11:30-18:00 点検24+セット+回収+ダスター上げ+ルームサービス他

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)とCさん(60代前半・元看護師)とZさん(20代後半・昔の森尾由美似)の三人勤務。トド山さんが欠勤して私がフロントになった。

三人勤務2連チャンのCさんは「トド山だったら頭おかしいんでないの?なんで辞めないのさ!」とか「トド山なんかクビにしてくれればいいのに!その方が本人もわちらもラクだべさ!」とブチギレていたが、「何だかもう泣きたくなってきた」と半泣きになった。

私は三人勤務は嫌いじゃないけど、チーム60には心身共にキツいんだろう。だからといって「じゃ、私が三人勤務をするからCさんはフロントやって」なんて言ったら、また怒られる。

朝からA班の大ベテランフロント女史が客室のカラオケ本入れ替えをしていたので、私なりにその他の仕事を一生懸命していたつもりだったが、そんな時に限ってお客様方がガンガン出入りして、あっと言う間に売り部屋が激減して焦った。

客数が増えると、コスプレやシャンプーや加湿器などの貸し出しは増えるわ、ルームサービスは多くなるわで、ますます点検やセットが追いつかなくなり、冷や汗まで出てきた。

移動中に擦れ違ったA班の大ベテランフロント女史まで「追いつかないんだものー!」と叫んでいて、私は完全にテンパった。

これはイカン。落ち着かなければ!と努めて冷静に客室へルームサービスを届けると、出てきた女性に「重いですか?」と聞かれ、「はい。少し重いです…」と何気に女性の手元を見ると、両手が不自由な方だった。

この方にこんなに重いトレーを渡すわけにはいかないと思っていたら、女性が部屋の中の男性に「ねー!重いってー!」と声を掛け、代わりに男性が出てきてくれたのでトレーを渡そうとしたら、女性よりも男性の方が両手に重い障害があった。

男性客「すみませんけど、それを部屋のテーブルの上に乗せて貰えませんか?」

みかやん「(えーーーっ?マジすか?)は、はいっ!」

お客さんが入ってる客室に入るなんて・・・。

うわーっ!部屋の中に脱いだ下着が散らかってたり、大人のオモチャだらけだったり、エログロいプレイの準備が進められてたりしたら、どうしよう!お二方とも既にバスローブ姿じゃないか。よそ見しないで真っ直ぐテーブルを目指さなければ!

おお、そうだ!ドアにスリッパを挟んで入室しないと鍵がかかってしまう。フロントへ電話すりゃ鍵を開けて貰えるが、一瞬とはいえ部屋に三人で閉じ込められてしまっては、あまりに気まずい。

両手で重いトレーを持ってるから、足と腰を上手く使ってドアにスリッパを挟まなきゃなんないじゃん。ひいぃ。

一瞬にして頭の中に様々なことが浮かんできて、客室のチェックなどする余裕は全く無かった。

結局、更に忙しくなり、A班の大ベテランフロント女史が30分残業して、怒濤のセットをして下さった。短時間でハンパない数のセットをこなして下さり、さすが!としか言いようのない驚異の仕事ぶりだった。

状況を見かねた支配人殿もダスターをエレベーターに積んで下さったり、セットバッグを作ってはエレベーターに積んで下さったり…有り難いと言うより申し訳ない。あたしゃなんて無力なんだ…(泣)。

多少忙しくてもヒトサマの手を煩わせずに済むようにならなければ…。急いでいてもA班の大ベテランフロント女史やX君のような、美しいセットも出来るようになりたい。

本職じゃないからと言えばそれまでだけど、代行にしろ手伝いにしろ今よりもっとフロント係の仕事をバリバリとこなせるようになりたいものだ。テンパってばかりもいられない。
11:00-18:00 点検11+セット+ダスター上げ+ルームサービス他

今日は、Uさん(30代後半・悪霊憑き)と#さん(60代前半・元美容師)が早番、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)と女将さん(20代後半・寿司屋)が遅番の勤務。トド山さんとZさんが欠勤して、Sさん(10代後半・初バイト)と私がフロントになった。

今日のフロントはX君と電話番姉さんとSさんと私で、出勤した時点でとんでもない数のセット待ちの部屋が有り、12時半頃まで4人で一丸となってセットをし、点検は社員さんがしてくれていた。

セットも落ち着いた頃、Sさんと二人で4P部屋のセットをした。4P部屋に一人でセットに入った時に限って、とんでもない目に遭って物凄く時間がかかる時が多いのに、2人でセットに入れた時はさほど部屋も荒らされておらずにサクッとセットが終わったりするものだ。

セットバッグの片付けやコンビニボックスの補充の為に作業室へ戻る度、社員の二宮和也似氏に「少し休んで下さい」とか「もう走らなくていいですからね」と言われたが、まだまだ仕事は有るし、フロント係も順次昼休みに入るので、休んでもいられない。

次に作業室へ降りた時は、私の目の前で二宮和也似氏が社員になった特大氏にコスプレのお届けを頼んでいたので「何号室ですか?私が行きますよ」と言ったが、「いえいえ、みかやんは少し休んでいて下さい。朝から走りっぱなしですから」と言われた。

私がチーム60を心配するように、二宮和也似氏も私を心配して下さっているのだろう。有り難いことだ。でも私は「年寄りを甘やかすと調子に乗るんですよ(苦笑)」と言い、特大氏からコスプレを奪い取って届けに行った。

私がヒトサマに誇れるのは、陸上で鍛えた強靱な足(太いだけ?)と、スタミナぐらいのものだ。ここは頑張らなければ!それに今は、もっと精力的にフロント係の仕事が出来るようになりたい!と珍しく向上心で燃えている。

昼に4P部屋のセットをしたばかりなのに、4P部屋へ入室されたお客様方が昼休み明けには退室されたので、「も〜!ゆっくり休憩していけばいいのに!」と言いながら、今度は電話番姉さんと2人でセットに入った。

電話番姉さんは普段社員さんと働いているせいか、本当によく働くし「みかやん、いいよ、私がやるから」と気配りも完璧で労力も惜しまない人だ。

フロント係をすると色んな人に様々な形で触発されるのに、偏屈王やトド山さんの堕落ぶりはなんなんだろう。私は普段ベッドメイク係なので、フロント係の仕事が新鮮なだけなんだろうか?たまにするから頑張れるのであって、私も毎日フロント係ならキツいとは思うケド…。

夕方、最上階の広い浴室の床にバスタオルが敷かれていた。タップリと水を吸っていたようなので、いつものように足で丸めながら踏んで水を絞ったら粘液が出てきてヌルヌルだった。

ローションマットの無い浴室でマット代わりにバスタオルを敷いてローションプレイをしたらしいが、ヌメヌメで気持ち悪いったらありゃしない。

そんな時に部屋の電話が鳴り、滑って転倒しそうになりながらも電話に出ると二宮和也似氏からで「明日もBフロントをお願いすることになりますが、今日みたいに頑張らなくていいですからね。走ったりもしなくていいですからね。無理しないでくださいね」とのことだった。

私的には、まだまだやれる、もっともっと頑張れるハズ…と思っていても、二宮和也似氏の目には年寄りの冷や水的な行為に映るんだろうか?ともあれ、こんなにも気遣っていただけるのは有り難いことだし、上司に恵まれていて幸せだ。

明日も頑張ろう。
ラブホ513日目:白子
11:00-18:00 点検46+セット+回収+ルームサービス他

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)とCさん(60代前半・元看護師)とZさん(20代後半・昔の森尾由美似)の三人勤務。トド山さんが欠勤して私がフロントになった。

朝からEさんとCさんとで「毎度毎度、メイク係のみかやんやSさんをフロントに取られてたんじゃ12月は乗り切れない」とか「今こんなんじゃ年を越せないわ。わちらなんかあの世逝きだ」とか言って、最後は「やってられない!」と投げやりになっていた。

一足先に出動すると、朝のA班の新人メイクさん(厚着さん・20代前半)がフロントデビューで、A班の大ベテランフロント女史にセットを教わっていた為、私はセット以外の仕事をすることになった。

大ベテランフロント女史に直接ご指導頂けるだなんて羨ましいことだ。私は偏屈王に教わったけど、どうも亜流な感じが否めないというか、辞めたIKKO似のフロント女子が嘆いていたとおり、偏屈王は自分のやり方や独自のルールを後輩に押しつけるだけという印象が強い。

なので事ある毎に大ベテランフロント女史を捕まえては「これはこうですよね?」「あれはあぁですよね?」と質問ぜめにしてしまうが、大ベテランフロント女史はきちんと時間を取って懇切丁寧に指導して下さる。

偏屈王の場合は、他人が自分の思いどおりに動かないと、自分自身が不安で身動きが取れなくなってしまうようなケツの穴の小さい男なんだろう。心身共に不健康でお気の毒だと思えば腹も立たない。

あ…アニキ(20代後半・ゲイ風マッチョ…というか多分ゲイ)がココで働いていてくれてた間に、偏屈王のケツの穴を拡張して貰えば良かったよ。あらら、私ったらお下劣。

ココに$君が居てアニキが居て、アニキが$君に「こらー!ケツの穴、拡張すんぞー!」と叫んでいた頃が無性に懐かしい。当時も偏屈王やトド山さんは相変わらずだったけど、アニキも$君も最強の私の味方で本当に心強くて、偏屈王やトド山のことなんか苦にならなかった。

でも今は苦になる。

偏屈王やトド山のことを頭の中から追い払いたいから、フロントの仕事を体得しようと躍起になってるところで、妙に向上心に燃えているのもそのせいなんだと思う。

お昼に、函館カリフォルニアベイビーのシスコライス弁当を食べた。今朝、ローソンで見かけて懐かしさのあまり即買いしてしまった。一口食べたら懐かしさが込み上げてきて「帰りたい…」とホームシックになった。

16時にA班の厚着さんと大ベテランフロント女史がお帰りになり、セットをすることになった。

それほど忙しくない状況だったので、うすぼんやりとセットをしていたら、使用済みスキンを踏んづけて滑るわ、ベッドを剥がしていてよろめいたら手をついた所に白子(精液)が零れていて滑るわ、浴室にローションが垂れているのが見えずに思いっきり滑るわ…滑りまくりだ。

アブナイじゃないの、自分。Cさんじゃないけど、浴室なんかで滑って転倒して打ち所が悪かったらあの世逝きよ。松本氏のすべらない話DVDを見てるから大丈夫ってことじゃないのよ。

そうだった。決して油断ならない仕事をしているんだった。部屋のどこにウン○やゲ□が潜んでいるか分からない。ここは気を引き締めて…と思うが、久々に他人の白子が手に付着して気持ち悪いやら萎えるやら(寒)。

ま、”他人の白子”つっても、自分オンナなんで”自分の白子”ってことは無いんすけどね。

いつもは昼休み明けからクイックメイクになり、三人勤務だと1部屋のベッドメイクが10分程度で終わる為、その間にセットを1つして点検を2つして…と忙しい思いをするが、今日は午後から本メイクになったので、1部屋に30分かけて本メイクをして貰っている間に色んなことが出来て助かった。

普段からこのぐらいの余裕を持ってフロントの仕事が出来ればいいのだけど…やっぱり仕事量が多いんだと思う(哀)。
11:30-18:00 クイックメイク14部屋+点検+リネン折り

今日は、Cさん(60代前半・元看護師)とUさん(30代後半・悪霊憑き)、#さん(60代前半・元美容師)と私の勤務。珍しくSさん(10代後半・初バイト)が欠勤して、代わりにSさんから連絡を受けたUさんが出勤してきた。

そうじゃなくても偏屈王とトド山さんが交互に欠勤している中で、自分まで欠勤するわけにはいかないと考えたらしい。Sさんも私と同様に偏屈王やトド山さんに代わってフロントをしてきた人だ。若いSさんが病に倒れたことで、私は大打撃を受けた。

次は私が病に倒れる番かも?だから社員の二宮和也似氏が「無理しないで下さい」と言っていたのかも?ひゃ〜、どうしよう!

夕方、セットをする部屋や点検をする部屋が溜まってきた頃、支配人殿から「階下へ降りてきて下さい」と連絡が入り、#さんはリネン折りをするよう言われ、私は「溜まってきたんで点検だけバーッとやっちゃって下さい」とのことで、16時から点検をすることになった。

最上階の点検へ向かうエレベーターで、各階のエレベーター前に補充用のドリンク置きをしている偏屈王と乗り合わせ「あれ?フロントするの?」と聞かれたので「いいえ(フォルテ)点検だけです。支配人殿に”点検だけバーッとやっちゃって下さい”と言われて上がってきました」と答えた。

これで、偏屈王がどんなに馬鹿でも「じゃあ俺様はセットをすればいいんだな」と分かるハズだ。

ところが、最上階で点検をしていると部屋に偏屈王が来て「この階には俺が居るんで、他の階へ行って」と言ってきて、あろうことか偏屈王も最上階の部屋の点検をしていた。

出た、真性馬鹿だよ。「俺が居るんで」って私が先に最上階の点検をしてたじゃん!理不尽だとは思ったが、反論せずに私が別の階へ移動した。

偏屈王はとにかく無駄に話の長い男だ。私が一つ意見すれば十の意見が返ってくるが、理に適った説得力の有る意見など返ってきた試しが無い。偏屈王のそういう底の浅さを夏の偏屈王事件の時にイヤというほど見せつけられたので、反論するだけ無駄だ。

別の階の部屋で点検をしていると、そこにも偏屈王が現れ「う〜ん。だからさ、この階にも俺が居るんで他の階へ行って貰えないかな?というのは、同じ階に二人のフロントが居るのは無駄なワケで、同じ階に別のフロントが居たら、その階は任せて違う階へ移動するって考え方や動き方をしてほしい」と言ってきた。

露骨に私を馬鹿にした響きを感じるけど、さっきから私の後をついてきてるの、お前だろ!お前が他の階へ行けよ、つか、セットしたらどうよ?という言葉をグッと飲み込み「あのぅ…私…支配人殿に(スタッカート)点検だけをするよう(メゾフォルテ)言われてきたんですけど…」と言ってみた。

すると「う〜ん。だからさ、この階にも俺が居るんで…(ダカーポ)」と、さっきの話を最初から反復してきた。話にならない。土日にフロントが4人居る時でさえ、偏屈王が居る階には誰も近づかないのが現状なのに。まるで分かっちゃいない。

どうやら偏屈王は持論を振りかざして私をアッと言わせたかったというか「なるほど。偏屈王さんは頭いいですよねぇ。さすがです」などと言ってほしいらしい。賞賛に値するほどでもない陳腐な意見を述べたいが為に、ワケの分からない行動に出られたんじゃ甚だ迷惑だ。

点検もセットも溜まりきっているというのに、偏屈王には相変わらず危機感というものが全くない。私一人でも頑張るから、せめて邪魔しないでくれ!という感じ。これ以上ダカーポされて悪戯に時間を割かれても苛立つだけなので「分かりました」と言って部屋のドアを閉めた。

(つづく…というかつづいちゃう)
(1からつづく)

馬鹿馬鹿しくてなんだか笑えてきた。この部屋の点検をさっさと終わらせて別の階へ避難しようと、バタバタと点検をしていたら、また偏屈王が来て今度は「うるさい!怒りに任せてバンバン音を立ててやらないで、静かに点検したらどうだ!子供じゃないんだから!」と金切り声を上げてきた。

来たーっ、男ヒステリーだよ。ピンポンピンポンって何回、私が居る部屋に来るんだか。偏屈王のこういうイヤラシさやおぞましさには本気で吐き気がしてくる。そんな暇が有るならセットの一つも終わらせてくれや。

努めて冷静に「なんなんですか?私にセットさせたいなら、そう指示して下さい。セットもかなり溜まってますよね?」と言ったら、「俺には俺のやり方があるんだ!」と大声を張り上げ、その声が廊下に響き渡った。お前の声の方がよっぽどうるさい。

このオヤジ、遂に壊れやがった…つーか元々壊れてるんだよね、ふっ。「分かりました。この旨を伝えて支配人殿の指示を仰ぎます」と言い残し、一礼して階下へ降りた。昨日は「心身共に不健康でお気の毒だと思えば腹も立たない」と思ったけど、やっぱりムカつく(哀)。

支配人殿に「かくかくしかじかで、あーゆー人、どーすればいいんですかっ!」と直訴した。

支配人殿「あの人、時々変だよね。仕事遅いし…」

みかやん「時々じゃないですよ、もーっ!」

支配人殿「あの人には変なプライドが有るから、誰が何を言っても聞く耳を持たないんだよね…じゃ今日はもう上の階に上がらなくていいんで、#さんとリネン折りますか?」

みかやん「はい。申し訳ありません」

そこまで分かってるなら、あのオッサン何とかしてよね…と思うが、そんなことを支配人殿に言えるわけもなく、すごすごとリネン折りを始めた。でも腹の虫が治まらない。

その場に居合わせた#さんと電話番姉さんに「今かくかくしかじかで、あのクソオヤジが…」と訴えたら、二人とも「そりゃ〜みかやんも怒るわ」「酷い言いがかりだ」「あのオッサン、いよいよ惚けたかい?」と言ってくれたので、少し落ち着いた。

偏屈王にイヤミなほど冷静な受け答えをして自分でも生意気だとは思うけど、私も激昂すれば取っ組み合いになりそうだし、言葉を選ばないとつまんない揚げ足を取られて論点をズラされるのが目に見えてるもの。

随分耐えてきたけど、もう無理だ。想い出作りも終えた、ココではラブホQで習得出来なかった本メイクやフロント補助係の仕事も体験できた、世の中にはどうしても理解できない人間も居るということも学んだ。もう十分じゃないか。

ココで学ぶべきことは学んだ気がするのは傲りだろうか?もう、今まさに潮時なんだと思いたい。辞め時に悩んできたけど年末の忙しくなる前に退職しよう。

(でも辞められませんでしたから…)
11:30-18:00 本メイク4部屋+クイックメイク6部屋+リネン折り+面談

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)とSさん(10代後半・初バイト)、Zさん(20代後半・昔の森尾由美似)と私の勤務。約二十日ぶりにトド山さんが復帰した。

つい先日、Cさんが「トド山だらズルイこと考えてんだべさ。クビになれば失業手当もすぐ貰えるもんだもの。無断欠勤続けても絶対自分から辞めるとは言わない気でないの?クビ待ちなんだわ」と言い、みんな妙に納得した矢先だったので驚いた。

信じられないことにトド山さんは、社員さん達やココの人達に何事もなかったかのようにエヘラエヘラと話しかけ、誰に対しても詫びの言葉は無かったそうだ。

更に信じられないことに、そんなトド山さんを我が班の面々が、これまた何事も無かったように受け入れてエヘラエヘラと話していて、唖然とした。こんな時、$君が居たら「これだからオンナは信用出来ないんですよね」と言ったに違いない。

何でもアリで、なぁなぁで、けじめなんてものは全く無い。頼みの綱の年長者にも苦言を呈する気持ちなど更々無く、こんな烏合の衆の中に居ても仕方な…。

ダメだ…頭が辞めるモードMAXになってる。

出動してからZさんにも一昨日の偏屈王の話をした。Zさんもフロントの代行をする人なので、偏屈王に絡まれないよう知っておいて貰わなければ、Zさんまで私と同じような思いをしては可哀相だ。

私の話を聞いてZさんが猛然と怒り出した所に、社員の二宮和也似氏が精算機の調整に来たので、Zさんは怒り出した勢いのまま二宮和也似氏に「誰か、偏屈王にガツンと言える社員さんは居ないんですかっ!」と噛み付いた。

驚いたけど、Zさんてばカッコイイ!と思った。残念ながら生粋の我がB班に、こんな熱い人は居ない。我が班は、何でもアリでなぁなぁで、それでいて仲間意識は無いので、誰かが酷い目に遭っても所詮他人事で、何とか改善できないか?等と考える人は居ない。

17時前から作業室でリネン折りをすることになり、Eさんから順番に二宮和也似氏と面談が行われた。

私の番になると、二宮和也似氏は開口一番に「トド山さんが12月15日(締め日)で退職することになりました」と知らせて下さった。子宮筋腫の治療に専念するそうだが「何度連絡しても電話に出て貰えなくて(無断欠勤)、病名も今日初めて言ってきたんですよね」と少し不服そうだった。

その後「物凄く強い責任感を持ってフロントの仕事をしてくれてましたね。でも走ったりしなくていいんですよ」と労って下さった。

そして「偏屈王とやり合ったそうで…」と言われたが、やり合ったと言うより絡まれて絡まれてどうしようもなくなったんだけど…。二宮和也似氏は「偏屈王はプライドばかり高くて自己中心的ですよね」と続け、「僕はみかやんもプライドが高いと思うんですよ」と仰った。

生まれて初めてヒトサマに「プライドが高い」と言われてポカーンとした。いえ、それほどでも…って褒められてないぞ、ヲイ。これは「アンタもプライドが高いから偏屈王とやり合うことになるんだよ」ということを言っているのであって、私は反省を促されているんだ。

確かに私の精神面の基本構造が”目には目を”のハンムラビ法典的で、勧善懲悪というか悪い奴を懲らしめたいという思いが強く、勝ち気で鼻っ柱が強いんだと思う。プライドが高いというのとは違うと思うが、二宮和也似氏がそう仰るならそうなのだろう。自重自戒せねば。

言いにくいことを言わせてしまって申し訳ない。私の不徳の致すところだ。

以前、丸信材木店店主殿に「普通は自分の日記なんだから自分のことは良く書くもんだけど、みかやんはそうしないよね」と言われたことがある。私はここに自分の悪い面も愚かな面も全部晒してきたので、そういう面のプライドは無いにしろ、別の面でのプライドが高いんだろう。

だげどもプライドって何だべ?わっちがプライドをかけて守りたいものって有るべが?んぁ?トド山が辞めるんだら、わっち辞めにぐぐなるんでないがい?(←完全に素)…そんなことを考えて、その後の面談はまったく上の空になってしまった(汗)。
11:30-17:30 本メイク4部屋+クイックメイク9部屋

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)とSさん(10代後半・初バイト)、Cさん(60代前半・元看護師)と私の勤務。フロントはトド山さんだった。Cさんはトド山さんを見て誰より驚いていたが、驚きはすぐに激しい怒りに変わった。

トド山さんが出動したとたん「こんなに休んで、よくツラッと出て来られたもんだね!普通でないわ!わざわざ締め日まで居なくても、すぐ辞めればいいべさ、ずうずうしい!たいしたタマだわ!ろくなもんでないよ!」と怒り心頭の様子。

こんな日にCさんと組むことになって、私は先が思いやられた。

出動してからも「トド山だら誰にも”スミマセン”てことも無いのかい?どーなってるの?みかやんやSさんなんか一番の被害者だべさ。フロントの人間でもないのに、何回フロントやったと思ってんだか。それで”スミマセン”も無いんだら、人間のクズだわ!トド山でなくてクズ山だべさ!」と止まらない。

みかやん「とにかく、辞めて貰えることになって良かったよ。せっかくだからフロントにバリバリ働いてくれる若い男の子を二人ぐらい入れて貰って、偏屈王をメイク係にすればいいんだわ(笑)」

Cさん「偏屈王がメイク係になったりしたら、わちなんか毎日いたぶってやるよ!偏屈王なんか、Eさんにも毎日怒鳴られてればいいんだわ!」

みかやん「じゃ、頼むわ。わちは偏屈王とは組みたくない(笑)」

Cさん「わちも組みたくないよ!あんなのと一日中、顔付き合わせてたら頭おかしくなるわ!Eさんに組んで貰うべし(笑)しゃははは!」

何とか話を逸らすことに成功した。

昼休みは、Cさん自らどうでもいい話をヘラヘラとトド山さんに振りまくっていて、ともすれば機嫌をとってるようにも見えるノリだった。あんだけ「たいしたタマだ」とか「クズ山だ」とか言っといて、何の為にトド山さんに媚びるのか意味が分からない。

”日本一のお調子者”と書いたタスキを掛けてあげたくなった。

嗚呼それなのに昼休み明けに出動したら「ちょっと!クズ山だらアレでどこ悪いのさ?一番元気だべさ!病気だら無断欠勤でも”スミマセン”も無しでもいいって腹かい?とんでもない女だわ。脳の病気でないの?」と、ぶり返した。

こんな人を信用出来るわけがない。なのに我が班はこんな人ばかりだ(哀)。

その点、男の子はサッパリしていて裏表の無い子が多い。だから職場では男の子と仲良くしてしまうのに、そんな私をみんなは陰で「男好き」だと噂してるんだから、たまったもんじゃない。

今まで目をつぶってきたことや、聞こえないふりをしてきたことが、急に気になりだした。

夕方、Cさんは床に落ちていたティッシュを踏んで滑り、組んだベッドの上に倒れた。ティッシュにはローションか白子が付着していたようだが、目も鼻も良くないので分からないとのことで、私もわざわざ確かめる気は無い。白子だったら嫌だもの。

ベッドを直しながらCさんは「こんなの拾っておくのがフロントの仕事だべさ!クズ山だったら、やる気ないもね!クズ山がセットした部屋だら、ゴミだらけで怪我するわ!」と、またブチギレた。

次の部屋へ移動しようと廊下へ出たら、突然目の前の部屋から若いカップルが出てきた。驚いたCさんは「キャーッ!」と叫んで仰け反り、私が持とうとしていた風呂掃除道具が入ったバケツに腰掛けてしまって、お客さんに「あはは!ウケる!」と笑われていた。

だってCさんてばキレ過ぎなんだもの。

私も可笑しかったが、私まで笑ってしまっては「笑ったのが悪い」と怒られそうなので、死ぬ気で堪えた。
11:30-18:30 クイックメイク18部屋+ベッドのみ2+リネン折り

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)と#さん(60代前半・元美容師)が早番、Sさん(10代後半・初バイト)とUさん(30代後半・悪霊憑き)、女将さん(20代後半・寿司屋)と私が遅番の勤務。A班とB班でベッドメイク係10人、フロント4人で、久々に頭数が揃った。

最近の私は、ムカつく出来事や凹む事件の後の休みに、ひたすら読書をして過ごしている(だから更新が遅れるんだけど・爆)。そうすると不思議な程、本の中にその時の自分に必要な情報を見いだすことが出来る。おまけに私は本に感化され易い。

で、今回は…。我が班の面々のアラ探しをしていてはキリも限りも無い。どうせ辞めるなら、みんなの良い面を探して、上司にも同僚にも恵まれて幸せだと思えるようになった時に辞める…ということに挑戦してみようと思った。

果てしない挑戦になりそうだが、幸い私は上司にはとても恵まれている。ココの社員さんには何の不満も無い。それだけで十分幸せなことだ。そんなふうに気持ちを切り替えて出動した。

いつも明るい女将さんが、Uさんに「よそ者」と言われたと凹んでいた。「私、日曜と祝祭日にしかB班に入りませんけど、その日一緒に働いてるのに”よそ者”って酷いじゃないですか。傷付きました」と訴える女将さんには申し訳ないが、私はあまりにUさんらしくて笑えてしまった。

「Uさんはアレで悪気は無くて、ただ言葉選びのセンスが無いっていうか、その時に最もふさわしくない言葉を選んで、みんなを傷つけても、本人は意味が分かってないから”知恵遅れ”って言われてるの。みんな二度や三度は被害に遭ってるから気にしないで。日本人なのに日本語が全然ダメな人だから」と答えた。

フォローになってない(汗)。

エレベーターホールへ使用済みダスターを置きに行った女将さんがなかなか戻って来なかった。廊下をお客様がウロウロしていた為に、エレベーターホールで偏屈王と缶詰になっていたそうだ(苦)。

痺れを切らした偏屈王が「邪魔な奴らだ」と言い残して客前へ出て行き「お客様、チケット(部屋番号カード)はお持ちですか?」とクドクドと話していて、女将さんは戻るに戻られなかったとのこと。

相も変わらず偏屈王は無駄に話が長い。お客様への対応は丁寧に且つ簡潔に…ということですか。

昼休み、トド山さんの噂を聞いた。無断欠勤を続けるトド山さんに、社員の二宮和也似氏が何度も電話をして、ようやく連絡が取れたのが7日で「今後の話がしたい」と切り出し、トド山が「じゃあ行きます」と8日に出勤したそうだ。さすがの二宮和也似氏も「僕が連絡しなかったら来なかったのか」とボヤいていたらしい。

「じゃあ行きます」って何様?自分の立場分かってる?謙虚さを忘れた人は、とんだ勘違い野郎です…ということですか。

偏屈王もトド山さんも身を挺して様々なことを教えて下さいますわ。

夕方、A班の大ベテランフロント女史が手伝いに来て下さったので、先日の偏屈王事件を話した。偏屈王の持論にも一理有るが忙しい時には通用しない…というごもっともな意見をいただいて安心した。

しかし偏屈王は、忙しくて皆が走り回っている時でも持論を振りかざして悠然としているから、みんなが迷惑する。「俺には俺のやり方が有る」と言いながら、他人のやり方は認めない。自分だけが正しいと思っていて、否定されそうになると癇癪を起こして怒鳴り散らす。

大ベテランフロント女史は「例えば、点検を頼まれたなら、同時に社員さんに偏屈王にはセットをするよう指示して貰えるようにお願いするといいよ」とアドバイスして下さった上で「今回のことは社員さんと話をさせて貰うね。フロントの子をみんな偏屈王に潰されそうだもの」と言って下さった。

なんて心強い!なんて有り難い!この時点ですっかり解決したような気分になり、感謝の気持ちでいっぱいになった。
11:30-18:00 本メイク6部屋+リネン折り

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)とUさん(30代後半・悪霊憑き)、Cさん(60代前半・元看護師)と社交君(20代半ば・ユースケサンタマリア似)と私の勤務。

出勤するとCさんが「トド山、クビだって噂だよ!クビにもなるさ、無断欠勤だもの。ただ12月15日迄の勤務表に入ってるから、それは責任持って働けって話だとさ。それだもの”辞めることになった”って本人は一言も言わないもね。しゃーっはっは!」と高らかに笑っていた。

尚もCさんは「無断欠勤も若いなら救いようも有るったって、あのトシだら手遅れだもね。クビになってざまぁないべさ。口が裂けても言わないっしょ。いい気味だわ!ひゃはははは!」と続けた。

私は「いいんじゃない。飼い殺しになって、せいぜい締め日まで生き恥さらしてればいいんだわ。子宮筋腫だなんて誰も信じてないし」と猛毒を吐いてCさんを黙らせた。や、毒をもって毒を制すというやつですよ(汗)。

どうせまた後でCさんがトド山さんに媚びるシーンを見なきゃならないんだから、出来れば聞きたくない。

今日から我が班に社交君が加わった。物凄い社交家で、こんな人を見てしまったら、アニキにX君を「社交性が無い」と言われても仕方ないと思った。社交君は公認会計士になる勉強をしていて、4月までには税理士事務所へ就職したいとのこと。

短い付き合いだけど、社交君の若い力に期待特大だ。偏屈王は若い男を目の敵にするので、何としても社交君を守らなければ!まずはベッドメイク係の仕事を覚えて貰って、その後はフロント係になるそうなので、しっかりと仕事を教えた。

昼休み、缶コーヒーを買おうと休憩室を出たら、社員の二宮和也似氏に呼び止められた。

二宮和也似氏「近いうちに偏屈王とも面談をするんですが、面談の後に偏屈王が辞めたら、フロントの仕事を頑張って貰えますか?」

みかやん「ええ?面談をしたからといって偏屈王が辞めるとは限りませんよね?」

二宮和也似氏「いえ、今回は僕も言いたいことは全部言わせて貰うんで、それで偏屈王がカッとなって辞める可能性が高いんです」

みかやん「偏屈王が居ないのであれば私は死んだ気になって頑張りますよ」

二宮和也似氏「じゃあ、そういうことでお願いします」

みかやん「いえ…あの…こちらこそ宜しくお願いします」

小走りで休憩室へ戻り、EさんとCさんに伝えた。Cさんは「辞めさせるつもりの面談なんだべさ。トド山もクビ、偏屈王もクビ、あの二人はどうしようもないもの」と言い、Eさんは「もっと早く対処してほしかったよ。年末に新人を入れられても、こっちも大変だもの」と言っていた。

とは言っても、かつて「偏屈王の女」と噂されたUさんの前で申し訳ないが、私達は喜びを隠せなかった。

Cさん「だけども偏屈王が辞めるべか?図太いからね」

みかやん「社員さんのことを陰で”若造”とか”小僧”って言ってるような呆れた奴だもんね」

Eさん「”お前のような若造に何が分かる。Bフロントには俺様が居なきゃダメなんだ”とか言いそう…。ハッキリ”クビ”って言わなきゃ分かんないわ」

一同「・・・・・」

いやいや、二宮和也似氏があぁ仰ってるんだから大丈夫だ。なんたって社員さんだ。偏屈王が居なくなる日が近いと信じて頑張ろう。

社交君は持ち前の社交性を発揮して、EさんやUさん、朝のA班の皆様にも愛想良く振る舞って好感度抜群で、偏屈王とは大違いだ。ま、偏屈王は悪魔とか悪霊とか怪物とか化け物とか魑魅魍魎の類なんで、生身の人間と比べること自体間違ってるけど。

社交君の仕事ぶりは、社員になった特大氏には負けるけど初日はこんなもんでしょというレベル。今後の社交君に期待特大だ。出来ることなら長くココに居てほしい。だけど、将来ある若者をココにパートとして引き留めておくわけにはいかないのよね(哀)。

お陰様でココの人間関係にも希望が持てるようになった。これからもムカついたり、凹んだりはするだろうけど、何度でも思い直したり見方を変えてみたりして乗り越えていこう…と鼻の穴を膨らませてみた。
ラブホ519日目:受皿と蓋
11:30-18:00 本メイク8部屋+クイックメイク2部屋

今日は、Sさん(10代後半・初バイト)と#さん(60代前半・元美容師)、Cさん(60代前半・元看護師)と社交君(20代半ば・ユースケサンタマリア似)と私の勤務。

出勤すると、既にCさんとSさんと#さんの三人で、偏屈王の話で持ちきりだった。珍しくSさんが「こないだの日曜なんか、偏屈王に全然意味なく追い立てられて、うちもうホントにムカついて、あんなの有り得ない!」と顔を真っ赤にして激怒していた。

結局は「本当に辞めて貰えるんだろうか?」という話になる。

いくら社員さんが理路整然と話しても、相手はあの偏屈王だ。想像だにしない屁理屈で反撃するだろう。そうじゃなくても自分の権利を激しく主張する奴なので、クビだなんて話になったら、逆ギレ&マジギレで憤死するかも知れない。

私達の予想では偏屈王の面談が行われるのは明日なのに、明日はCさんと#さんと私が休みだ。今世紀最大の見ものだというのに、なんてこった。面談は見せ物じゃないけど「間違って出勤しようか?」とか「差し入れに来ようか?」と、つい悪ふざけしてしまった。

明日、無事に面談が行われて、みんなの期待どおりに事が運べば、あさって出勤した時には偏屈王はもう居ないかも知れない。それは凄いことだ。

短期間しかココに居ない社交君に、偏屈王亡き後のフロントとして即戦力となって貰えるよう、ベッドメイク係の仕事を教えつつも、フロント係の点検のポイントなども教えた。点検の時の目線でベッドメイクの仕事をすれば間違いは無い。それはCさんにも聞こえるように言った。

社交君に「これでいいんですよね?」と言われて、社交君がした洗面の仕事をチェックしたら、歯磨きカップを伏せて置く受け皿が、なんと歯磨きカップの蓋になっていた。蓋付きの湯飲み茶碗じゃないんだから。

思わずCさんと大爆笑した。社交君は「や…埃が入るとイケナイかな?なんて思っちゃって」と照れまくっていた。蓋じゃなくて受け皿だからね、頼むよ社交君(笑)。

続いて、社交君が掃除機をかけ始めたので、洗面所に居たCさんは邪魔にならないよう洗面台に乗って掃除機がけを見守っていたが、社交君は洗面所の隣のトイレの掃除機がけをせず部屋へ戻って行った。

すかさずCさんが「社交君!トイレにも掃除機かけるんだよ。トイレ忘れたっしょ!」と声を掛けると、戸惑った表情で戻ってきて「あ!そのドア、玄関のドアだと思ったんですよね」と言ったので、また大爆笑になった。

「玄関から入ってきて、いきなり洗面所と風呂だったら、お客さんもなんもビックリするべさ!」と、Cさんはヒーヒー言いながら笑ってた。

全くもう、社交君たらツボにハマり易い私達になんてことを!

そういや、新人の頃のUさんも、風呂掃除道具が入ったバケツを浴室の前に置いておこうとして、洗面所&浴室へのドアとクローゼットのドアを間違えて、バケツを持ったままクローゼットへ入ろうとしていたことがあった。

そんなことも思い出してしまったら、Cさんも私も笑いが止まらなくなった。甚だ不謹慎だとは思うが、仕事中にこんなに笑ったのはいつぶりだろう?と思った。それもこれも偏屈王が居なくなるかも知れないという開放感からだろうか。

その後も社交君は、床に使用済みスキンが落ちているのを見てドン引いていたり、風呂掃除中に蛇口が根もとから外れて焦っていたりしたが、Cさんも私も社交君の表情や仕草の一つ一つが可笑しくて、いちいち笑い転げた。

箸が転んでもおかしい年頃が十代後半を指すなら、私は二回目、Cさんは三回目の箸が転んでもおかしい年頃なんだろう(笑)。

社交君は見た目とは裏腹に意外とウッカリ君だ。

帰り道で、社交君にアニキや$君の話をした。社交君には是非、アニキや$君が居る間に来てほしかった。
※治療代、遂に10万円突破(泣)

※医師が目の敵にしているTSHレセプター抗体の数値は着実に下がってきているが、それに伴ってTSHが基準値を下回り、総コレステロールや中性脂肪も基準値以下になった。

私のような素人は「ヤバくないんかい?」と心配になるが、メルカゾールとリピトール錠1錠ずつのままで、また様子を見ることになった。

※前々回→前回の血液検査の結果

TSH 0.3→0.1以下 (基準値 0.4〜4.0)×
FT4 1.1→1.3 (基準値 0.8〜1.9)◎基準内
FT3 3.4→3.8 (基準値 2.2〜4.1)◎基準内
TSHレセプター抗体 28.5→24.3 (基準値 10以下)×
・検査チャートに”機能亢進が疑われます”と書いてあった
・総コレステロール148(基準値150-219)
・中性脂肪42(基準値50-149)

※今日のメニュー

・前回の血液検査結果発表
・採血
・メルカゾール 1日1錠×28日分
・リピトール錠10mg 1日1錠×28日分
計 5670円

※前回までの99430円と合わせて105100円也。
火星佳代さん、コメントの返信が遅れてすみません。

さて、皆様は覚えておいででしょうか?私が偏屈王に喧嘩を売られ怒鳴られ珍しく落ち込んだあの夏の日々を…(7月19日〜7月29日)

その後、偏屈王は私がフロントの仕事をする度に「フロントの仕事じゃ俺の方が先輩だ」と言わんばかりに、どうでもいい指示を飛ばして偉ぶったり、言いがかりとしか思えないダメ出しをしたり…それでも何とか耐えておりました。

最近になって偏屈王がまた私に因縁をつけ、執拗に私を追い回して怒鳴りつけるという狼藉を働いたので、たまらず社員さんに訴え出ました。

そして今日、偏屈王が退職しました。事実上のクビです。

偏屈王が解雇されたのは、私のことばかりではなく皆が偏屈王に迷惑していて働きにくい環境になっていたことと、社員さんのお考えがあってのことです。

急に欠員が出たので私も暫くはフロントの仕事をすることになりますが、今回このような運びとなるよう尽力してくださった先輩や社員さんに感謝し、働きやすい環境になったことの喜びをかみしめながら、業務に勉励していきたいと思います。

そんなこんなで偏屈王がクビにならなければ、私が退職するところでした。偏屈王に煩わされ気持ちが荒み、更新もままなりませんでしたが今後はサクサクと更新していけそうです。
11:30-17:00 本メイク7部屋+クイックメイク1部屋

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)とZさん(20代後半・昔の森尾由美似)、Cさん(60代前半・元看護師)と社交君(20代半ば・サンタマリア似)と私の勤務。

出勤前、いつものコンビニで社交君に会い、一緒に買い物してラブホまで歩いた。社交性抜群の社交君が、あれこれと愛想良く話しかけてくれるので気を良くして出勤したら、一番最初に偏屈王に会った。

ええ!やっぱり辞めてないんだ!ひえぇ!と動揺しながら「おはようございます」と言ったら、珍しく偏屈王も「おはようございます」と言ったので驚いた。偏屈王に挨拶なんかされたの何ヶ月ぶりだろ?もしや改心したんだろうか?いや、まさか…偏屈王に限って…そんな…。

休憩室に入ると、Cさんが「居ないかな?と思って来てみたら、やっぱり居るもの。偏屈王は辞めないわ。図太さが並みじゃないもの。トド山のようにはいかないんだわ」と言い、一同ガックリ。

だけど昨日は、Eさんが出勤すると「支配人殿と偏屈王が面談中なので休憩室には入れません。作業室で休んでいて下さい」と言われ、そんな厳戒体制で面談が行われたのは初めてなので「これは!」と思いながら、まんじりともせず作業室で待っていたそうだ。

Eさん「そしたらなんも、偏屈王なんかツラッと休憩室から出てきて、いつもと変わらず普通にドンヨリと働いてたもの」

Cさん「そうだべさ。偏屈王は辞めないと思ったもの。生活かかってんだべさ。あんなのが自営業してたって儲けられるわけないもの」

そっか…職場の人間関係は修行だと思って諦めよう。

今日もCさんと社交君と私の三人勤務で、社交君はCさんにも気の利いた話しかけ方をし、話ながらのさり気ないスキンシップも欠かさず、ともすればリップサービスに長けた人なのだが、そんな社交君にCさんは「あんな人、初めて(はぁと)」とメロメロだった。

昼休みは、社交君が幼少期からピアノを習っていて、音楽好きでバンド好きとのことで、二人でELLEGARDENやlocofrankの話で盛り上がっていたら、Cさんは私達に背を向けて寝てしまった。そこへたまたま社員の二宮和也似氏が現れ、私達に「Cさん、何かふて腐れてるんですか?」と聞いてきた。

するとCさんは飛び起きて(寝てなかった)「なんもふて腐れてないよ!なんでふて腐れるってさ!」と言って、一同ビックリ。二宮和也似氏も「や、壁向いてたから僕にはふて腐れて見えて…」とタジタジだったが、どう見ても不貞寝だった。

うわ〜。またCさんに「男好き」と言われないよう気を付けよう。

夕方、ダスターを置きにエレベーターホールへ行ったら、バッタリと偏屈王に会ってしまった。どうせまたスルーでしょと思いながら「お疲れ様です」と言ったら、偏屈王も小さな声で「お疲れ様です」とこたえた。

この数ヶ月毎日、偏屈王にも「おはようございます」「お疲れ様です」と声を掛けてきたが、返事をされたことなど無かった。どうしちゃったんだろう?と不気味だったが、面談で支配人殿に「挨拶ぐらいしろ」か何か言われたんだろう。

だけど挨拶なんか人に言われてするもんじゃないだろうに。それこそ「子供じゃないんだから」と思うんですけどね。

私達のチームと偏屈王が17時で早帰りになったので、休憩室で社交君と二人で一服していると、二宮和也似氏が来た。

二宮和也似氏「今日で偏屈王が退職しましたから」

みかやん「えーーーっ!そうだったんですかっ!」

二宮和也似氏「それで、今度の日曜日、みかやんはお休みなんですが、フロントで出勤してほしいんですけど、どうですか?」

みかやん「は、はいっ!出勤します!頑張ります!」

早帰りせずに作業室でリネン折りをしていたEさんの元へ走り、偏屈王が退職したと知らせると、Eさんも一際大きな声で「ええーっ!」と叫び、抱き合って「良かったぁ」と喜びを分かち合った。

そういや15日で今日も締め日だった。結局、偏屈王は誰にも「今日で退職します。お世話になりました」とか言う挨拶は無かったけど、それはそれで偏屈王らしい。偏屈王が退職しないものと思い込み、気落ちしていたところだっただけに、Eさんも私もすっかり興奮した。

働き易い環境を整えて下さった社員さんの為にも、明日から気持ちも新たに頑張ろう。
11:30-18:00 点検17+セット+ダスター上げ+補充+ルームサービス他

今日は、Cさん(60代前半・元看護師)とUさん(30代後半・悪霊憑き)と#さん(60代前半・元美容師)の三人勤務。トド山さんが欠勤して私がフロントになり、お陰でまた今日一日がCさんの泣き言から始まった。

Cさん「トド山だら最後の一ヶ月ぐらいガリッと働いたらどうだのさ!」

みかやん「今日は珍しく”病院行く”って連絡入ったんだって」

#さん「今までの無断欠勤が有り得ないからね。いいトシして」

Cさん「本当に病院なんだか。病院なんか休みの日に行けばいいべさ!月に半分も休みなんだから!どうせクビだらトド山もさっさと辞めればいいのに!わちなんかもう笑う元気もないわ!」

みかやん「・・・(モンク言う元気が有るなら大丈夫でしょ)」

Cさん「そうそう!偏屈王の件でA班の超ベテランさん達が動いてくれたって噂だよ。社員さんにいろいろ言ってくれたらしいわ」

みかやん「(それを先に言ってよね)凄い!さすがA班の大ベテランメイク女史に大ベテランフロント女史だわ」

Cさん「A班なんかみんな”女子”だべさ。男、居ないもの」

みかやん「そうじゃなくて(萎)社会的に活躍してる女性に敬意を表して呼びたい時に付ける方の女史ね」

#さん「子供の”子”じゃなくて歴史の”史”さ」

Cさん「ふ〜ん(←多分、分かってない)」

今日からA班の新人メイクさんだった大型さん(20代後半・175センチぐらい)がA班のフロント専門の人になった。うちの社交君もじきにフロント専門になる。トド山なんかをアテにするより、若い力に期待したい。

出動すると、作業室にA班の大ベテランメイク女史がいらっしゃったので、私は駆け寄り手を握って「この度は…言葉にならないぐらい…ありがとうございました」とお礼を述べた。

やはり、仕事に対する意識の高い方は、働き易い環境を整えることにも目を向けるし、ちゃんと問題意識も持ってらっしゃる。我が班のなぁなぁ軍団とは大違いだ。

偏屈王が引き継ぎもせず退職してしまったので、代わって支配人殿が私に偏屈王がしていた仕事を引き継ぎして下さった。各階エレベーターホールの棚に備品の補充をする仕事だが、偏屈王がこの仕事をしていたのを見たことがなかった。

支配人殿の話だと偏屈王は面談の時に「ここ何ヶ月か体調が悪くて体調が悪くて、精神的にもおかしくなってた」と言っていたそうだ。大の男がいいトシして、よくもまぁそんな言い訳が出来たもんだと、聞いた私が恥ずかしくなった。

だってさ、肝臓病だか更年期障害だか知らないけど、病気だからってみんなの理解や協力を求めることもなく、あんな傲慢で尊大で狂的な態度をとられても…ま、いいか、辞めてくれたんだから。つか、だから辞めなきゃなんなくなるんだよね。最後までお気の毒な方でしたわ。

セットに戻ると、とんでもなく荒らされた部屋に当たった。ゴミやタオル類を拾いまくり、食器を片付け、ようやくベッドに辿り着いて掛け布団をめくったら、シーツの上にはバラバラに壊れたハンガーと直角に曲がったスプーンが有った。

ユリ・ゲラーかよ!どうすればこんなふうになるんだか。ハンガーやスプーンと一緒に寝たのか、痴話喧嘩なのか、それともやっぱり超能力なのか。おお、そうだ!さっき備品の補充をしたばかりなのに、何てことを(哀)!

夕方、そろそろうちの三人組も疲れてきたのか、部屋へ点検に入ると仕事のアラが目立った。なんたって仕事ぶり最悪の三人組なので諦めてはいたが、老眼の二人を押さえてUさんの仕事ぶりがダントツに酷い。

こうなると私も点検に時間がかかるので、Cさんに「さっきからUさんが酷い仕事ぶりだから、見てあげて貰えないだろうか?」とお願いした。こう言えば、Cさんも自分の仕事をきっちりとした上で、Uさんの仕事をチェックして貰える。Cさんは#さんにも伝えるはずだ。相乗効果に期待した。

Cさんが私の予想以上に気を良くして頑張ってくれたので助かった。そんなこんなでフロントも本当に大変な仕事だ。長い間、お疲れ様でした>偏屈王。 
11:30-18:30 クイックメイク16部屋+リネン折り

今日は、Sさん(10代後半・初バイト)とUさん(30代後半・悪霊憑き)、Zさん(20代後半・昔の森尾由美似)と#さん(60代前半・元美容師)が早番、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)と私が遅番の勤務。

偏屈王が急に辞めたので、社員の二宮和也似氏が勤務表を作り変えている最中だったが、支配人殿にも大ベテランメイク女史にも「Bフロント頑張ってね」と言われたので、何ほどフロント勤務が多いかと思ったら、偏屈王の代わりに社交君がフロント勤務になってた。

しかも、明日は休みを返上してフロントで出勤するように言われていたのに、結局休みになった。なんてラッキーな私。お陰で明日は赤黒vs京都の試合を見に行けることになった♪

出動して早速Eさんに、偏屈王の「ここ何ヶ月か体調が悪くて体調が悪くて、精神的にもおかしくなってた」発言の件を話すと、Eさんも猛然と怒った。

Eさん「それじゃ体調を崩した自分が被害者みたいに思ってない?冗談じゃないよね、被害者はこっちなのに!そんな言い訳したって誰が同情するってさ。馬鹿じゃないの?自分が非常識なのを棚に上げて、よく言うわ!」

みかやん「全くですよ。病気なら、仕事中にストーカーのように追い回してケチつけたり、ヒステリックに叫んだり、脅すように怒鳴ったりしても仕方ないと思えって話ですか?って思いました」

Eさん「おまけに挨拶も無ければ”すみません”も無くて、それがどんな病気だって言うの?いいトシで嫁も居ないんだから、自己管理して貰わなきゃ困るって」

みかやん「単に非常識な勘違い野郎ですよね」

Eさん「自宅で黙って自営業してればいいのさ。社会に出られたら周りが迷惑するもの。ホント、Uさんと同じ!Uさんだって旦那の自営を手伝ってればいいのにさ。似た者同士って居るもんだよね」

Eさん「それとトド山さんのことなんだけど、どうも私の知ってる子宮筋腫とトド山さんの子宮筋腫は違うみたいなの。このトシになるまで周りに何十人も筋腫持ちは居たけど、そのどれとも違うんだよね」

みかやん「多分、場末のスナックのママの入れ知恵で、長期ズル休みの言い訳の常套句ですよ。現に田舎じゃ一昔前に横行してましたから。婦人科の病気だと言えば、男の上司はそれ以上立ち入れませんからね。本当に婦人科の病気で苦しんでる人達に失礼ですよ」

Eさん「なるほどねぇ。普通の子宮筋腫はトド山さんみたいに生理以外の日にも都合良くお腹痛くなったりしないし、そんなに痛むんだったら、よっぼど大きいか特殊な場所に出来てるか悪性かで、すぐ切られるもんね。薬を飲んでる姿も見たこと無いし…」

みかやん「私も婦人科に1ヶ月入院してる間にいろんな話を聞きましたけど…トド山さんの言うことなんか最初から信じてませんでしたから、すぐに”婦人科の病気って長期ズル休みの言い訳の切り札に使われて迷惑”って話を思い出しました」

Eさん「そうだよね。ホントだったら仕事どころじゃないよね。20日間も電話にも出られない程お腹痛くて休まなきゃなんないなら、普通は即入院即手術だよね。なのに会社に出てきたら誰より元気だもんね。あれだけのお喋りが今まで一言も婦人科の話も生理の話もしなかったのに、急に筋腫って言われてもね」

Eさんは、やや暫く「なるほどねぇ」「そうかそうか」「どうりでねぇ」「へえぇ」と言っては頷いていた。そして思い出したようにまた怒った。

Eさん「ずうずうしい女も居たもんだよね。仮病のくせに、病気だから休んで当たり前って顔して”すみません”も無くて。偏屈王とおんなじだもんね。だから共倒れになるんだわ。二人ともクビになるべくしてクビになったのさ!遅過ぎたぐらいだよ!」

みかやん「そうですよね。でも良かったです」

Eさん「ホントだよね。私達はあんな連中に似ないよう、仲良く頑張りましょうね〜」

Eさん&みかやん「ねーーーっ!」

ってことで、朝は駐車場で猫のミイラが発見されたり、昼は休憩室に銀杏臭がたちこめたりはしたものの、平和な一日だった。
11:00-18:00 点検15+セット+ダスター上げ+備品補充他

今日は、Cさん(60代前半・元看護師)と#さん(60代前半・元美容師)の二人勤務で、私がフロントになった。フロントの制服に着替えてロッカーから出てきた私を見て、Cさんは朝から「はあああぁっ!」と大きな深いため息をついた。

Cさん「いい加減、トド山も辞めたらいいべさ!煩わしい!」

みかやん「や、今日は元々偏屈王が出番で…」

Cさん「それにしたってさ!」

みかやん「そう思うんだったらトド山本人に言ってやって。”煩わしい”って」

Cさん「言いたくても居ないもの!トド山なんか、またいつ休むか分かんないよ。クビだって噂になってるの本人も薄々気付いてるべさ」

「言いたくても居ない」と言っても、お調子者のCさんは絶対言わないと思う。

出動すると大ベテランフロント女史に会ったので「お陰様でこの度はこんなに早く解決して…ありがとうございました。助かりました」と、お礼を述べた。本当にいろんな面で大ベテランの両巨頭には頭が下がる。

お陰様で偏屈王は居ない、トド山ももうそろ居なくなる。気持ちを引き締めて頑張ろう。

意気揚々とセットを始めたら、お客さんが勝手にベッドを剥がしている部屋に当たった。シーツや包布や枕カバーは剥がされ、オネショマットは椅子の上に乱雑に置かれ、なのに剥き出しの枕や布団は何故かきちんとベッドの上に置かれていた。

お客様がハガシを手伝ってくれたのか、ココのリネン類の肌触りがどうしても気に入らなかったのか?剥がされたシーツ類には特に汚れもなく濡れた形跡もなく、意味が分からず萎えた。

続いて点検をしたら、トイレにタンポンの代わりにライターが置いてあった。犯人はCさんだったが、前回、タンポンの代わりにスティックシュガーが置いてあるのを見て萎えに萎えたばかりで、身内から模倣犯が出るとは思わずにまた萎えた。

タンポンとスティックシュガーは包み紙の手触りが似ているが、タンポンとライターじゃ明らかに手触りも違うだろうに。

Cさんにスティックシュガー事件のことを話した時は「やんや、どーもなんないね。なんぼわちでも、そーゆーミスはしないわ。しゃはは!」と大ウケしていたのに…嗚呼それなのに…。

昼休みに昨日の事件を聞いた。昨日、たまたま早く出勤していたEさんとCさんが30分早出になった為に、社交君とUさんが組むことになったそうで、まだド新人の社交君とUさんが組むって時点でおかしい。30分後に組み替えもなく、Eさんは憮然としていたそうだ。

忙しくてみんながバタバタしている時に、Uさんがエレベーターホールでモニターを見ながら「ええ〜?ど〜しよ〜?」と小首を傾げアゴに人差し指を当ててカマトトポーズで社交君を上目遣いに見つめたのを見て、Eさんがキレたそうだ。

Eさんは、その場で「セット部屋が無いなら、セットバッグ持って行きなさい!この忙しいのに何やってんの!」と一喝し、Eさんは昼休みもみんなの前で「Uさん、アレじゃダメだわ!新人と組んでて何やってんの!」と叱ったって話。

事なかれ主義のEさんが、どうしたんだろ。

Cさん「わちも見たけど、クソ忙しい時にあの馬鹿が社交君を相手に色気づいてるんだもの。どうもなんないわ!あれだらEさんもキレるわ」

みかやん「Uさんの仕草や表情が目に浮かんで寒いんですけど」

Cさん「みんなの前でも言うと思わなかったから、ビックリしてさ。わちも何か言おうかとも思ったけど、相手は馬鹿だし可哀相かと思って黙ってた」

みかやん「EさんやCさんには”言ってあげた方が本人のため”って思ってて貰わないと、下の者が育たないよ。だからUさんはいつまで経っても仕事ぶりが最悪で…黙ってた方が可哀相だよ。Cさんにも言ってほしかったわ。古株だし一番の人生の先輩だもの」

Cさん「そうだね。仕事のことだからみんなで注意しあわないとダメだもね。今度Uさんと組んだ時に言おうと思ったけど、あの馬鹿だら二人っきりの時だら口返すからね。みんなの前で言ってやれば良かったわ」

珍しくCさんが「そうだね」と言うから、へえぇと思って聞いてたら、ちょっと方向性が違う気が…。だけど、そのあとCさんは「今度、Eさんが誰かに何か注意したら、わちも”Eさんの言うとおりだ”って言うわ。Eさんだけに言わせないわ」と言ってた。

EさんもCさんもやる気みたいなので、今後が楽しみ…かも?
11:00-18:00 点検32+セット+ルームサービス+セットバッグ上げ他

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)とUさん(30代後半・悪霊憑き)と#さん(60代前半・元美容師)の三人勤務。トド山さんが欠勤して私がフロントになった。

社交君(20代半ば・サンタマリア似)がフロントの制服を持って出勤してきて「”今日からフロントやって下さい”って言われました」と、いきなり服を脱いで上半身裸になった。

私が「トップレス芸人じゃないんだから!」と騒いでいるのに、社交君はズボンまで脱いでボクサーパンツ1つになった。ホントにもう、サービス精神旺盛なんだから。生着替えを披露してくれなくていいから、ロッカーで着替えてよね(笑)。

今日は大ベテランフロント女史がお休みなので、私が社交君にセットを教えることになったが、社交君は1週間ベッドメイク係をして、セット済みの部屋がどんな状態か見てきたので、セットをすんなりと覚えてくれて助かった。

作業室でセットバッグ作りを始め、セットバッグが6個有ったので通称”ポーチ”という洗面の補充用アメニティーセットを6個渡すと、社交君は1個のセットバッグに6個のポーチを入れたではないか(汗)。

そうだった…社交君はしっかり者のようでウッカリ君だったんだ。歯磨きカップの受け皿が蓋になっていたのが目に浮かんできた。

「あの…出来れば…1つのセットバッグにポーチを1つずつ入れて欲しかったんだけど」と笑いをかみ殺しながら伝えると「や、何か変かな?って思ったんですよね」と照れていた。

昼間はそれほど忙しくなかったので、ブラシ&ドライヤーヘッド洗いや、ルームサービスの食器洗い、コスプレの洗濯なども教える時間が取れた。

社員さんからルームサービスを届けるよう指示があったので、社交君に行って貰って私はその様子をエレベーターホールから見ていた。社交君が部屋の前でトレイを持ったまま固まっていたので「あ、鍵開いてないし…」と私がフロントへ連絡した。

「たまに鍵が開いてないこともあるんで、そん時は近くの清掃中やセット部屋からフロントへ電話して”鍵を開けて下さい”って言えばいいから」と言い、社交君には再度、別の部屋のルームサービスに挑戦して貰った。

その時に更に別の部屋のルームサービスも有ったので、そちらへは私が行くことにした。

部屋の中から「ちと待ってて下さいね〜ん」と男性の声が聞こえて待っていたら、全裸で腰にフェイスタオルを巻いただけの男性がドアを開けてくれた。腰にバスタオルならまだしも、フェイスタオルだ。かなり際どい。フェイスタオルの下に何らかの突起物が有るのが浮き彫りになってる。

目のやり場に困って咄嗟に上方に視線を向けると、鍛えられた逆三角形の上半身と坊主頭が見えた。辞めたアニキを思わせる風貌に思わず「ゲイ?」と期待したものの、坊主頭でマッチョだからといってゲイとは限らない。

オレンジジュースを渡すと、男性は「あら〜ん、素敵なオレンジジュース♪ねっ♪」と爽やかな笑顔を私に向けてくれたが、明らかにオネエ言葉じゃないか。そういや最初に「ちと待ってて下さいね〜ん」とも言ってた。

こっ、これは…本物かも?それ以上シゲシゲと見るわけにもいかず「失礼します」とドアを閉めたが、玄関に大きな男物の靴が二足並んでいるのを見逃さなかった。本物だ!

興奮して社交君に今の話を伝えようとしたら、社交君は社交君で「部屋から全裸に近い姿の女性が出てきた!」と興奮していた。そこへ電話番姉さんが来た。

姉さん「さっき辞めた偏屈王が制服を返しに来てたの!いつも髪をワックスか何かで固めてたけど、今日は何もつけてなくてフワフワでさぁ。キモかったぁ」

みかやん「わー!怖い怖い!寒い!でも偏屈王は電話番姉さんファンだったよね」

姉さん「イヤー!やめて!言わないで!で、偏屈王は支配人殿には”お世話になりました”って言って帰ってったわ」

偏屈王は10時頃に来たそうなので、最初から我がB班の面々と顔を合わせるつもりはなかったようだ。そりゃそうだろうね。

いつもはAフロントさんが帰った16時から大忙しになるが、今日は社交君も居る。おまけにベッドメイク部隊が17時半で早帰りになったので17時半以降の点検も無い。なんて楽ちんなんだ。いつもこうなら良いのに…。

社交君にゴミ捨てなども教え、綺麗に後片付けをして帰った。
11:00-18:00 点検23+セット+ダスター上げ+ルームサービス他

今日は、Cさん(60代前半・元看護師)とSさん(10代後半・初バイト)の二人勤務で、私がフロントだった。元々今日は休みだったが偏屈王が退職したので、休みを返上してフロントで出勤となった。お陰様で偏屈王が居ないんですから、喜んで出勤させていただきますわ。

出勤すると会社から通達が回ってきていて、Cさんが「これ何だのさ?読んでも意味分かんないわ!」と不機嫌だったので、サッと目を通した。

みかやん「会社で障害者の雇用状況を把握したいから、賛同してくれて障害者手帳や知的障害者手帳やらを持ってる人は申し出てくれって話だわ」

Cさん「そんなのUさんしか居ないべさ。知的障害のを持ってたとしても会社には言わないべさ」

みかやん「会社の調査に協力したい人だけでいいらしいよ」

Cさん「それだら意味無いべさ。何だの?わちの年金手帳は関係ないのかい?」

みかやん「関係ないよ(萎)。はいはい、じゃ読んだら自分の名前の欄に○付けることになってるから、Cさんの欄にも○付けとくよ」

それ以上、何か言うと面倒なことに巻き込まれそうなので、さっさと切り上げた。Cさんは「意味分かんない」「意味ないべさ」と不服そうだったが、「や〜凄いね。ココだけでパートが60人も居るんだね〜」と話を逸らした。

このところずっと、朝はCさんの泣き言から始まるので、一足先に出動した。

いつもどおりセットを始め、浴槽の縁に上がって窓を開けて降りようとした時に、お湯に浮いた泡の隙間から、得体の知れない茶色い物体が無数にお湯の底に沈んでいるのが見えた。

驚いて浴槽に落ちそうになったが無事に降りてから、もう一度、泡の隙間から浴槽の底を覗き込んで思わず「うわっ!何、コレ!」と叫んでしまった。どう見てもハンパ無い量の水中分解したウン○だ。所々に1センチ角ほどに切られたタマネギのようなモノも見える。

あまりのことに立ちつくしていると、背後から「フフフフ」という男性の笑い声が聞こえた。私は、この脱糞の主が忘れ物でも取りに戻ってきたのでは?と思い、更に硬直した。恐ろしくて振り返るに振り返れない。

勇気を振り絞って振り返ると、精算機の調整に来た支配人殿だった。助かった!と思った。

みかやん「あのっ!あのっ!浴槽の中が大変なことになってるんですがっ!」

支配人殿「ん?どんな感じ?血か何か?」

みかやん「便的なモノが、お湯の中でバラバラになってて…ど、どうしましょう!」

支配人殿「”便的なモノ”かい。フフフフ」

そう言って支配人殿はそのまま立ち去ってしまった。ちょ、ちょっとぉ!助かったと思ったのに助からないじゃん!コレどうすんの?と、たちまちテンパった。

こんな現場に一人取り残されてもどうしようもない。支配人殿から特別な指示が無かったということは、普通に栓を抜いて出りゃいいんだ。お湯もウン○も綺麗サッパリ流れ去ってくれるんだろう。

そう考えて、フェイスタオルでボールチェーンを掴んで栓を抜き、シャワーで手と足を洗ってから、逃げるようにその部屋を出た。

ったく、人ん家の風呂でひでぇことしやがる!

いつも思うけど、こーゆーのはプレイ的な黄金排出なのか、事故的な脱糞なのか…どっちにしても本人も浴槽の中でウン○まみれだったってことだ。不慮の事故的な脱糞でジェットバスのスイッチがオンになってたとしたら…と考えたら気が遠くなった。

半年ほど前に関東方面のホテルで1億円ぐらいの黄金風呂が盗まれたという事件があったけど、これもちょっとした黄金風呂だよね…(萎)。

こんな日に限って、私の今日のお弁当はハヤシライスだった(泣)。

夕方、社員旅行から帰ってきた二宮和也似氏からカジノのトランプと韓国海苔のお土産を戴いてゴキゲンでいたら、Cさんに「アンタには敵わないわ!アンタは若くて綺麗だもんね!」と凄い剣幕で怒鳴られた。私は若くもなければ綺麗でもない、何を言いだすやら…。

何だか踏んだり蹴ったりの一日だった。最近のCさんは怒りっぽいし愚痴っぽいしひがみっぽいし、手が付けられない時がある。老人性のうつ病か何かだろうか?怖いのでCさんのことはソッとしておいた。
11:00-18:00 クイックメイク20部屋+ベッドのみ1+リネン折り

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)とZさん(20代後半・昔の森尾由美似)、Cさん(60代前半・元看護師)とUさん(30代後半・悪霊憑き)が早番、Sさん(20代前半・初バイト)と私が遅番の勤務。X君とトド山さんがフロントだった。

トド山さんがバイトの掛け持ちをするようになって、ココを休みがちになってからというもの、Sさんと私は急遽「フロントをして」とか「30分早出して」と言われることが多いので、対応出来るようにいつも早めに出勤をしている。

今日もSさんと私は遅番だったが、30分早出をしてセットをすることになった。

30分後にベッドメイクをする為にSさんと合流したが、いつものSさんなら「うちもう無理!」とか「セットで疲れた!」とか「もう出来ません!」とごねるのに、今日のSさんはゴキゲンな様子でテンションも高く笑顔で喋り倒していた。

いつもこうだと、とっても可愛い子なのにね。折角若いのに勿体ないと思ってた。もっと子供らしく、みんなに甘えればいいのに…。

満室になったので作業室へ降りると、A班の陽気なお姉様に声を掛けられた。

お姉様「ちょっと、みかやん!一昨日は酷い目に遭ったよ」

みかやん「ええっ?すみません!私、何やらかしました?」

お姉様「××7号室の風呂さ!ウン○だらけで酷かったんだから!栓は抜けてたけど、途中で詰まって流れてないんだもの」

みかやん「すみませんっ!あん時はかくかくしかじかで支配人殿に”どうしましょう?”って聞いたんですけど…。すみません。その後、どうなったんですか?」

お姉様「ウン○やら何やら排水口に詰まりきってるんだもの。仕方ないから割り箸でつまんで取ってようやく流れたよ」

みかやん「ひえぇぇ〜!すみません、すみません、ホントすみませんでした」

お姉様「いやなんも、みかやんのせいじゃないし、いいんだけどさ。でもあの日はご飯を食べられなかったわ(笑)」

あの時のタマネギのようなモノが詰まったんだろう。それを割り箸で取っただなんて、想像しただけで恐ろしい。しかも時間が経って泡も消え、お湯の中身がハッキリと見えていたに違いない(涙)。

割り箸で摘めるまで、お湯がぬけていたのなら、お湯の量に対してのウン○密度も高くなっていただろうに…(怖)。私は先輩に何ということをしてしまったんだろう。

そうだ!あの部屋には様子見も兼ねてCさんに行って貰えば良かったんだ。ウン○慣れしていて、何にでも素手でアタックする果敢なCさんなら、例え排水口がウン○で詰まっていても、素手で取るか押し込むかしていただろう。

だけど、あの時は排水口の栓を抜いたら、バラバラになったウン○がクルクル回りながら流れて行くのが泡の隙間から見えて、チラ見しただけでめまいがして逃げ出したので、全く機転が利かなかった。面目ない。

30分早出したので昼休みまで物凄く長く感じたが、ようやく昼休みを迎えたら、Uさんからマクドナルドのハッピーセットに付いてくるケロロ軍曹のオマケを貰って嬉しかった。

でもUさんたら、マクドナルドの店外のドライブスルーのメニューをずっと見ていて、お店の人にマイクで「お客さん…中に入って下さい(萎)」と言われたそうだよ。さすがUさんだ。やろうとしても、なかなか出来ることじゃない(笑)。

みんなでハッピーセットの話をしていたら、トド山さんが馬鹿にしたようにイヤミちっくに「だ〜ってそれって子供用のセットでしょ〜?」と、したり顔で口を挟んだが、全員がスルーしてそのまま話が進んでいった。

全く。この期に及んで他人にイヤミかましてる場合じゃないだろうに。迷惑かけたみんなに最後のご奉公でもしたらどうよ!そんなタマじゃないと分かっているから、何も言いませんけどもー。

私もトド山をどうこう言ってる場合じゃなかった。心優しい陽気なお姉様に、糞詰まりの件で多大なご迷惑をお掛けしてしまったので、次回はキッチリと処理させていただこう。

けど、アレはどう処理すりゃ良かったんだろう?特に支配人殿から指示もいただけなかったし…それでも網で掬ったりするべきだったんだろうか?私にゃ無理だ。やっぱりCさんにお願いしよう。
11:00-18:30 クイックメイク19部屋+ベッドのみ1+セット+リネン折り+セットバッグ作り+セットバッグ上げ

今日は、Cさん(60代前半・元看護師)と#さん(60代前半・元美容師)、Sさん(20代前半・初バイト)とUさん(30代後半・悪霊憑き)が早番、女将さん(20代後半・寿司屋)と私が遅番の勤務で、フロントはX君とトド山さんだった。

今日も私は30分早出をしてセットをしてから、女将さんと合流した。女将さんは社交君を絶賛していて、社交君は朝のA班でも大人気らしい。私は社交君を”ともすればリップサービスに長けた人”と思ってきたけど、実際どうなんだろ?

社交辞令を処世術として身につけておけば、周りの人達とも円滑に交流出来るだろうし、周りの人達に悪感情を抱かれることもないんだろうけど、残念ながら私には身についていない。

逆に、疲れないんだろうか?とか、そういう人の本音と社交辞令はどうやって区別するんだろ?とか考えて、面倒臭いので近づかない…ということになる(ヲイ)。

社交君の言葉を言葉どおりに受け止められない私は、ひねくれ者なんだろうか?いちいち枕詞のように「みかやんて凄いよね」とか「みかやんて頭いいよね」と言われても信じられない。

みんなには何て言ってるか知らないけど、イタリア男並みに周りのお姉様方を褒めちぎってるんだと思う。元々イタリア男の生まれ変わりのような人なのか、儀礼的なものなのか謎だ。

そんなことを考えながら、女将さんには社交君の歯磨きカップ事件を話して大笑いしていた。

偏屈王を人間ウォッチングの対象として最高に面白いと思っていた女将さんは、偏屈王が退職してしまい、寂しそうに思い出話をしていた。

前回の飲み会の時の帰り、食べ物が沢山余っていたので、A班の若い子がたまたま持っていたタッパに詰め始め、目の前に有った焼き鳥も詰めると、偏屈王が「ソレ、私が頼んだんですけど…」と言ったのを聞いて、女将さんはシビれたそうだ。

食べきれなくて残ってるのに!会社のお金で宴会してるのに!貴男が頼んだ焼き鳥だから何?どうしろと?…さすが女将さんが惚れ込んだ偏屈王だ(笑)。

夕方、女将さんが物凄くニコニコと微笑みながら、私に「あれ?何か気付きません?」とか「ええ?気付いてくれないんですか?」と言うが、何のことやらサッパリ分からなかった。

女将さんに「えーっ!気付いて貰えなかったら、私、フロントの人に怒られて”やり直し”になっちゃうのにーっ!」と言われて辺りを見回すと、歯磨きカップの受け皿が蓋になって綺麗に2つ並んでいた。早速、社交君の真似をしてくれて、女将さんたらなんてお茶目なんだろ。

みかやん「あはは!Cさんと組んだ時にも是非やってほしいわ!」

女将さん「みかやんにも気付いて貰えないなら、Cさんなら絶対絶対気付きませんよ!(←確かに)私、やり直しになっちゃうじゃないですかっ!」

また二人で大笑いした。女将さんはホントに楽しい人だ。

今日は、我が家の結婚記念日だったので、帰りに夫と難陀で海鮮バイキングをいただいた。

1 2

 

お気に入り日記の更新

日記内を検索