな?」

みかやん「ちょいちょいちょ〜い!(ハム風)」

結局は二人で大笑いしたけど…。けどまぁ、フロント女史があぁ言って下さったので、掛け持ちさんも明日からは協力してくれると思う。期待特大でいよう。

気を取り直して、朝メイクさんの60代ペアの元へベッドメイク手伝いに行くと、ベッド組みの途中で物凄い大声で「せーの!」と言って重いマットを持ち上げていたのを聞いて、思わず笑ってしまった。

みかやん「さすがですねっへっへ!気合いの入り方が違いますっふっふ(笑って言えない)」

朝メイクさん1「我々なんか年寄りだから気合い入れないとマット上がらないんだわ」

朝メイクさん2「我々なんか声も出なくなったらお終いだよ〜」

こんな話で三人で大笑いした。昼メイクのチーム60と同様に、朝メイクにも三人の60代女性が居るが、朝メイクの60代の人達はカラッと明るくてサバサバしていて大好きだ。

忙しいながらもこうして笑って働けるのは、作業室で女子社員さんと社長の親族氏が、懸命に作業室での仕事をこなして下さっているからで、本当に有り難い。ココへ来て間もない人達と思えない程の仕事ぶりには、全く頭が下がる。

私が笑っている間、フロント女史は昼メイクさんが部屋の絨毯にこぼした洗剤を拭いて布団乾燥機で乾かしたりで大変だったそうで、汗だくでヨレヨレになっておられた。犯人はSさんだったそうなので、言うまでもなく後でタップリと冷やかしておいた(笑)。

夕方、転勤した社員の二宮和也似氏が来ていて「系列店DのI氏って知ってます?」と聞かれ「さぁ?」と答えると、「I氏が最近ホームページを開設して、リンクのページを見たら”みかやんの奮闘記”がリンクされていて…」との事。近くにフロント女史もいらしたので、動揺した私は何かをワーワーくちばしって逃げた。

いやぁ驚いた。無断リンク禁止ですから…って、それはナイですけど、今迄の職場と違ってココで私をリアルに”みかやん”と呼ぶ人は居ないし、ネットで日記書いてまぁす♪なんて人に言ってないので、”みかやん”と言われただけで狼狽して心臓がバクバクするんだから。

あぁもう無理。動揺して狼狽して手が震えて働けない。

それでも社員さんから連絡がきて、客室へメンバーズカードを届けると若い女性が二人で出て来て「ビアンの方々でしたか」と動揺したり、急いでセットへ行こうとしたら、エレベーター前でお客様が記念撮影をしていた後ろを走ってしまい「うわ!私も写ったかも?」と慌てたりで、精神的ダメージ続きでホゲホゲになった。

ホント無理。もう働けない…と思ったら丁度帰る時間だったので助かった。

以前、ススキノで職場の人達と歩いている友人を見つけ「おーい!RD!RDくーん!」と叫んだら「ハンドルネームで呼ぶなぁ(笑)」と叫び返されたが、その時のRDS君の気持ちがよく分かった。そん時はゴメンよ、RDS君。
■その36 4月10日

※歌手の絢香さんもバセドウ病であることをカミングアウトされた為、この病気も一気にメジャーになった気が…。「絢香さんと同じ病気なの」というと話が早い。私の経験上、甲状腺機能の亢進症状が強い時や低下症状が強い時など、とても芸能活動など無理だと思うので、絢香さんは治療に専念って形をとって正解だと思う。

※朝からむくみが強く、体重測定は医師も私も驚きの結果になった。医師には渋い表情で「亢進時は食べても食べても痩せますけど…治っていく過程で太るのはある程度は仕方ないことですが…亢進時と同じ調子で食べていると大変なことに…」と体重激増を窘められた(泣)。

※総コレステロールは基準値ギリギリ、悪玉コレステロールは基準値超え、このままでは高コレステロール血症にでもなるのでは?と不安になるが「そうならないために”リピトール錠”を飲んでいるのよ!私は大丈夫!」と自分に言い聞かせる。そんなこんなで、今日から粗食にしよう。

※前々回→前回の血液検査の結果
TSH 2.9→0.7 (基準値 0.4〜4.0)◎基準内
FT4 1.0→1.3 (基準値 0.8〜1.9)◎基準内
FT3 2.9→3.2 (基準値 2.2〜4.1)◎基準内
TSHレセプター抗体 26.3→29.8 (基準値 10以下)×↑
・総コレステロール214↑△ 中性脂肪45↓× LDL-C140↑×
・検査チャートには”正常”と書いてあった

※今日のメニュー
・前回の血液検査結果発表
・採血
・体重測定
・メルカゾール 1日1錠×28日分
・リピトール錠10mg 1日1錠×28日分
計6350円

※前回までの205340円と合わせて211690円也。

■その35 3月13日

※医師が自信タップリの笑顔で「レセプター抗体が11まで下がりましたよ!」と言うので「えーっ!凄い!」と喜んだのも束の間「あ、違ったサイログロプリンだった」と即訂正された。

レセプター抗体が10を切って安定すると、バセドウ病は”緩解”という形で闘病生活ともお別れになるというのに、何てことを!いつもの検査項目には無かったサイログロプリンというのが増えていたので、とんだぬか喜びという結末(哀)。そうじゃなくても毎回、レセプター抗体の数値に一喜一憂してるってのにさ。

サイログロプリンというモノは、正常の状態では殆ど血液中に出てこないモノだそう(http://www.kuma-h.or.jp/kojyosen/kensa/index.html)。取り敢えず基準内で良かった。

※治療代20万円超え(泣)。普通に20万円を使える身分だったら、あたしゃMac純正モニタとAirMac環境が欲しかった。

※前々回→前回の血液検査の結果
TSH 3.2→2.9 (基準値 0.4〜4.0)◎基準内
FT4 1.0→1.0 (基準値 0.8〜1.9)◎基準内
FT3 2.8→2.9 (基準値 2.2〜4.1)◎基準内
TSHレセプター抗体 32.3→26.3 (基準値 10以下)×↓
サイログロプリン 11.7 (基準値 32.7以下)◎基準内
・検査チャートには”正常”と書いてあった

※今日のメニュー
・前回の血液検査結果発表
・採血
・体重測定
・メルカゾール 1日1錠×28日分
・リピトール錠10mg 1日1錠×28日分
計6350円

※前回までの198990円と合わせて205340円也。


※4月9日の日記です。

11:00-18:00 点検32+セット+コンテナ移動+ダスター上げ+ゴミ袋折り他

今日は、朝フロントのフロント女史(30代後半・超ベテラン)と、昼フロントの私の勤務。激安部屋サービスが始まって、昨日あたりから早速忙しい。みんなネットやケータイのサイトをしっかりチェックしているのね…と驚くやら感心するやらだ。

今日も朝から忙しい気配はしていたが、朝メイクの陽気な人が頭痛で欠勤したそうだ。早くもベランダ喫煙の犠牲者が出た!と心配になる。しかし、近所さんは寒風にも負けずチャリ通を始めたそうで…私の家の近所からチャリでココへ通うなんて有り得ない!

私だったらココへ辿り着いた頃には太ももはパンパンで、息はゼイゼイで、とても働ける状態ではないと思う。若さには敵わないと朝から痛感してしまった。

最上階にセット待ちの部屋が多かったので、出動してすぐ最上階へ向かうと、今時珍しい物凄いヤンキー姉ちゃんと、似たような出で立ちの若い男性が歩いてきた。地方のド田舎まで行くか、タイムマシーンにでも乗らなければお目に掛かれないと思っていたが、ココで間近で拝めるとは!

それはもう、まるで下妻物語の土屋アンナ。そのヤンキー姉ちゃんも顔が綺麗なだけに勿体ない感じ。折角なので朝1でそのヤンキーカップルが出てきた俗に言う「スケベ椅子」(くぐり椅子)の有る部屋へセットへ入ると、それはそれは荒らされていて足の踏み場も無い程だった。

ヤンキーってもっとこう、義理人情に厚くて一宿一飯の恩義を深く感じたり、プライベートは意外とキッチリしてるもんじゃないのかい?まぁ私が泊めてあげたり、食事を振る舞ったワケじゃないから仕方ないけど。物凄〜く裏切られた気分で、ビールの空き缶やらゴミを拾いまくった。

とんだヤンキーカップルだよ。部屋は綺麗かも?なんて期待して損した。

ようやくその部屋のセットを終え、けっ!と思いながら隣のミストサウナ付きの部屋へセットに入ると、そこも同じように荒れ果てた部屋で…(泣)。どういうわけか最上階はいつもこんなもんだ。”高額の部屋に入った”という女王様気分がそうさせるのか?はいはい、下女のわたくしめが片付けますわよ、仕事ですから。

その後、フロント女史と仲良く包布の交換やベッドの組み直しをして、リネン屋さんが来たらリネン出しやダスター上げも一緒にしていると、今日は特掃氏がダスター上げを手伝ってくれたのもあって、14時にはすっかりヒマになった。

作業室でゴミ袋折りをしながら、メイク女史&フロント女史に「毎度一人でリネン出しやダスター上げはキツい」ということを訴えた。私もそろそろ腰がまた限界にきているので、何とか掛け持ちさんの協力を得られると有り難い。この件は、近いうちにフロント女史が掛け持ちさんに話してくれる事になり、お陰様で一安心だ。

私の発言が、心ない人達に操作されて有ること無いこと尾ヒレを付けられて伝わるのには懲りたので、フロント女史から話して貰えると本当に助かる。

メイク女史もフロント女史もお帰りになった後、俄然張り切ってセットや点検を始め、とある部屋へセットに入ると、オヤジ臭とケモノ臭が入り交じった匂いがした。以前にも嗅いだことの有る匂いだ。

前回は、ペットシートが敷かれていたものの、お犬様がペットシートで用を足さずに、全く別の場所にシッコが零れ、カリントウのようなウン○が転がっていた…とSさんが嘆いていたのを思い出し、すぐに床を確認したが今回はシッコもウン○も無く助かった。

続いて4P部屋が空いたが、今日の私は最上階にツキが無い。ドキドキしながらセットに入ると部屋は久々に綺麗に使われていて胸を撫で下ろした。

17時20分になり、そろそろ作業室に回収したセットバッグが溜まりきった頃だろうと降りてみると、近所さんと昼メイクの最古参がセットバッグを片付けてくれていた。近所さんはいつもやってくれているが、最古参がセットバッグ作りはとても稀なので驚いた。

近所さん達はそのまま17時半で早帰りになり、30分とはいえ一番忙しい時にメイクさんが1隊減って大助かりだ。女史達や近所さんに助けられて、いい一日だった。フロントの仕事は基本的に一人だけど、こうしてみんなに助けられて有り難いことだと、しみじみした。


※4月8日の日記です。

11:00-18:00 点検38+セット+コンテナ移動+ダスター上げ+回収他

今日は、朝フロントの掛け持ちさん(30代後半・バイト3つ)と、昼フロントの私の勤務。

出勤してモニターを見ると、売り部屋が10しか無く「何故、水曜の朝にこんなにピンチ?」と驚いたが、仕事の早い朝メイクさん達の大活躍のお陰であっと言う間に売り部屋が増え、朝メイクさん1隊は12時で早帰りしていった。

やれやれと思ったのも束の間、今日も掛け持ちさんの三連発の罠に嵌った。

1発目は例によって掛け持ちさんは、リネンやコンテナやダスターには指一本触れず。2発目は、掛け持ちさんは今日も4P部屋のセットに入らず私が。3発目は、掛け持ちさんは自分が下げてきたセットバッグだけを片付け、私が下げたセットバッグは放置してゴミ袋折りやトイレットペーパー巻き巻き…という罠。

いつもの三連発なんだけど、コレを本当に悪気無くやっているんだろうか?と不安になってくる。もっと親しくなれれば色んな事も言えるのだろうが、なんせ掛け持ちさんと一緒の日は、忙しくて世間話をするヒマも無い。

だけど、掛け持ちさんはどうしても性格の悪い人と思えない所が救いだ。少しずつ接点を増やして仲良くやってかなきゃね。

セットへ向かうと、朝メイクの六法君が両手で使用済みダスターを抱え、頭の上に未使用ダスターを乗せて歩いているのを目撃して大笑いした。六法君は「見苦しくてスミマセン」と照れていたが、ツボにハマり易い私はお陰で暫く可笑しかった。

昼休みは仕事を終えた六法君と司法書士の話をした。私にも元司法書士や現役弁護士や国際弁護士志望の友人が居る。何て言うかやっぱり、六法君ぐらい志が高いとバイトとはいえ仕事は綺麗で正確で、ココに居るのが勿体ない感じ。来年の今頃は司法書士としてバリバリ働いているのでしょうね。若いって素晴らしい。

朝メイクさん達も掛け持ちさんも帰った後、何気にセットをしていたら洗面所の床にローションがこぼれていてヌルヌルだった。

私も危うく転倒しそうになったが、今日は昼メイクさんに60女が二人居る。転倒して骨折とか、打ち所が悪くてあの世逝き等となっても困るので、一昨日と同様に「チューチュー ラブリー ムニムニ ムラムラ プリンプリン ボロン ヌルル レロレロ♪(by マキシマムザホルモン)」と口ずさみながら床を拭いておいた。

次の部屋へセットに入ると、今度は浴槽のお湯がヌルヌルであんかけ状態になっていた。ゴミを確認したら”超トロトロ!トロけるトロミ入浴剤”とのことでトロミが強かったので、また老婆達が滑って転倒して骨折したりあの世逝き…と考えて、浴槽のお湯が抜けた後で暫くシャワーをかけて流した。

浴槽に入ってみて滑らないのを確認し、ふと見るとベランダの外に使用済みスキンが落ちていた。なんでスキンを外に捨てるのさ!と怒りかけたが、珍しく老婆達が気を利かせてスキンを拾おうなどとして、窓からベランダへ転落してあの世…と考えてしまい、マジックハンドで拾っておいた。

老婆達の心配をしているけど、こういうのを世間では老婆心と言うのよね。

人知れず昼メイクさん達には気を遣っているのよ。というか、昼メイクさん達がベッドメイクをした後で点検するのも私なんで、出来る限りのことはしておかないと、点検の時にヌルヌルやレロレロが残っていたり、急いで点検を終えたい時にベランダのゴミ拾いとかイヤだから。

仕事を終えて作業室へ降りると、社員のダルマ氏が「今日は忙しかったでしょう!お疲れ様!」と声を掛けて下さった。ダルマ氏はいつもねぎらいの言葉を欠かさない、優しくて暖かい方だ。忙しかったが、穏やかなダルマ氏の顔を見てホッとしたが…。

忙しい時こそメイクさん達にはきっちりとベッドメイクをしてほしい。老婆達には本気で「老眼鏡をかけて仕事をしてほしい!」と願う今日この頃だ。

※4月6日の日記です。

11:00-18:00 点検19+セット+コンテナ移動+ダスター上げ+リネン折り他

今日は、朝フロントのフロント女史(30代後半・超ベテラン)と、昼フロントの私の勤務。

出勤すると、今日から休憩室が禁煙で、喫煙場所は外のベランダのみ…という事になっていた。分煙ったって外はナイでしょう外は。4月っつってもココは北海道だよ。今日の最高気温は11度、明日の予想最高気温は8度だよ。冬になったらどうすんの?死ぬって。

おまけに禁煙の通達には”昼休みの外出は禁止”とも書いていた。社員食堂が完備しているワケでもなく禁煙だというのに、外出も出来ないのかい?主婦ばかりなんだから、ちょっと昼休みに郵便局とか銀行へって用事も有るってのに有り得ないでしょ。

禁煙とか外出不可って、ちゃんとした喫煙場所や社員食堂や社内ATMを完備してる会社が言うセリフじゃないの?唖然愕然を通り越して腹立たしい思いで、ジャンパーを着込んでベランダで一服した。

「なんて横暴な会社かしら。”大事な大事なメイクさん。メイクさん達は会社の宝”と大切に思ってくれていたラブホQグループの社長が恋しいわ!」と思いながらセットに入ったら、テーブルの上にキャップが外されラベルが剥がされたペットボトルと、広げて伸ばされたお茶の紙パックが有った。

世の中は禁煙ブームにエコブーム。ブームというよりそういう時代なんだよね。周りの男友達も禁煙して「姉さん、もう煙草の時代じゃないんだよ」と言われて久しいし…。分かったわよ、禁煙するわよ…そのうち…ね。

一昨日は爺さんと20代女性や、爺さんと30代女性が多かったが、今日は熟年カップルが多かった。熟年不倫なのか本物の夫婦なのかは分からないが、20%offが終わってから客の年齢層が高すぎやしないかい?と思っていたら、今日から元々お手頃価格の部屋が激安!というキャンペーンになった。

これで若いお客様もまた戻ってきて下さるだろうか?爺さんばかりだと目の保養が出来ない(苦笑)。

セットをしていて部屋や浴室の窓を開けると、隣の部屋から女性のあえぎ声が聞こえてきた。外は肌寒いが部屋は暑い、部屋は暑いがまだ冷房は入らない、で、窓を開けて行為に及ばれると、このように窓伝いにあえぎ声が聞こえたりして。

毎年のことだが、今年もこんな季節になったか…という感じ。北海度のラブホに、春の訪れを告げるあえぎ声だ。あえぎ声を聞いて、ようやく北海道にも遅い春が…と、しみじみするのも変だけど。

昼休みにメイク女史に「フロントのメンバーと私で”女子会”みたいなのを開きたいんだけど、どーお?」と声を掛けられ「是非参加したいです!」と即答した。何て有り難い。掛け持ちさんとももっと仲良くなりたいし、願ってもないことだ。何といってもメンバーが素晴らしい。今から楽しみ♪

気を良くして出動して点検をしていたら、トイレがウン○だらけだった。ちょっとやそっとの量ではなく、例え老眼でもアリアリと見えるであろう飛び散りウン○を放置とは何事ですか?と、昼メイクさん達の元へ知らせに行くと、犯人は昼メイクの新人さんではなく中堅の人だった。

元々何かと粗相の多い人だが、酷すぎる。その人が延々とトイレをブラシで擦っていたので、次の部屋では急いでセットをして剥がす前のベッドに乗ったら、思いっきり滑ってシーツの上に手をついた。

すると手にヒンヤリ&ヌメヌメとした感触がして、シーツはローションまみれでヌルヌルで、シーツの下のオネショマットまでヌルル…レロロ…思わず「チューチュー ラブリー ムニムニ ムラムラ プリンプリン ボロン ヌルル レロレロ♪(by マキシマムザホルモン)」と口ずさむが…楽しくない!

足の裏と手を洗ってから、新しいオネショマットを取りに走った。そういや熟年のお客様が多かったから、色んな所がカサつくのでしょう。そりゃあローションも大量に必要でしょう。はいはい。

そういう私も初のフロント5連チャンの5日目で、足の裏がガサガサのボロボロだった。明日はゆっくり休みましょっと。


※4月5日の日記です。

11:00-18:00 点検26+セット+メイク手伝い+リネン折り+回収他

今日は、朝フロントの掛け持ちさん(30代後半・バイト3つ)と、朝昼フロントのフロント女史(30代後半・超ベテラン)と、昼フロントの大型さん(30代前半・170センチ超)と私の勤務。

日曜なのに朝から売り部屋が多く、朝ラッシュを終えた12時に掛け持ちさんが早帰りになった。昨日の土曜も、早帰りにならなかったのは、朝メイク1隊と昼メイク1隊と大型さんと私だけ。珍しく支配人が日曜に出勤すると、こんなもんだ。支配人には忙しい時の日曜にお出まし頂きたいのに…。

支配人の指示で朝メイクさん達は廊下掃除、昼メイクさん達はダスター上げをしていた。朝メイクさん達はメイク女史の指示で、よくダスター上げをしてくれるが、昼メイクさん達は滅多にダスター上げなどしない。今日は骨身に応えただろう。

その後も昼メイクさん達は、支配人に命じられて休憩室掃除をしていた。こんな時、昼メイク最年長はいつも「ベッドメイク以外の事すれば疲れるもね。余分な仕事だもの。はあぁ疲れた」と言っていたが、今日もその声が聞こえてきそうだった。

普通にベッドメイクだけをしていても「疲れた、疲れた」と言ってた気もするけど(苦笑)何かもう遠〜い過去の話のよう。

朝メイクの陽気な人と六法君のベッドメイクを手伝った。手伝いながら着々と点検も進めて、思わず「六法君てホントに仕事がキレイ!今迄の漢メイク(男子ベッドメイク係)の中で一番ベッドメイクが綺麗だわ!」と感嘆した。

六法君は恐縮していたが、その几帳面さは是非フロントに欲しい。

昼メイクさん達の休憩室掃除が長引いたので、私は15時半から昼休みに入った。空腹で虫の息だったが、綺麗な休憩室に一番乗り出来た。

昼休み明けに大型さんに会うと「客室に煙草を届けたら”はあぁ?頼んでねぇわ!”って、めっちゃムサい顔で怒られたさ!勘弁してよね!」と、また怒っていたので「私も昨日やられた!怒られるよね!絶対怒られるよ」と言ってまた逃げた。

だって大型さん怖いんだもの。体格が既にド迫力だし…。

セットへ逃げると、昼メイク最年長とその相方がベッドメイクに来た。私が風呂や洗面所にいる間にベッドを剥がしてくれていたが、掛け布団をめくったら血だらけのバスタオルやフェイスタオルやシーツが出てきて、血に弱い最年長は怯みまくりだった。

「やんやちょっと血まみれだわ」「血で血でワヤ」と言っていたが、その声がいつもと違って完全にしおれていた。滅多にしないダスター上げや休憩室掃除で弱っていたのだろう。小さな婆さんが余計に小さく見えた(哀)。

いやいや、そんな同情を引くタイプのイタイケな婆さんではない。大型さんを見た直後なので小さく見えただけだろう。

今日最後の部屋へ点検に入ると、ベッドの足元側の絨毯の上にダスターが敷かれていた。絨毯が濡れていたのだろうとダスターを踏んでみると、グジュッと茶色い液体が染み出してきた。「うわっ!何コレ?全然拭いてないんじゃないの?しかも何で茶色?何の液体?」と慌ててフロントへ電話して売り止めにした。

フロントへ降りて支配人へ報告すると、大型さんも降りてきて、同じ部屋の同じ場所が最近いつも同じように濡れている…という事が分かった。同一犯なのか?茶色い液体は何なのか?

支配人に「匂い嗅いでみました?」と聞かれ「いえ、もう”茶色い”ってだけで怖くて匂いなんかとっても無理でした」と情けない返答をした。コーヒーやコーラならいいけど、ゲーリーやゲーローだったら…と考えただけで無理だったもの。

ふと視線を感じると、フロントに久々に社員の特大氏が居た。懐かしくて嬉しくて話をしたいが、私や昼メイクに纏わる良くない噂も耳に入っているだろうし、気のせいか特大氏が痛々しいような目で私を見ていたようにも思えたので「お疲れ様です」とだけ言って立ち去った。

こないだの歓送迎会に特大氏も出席していたが、そんなこんなで声も掛けられず物凄く残念だった。特大氏の目から見たら、私も”小さな婆さんが余計に小さく見えた状態”だったろうか?それとも”このオバサン誰だっけ?”とか?

ま、そうじゃなくても何かと苦労しているので、取り越し苦労はやめておきましょっと。

※4月4日の日記です。

11:00-18:00 点検25+セット+コンテナ移動+ベッド組み+回収他

今日は、朝フロントの掛け持ちさん(30代後半・バイト3つ)と、朝昼フロントのフロント女史(30代後半・超ベテラン)と、昼フロントの大型さん(30代前半・170センチ超)と私の勤務。

出勤すると、11時半出動の昼メイク最年長が11時出動の私より先に来ていて、休憩室に横になって大音量でテレビを見ていた。お耳が遠いので仕方ないが、家も近いことだし、ギリギリまで自宅でテレビを見てたらいいんじゃないの?と思いつつ、あまりにうるさいので逃げるように出動した。

3月13日から復帰したフロント女史は、今日になってようやく掛け持ちさんと初顔合わせをし「見慣れない人が居るとココも新鮮!」と感激してらしたが、ヒマ気味だったので、掛け持ちさんは朝メイクさん1隊と共に12時で早帰りになった。

フロントが一人帰ったので急いでセットをしていると、とんでもない泡風呂に当たった。浴槽の縁や浴室の床までも泡だらけで、こんな時に限って一番大きなタイプの浴槽だ。

お湯の入った浴槽に滑り落ちた関取さんやお人形さんのずぶ濡れになった姿を思い出し、怖くて浴槽の縁を伝い歩きで窓を開けに行くことなど出来ず、近くの部屋に居たメイク女史に言うと「いいよ〜。後で泡が消えた頃に窓を開けておくから」との事。助かった。

その後、メイク女史と何部屋かのベッド組みをして昼休みに入り、仕事を終えた朝メイクの新人・六法君(20代半ば・司法書士志望)とテレビを見ながら談笑した。

今日は、先週までと違って朝から爺さんの姿が目立ち、中にはやっと歩いているような爺さんも居た。ベッドの上では大丈夫なの?と心配になるが…。先週まではクーポン使用で若いお客様も多かったが、正規の価格でも来て下さっている有り難い爺様方だ。

爺様の部屋へルームサービスを届けると、爺様はドアの陰に隠れながら「床に置いてくれ」と仰った。玄関の中へ入って上がり口にトレイを置いて何気に振り返ると、爺様はドアの陰で全裸で股間にフェイスタオルを当てただけという姿だった。軽い目眩を感じながらも「ごゆっくりどうぞ」と、その部屋を出た。

別の爺様が出て来た部屋へセットに入ると、ベッドのど真ん中にベルトを忘れていたり、玄関にケータイを忘れていたりでまた萎えた。

なんせ爺様ばかりなので、精算を始めてもなかなか部屋から出て来なくて、早くセットに入りたいのに、いちいち待たされた。とは言っても、コンビニボックスから強壮剤やらオモチャやら、様々なモノをお買い上げ下さった有り難い爺様方なのだろう。

夕方、大型さんに会うと「昼メイク最年長のベッドメイクがあんまり酷いから注意したら、全然話しが通じないのさ!同じこと10回ぐらい言ったんだよ!」と憤慨していた。

大型さんが何と言っても「何だって?」「意味分からない」「誰が?」「わちかい?」とノラリクラリで、大型さんも「アンタしか居ないっしょ!」と言いたくなったそうだ。「ホントにもう!どうなってんの!」と怒りが収まらない大型さんに「外人なんじゃないの?」と言って逃げた(苦笑)。

フロント女史も16時半で早帰りになった後は、帰って行く爺さんと入って来る爺さんとで、廊下が爺さんだらけの爺さんラッシュ(怖)。それがまたヨチヨチ歩きの爺さんばかりで、私達は身動きがとれず、大型さんも私も今日は老人の難に見舞われた一日だった。
※4月3日の日記です

11:00-18:00 点検25+コンテナ移動+ダスター上げ+ドリンク出し手伝い他

今日は、朝フロントのフロント女史(30代後半・超ベテラン)と、私の勤務。

朝からヤバいぐらいヒマだったが、明日と明後日の土日に備えて倉庫に保管する酒やドリンクが大量に届いたので、首や肩を痛めているフロント女史のドリンクの出し入れを手伝った。

そうこうしている間に、2隊居た朝メイクさんの1隊が12時で早帰りして一段とヒマになり、13時にリネン屋さんが到着すると、当然のようにフロント女史と二人でコンテナの運搬やリネン出しにダスター上げをした。

その間は、社長の親族氏がセットをしていて下さったので、私達は暫くは点検のみで更にラク…と油断していたら、あまりにヒマなのでフロント女史と電話番姐さんが14時で早帰りになった。

残っていた朝メイクさん1隊が15時半で帰り、元々1隊だった昼メイクさんは16時半に早帰りになり、セットをしていて下さった親族氏も16時半にはフロントへ降りた。

フロントに支配人と親族氏、館内には私だけという寂しい状態だが、何かあれば働き者の親族氏が私を助けに来てくれるのだろう。親族氏は労力を惜しまずこまめによく働き、それでいて謙虚で素晴らしい方だ。お陰で大船に乗ったような気持ちでいられた。

17時過ぎ、外がだいぶ暗くなってから最上階の部屋が空いたのでセットへ向かったが、エレベーターホールから出たとたんに、あえぎ声と言うより悲鳴に近い「いやあああっ!」「ひいいいいっ!」という女性の声が薄暗い廊下に響いていて、ビビリの私はかなり怯んだ。

親族氏が懸命にセットを続けていて下さったお陰で、セット済みの部屋も売り部屋も沢山有ることだし、最上階のセットは夜フロントさんに任せましょう、夜フロントさんゴメンナサイ!と心の中で呟いて、他の階へ逃げた。

元々の客数が少ないので退室ラッシュも無く、16時半から帰りまでにセットをしたのはたったの6部屋。こんなにヒマで良いものだろうか…と帰り支度をしていると社員のダルマ氏が来た。

ダルマ氏の話によると、先月なんだかんだ忙しかったのはネットやケータイのクーポンで20%引きのキャンペーンをしていたためで、それが終わったとたんにすっかりヒマになり、あまりにも顕著であることを嘆いていた。

そういや先月は、プリントアウトしたネットクーポンの回収へ行ったり、ケータイのクーポン画面の確認へ行ったりと、客室へ伺う機会が物凄く多く、それだけでかなり大変だった。

ちなみに、若いお客様は堂々とケータイを片手に部屋から出てきて「これでお願いします」等と言って下さったが、年配客は無言でドアの隙間からケータイだけ出す形だった。ま、熟年不倫とかいろいろ事情があるのでしょう。

ともあれ忙しかった三月も終わり、クーポンの奴隷から解放されていたことに今日気付いた。

次のキャンペーンが始まって忙しくなる前のヒマな間に、フロント女史に付帯業務を教わっておこう。フロントとして、まだまだ知らないことがいっぱい有る。


11:00-18:00 点検25+セット+コンテナ移動+ダスター上げ+新メニュー入れ+駐車場掃除他

今日は、朝フロントの掛け持ちさんと私の勤務だったが、掛け持ちさんが欠勤して大型さん(30代前半・170センチ超)がヘルプで出勤してくれた。

ドリンクの補充をしようと、超ベテランメイク女史とロザンナさんがベッドメイク中の部屋へ入ったら、昨日から異動してきた社長の親戚の社員さんがベッドメイク研修をしていた。

知的で爽やかな方で、ご挨拶をしてウットリしていたら、同い年のロザンナさんに「既婚者だから狙ってもダメだよ(笑)それにうちらより年下だし」と茶化された。や、でも私、年下大好きですから♪って、そういう問題じゃないけど。

来期のシフト表が出来ていたのですぐ確認すると、有り難いことに土日はフロントが四人体制になっていて、フロントの誰かが休みの日はメイク女史がフロントに入って下さるようになっていた。

私は感激したが、今まで朝フロントや朝昼フロントが多かった大型さんは、来シフトは全て昼フロントになっていることに動揺し、「だって昼フロントは大変だもん。昼間だけどもっと時給高くていいと思うもん!」と拗ねていた。

大型さんに「みかやんはよくやってるわ。いくら長く昼メイクをやってたからって、みかやん以外の人に昼フロントは勤まらないと思うもん。みかやんだから出来るんだよ。凄いわ」と褒められたみたいで、照れた私が「こんな年寄りなのにね」と言うと、大型さんも「そこまで言ってない」と言って二人で大笑いした。

大型さんたらどうしちゃったの?という感じだが、やはり嬉しくて、大型さんが昼休みの間に頑張って仕事をしたら、大型さんが昼休みを終えた頃にはすっかりヒマになった。

休憩室から出てきた大型さんが「そうそう!昨日ね、すんごいお客さんが居たんだよ!」と興奮していた。

大型さん「昨日、最上階へ行ったら廊下にやたらとあえぎ声が響いていて、何事?と思ったら、玄関でやっちゃってるのさ!」

みかやん「ドア一枚隔てただけの所で?そりゃ響くよね」

大型さん「ドアつか、曇りガラスの格子戸に手をついて立ちバッグでやってるもんだから、シルエットは丸見えだし、声は筒抜けだったんだから!」

みかやん「ええーっ!それじゃ廊下目がけてあえいでたようなもんでしょ?しかも曇りガラスだし、見てくれ!と言わんばかりじゃないの?」

大型さん「そうなのさ!フロント女史が通りかかった時は、かなり曇りガラスに近づいてたから、ガラスの向こうでオッパイがユサユサ揺れてたのまで見えたって」

みかやん「ひえーっ!そんなに近づいてたなら、そのお客さん達からも廊下を歩くうちらや他のお客さんの姿が見えたって事で、当然そのお客さん達も自分らが見えてるって分かるよね?」

大型さん「絶対分かっててやってたと思う。そのお客さんが帰った後、セットに入ってアンケート用紙を見たら”お部屋がとても気に入って三回も頑張ってしまいました。また来ます”って書いてたさ」

みかやん「うわ〜見たかったかも?見られる事や聞かれる事に味をしめたなら、また来てくれるよね♪」

大型さんが興奮してただけあって、確かにすんごいお客さんだったようだ。

私達はある程度こういう事に慣れてはいるけど、その光景を目の当たりにした他のお客様はどう思ったんだろう?部屋へ入ろうとして現場を通りかかり、負けちゃいられない!と急いで入室しただろうか?

その後もヒマ気味で、私は駐車場掃除をし、昼メイクさん達は廊下掃除をし、昼メイクさん達はそのまま17時で早帰りになった。

メイクさん達が帰ってから女子社員さんから電話が来て、浴室にローションマットが置いてない部屋に入ったお客様が「どうしてもマットを使いたい」との事で、隣の部屋からマットを貸し出ししたが、お帰りになったので、その部屋から隣の部屋へマットを戻してほしいとの事。

シングルベッドと同じくらいの大きさのマットを私一人で?と思ったら「あ、夜メイクさん達が来たらお願いしますね」とのことで免れた。

お陰様でその後はセットと片付けのみになり、フロントになって初の5連チャン初日がラクで助かった。

玄関で立ちバックのお客様、是非また来て下さい(笑)。


※3月30日の日記です。

11:00-18:00 点検34+セット+コンテナ移動+ダスター上げ+回収他

今日は、朝フロントの掛け持ちさん(30代後半・バイト3つ)と私の勤務だったが、なんと掛け持ちさんが無断欠勤をしたそうで、超ベテランメイク女史が朝フロントをして下さった。

私が出動したのと同時に4P部屋が空いた。またいつもの”パーティー状態”かも知れない。あんな所へメイク女史を行かせるわけにはいかないので、大急ぎで4P部屋へセットに入ると、珍しく綺麗に片付いていてラッキーだった。

ところが、午前中は泊まり明けの部屋が多く、どの部屋もゴミの山でセットが難航した。以前は大荒れに荒れた部屋はホスト君の担当だったが、私がホスト君の後を引き継いでしまったかも知れない。

おまけに朝からデリヘル嬢が多く、廊下をウロウロしているので、部屋から部屋への移動も困難だった。

何とか一段落つけて作業室へ降りると、既にメイク女史が大量のセットバッグをエレベーターへ積み込もうとしている所だった。慌てて「私がやりますからっ!」と制止するも、メイク女史は「みかやんはいつも大変なんだから、今日は少しラクして。休んでてよ」と、微笑んで下さった。

メイク女史ったら、そんなことを言って私を泣かせようとして…。そんな事を言われたら「惚れてまうやろーっ!(Wエンジン)」だから(感涙)。

休んでいるワケにもいかず、その間にコンテナ移動を済ませ、リネン屋さんを迎え撃った。ダスター上げは昼休み明けのメイク女史と一緒にしたが、仕事の早いメイク女史とだと一瞬で済んでしまって感動した。

無断欠勤した掛け持ちさんから連絡が入り、掛け持ちさんはゲーリーとゲ□で病院で点滴中で連絡が取れなかったそうだ。

昼休みに入ると、休憩室に昼メイクの近所さんとSさんが居て、久しぶりに誰の目もはばからず三人で談笑した。15分程度だったが楽しいひとときだった。メイク女史が16時まで30分残業して下さったので、お陰様で私は16時までのんびり休憩出来て有り難かった。

16時に出動して、社員さんの指示通り××8号室へケータイの充電器をお届けに行ったが、鍵が開いてなかった。オートロックなので階下で社員さんが鍵を開けてくれない限りどうにもならない。電話をして解錠して貰ったが、驚いたことにお客様には「頼んでません!(怒)」と言われてしまった。

何が困るって鍵の開け忘れが一番困る。誰とは言えないが、その社員さんは鍵の開け忘れが多くて、一日に二度三度なんか当たり前で、今日は部屋番号まで間違えて…ベテランなのに有り得ない!大失態でしょうに。

重〜いルームサービスをエレベーターホールから一番遠い部屋へ届けた時に限って鍵が開いてなくて、食べる物を床に置くのも気が引けるので、重いトレイを持ったままエレベーターホールへ戻り「鍵を開けて下さい」と電話して、また戻る…とかホントに勘弁してほしい。

鍵が開いてないだけで不機嫌になるお客様も居て、こないだも「開かねぇぞコラッ!」とドアを蹴られたばかりで、私は「申し訳ありません。大変失礼しました」と平謝りだった。こんなことをしていたら、いつか大きなクレームになるのでは?と、とても不安だ。

場所が場所なんだから…お客様が部屋で盛り上がりに盛り上がっていて発射寸前!という時に「ピンポン」ってチャイムがなって、頼んでもいない物が届けられたりしたら、どうすんの?怒られるでしょ、普通に。もっと緊張感があってもいいんじゃないの?…と私は思うんだけどさ。

露骨にイヤな顔をされたり直接怒られるのは、いつも私達バイトフロントだ。凹むよ、全く。こうも鍵の開け忘れが多いと、ひょっとして嫌がらせ?と思うもの。

折角さっきまで、メイク女史の大活躍のお陰で感謝の嬉しい気持ちでいっぱいだったのに、暗〜く重〜い気分で仕事を締め括るのは私もイヤだ。せめて平常心で帰りたい。

こんな時は目の前の仕事に集中するしかない。黙々と仕事をして、最後にセットに入ると、その部屋はとても綺麗なままで、使われた形跡が殆ど無く、ベッドに腰掛けた程度だったので、ベッドを剥がしただけでセットが終わった。心の中で「お客さん、ありがとう」と呟いて、作業室へ降りた。


※3月29日の日記です。

11:00-18:00 点検29+セット+メイク手伝い+ルームサービス他

今日は、朝フロントのフロント女史(30代後半・超ベテラン)と、昼フロントの大型さん(30代前半・170センチ超)と私の勤務。

11時の退室ラッシュが終わりきらないうちに、12時からフロント女史が昼休みに入って、上の階には大型さんと私の二人。売り部屋が少ないので、セットや点検に追われて作業室へは降りられず、結果的にセットバッグやコンテナは手付かずのまま放置してしまう形になった。

13時過ぎにはリネン屋さんが来るので、その前に作業室のセットバッグを運び終え、コンテナ移動も済ませておきたかった気持ちはやまやまだが、どうにもならなかった。

結局、13時に昼休みを終えたフロント女史が決死の覚悟で、大量のセットバッグやコンテナやダスターと一人で戦って下さったが、さすがのフロント女史も「やっぱり日曜にフロント三人じゃ無理だわ」と呟いた。忙しい時は4人でも無理だもの…仕方ない。

ベッドメイク部隊が5隊でフル稼働の中、セット部屋が無くて必死でセットをしている間も、社員さんからは容赦なくルームサービスや回収の連絡が入り、全くセットが捗らず、フロント最強のツートップも「下で三人で遊んでるなら、回収ぐらい行ってくれや!」とキレる始末。

本当にもうどうしようもない。本当にいっぱいいっぱいで必死でセットをしていてもセットがまるで追いついていない状況で、尚かつ売り部屋も少ないのに、社員さんはまだ余裕が有ると判断するからルーサや回収の連絡が入る上、ゴミやセットバッグも放置なんだろう。

走り回っている途中で会った大型さんが、擦れ違いざまに「ホントに過労死しそう!」と叫び、私も「ホントだわ!」と叫び返した。先週の日曜は支配人の指示の元、全員が全力で働いたが、今日は違う。こうなると被害者的な気持ちが湧いてきて、腹も立つし悲しくなる。

先週の日曜は、あんなに清々しく晴れがましいような気持ちで帰れただけに、残念でならない。

しかし今日も私達は出来る限りのことはした。後の状況判断は社員さんに任せるしかない。セット部屋が無くても売り部屋が無くても、私達にはこれ以上どうすることもできない。ただ黙々と必死で働くだけだ。

ようやく帰る時間になってクタクタで作業室へ降りると、元・朝メイクさんが食器洗いをしていて下さり、元・朝メイクさんの指示で昼メイクの新人さんがセットバッグを片付けてくれていた(感涙)。

遅れて作業室へ来た大型さんに、その事を知らせると「それは”すみま、すみませんでした、すみま!”だわ(ハイキングウォーキング)」と言い、私も「”手をついて謝ります”って壁に手をついて偉そうに謝るんでしょ」と言ったが、壁に手をついて謝るのは、どの芸人のネタだったか大型さんも私も思い出せずに苦しんだ(笑)。

途中まで大型さんと近所さんと三人で帰った。近所さんの話だと、昼メイクでは珍しく誰も他人の悪口を言わないという不気味な沈黙が続いていたが、最年長が遂に沈黙を破り「昨日、新人と組んだらトロくてイライラして本当に疲れた。アレだら若いのにどうもなんない。ムカつくわ!」と言ったそうだ。始まった!(笑)

それを聞いた私達は「新人さんが若くて可愛いからって、どうせまた妬みでしょ」「新人さんが仕事を覚えたら、ひとっ飛びで追い抜かれるのにね」「老眼で酷い仕事ぶりより全然イイよ」「相変わらず自分を棚に上げて寝言言ってるよね」と、三人で大笑いしながら帰った。


※3月28日の日記です。

11:00-18:00 点検20+セット+コンテナ移動+ベッドメイク手伝い+他

今日は、朝昼フロントのフロント女史(30代後半・超ベテラン)と、昼フロントの大型さん(30代前半・170センチ超)と私の勤務。フロントが三人なので、メイク女史がセットや点検をして下さった。社員さんは先週の土曜と同じ三人だが、メイク女史が居て下されば心強い。

先週の土曜とは違って、今回はメイク女史がバシバシと朝メイクさん達に指示して下さり、ダスター上げも朝メイクの新人・六法君に命じて下さった。社員さん以上に朝メイクさん達を仕切って下さるので、いつも大助かりだ。

朝メイクさん達には、メイク女史の躾けが行き届いていると言うか、朝メイクさん達はベッドメイク以外の事も積極的にやってくれるが、昼メイクさん達は何事もフロント任せ&朝メイク任せで本当に何もしない。元・朝メイクさんと何回か朝メイク経験のある近所さんだけは別だけど…。

私が昼メイクを出てから、昼メイクの悪い噂がガンガン耳に入ってきて、今や「元昼メイク」と名乗ることさえ恥ずかしい感じだ。

売り部屋が少ない時は、少しでも早く売り部屋が出来るようフロント係がベッドメイクを手伝うが、私は極力朝メイクさんの手伝いに入り、今日はずっと陽気なIさんと六法君チームを手伝った。

朝メイクさん達は仕事が早くて綺麗で手伝い甲斐が有る。六法君だって新人とはいえ物凄くレベルが高い。お陰で仕事がサクサク進んで快適だった。

今日は朝からルームサービスの注文が異常に多く、女子社員さんがルームサービス作りにかかりっきりで、その横にはベテラン社員さんがつきっきりだった。こうなると早口氏は電話応対に追われ、動くに動けない。イヤな予感がした。

それとは別に、朝からオヤジ臭のキツい部屋が多くて閉口していた。キツいオヤジ臭の部屋に限って風呂パスだったりして「こんなに臭いのに風呂にも入らないなんて!」と驚くやら、相手をした女性に同情するやら。セットに入ろうと退室待ちをしていた部屋から50代男性が出て来たのを見て、イヤな予感がした。

しかもその男性は”今度の焼きそば弁当は濃い!”のCMに出ているタカトシのような濃い風貌で、「うわ〜キツそう」とドキドキしながらセットに入ったら、部屋じゅう石鹸の爽やかな香りがして幸せな気分になった。イヤな予感が外れて良かった。

ところが昼のイヤな予感は的中して、夕方になって大型さんがブチギレてしまい「ど〜ど〜ど〜」となだめた。

大型さん「もうホント無理!辞めたくなってきた!社員が三人も居るからってフロントを三人にされても、あの三人が何かしてくれたかい?何もかもやってくれたのはメイク女史だよね」

みかやん「今日は、ほら…社員さんはルームサービス作りが大変だったみたいだから(汗)」

大型さん「確かにセットの時の食器下げも大変だったけど、支配人が居たらこんなことにはなってないハズだよ!いくら私でも限界は有るからね!忙し過ぎだわ!」

みかやん「女子社員さんも、もうそろ独り立ちだと思うし。今だけだよ」

今、大型さんに辞められては困るので私も必死だった。それに女子社員さんは、仕事を覚えるのに物凄く貪欲な方で、小さな身体で懸命に働く素晴らしい方だ。ダルマ氏や早口氏が物凄くよく働くのは、ココで支配人の仕事ぶりを見てきたからだと思うから、女子社員さんもきっとそうなる。

ホントに今だけ…今だけだと思うから堪えて下され、大型さん。

更に必死でセットと点検をして、そろそろ作業室へ降りて帰り支度をしようと思ったら、廊下を若い女性が号泣しながら歩いていた。チェンジされたデリヘル嬢さんか、カレシと喧嘩別れした女性か分からないが、私も何だか泣きたい気分だ。

幸い、大型さんはイヤな気分を引きずらない人なので、帰りは爆笑ネタを話してくれて、二人で大笑いしながら帰った。

しかし、明日もフロントが三人、社員さんが三人で今日と同じメンバーで、明日は頼みの綱のメイク女史は朝メイクさんに入る。どうなるやら…だ。
※3月26日の日記です。

11:00-18:00 点検39+セット+コンテナ移動+ダスター上げ+セットバッグ上げ他

今日は、朝フロントの掛け持ちさん(30代後半・バイト3つ)と私の勤務。私は元々休みだったが、新人さんが退職した為に出番になった。出番が増えたのは有り難いが…。

昨日の夕方から異常にお客さんが入った為か宿泊明けの部屋が多く、メイクさん達が4隊揃ってクイックメイクをしたので、12時半まで点検地獄だった。13時にはリネン屋さんが来るので、大慌てでセットバッグを片付け、コンテナ移動をしてやれやれだ。

13時に掛け持ちさんが昼休みを終えた頃には、リネン屋さんが来ていたが、哀しいことに今日も逃げられた。本当は掛け持ちさんと新人さんが出番だった日なのに、酷い。

結局一人でリネンとダスターを片付けて、ようやくセットや点検を始めると、露天の循環風呂がココナッツミルクの香りになっていた。私が知っているだけで三回目なので同一犯の仕業なのだろう。

循環風呂の入口には”入浴剤の使用はご遠慮下さい”と書いてあるので、犯人は非識字者か外国人か”遠慮”を知らない人なんだろう。お風呂がココナッツミルクの香りって、かなり不気味なんですけど。

その部屋を売り止めにして廊下へ出ると、60代のチビでデブのオッサンと、60代のデブのオバサン二人が、暑苦しい感じで三人並んで歩いてきて、下品な笑い声を発しながら安くて狭い部屋へ入っていった。デブの年寄り三人が、狭い部屋の中でどうなるか?と想像すれば、それはもう地獄絵図だ。

…や、書き間違えた。相手はお客様だ。

70歳近い恰幅のいい男性と、60代のふくよかな女性二人が、仲良く三人並んで歩いてきて、楽しそうに笑いながら狭い部屋へ入っていったが、その部屋がどれほど狭いかご存じだろうか?お三方とも体格がご立派でご高齢でらっしゃるので、手狭な部屋でお怪我召されるのでは?と私は心配で…って嘘くさい(汗)。

戦後の昭和を生き抜いた人達は逞しくて、心配には及ばないのだろう。

昼休みを終えて何気に出動したら、各階のエレベーター前にセットバッグが山積みになっていて驚き、すぐさま社員さんへ確認に戻った。何という嫌がらせ、いったい誰が?

社員さんは涼しい顔で「16時から僕とみかやんと二人しか居ないんで、セットバッグを上げておいた方が良いと思って、掛け持ちさんと二人でやったんですが、上げない方が良かったですか?」と仰ったので「はい!」と即答した。これから一人で退室ラッシュを迎える私に何てことを!と本気で驚いた。

二人でセットバッグを上げたなら、責任を持って片付けてほしかったわよ。とんでもない量の仕事を増やされて目眩がした。

社員さんは来シフトの件で、フロントの人数が少ないので出番が増える事と、4月1日から社長の親戚の社員さんが来るので、フロントにはもう新人を入れないと説明した後、作りかけのシフト表を見せて下さった。

みかやん「土日にフロントが三人ってことは無いですよね?」

社員さん「大丈夫ですよ。4人体制です。三人だとキツいですか?」

みかやん「はい。こないだの土曜日みたいな感じだと死んでしまいます」

社員さん「え?こないだの土曜日って何かありましたっけ?」

その日はあなたが何も動かず何の指示も出さないので、私達オバフロント三名は死にかけましたわよ!という言葉を飲み込み、再び本気で驚いた。

退室ラッシュの中、セットや点検や回収の行き帰りにセットバッグを運び、帰る時間ギリギリまでかかって、ようやくセットバッグを運び終えて死ぬ目に遭った。もう、何してくれちゃってんの(泣)という感じ。

帰りに近所さんが「昼メイクの最年長は、いつまでココに居座る気なんでしょう?こないだの金土日も最悪で、とっくに引退の時期を過ぎてると思うんですけど〜?」とボヤいていた。

その方も戦後の昭和を生き抜いてきた方なので気持ちが逞しくて、生涯現役のおつもりなのでしょう。引き際はご自分で見定めてほしいものですが、あの方はご自分の酷い仕事ぶりが老眼で見えてませんから。

久しぶりに萎え萎えの一日だった。早く帰宅して厄落としも兼ねてじっくりとお風呂に浸かりたい。長く生きてるとこんな日も有るか。


ラブホ839日目:鷹パンツ
11:00-18:00 点検27+セット+コンテナ移動+ダスター上げ+回収他

今日は、朝フロントの掛け持ちさん(30代後半・バイト3つ)と、私の勤務。週末に欠勤した病み上がりの掛け持ちさんは、マスクをして咳をしていてヤバめな感じ。今日も休めば良かったのに。

出動前、支配人から「フロントの新人さんが退職したのでシフトが変わります」と知らされた。キツい冗談を言われる予感がしたので先に「新人さんとは1回しか会ってないのに残念です」と言うと、やはり「その1回で何か(イジメ等)やったんでしょ(笑)」と言われた。

支配人に茶化されることに慣れていないので、笑っていても顔が引きつったが、ココは茶化されてナンボだし、支配人も精一杯の親しみを込めて言って下さったんだろう。次回は「支配人のセクハラだと思います(笑)」と軽口の一つも返せるようになろう。

支配人はお若くても支配人でありながら、年上の部下に物凄く気を遣われる方だ。それはもうこちらが切なくなる程で、そんなことに神経を磨り減らさずに、年上だろうが先輩だろうが部下は部下という一括りで見てほしいし、その方が私達もラクだったりするのにね。

掛け持ちさんが4P部屋以外をセットしていたので、今日も私が4P部屋のセットへ行ったら、今日も今日とてパーティー状態で、やたらとバスローブやバスタオルが散乱してると思ったら、リネン類が追加されていたようだ。

4Pではなく、5Pか6Pでお戯れだったよう。ゴミの量もハンパなくて、4P部屋とエレベーターホールを三往復して、ようやくセットを終えた。

作業室へ降りると、掛け持ちさんがルームサービスと貸し出し品と煙草を届けようとしていた。ふと見たら、トレイにタンメンみたいなのが3つ乗って重そうだし、煙草代の受け渡しも有るし、私も同行することにした。

行ってみると4P部屋ではなく、普通の部屋に男性1人と女性が二人だったようで、掛け持ちさんは「男1人に女が二人ってどーゆーこと?考えられない!最近の人達ってどうなってるの?世の中、間違ってる!」と大騒ぎだった。

私はトレイにタンメンが3つの時点で3Pだと思ったけど…。こういう所で働いていながら、今更そんなオカタイ事を言われてもねぇ。だから4P部屋のセットにも行きたがらないんだろうか?「4Pだなんて!世の中、間違ってる!」と思ってるのかなぁ?

今日も昨日と同様に届いたリネン類が超少なかったので、いつもどおり一人で作業しましょ…と思ったら、掛け持ちさんがダスター上げを少々手伝ってくれて感動したが、その間に、客数が朝の6倍にも激増していて驚いた。掛け持ちさんが帰って、私一人になってから忙しくなるパターンだ。

ゲンナリしながら昼休みに入ると、メイク女史に「みんなから集めたお金で、異動する早口氏に記念品を買ったから見てみて♪」と言われ、様々な靴下やボクサーパンツを見ていると、加藤鷹コレクションのパンツ(画像参照)が紛れていた。

しかも、画像右の穴あきビキニのショッキングピンクだったので、急にテンションが上がってしまい「コレは是非、早口氏にはいた姿を披露して貰いたいですよね!穴から出して貰えると、どんな感じか分かり易いですよね!うひゃひゃ」と、はしゃぎ過ぎてしまった。

おまけに、メイク女史ともあろうお方が加藤鷹氏をどんな人物かご存じないまま、ドンキホーテで普通にお買い上げになったそうで(笑)ビックリした。

楽しかった昼休みを終え、モニターを見て厳しい現実と直面した。売り部屋が8部屋しかない。売り部屋が10を切るとかなりピンチだ。すぐに支配人から「売り部屋が無いので点検を中心に回って下さい」と指示が有り、何者かがセットをしてくれているようだった。

点検に走り回っていると、セットをしていたのは支配人だった。夜フロントさんが欠勤のため、学生の男の子一人しか来ないとの事で、支配人自ら凄い勢いでセットをして下さっていた。どうりでモニター上でセット部屋が恐ろしい早さで増えていくハズ。

平日で朝からヒマと思っていても、このように突発的に忙しくなることもあるから怖い。水曜日も侮れない。

私が帰る頃、タンメンの3Pの人達が帰っていった。女王様のような女性二人と、大正時代の公務員のような実直そうな30代男性が印象的だった。


11:00-18:00 点検30+セット+コンテナ移動+ダスター上げ+ベッド組み+ボトム交換+ショップカード設置他

今日は、朝フロントのフロント女史(30代後半・超ベテラン)と、昼フロントの私の勤務。お陰様でフロント女史とペアの日は、私が出動する頃にはセットや点検や作業室や様々なことがすっかり片付いているので、午前中は余裕で仕事が進められる上、コンテナ移動の細かいこと等も教えて貰えて、とても有り難い。

支配人のお話だと、今日到着分のリネンやダスターも少ないそうなので非常にラッキーだが、先週の三連休は売り上げ的には苦戦したそうなので、手放しで喜ぶわけにはいかなかった。

フロントが三人しかいなくて忙しい思いをしたのに、売り上げが伸び悩んでガッカリ。日曜はともかく、支配人がお休みだった土曜は、売り逃しもあったかも知れない。

フロント女史と、少ないリネンやダスターを二人で片付け、最上階の怖い部屋は二人で点検して、二人でボトム(ベッドの分厚いマットのカバー)交換やベッド組みをした。二人で作業をすると、関取さんを思い出す。関取さん…深夜フロントでも元気で頑張ってるかなぁ…。

関取さんは、フロント女史に仕事を仕込まれてから、見違えるほど仕事が出来るようになり、仕事も一生懸命にするようになった。私も今こうして再びフロント女史に仕事を教えて貰えて、とても恵まれている。掛け持ちさんもフロント女史に仕込んで貰えればいいのに…。

フロント女史は3月13日から復帰したが、掛け持ちさんとはまだ一度も会ってないそうだ。朝フロント同士だと、平日に朝フロントが二人ということは無いので、土日にしか会えない。

掛け持ちさんは忙しい12月に入った為か、きっちりと仕事を仕込まれることも無く独り立ちさせられ、フロント女史とは擦れ違いの勤務。そう考えたら、掛け持ちさんって気の毒な人だ。

コスプレのコスチュームを回収に行くと、50代男性が私のイチオシの”クラブドレス”を持って出てきて「ありがとう!良かったわぁ〜」としみじみとしていた。「でしょう!クラブドレスはセクシーだよね!」等と言うわけにもいかず、微笑みながら頷いた。

続いて、クレジットカード精算のお客様へサインを頂きに伺い、50代男性が玄関でサインをしていると、部屋から「ねぇ〜まぁだぁ〜?」「早く来てぇ〜ん」と若い女性の艶めかしい声が聞こえてきて、男性は物凄く嬉しそうに照れていた。頂いたサインの文字も心なしか震えている感じ(笑)。

こないだまでは50代の男性客は、えげつない笑いを浮かべたり、得意気な表情を浮かべたりと、寒〜くてイヤラシイオッサンばかりだったが、今日の50代男性は何だか可愛らしいようなオジサマばかりだ。

それにしても50代の男性客が多い。私的には”男盛り”って30後半〜40代だと思っていたけど、50代もまだまだ男盛りなのね。

ヒマ気味だったので、朝メイクさん1隊が15時で早帰り、朝メイクさんのもう1隊が15時半で帰り、フロント女史は16時で帰り、昼メイクさんは2隊とも17時で早帰りになり、館内をウロウロしているのは私だけ(寂)。

メイクさん達が帰って点検する部屋も無いので、せっせとセットをしていると、50代の男性が二人で廊下の奥の部屋へ入って行くのが見えた。業者さん…だよね?部屋の内装工事とか下見とか…だよね?でも今日、工事って入ってたっけ?聞いてないよ!

念のためにモニターを確認すると、廊下の奥の方で”売り止め”になっている部屋は無く、普通にお客様が”休憩”で入室されている部屋ばかりだ。ということは…50代のゲイカップル!?初めて見たかも。見たことは有っても記憶から消去したかも。

正面で会ってたら、業者さんだと思って「お疲れ様です」って挨拶するとこだよ。紛らわしいんで、業者さんは”関係者”とか”工事”と書いた腕章でもしてほしいものだわ。

若めの男同士カップルはたまに見かけるし、ついこないだも20代の杉浦太陽君似の男の子と多毛症の疑いがある30代男性や、その前は20代のラブラブな男同士を見たけど、50代の男同士って…。やっぱり初めてかも。

ま、50代男性もいろいろですわ…ね。ホントにいろいろ、エロエロ。

人生いろいろ、男もいろいろ、男だってエーロエロ咲き乱れるのー♪(島倉千代子・古っ)。


※3月22日の日記です。

11:00-18:00 点検20+セット+メイク手伝い+コンテナ移動+ダスター上げ+回収他

今日は、朝フロントの新人さんが欠勤し、昼フロントの大型さん(30代前半・170センチ超)と私の勤務。フロントが二人ではどうしようもないので、超ベテランメイク女史がフロントに入って下さることになった。

昨日と同様にフロントは三人しかいないのに、大変な退室ラッシュを迎えてしまったが、今日は支配人の指示の元、社員さんも総動員でセットや点検や回収に当たって下さり、支配人自ら風呂掃除やセットや点検の他、セットバッグ上げやダスター上げまでして下さった。

支配人の的確な指示や支配人自らの仕事ぶりは、それはそれは迅速で素晴らしく惚れ惚れするほどだ。だからこそ私は心から尊敬していて、私にとっては雲の上のお方で、恐れ多くて冗談など言えるわけもなく、たまに世間話を振られても緊張して身構えてしまうほど、私の中で別格のお方だった。

支配人がアホ上司やダメ上司だったなら、心が殺されるような事を言われても、傷付くことなくブチギレて、腐れ上司の下についてしまった不運を諦めつつ、支配人を恨んで呪って陰で毒を吐きながら働いていただろうし、その方がラクだった。

だけど支配人が立派すぎて、そう出来ないから苦しくて、支配人の言葉にこんなにも傷付いて、その傷も大きくて深い。未だにショックで、あの日の悲しみに囚われたままだ。思い出すと今でも涙が出る。

一方、メイク女史は、セットに入った部屋でそのまま風呂掃除をし、ベッドメイクに来たメイクさん達を手伝った後で点検し、部屋を売るというイリュージョンのような早業で、どんどん売り部屋を増やして下さっていた。

このクッソ忙しい中、メソメソしている場合じゃなかった。

支配人は、逆恨みされたり毛嫌いされるというリスクを背負いながらも、私の成長の為に悪役を買って出て下さったんだ…これを乗り越えられた頃には、きっと私も大きく成長しているハズ…そう思って頑張らなきゃ!

貸し出し品の回収へ行くと、若い男性がヘアアイロンを持って出てきて、その後ろで若い女性が椅子にふんぞり返って煙草を吸っているのが見えた。ヘアアイロンを受け取ると、女性が「シャンプーも借りたでしょ!取りに来るの分かってるのに何でまとめて置いとかないの!」と怒鳴り、男性はすごすごと部屋へ戻った。

男性がシャンプーを持って玄関まで来ると、また後ろから女性が「濡れてるんじゃないの?ちゃんと拭いて返しなさいよ!」と怒鳴り、男性がバスローブの裾で拭こうとしたので「結構ですよ」と半ば強引にシャンプー&リンスを奪い取った。こんな若いうちから尻に敷かれて可哀相に…。

そのカップルが出た部屋へセットに入ると、ゴミは分別され、食器類は洗面所へ下げられ、リネン類はたたまれていて、私はベッドを剥がしただけでセットが終わってしまった。多分、さっきの女性が男性を扱き使って、ここまでの状態にしたのだろう。

男性は不憫に思うが、見事な調教ぶりだ!と感心したぐらいにして。お陰でセットがラクで大助かりだった。

夕方、一足先に帰る大型さんが「忙しかったけど何とかなったもんね。支配人とメイク女史とみかやんと私…フロントはずっとこのメンバーでやっていきたいわ」と笑っていたので、私も「そのメンバーだったら、私なんか出る幕ないよ」と笑い返した。

大型さんが帰ったので、メイク女史が1時間半も残業をして下さった。物凄く忙しかったが、仕事を終えた頃には心地良い疲れが残っていた。

メイク女史「忙しかったけど、楽しかったね!」

みかやん「はい!いい汗かきました。ヒマでダラダラしてるより全然イイです」

メイク女史「私も忙しくて走り回ってる方が好き。楽しいよね!」

メイク女史&みかやん「ねーっ!」

さすがメイク女史!私は忙しさを楽しめる人が大好きだ。大型さんも笑って帰っていった。全員が全力で働いた後は、こんなにも清々しい。こんな日にラクをしている者が居たら「うちらばかりが忙しい」と被害者意識も入るところだが、支配人がそうはさせなかった。

上司にも先輩にもフロントの同僚にも恵まれて最高の職場じゃないか!フロントになって良かった!と勤労の喜びをかみしめた。


ラブホ836日目:無理っ!
11:00-18:00 点検33+セット+コンテナ移動+ダスター上げ+メイク手伝い+セットバッグ上げ他

今日は、私が最も畏れていた日で、元々はフロントの新人さんと掛け持ちさんと私の三人勤務だったが、何と!新人さんも掛け持ちさんも欠勤し、フロント女史(30代後半・超ベテラン)と大型さんが(30代前半・170センチ超)ヘルプで駆け付けてくれた。

フロント最弱トリオの予定が最強トリオになり、満室にもならず何よりだったが、人手不足で忙しい。

170超の二人が揃っていても、一人が昼休みに入れば残り二人ではセットと点検以外の事は何も出来ず、今日はたまたま社員さんが三人も居たものの、作業室にはセットバッグが溜まり放題、リネンコンテナは放置のまま、ゴミやルームサービスの食器でごった返していて足の踏み場もない状態だった。

社員さんも忙しいのであれば、メイクさんにせめてセットバッグを片付けるよう指示してくれてもいいんじゃないの?と思うが、言えるワケもなく…こんな日に限って支配人もメイク女史もお休みで…(泣)。何気にフロントを覗くと、社員さん達はそれぞれ机に向かって押し黙っていたので、唖然とした。

どうにもならないので、結局フロント三人で大急ぎでセットバッグを片付けコンテナを移動していると、朝メイクの陽気なIさんと新人の六法君がセットバッグ上げとダスター上げを代わってくれたので大助かりで、六法君の素早さとパワーに驚いた。六法君のその力と若さ、是非フロントに欲しい。

14時になり、ヘルプで出勤していたフロント女史が帰り、大型さんが昼休みに入って、フロントは私一人になった。セットはギリギリ間に合う状態で売り部屋も少ないのに、社員さんからは回収やルームサービスの連絡も入って、私一人でどうしろ?という感じ。社員さん三人居るんですよね?と言いたいが言えないし…。

こんな事になるなら、土日にフロント三人は勘弁してほしい。フロント女史も「ココで8年働いて、こんなに酷い目に遭ったの今日が初めて」と言って帰ったぐらいだ。これが予定通りフロント最弱トリオだったら、どうなっていたことか。私は途中で倒れて、どこかの露天風呂に浮いていたと思う。

私が昼休みを終えると、大型さんが「社員が三人居ても何の意味も無いわ!土日はフロント4人じゃないと無理!4人でも無理な時が多いのに冗談じゃない!こんなのが続くなら辞めさせて貰うわ!私には無理だもの!過労死したくない!」とブチギレていた。大型さんが無理なら、誰がやっても無理だ。

社員が三人と言っても、一人は異動してきたばかりの女子社員さんだし、早口氏は朝と昼過ぎにセットや点検をして下さっていたようだ。残りの一人が早口氏より先輩で年長で格上であるがゆえ、早口氏も勝手には動けなかったんだと思う。いつもの早口氏なら今日の数倍、私達を助けて下さっている。

これじゃ本当に前途多難だ。私もこんな所で過労死はしたくない。

開き直ってセットをしていると、ピンポン!と玄関のチャイムが鳴った。メイクさん達だろうと振り返ったら、アーティスト系の風貌の若い女性客が「す、すみません!忘れ物をしました」と慌てていた。

浴室と洗面所とトイレに忘れ物は無かったし、丁度ベッドを剥がしている所だったので、「どういったモノで、どの辺りで…?」と枕に手を伸ばそうとしたら、女性は「わーっ!いいです、いいです!」と叫んで部屋へ入ってきて、枕の下からレースのパンティのようなモノと、プラスチック製の棒のようなモノを瞬時に抜き取り、「すみませんでした。ありがとうございました。もういいです。大丈夫でーす!」と叫びながら、逃げるように部屋を出て行った。

一瞬の出来事だったが、私は見逃さなかった。アレは楽器やオブジェではなくどう見てもアナルバイブというシロモノだ(画像参照)。

何もあんなに狼狽えなくても…と思いながらベッドを剥がしていて、え?と私が狼狽えた。あんなモノを剥き出しで枕の下に入れられてたのに、その枕カバーやシーツを私が剥がすのかい?ゴム手袋をしてベッドを剥がしたい気分だが忙しい。

仕方ないので、枕カバーの端を摘んで枕を抜き取り、息を止めてシーツを丸めた。

今更ながら改めて、いろんな意味で大変な仕事だと実感した。
11:00-18:00 点検23+セット+ダスター上げ+メイク手伝い+リネン折り+回収他

今日は、朝昼フロントのフロント女史(30代後半・超ベテラン)と、昼フロントの大型さん(30代前半・170センチ超)と私の勤務。朝フロントの掛け持ちさんが欠勤した為、深夜フロントの新卒君が残業となり、私が出勤した時にまだ休憩室に居たので、新卒君と少し話が出来て良かった(嬉)。

一昨日は社員さんの歓送迎会で、二次会にはメイク女史とフロント女史と電話番姐さんと新卒君とホスト君と私の6人で、ホスト君の先輩元ホストが経営するバーへ行った。

ホスト君が頑張って頑張って月収50万円の頃、ラク〜に400万円を稼いでいた元ナンバー1ホストの先輩で、ホスト君はココを辞めてからその先輩と連んでいるそうだ。急にホスト君の放つオーラが変わったというか、やっぱりホスト君は夜の世界で生きるべき人だったんだろうって感じ。

バーの従業員が全員元ホストの選り抜きのイケメンであることと、夜の世界へ戻って生き生きと輝くホスト君が眩し過ぎて、新卒君とはあまり話が出来なかったし、新卒君は新卒君でホスト君にホストのスカウトをされまくっていた。

「で?新卒君もホストになるの?」と聞くと「やんないですよ」という返事。新卒君だってホスト君に負けないぐらい話も面白いし、優しいしイケメンなのに勿体ない。新卒君は急にそわそわしだして「そろそろ、あの人(大型さん)来ますよね」と帰って行った。

すぐに大型さんが出勤してきて「今ここに新卒(呼び捨て)が居たでしょ!似たようなの見たもの!何で居るのさ!」と不機嫌で、相変わらず新卒君と大型さんは犬猿の仲だった。私は二人とも大好きなので物凄く残念だ。何故こうも嫌い合うのか意味が分からない。

昼頃までは全体の半分が売り部屋になっていて、朝メイクさん1隊が早帰りになった。巷の皆さんは三連休だが給料前だし…と油断していたら、凄い勢いでお客さんが入ってきて、14時には満室になって落ち着いた。

作業室でメイク女史とフロント女史が仲良くゴミ袋折りをしているのを4ヶ月ぶりに見て、有り難〜い気持ちでいっぱいになった。どんなに忙しくても両巨頭が揃っていれば何とかなる。私が目にして最もやすらぐ光景だ。

嬉しくなって傍へ行くと、今日はメイク女史がウン○に当たり、浴室排水口の目皿に詰まったウン○をトイレに流したって話だった。

で、ハッとした。私がメイク係の頃は昼メイクでは皆、ウン○と遭遇してしまった時、拾える形状のモノは拾ってゴミ袋に入れて持ち歩いていたが、トイレに流せばいいんだよね!ウン○って元々そういうモノじゃん!何で今まで気付かなかったんだろ?ウン○を見ただけで怯んで、思考が停止していたらしい(恥)。

ウン○をメイクバッグに括り付けたゴミ袋に入れて持ち歩いていただなんて、いま思えば有り得ない!目から鱗…と言うより、昼メイクの面々が愚か過ぎ(苦笑)。先輩達がそうしていたから、私もそういうもんだと思い込んでいたし…。

ま、代々続けていけばいいさ、私はもう昼メイクとは関係ない(苦笑)。

16時過ぎにフロント女史が帰って、フロントは大型さんと私の二人である筈なのに、セットも点検も物凄い早さで片付いた。私が頑張ってセットを2つしている間に大型さんは4つしていたりして、モニター上で倍速でセット部屋が増え、私がいくら急いでも大型さんの早さに追いつけない。

大型さんて超人?神?と驚いていたら、何のことはないフロント女史が17時までの勤務だったのを忘れていただけだった。お陰で昼メイクの遅番2隊の為に、沢山のセット部屋を用意出来て何よりだった。

帰りに大型さんに「かくかくしかじかで、大型さんて神か超人だと思ったよ」という話をしたら、大型さんは「私は神だ」と、モンスターエンジンの神のポーズをキメてくれた。嬉しくてつい私も同じポーズで「私だ」と言えば、大型さんも「お前か」と言い、二人して神々の遊びに興じてしまった。

いいオバサンが二人して何をやってるんだか。決してヒトサマにはお見せ出来ない姿だ。ともあれ、何だか嬉しい一日だった。


1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 >

 

最新の日記 一覧

<<  2025年4月  >>
303112345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930123

お気に入り日記の更新

日記内を検索