11:00-18:00 クイックメイク12部屋+セット+点検+回収他

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)と#さん(60代前半・元美容師)、Cさん(60代前半・元看護師)とUさん(30代後半・悪霊憑き)、Sさん(10代後半・初バイト)と私の勤務。忙しかったので、Eさんチームが10時半から出動し、Sさんと私は11時半までセットをして回った。

朝から有り得ない忙しさで、ようやく一息ついた時、トド山さんが凄い勢いで巨体を揺らしながら私に近づいてきて「みかやん!お借りしてた服、近いうちにお返ししますからっ!」と叫ぶように言って、ぶんむくれて去って行った。

残された私はポカーンとしてしまった。これが人に物を借りてる人の言い方だろうか?暫く借りっぱなしで知らんぷりしてたのに、急に何?しかもなにゆえこんな態度?全く意味分かんないんですけど。

もしかして、アニキがトド山さんに何か言ったんじゃないだろうか?トド山さんに服を貸した件については、私のことなのにアニキは自分のことのように腹を立てていたので、アニキの仕業としか思えない。

有り難いことだが、トド山さんの逆ギレぶりからして、アニキが何と言ったのか…想像すると怖いが、アニキが辞めちゃって確認も出来ない。

17時からSさんと私はセットと点検をすることになった。セットに入ると、どの部屋のお客様も何故か物凄く慌ててお帰りになったようで、部屋の荒れ方が酷かった。

浴槽のお湯の中にバスローブやバスタオルが沈んでいたり、風呂椅子の上にフェイスタオルが敷かれていて中央部分に茶色いシミがついていたりして、気持ち悪くて水を絞りたくないが、忙しくて汚いだ臭いだ言ってられない状況なので、足で踏んで水を絞った。

かと思えば、使用済みスキンがテーブルの上に3つ綺麗に並べられていたり、カラオケマイクにスキンが被せられていたり、ベッドの上でバイブのスイッチが入ったまま卑猥にうねっていたり、想像を絶する状態ばかり(萎)。

せっかく買ったバイブをお持ち帰りにならないのは太っ腹だと思うけど…。何もわざわざ枕や掛け布団を床に置いて、見てくれと言わんばかりにシーツの中央にバイブを配置しなくても…。凝った演出をありがとうございました。こんな遊びゴコロは嫌いじゃないです。

使用済みスキンを並べて、白子の量や色を比較研究でもしてたのでしょうか?もしや、量の多い順や色の濃い順に並べられていたのでしょうか?健康管理の一環なら、記念にお持ち帰りいただいて結構でしたのに。

カラオケマイクって頭でっかちっていうか、結構巨大ですよね?ご自分のモノよりデカいモノを使って物凄く悦ばれたりしてしまったら、虚しくならないんですか?という素朴な疑問を抱いてしまうのは私だけでしょうか?

…と、いちいち心の中で感想を述べてしまう私(照)。折角、様々な演出を凝らして頂いたんですからね。スルーしちゃイカンでしょ。

点検に入ったら「あれ?この部屋ってベッドだけ組んで出たんですか?」と思うぐらい部屋の中が乱雑になっていて、お風呂やトイレは綺麗にメイクされていたが、洗面と部屋が酷い。

洗面の鏡には汚れが残り、洗面台にはオイルがこぼれたまま、部屋の備品は無造作に配置され、電子レンジの中はミートソースのようなものが大量にこぼれていた。パッと見Cさんや#さんの仕事にも思えるが、これは老眼系の人ではなくUさんの仕業だ。

いつまで経ってもUさんはド老眼の高齢者より酷い仕事ぶりだ。たまたま近くの部屋にEさんが居たので、Uさんの仕業であることを一応確かめて、Eさんから伝えてもらうことにした。

巷の皆さんの三連休最終日だとしても異常な忙しさだった。めっきり寒くなってきたので、人肌が恋しい季節なのかも。
11:00-18:00 クイックメイク23部屋+リネン折り

今日は、Cさん(60代前半・元看護師)とUさん(30代後半・悪霊憑き)、女将さん(20代後半・寿司屋)と私の勤務。いくら待ってもアニキ(20代後半・ゲイ風マッチョ)が来ないので、恐る恐る社員の二宮和也似氏に聞いてみると「アニキは来ませんよ」という返事。

私も女将さんも「えーーーっ!」だ。女将さんはアニキと組むのが今日が初めてなので楽しみにしていたのに、昨日の夜にアニキから「明日、最後の出勤予定でしたが、無理です」と連絡が入っていたそうだ。

というわけで、アニキ呆気なく退職(涙)。

お礼やらお詫びやらイヤミやら(笑)言いたいこといっぱい有ったのに…。あまりに無念で暫く放心状態になった。そういやアニキは、先週も「商談やら何やらで忙しい」と言ってスーツにジュラルミンケースで出勤してた。

この一ヶ月余りで私はアニキに物凄い影響を受けた。どんな短い付き合いにも必ず意味が有るというなら、アニキは私に様々なことに気付かせてくれた恩人なんだろう。酷い毒舌も灰汁の強さも嫌いじゃなかったけど、顔が好みのタイプではなかった(核爆)。

どこに居てもアニキ節を炸裂させていておくれ。

女将さんを相手にアニキの想い出話をするも、やっぱり寂しい。女将さんも、偏屈王の話などの時に「死ねばいいのに…」と吐き捨てるように呟くような人で、軽い毒を持っている。

今日は、アニキと女将さんと私の有毒人種三人組で毒の花やら悪の花を咲かせたかった。

満室になり作業室へ下りると、社員の特大氏がセットバッグを作ったり、リネンのコンテナを移動させたりして懸命に働いていた。私がフロントの時も、そうしていてくれるので本当に助かる。全くココの社員さん達には頭が下がる。

ふと見ると特大氏が怪しげな靴下をはいていたので、見せて貰うと「I?(ハート)おまえ」と書いた靴下だったので、硬派の特大氏らしい…と妙に和んだ。

帰り、X君からトド山さんが「私〜、みかやんに嫌われたみたいぃ」と言っていたと聞いた。嫌われただなんて、とんでもない。あたしゃ怖くて近づけないだけだ。たまにしか出勤して来ないのに、書き出したらキリがないぐらいのくだらない挑発とイヤミ攻撃にホトホト参ってましたから。

例えば、朝にトド山さんが、赤いジャージを着て出勤した私をチラ見してるなと思ったら、昼に私に聞こえるように他の人に「トシとると赤い服が着たくなるらしいよね。私はまだ赤い服は着れない。Cさんと#さんが赤いエプロンなのは、おトシだからなのかなぁ?あ、だとしたら赤いエプロン着なきゃなんない人、他にもいっぱい居るもんね〜」とか言いながら、また私をチラ見する。

こーゆーのって、第三者にはイヤミだと分かりにくくて、当人同士じゃなければ分かんないってところが、トド山さんの陰湿でタチの悪いところ。

こんな調子で、トシだトシだとイヤミを言われ続けて、最近老け込んだ気がしてきたので、ホントに怖くてトド山さんには近づけないし、出来れば声も聞きたくないってのが正直なところで、「嫌われたみたいぃ」だなんてよく言うよ。

それを言うなら「私の攻撃が効いてきて、みかやん弱ってきたみたいぃ」だろ。馬鹿馬鹿しくて、EさんやCさんにも言うのもはばかられる攻撃ばかりだけどさ。

フンだ!ムカついて攻撃したくなるほど、私が若々しくてお洒落で赤いジャージも良く似合ってて可愛らしかった(ええ?)ってことでしょ!トド山さんがジャージなんか着たら、女子プロレスラー風だろうし、性格的に間違いなくヒールだもんね。

こんな時、アニキが居てくれたら、胸がすくような毒舌でトド山さんをこき下ろしてくれただろうに。アニキ…も少し居てほしかった。
11:00-18:00 点検19+セット+回収+ルームサービス他

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)とアニキ(20代後半・ゲイ風マッチョ)が早番、Sさん(10代後半・初バイト)とUさん(30代後半・悪霊憑き)が遅番、シフトミスで朝フロントさんが居ないため私がフロントになった。

昼休みまでは平日並みの暇さ加減なのに、フロントが偏屈王とX君と私の三人で、かつてないほどラクだった。いつもこんな調子なら喜んでフロントをさせて頂きますわよ♪という感じ。

社員さんに言われて客室にリネン類の追加を届けに行くのも鼻歌まじりで、最上階の5号室へ着いたらば、出てきたのはクリストファー・リー似の吸血鬼氏だった。すかさず玄関を見ると、紳士靴が2足に女性の靴が1足、今日は3Pらしい。
http://diarynote.jp/d/26700/20070901.html

吸血鬼氏との対面もこれで三回目であるせいか「あ、どうもどうも♪」と、すっかり顔馴染みの挨拶をされ、「いつも手間かけるね。ありがとう♪」と満面の笑みでリネン類を受け取って下さった。

吸血鬼氏ったらまた昼間から生き血吸い放題ですか?と思いながら、X君とセットバッグを上げたり、社員の特大氏とセットバッグを作ったりしていたら、社員さんに「最上階の5号室にスキンのおかわりを届けて下さい」と言われた。また私かい?

何度もおかわりをされるのもキツいので、スキン8個にローションも追加してお届けに上がると、また吸血鬼氏が出てきて「いやぁ〜、あとでもう一人来ることになったもんだからさぁ〜」と、どこか誇らしげな照れ笑いを浮かべて頭を掻いていたけど、別に聞いてないし…(笑)。

吸血鬼氏クラスとなると、もはや1対1のセックスでは満足出来ないのだろう。

昼休み明けは売り部屋が5つしかなく、忙しくなった。こうなるとセット中の部屋にベッドメイク部隊が押し寄せてきて、フロント係が追われるパターンになり、焦る。

部屋からお客様が出てきたのが見えたので、その死角を走り抜け、セットバッグやらダスターやらを持ってセットに入ったが、その部屋にもすぐにSさんとUさんが押し寄せてきた。

急いで浴槽の栓を抜いたら、流れていくお湯の中で半透明の妙なモノが浮き沈みしているのが見え「ええ?何コレ?」と言ったら、すぐ後ろにUさんがいてソレを拾い上げてくれた。ソレはスキンで出来た水風船だった。

Uさんは拾い上げてから「ええ〜!何これ〜!」と驚いているではないか。相変わらずだ(萎)。

帰る前に最上階の部屋の点検に行った。外の暗さと元々の廊下の暗さと和な雰囲気がハーモニーとなって不気味だ。辞めたフロント可愛い人も「私、5時過ぎたら怖くて最上階へ行けないの」と言っていたが、ホントにそのとおりだ。

夕暮れの墓場はおどろおどろしいが、外人墓地だとそうでもなかったりする。私には最上階の和風な感じが時に怖い。点検を終え、逃げ帰ろうと怖々走っていたら、「キャーーッ!」「アーーーッ!」という女性の悲鳴が聞こえたので、驚いて転びそうになった。

全くもう。SM的なことをしてるんだろうけど、普通にセックスしてて絶叫マシーンにでも乗ってるような声を出されたら怖いよね。私が男だったらドン引きすると思う。

いつも思うけど、これが本物の断末魔の叫びだったりして、「そんなにイイんですか?そうですか…」と聞き流されたら、助かる命も助からないよね。ま、そんなことはないでしょうけど…。

やっぱり私も5時過ぎたら最上階には近寄らないようにしよう。

15日で退職予定だったアニキが明日で退職することになったそうだ。幸い明日はアニキと一緒に組めるので、しっかりとお礼を言おう。
11:30-17:00 本メイク7部屋+クイックメイク3部屋

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)とZさん(20代後半・昔の森尾由美似)、Cさん(60代前半・元看護師)と私の勤務。

出勤すると、EさんとCさんでワイワイとUさんの悪口に花を咲かせていた。「あの女、最近また口を返すようになって生意気でどうもなんない」という話だが、そんなことは私に言わせたら今に始まったことではないし、私が再三訴えてきたことではないか。

みかやん「私なんかこないだ、かくかくしかじかでUさんのセットのせいで、夜の金髪さんにギャンギャン怒鳴られて酷い目に遭いましたよ」

Cさん「あの時だら、わちらも呆れたもね!なんであの馬鹿がセットしてるのさ?有り得ないべさね!だから、あの馬鹿には無理だのさ」

Eさん「いつまで経ってもベッドメイクもままならない人に、今更セットさせたってどうなるんだか。あの日はあのクソ忙しい中、Sさんにもう1度セットの仕方を習ったんだってさ。それでもそんなことになるならお話にならないよね」

Cさん「セット1回習って、みんな見よう見真似で手伝ってるから分かりそうなもんだべさ。それでも”自信無い”って習い直して馬鹿丸出しでないの。そして習ってもヘマしてるんだからね。最悪だわ。わちなんかUさん本人に文句言ったもね」

Eさん「土曜日の夕方なんか忙しくて、うちら年寄りが走ってた中、あの馬鹿がのうのうとセット習ってたって聞いたら腹立ったもの!どうせ役に立たないんだからリネン折りでもしてろって!ホントにもう!」

Eさん&Cさん「冗談じゃないわ!」

そう言って二人で大笑いしていた。声を合わせて「冗談じゃないわ!」というのが、EさんとCさんの最近のブームらしい。

出動してから、萌えさんが退職したことを聞いた。Cさんの話によると「元々病弱なんだとさ」とのこと。綺麗な子だったけど、儚げな美しさというか、薄幸そうな雰囲気も漂っていた。我が班でたった1日働いただけで辞めてしまうなんて…。

みかやん「そうそう!#さんと萌えさんがベッド組んでる所へドリンクの補充に入ったら、#さんが”ちょっと!もっとそこ引っ張って!”とか”もっと綺麗にやって!”ってガンガンダメ出ししてたんだよね。こわ〜って思ったよ」

Cさん「#さんは$君にもそうだったべさ。自分の仕事ぶりを棚に上げて、よくもまぁ他人にそこまで言えるもんだってさ。ま、わちらは#さんの後輩でなくて良かったべさ。アレの後輩だったらとんでもない目に遭ってたわ」

Cさん「#さんはもうわちらに悪さはしないだろうからいいとして、問題はやっぱりUさんさ。アレだらホントムカつくもね!わちと組んだら遅くて遅くて、支配人から”遅いですよ”とか”本メイクしてるんですか?”って2回も注意されてさ。わちが遅いと思われてるべさ!冗談でないからね!」

みかやん「わちと組んだらUさんは見苦しいほど急いで走り回ってるよ。よっぽどわちに手伝われるのが癪に障るんだろうと思ってさ」

Cさん「どういうつもりなんだか聞いてみたいもね。相手によって全然違うってのもムカつくもの。わちば馬鹿にしてんだべさ!」

みかやん「や…Cさんには心を開いてるんじゃないの?」

Cさん「どこがさ!1つ注意したら10も言い返してきて、勝ったような顔してるんだよ!生意気で生意気で!最近だら偏屈王は休むトド山は休むで、その度にみかやんやSさんをフロントに取られて忙しい思いするけど、Uさんとメイクで残されるのも災難だからね」

Cさん「わちもみかやんぐらい若くて何でも出来てバリバリ働けるんだら、フロントの方がいいもね。だけどもわちは年寄りだし、Uさんみたいな者と残るよりしゃーないからね。最近わちホントに疲れるんだわ。三人勤務ばっかりだし、Uさんと一緒だし…クタクタだのさ」

みかやん「みんなクタクタだよ。フロントにもう一人、休まないでバリバリ働いてくれる若い人が居ればいいのにね。やる気も無い責任感も無いオッサンとオバサン二人だけじゃどうにもならないもの。二人で競い合うように休まれても困るよね」

Cさん「ホントだわ。メイクはもういいからフロントに新しい人を入れてほしいわ!」

最近みんながみんなピリピリしてる。些細なことで小競り合いになったり、朝から悪口合戦になってたり…。こんなのいつまで続くんだろうか?
11:30-17:30 本メイク5部屋+クイックメイク14部屋+点検

今日は、萌えさん(10代後半・超美形)が欠勤して、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)とZさん(20代後半・昔の森尾由美似)と私の三人勤務になった。

夕方、サクサクと三人勤務を進めていて、ふとモニターを見たら、フロントの人が点検をしなければならない部屋や、セットをしなければならない部屋が大量に溜まってきているというのに、偏屈王の姿がどこにもない。

私が今日のフロントだったら、取り敢えず点検だけでも何とかして売り部屋を作ってしまわなければ気が気じゃないと思うのに、偏屈王クラスになるとそんなことには動じないのだろう。

Eさん「偏屈王、さっきからずーっと居ないよね。点検もセットも溜まってきたから、また非常階段にでも隠れてるんじゃないの?」

みかやん「随分前にコンビニボックスの商品の入れ替えをしてるのを見たきりです」

Eさん「それは朝のA班さんが凄い勢いでやってたもの。大した残ってないと思うけどねぇ」

みかやん「あのオッサンにA班さん達と同じスピードで出来るとは思えませんから」

Eさん「そうだけど…」

そうこうしている間にも点検やセットの部屋が増え、偏屈王は非常階段で強迫観念に苛まれているか、”肝臓からくる疲労”を訴えて早退したのか、どっちかだと思った。

そこへフロントから電話が入り、私だけが呼ばれて階下へ降りた。

支配人殿「溜まってきたんで点検だけダーッとやっちゃって下さい」

みかやん「はい。それで…偏屈王は?」

支配人殿「あぁ、アレ、使い物にならなくてさ…」

みかやん「・・・やっぱりそうなんですか…」

社員の二宮和也似氏&電話番姉さん「あれ〜!”やっぱり”だって〜!」

支配人殿「・・・あの…冗談なんで真剣に受け止めないで下さいね」

みかやん「偏屈王は早退したんですか?」

支配人「いいや、居る、居る」

絶対に”冗談”なんかじゃない。口をついて出た支配人殿の本心に違いない。あまりのことに動揺して「私も冗談で言ったんですよ」と言いそびれてしまった。

点検を始めたところでバッタリと偏屈王に遭遇すると、奴はとても不思議そうに「あれ?フロントしてるんですか?」と聞いてきた。お前がこんなに点検を溜め込んでっからだろ!という言葉をグッと飲み込んで「いいえ。点検だけです」と答えて逃げた。

小心者の私なんかは点検の溜まり過ぎに恐れをなして、決死の覚悟で点検に臨もうとしていたところなのに、当の本職フロントの偏屈王がシラッとしていて萎えた。私らの怠慢でお客様をお待たせするようなことは有ってはならないのに、まるで危機感が無い。

どんなに忙しかろうと、自分が大事、自分の身体が大事な人だから、客や会社のことなんか二の次三の次で、まして私ら同僚のことなんか眼中に無いんだろうさ。

次の点検部屋へと急いで廊下を走っている時に、お客様と出会してしまったが、私は急に止まれない。制動距離の間にお客様は私に「お邪魔しました」と深々と頭を下げてくださった。咄嗟に「ありがとうございました」と、私もお客様以上に深々と頭を下げて通り過ぎた。

頭を下げてくださるだなんて勿体ない。物凄く恐縮してしまった。だけど、このような素敵なお客様が偏屈王なんかに頭を下げていたとしたら、もっと勿体なかった。

本職フロントの偏屈王が悠然と仕事をしている間、手伝いの私がバタバタしているのは割に合わない気もするけど、私はお客様のために頑張ろう。
11:00-18:00 点検15+セット+回収+ルームサービス+ダスター上げ他

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)とCさん(60代前半・元看護師)、Uさん(30代後半・悪霊憑き)と#さん(60代前半・元美容師)の勤務。Aフロントさんがお休みで私がフロントになった。

出動前の休憩室で欠勤明けの偏屈王が「メイクさん、今日はゆっくりやって下さい。私、身体がダルくて動けないんで…」と言ったが、EさんもCさんも思いっきり丸無視だった。

タイムカードを押して無言で引き継ぎ帳を読んでいた偏屈王に、社員の二宮和也似氏が「風邪はもう大丈夫なんですか?」と声を掛けたら、偏屈王はムッとして「私、風邪じゃないですよ!疲労です!肝臓からくる疲労です!(怒)」と答え"肝臓悪いんだ自慢"をしていた。

というか、欠勤明けなのに「すみません」とか「ご迷惑おかけしました」って一言が無いから、こうなるんじゃないの?学生が学校休んだのと違うんだからさ。それとも「俺は肝臓が悪いのに働いてやってるんだ」とでも思ってるんだろうか。

X君と出動してエレベーターの中で「偏屈王の奴、EさんにもCさんにもスルーされてたよね」と言って、二人で大笑いした。

途中、忙しくなったのでEさん&Cさんのチームに手伝いに入ると、Eさんが今朝の偏屈王丸無視の話を振ってきた。

みかやん「あの後、X君と大笑いしましたよ。二人ともカッコ良かったです」

Eさん「自分がダルいからゆっくりやれって何様さ?休んで出てきて”すみません”の一言も無いもんね。メイクからSさんやみかやんをフロントに取られて、うちらだって忙しい思いするのに」

Cさん「このクソ忙しい時にゆっくりなんてやってられないべさ!冗談でないわ!偏屈王が”すみません”も言わないから、馬鹿なトド山も真似して言わないもね!三人勤務ばっかりで、わちなんかクタクタだわ!」

みかやん「ホントさ。学生が学校休んだのと違うよね。なんぼ無能でも頭数に入れられてるんだから、仕事に穴を開けたら”すみません”ぐらい言えって」

Eさん「身体が悪い、休んで当たり前って思ってるんだったら辞めてほしいわ。身体も頭も悪い人に無理して来てくれ!なんて誰も頼んでないからね!辞めてゆっくり身体と頭を治せばいいんだわ!ホントにもう…」

Eさん&Cさん「冗談じゃないわ!」

みかやん「あはは!もう笑わせないでくださいよ。あ…こないだX君に”偏屈王ってメイク中の部屋の前で立ち聞きしてるから気をつけた方がいいよ”って言われたんですよ。気をつけなきゃ!」

Cさん「普通じゃないと思ってたけど、立ち聞きまでしてるのかい?最低だべさ!あの男だら本当に腐ってるもね!本当のクズだわ。終わってるべさ!」

Eさん「聞こえたっていいよ、本心だもん!だけど…立ち聞きだなんて、ますます気味が悪いわ。本物の変質者じゃないの?あぁなったらもう人間辞めた方がいいわ!」

その部屋を出るまでEさんとCさんは「クズオヤジ」だ「人間失格」だと怒っていた。

私は昨日転倒して腕と首と腰が痛い。泣く泣くダスター上げやセットバッグ上げをしていたら、X君が飛んで来て手伝ってくれた。有り難いことだ。私もX君やAフロントさんに何か有ったら全力でお手伝いさせて頂こうとは思うが、偏屈王やトド山さんに対しては、そんなふうには思えない。

これじゃイカンよね。私ったら人間が小さいよ。

痛む手を震わせながらルームサービスやら貸し出しのコスプレを客室へ届けに行ったら、今日は殆どのお客様がニッコリと「ありがとう♪」と言って下さった。

ラブホの裏側は物凄くドロドロしてるけど、そんなことは当然お客様には関係のないことで、偏屈王のことを考えていてイヤなオーラを発していただろう私を「ありがとう」という言葉が救ってくれた。

最後に偏屈王とX君と私の三人で協力して大量のセットバッグ作りをして仕事を終えた。無言だったけど…。
ラブホ489日目:転倒
11:00-18:00 点検24+セット+ルームサービス+回収他

今日は、Sさん(10代後半・初バイト)と#さん(60代前半・元美容師)と萌えさん(10代後半・超美形)が早番、Uさん(30代後半・悪霊憑き)とアニキ(20代後半・ゲイ風マッチョ)が遅番の勤務。トド山さんが転んで欠勤して、私がフロントになった。転んで欠勤て…。

どうせ場末のスナックで働いた後、うだつの上がらないオッサンと飲みに行って転んだんだろうさ。あんな巨体でフラつかれたら誰も助けられないもんね。分厚い肉や脂肪がクッションになって怪我とは無縁そうだけど、身体が重い分ダメージも大きいんだろうさ。あそこまで太った経験が無いから分かんないけどね。

そんな酔っぱらいの代わりにフロントだなんて冗談じゃないわよ!と思いながら、急いでセットをしていたら、ふいに身体が宙に浮いた後、床に叩き付けられるように落下した。

足の裏に泡がついたまま浴室入口の段差を下りたところで、思いっきり滑って転倒した。咄嗟に頭をかばい、右手首と肘の中間点を浴室の段差にイヤというほど打ち付け、見る見る間に青く腫れ上がってきた。

心の中でトド山さんを口汚く罵ったのが災いしたのだろう。右半身全部痛い。フロントへ行ったが湿布は無く、社員の二宮和也似氏に冷えピタを渡され、それを腕に貼った。

昼休みに$君にメールしたら「気をつけて下さい、それはトド山の祟りか呪いですよ。俺も23日はアニキの呪いで40度の熱が出て欠勤しましたから(笑)」とのことだ。トド山さんには気をつけよう…祟られる(汗)。

$君のお気に入りだったA班の萌えさんが今日からB班に加わり、退職した$君とは擦れ違いになってしまって残念だ。茶化そうと思ってたのに。

16時から物凄く忙しくなったが、フロントはX君と私だけ。私は右半身が痛くて思うように働けずに焦っていたら、天の助け!社員になった特大氏がセットや点検をして下さった。いつも、もう無理!と思った時に救世主のように現れて助けてくれるので本当に有り難い(感涙)。

特大氏やX君に老体を労られ、今日も何とか勤め上げることが出来た。帰ろうとした時にC班の金髪お姉様に呼び止められた。

「おたくの班に新しいフロントの人、入ったの?」と聞かれ、「いえ」と答えるや否や「先週の土日、酷い目に遭ったわ!モニターは点いてない、風呂のお湯は抜けてない、ポットにお湯は入ったまま、クソ忙しい土日に酷い目に遭ったわ!」と苦情を捲し立てられた。

金髪お姉様は自分の怒鳴り声に興奮するタイプなのか、更に「モニターつけてないって、おたくの班じゃ節電のためにモニターつけないの?うちの班は困るんだわ!」とギャーギャーで、みんな遠巻きに私達を見てる。

同じことをワイワイと言われ、私は飽きてきた(爆)。怒鳴られてはいるが、先週の土日は私はフロントをしていないので、どこか他人事のようにノラリクラリとかわすことが出来たが、この話いつ終わるんだろ?と思ったその時、C班のトシは若いがベテランメイクさんが駆けつけて下さった。

若いベテランさんは、金髪お姉様に「Bフロントに髪の毛クルクルの桑マンみたいなオッサン居るでしょ?あのオッサンが出番の時、そーゆーこと多いよ」と言って下さり、その一言で金髪お姉様も納得されたようなので、その隙に逃げ帰った。

C班の若いベテランさんは、いつも愛想が良く、とても謙虚で素敵な方だとは思っていたが、思いがけず助けていただいて感激した。偏屈王は確かに桑マン風ではあるけど(特に髪型)、あの偏屈王に似てると言われちゃ桑マンがちょっとお気の毒な気が…。

帰りのロッカーでは、Uさんが「これ肌色で気持ち悪い湿布なんですけど、良かったら使って下さい」と湿布一袋をくれた。

アクシデントは有ったものの、みんなに助けられて良い一日だった。

で、帰りに大変なことに気付いた。先週の土日といえば、Uさんが夕方からセットをしていたではないか。誰の仕業?と思ったらUさんだ(萎)。
11:30-16:00 クイックメイク15部屋

今日は、Cさん(60代前半・元看護師)とZさん(20代後半・昔の森尾由美似)、Uさん(30代後半・悪霊憑き)と私の勤務。

私以外は先日の歓送迎会に出なかったメンバーなので、トド山さんは皆が何も知らないとでも思ったのか大はしゃぎだった。やはりトド山さんはシラフでも大暴走出来る人だ。実際のところ本当に何も知らないのはZさんだけだろうに。

Zさんがクルマの免許を取ったと聞きつけて、トド山さんは「ドライブに連れてってよ〜。一緒に逆ナンドライブに行こ〜!逆ナンドライブ〜!絶対、Zさんと行きたい!逆ナンドライブ〜」と騒いでいて、ブ〜ブ〜うるさかった。

そりゃ美形のZさんと逆ナンしたら成功率は高いだろうけど…(以下自粛)。

トド山さんの大はしゃぎにつられたのか、出動するとUさんが妙なテンションで私に絡んできて、これがなかなか…(以下自粛)。

こんな時は自分の世界に入るしかない。ゴー!イントゥマイワールドだ。

アニキと私はエログロい話ばかりしているわけではなくて、真面目な話もしていて、真面目モードのアニキから「精神レベル」という言葉が度々出てきた。そう言えば我が家に精神レベルについて書かれた本が有ったはず…と発掘して読んでみた。

前回は、どうも宗教色を感じてあまり真剣に読んでいなかったけど、再読してみると宗教とは何ら関係が無いということが、あちらこちらに書かれていたので(最初によく読めよ>自分)安心したが、かなり身につまされる内容だった。

なぜ私はこうも次々と愚鈍さんやら偏屈王やらトド山さんやら、とんでもない輩と出会ってしまうのか?

その本によれば…精神レベルの低い人は、小さなことにいちいち腹を立てて文句ばかり言っていたり、愚痴っぽい生活をしているから、愚痴を言いたくなるような状況を呼び寄せてしまうわけで、自分の身に起こる嫌なことは全て自分の精神レベルの低さが引き寄せている…とのことだ。

あたしゃどんだけ精神レベルが低いんだか。分かってはいたけど、活字になっているのを見ると本当に目にしみたというか身にしみたというか…。というわけで今日は”(以下自粛)バージョン”で。

精神レベルが上がれば、イヤな奴のイヤな部分を見ないで済むそうなので、目の前のUさんにも腹が立たなくなったところをみれば、これでも多少は精神レベルが上がっているのだろう…と自分で自分を慰めてみた。

アニキは「こんな所」とか「この班には精神レベルを上げられるような人が居ない」というけど、精神レベルは自分で上げられるものらしいよ。でも、今度アニキに会ったら、前回の説教のことも含めて「いろいろなことに気付かせてくれてありがとう」とお礼を言おう。

昼休み、何を思ったのかZさんが「トド山さんて篠原涼子に似てますよね?」と言い、誰も返事が出来なかった。私は飲んでいたコーヒーが鼻から出そうになるし、ウトウトしていたUさんは驚いて顔を上げ、Cさんはポカーンとしていた。Zさんたら、今日はコンタクトを忘れたんだろうか?

Zさんは遙か彼方の物凄く高い精神レベルのお方らしい。あやかりたいものだ。

夕方、使用済みダスターを置きにエレベーターホールへ走っている途中、20代前半の女性客が一人で歩いてきたので、慌てて身を隠した。怖いことに、その女性は薄暗い廊下を一人で喋りながら歩いていたが、途中でハッとしたように後を振り返り「あれ?まー君?まー君!こっちだよ!」と叫んだ。

少しの間の後”まー君”らしき男性が現れたが、”まー君”は杖をついたお爺さんだった。
11:00-17:30 点検19+セット+ルームサービス+コスプレ回収他

今日は、Cさん(60代前半・元看護師)とSさん(10代後半・初バイト)、Uさん(30代後半・悪霊憑き)とA班の超ベテランさんの勤務。偏屈王が欠勤して私がフロントになった。

朝1でセットに入った部屋がとんでもなく荒らされていて、いきなりテンションが急降下した。ティッシュプレイなのか何なのか知らないけど、風呂も洗面所もトイレもティッシュだらけでウンザリだ。風呂で濡れたティッシュを拾うのはキモいので勘弁してほしい。

やれやれと部屋へ戻ると、テーブルの上もティッシュだらけで、それはまるで”何か”を隠しているかのようだった。心の中で「ゲ□じゃありませんように」と唱えながら恐る恐るティッシュを片付けるも何も無かった。このお客様が何をしたかったのか意味が分からない。

次にセットに入った部屋は、ビールの空き缶だらけだった。浴室、露天風呂、サウナ、洗面所、トイレにまで空き缶が転がっていて、その数は全部で18缶。いっそ1ケース背負って来れば良かったのに。

次の部屋はもっとタチが悪くて、テーブルの上にお茶のペットボトルが9本ほど有り、全て銘柄違いで殆ど飲み残されていた。飲み残しの中身を捨ててペットボトルを回収するが、9本とも蓋が固く閉められていて、蓋を開けて捨てるのに難儀した。きき茶のようなことは家でやって下さい。

そんなこんなでサクッとセットが済む部屋には当たらず、拾いまくり、集めまくり、捨てまくりで悪戯に時間が掛かった。

ようやく昼休みになったが大変なことに気付いた。今日は昼寝メンバーだ。

こないだアニキに「B班の何が不思議って昼休みに寝るって感覚が俺には分からないよ。”頭ん中、空っぽです”って言ってるようなもんだよね。実際そんなメンバーだけどさ」と言われ、「でしょう!私も信じらんない」と答えたけど、A班の超ベテランさんの前で昼寝は失礼だ。

これは困った。なんとしても頭からっぽの皆さんを起こしておかねば!と思ったが、フロント電話番姉さんも合流し、A班の超ベテランさんを中心に皆で賑やかに談笑出来て良かった。

途中、昨日で退職した$君が菓子折を持って来てくれたが、ホントに菓子折だけ置いて帰ってしまい、ろくに話も出来ず寂しかったが$君も照れ臭かったのだろう。

昼休み明けにセットをしていると「8××号室のコスプレ回収をお願いします。コスプレ2点です」とフロントから電話がきた。回収に行って手渡されたのは警察官とセーラー服の衣装だった。

何て言うか…警察官とセーラーって、嫌でもシチュエーションが浮かんでくる組み合わせじゃありませんかい?私あたりは嫌ではないので、2点の衣装を手にした瞬間から妄想しまくりで、妄想内容については多分あなたと同じようなものと思うので割愛しますが悪しからず。

またコスプレ回収の連絡が入ったのでワクワクしながら行ってみると、ナースの衣装1点のみだった。それはそれでいいんだけど、どうせなら男性にも手術着や白衣のコスプレをして欲しかった。タダなんだから借りちゃえばいいのに…。あ、ナースと患者の設定だったのかもね。

夕方、点検をしていると、部屋と洗面は綺麗で風呂とトイレがドロドロの部屋に当たり、その隣の部屋は逆に風呂とトイレはピカピカで部屋と洗面がめちゃめちゃなのが目立った。明らかにドロドロでめちゃめちゃなのはUさんの仕業だ。

UさんがA班の超ベテランさんのスピードについていけるわけがない。

それでもUさんはUさんなりに必死だったのだろう。今日だけは目をつぶることにして、Uさんの後始末をして回った。

Cさんチームが16時で早帰り、A班の超ベテランさんチームも16時半で早帰りになり、一人寂しくセットをして回ったが、そんな私も17時半で早帰りになった。
11:30-18:00 本メイク3.5部屋+クイックメイク22部屋+セット

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)と#さん(60代前半・元美容師)と私の三人勤務。偏屈王が欠勤してSさん(10代後半・初バイト)がフロントになった。

出勤するとEさんと#さんで誰かの悪口に花を咲かせていたので「Cさんですか?」と尋ねると「いや”脳”の方(Uさん)さ」と教えてくれた。脳の方って!「22日にUさんがセットしてるって聞いて呆れてたら、次の日の日曜も夕方からセットしたんだって。有り得ないよね」とのこと。

「クソ忙しい時に、あんなドンくさい女にセットさせたからって何になるんだか。だったらメイクじゃ要らないからフロント専属にしてほしいわ。欠勤ばかりのトド山さんと偏屈王と三人で一人分ぐらいにはなるんじゃないの?」とEさんは怒りを露わにしていた。

#さんも#さんで「トド山さんが”私〜社員の二宮和也似氏に酒やめろ!って言われちゃったのぉ。えへへ”みたいに、照れ臭そうというか自慢げというか、酒が強いことを褒められたみたいに言ってたの。違う意味も含まれてることに気付いてないのよ。滑稽だったわ」と呆れていた。

他に、CさんがUさんに直接「なんでアンタなんかがセットしてたのさ?」と言ったことなど、私が2連休の間の出来事を一通り聞かされてから出動した。

本メイクの途中から、朝のA班の超ベテランさんと私が組むことになった。途中から合流したにも関わらず、狼狽える私に的確な指示をしてくれて、物凄く頭の回転の速い方なんだと深い感銘を受けた。

このような立派な超ベテランさんが居るから、朝のA班の皆さんは志も高く仕事ぶりも早くて正確で、しっかりとしたプロ意識を持っているのだろう。それに比べて我が班は…(萎)。いずれ私も超ベテランさんのようになりたいものだ。

本メイクをする部屋が無くなり、三人に戻ってクイックメイクを開始した。

最上階のとある部屋に入ると強烈なアシガ臭(ワキガの仲間の”アシガ”という病では?と思うほどの足の匂い)が漂い、ベッド脇のゴミ箱付近には剥がれたロウソクのロウが散らばっていた。

みかやん「#さん!これって先週と同じ人じゃない?」

#さん「この匂い…間違いなわよね。先週も確か火曜日よ!先週は日月火と3連チャンで最終日に酷い目に遭ったって覚えてるもの」

Eさん「えーっ?先週もなの?こんな臭い足の人に毎週来られたらイヤー!」

みかやん「この手のプレイは、やはりア○ファインでやってほしいですよね」

また、ベッドを組む前にタップリとファブリーズをした。

犯人は、和室好きで、SM好きで、ロウソクプレイの上級者で、火曜日が休みらしい、そして足が臭い。この人が罪を犯して当ラブホへ逃げ込んだとしたら、警察犬に頼らずとも、私達が嗅ぎ付けられるってぐらいの足の匂いだ。

そういや最上階に着いたとたん、何かが目にしみるような感じや、きな臭いような感じがした。この人達が徒歩で来たのか車で来たのか知らないが、同じ車に乗るのもはばかられるアシガ臭で、腐った靴をはいているのでは?と思った。

こんな時にファブリーズ除菌プラスや、リセッシュ除菌EXは有り難い。

私だったら、良い印象を残してラブホ従業員に覚えられるならともかく、酷い足の匂いでラブホ従業員に強烈な印象を残してしまうのは自分でもキツいと思う。

というか、この人は自分が強烈なアシガ臭の持ち主であると自覚しているのだろうか?他人事ながら、この酷いアシガ臭の持ち主が若くて可愛い女の子だったら…と思うと胸が痛んだ(合掌)。

16時で朝のフロントさんが帰って、フロントがSさん一人になり、17時から私がセットを手伝うことになったので「病弱な老フロントはもう要らないから、屈強な若者に加わってほしいよね…」と三人で嘆いた。

三人勤務でバテてはいたが、可愛いSさんの為、必死で手伝った。
11:30-18:30 クイックメイク16部屋+ベッド1+リネン折り

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)とCさん(60代前半・元看護師)、Sさん(10代後半・初バイト)とUさん(30代後半・悪霊憑き)が早番、アニキ(20代後半・ゲイ風マッチョ)と私が遅番の勤務。

アニキに聞かれるまま、私の輝かしい(?)正社員時代の経歴を話した。エレガに始まり大抜擢に次ぐ大抜擢で女子社員憧れのエリート街道を突き進み、最後は支店の女子社員初の本店勤務を成し遂げた。

遠い目をしていたらアニキが猛然と「何故そのスキルを生かせる職に就かないんだ!栄転してきた人が何故こんな所に居るんだ!こんな所に埋もれてちゃダメだ!ここの班は特におかしい!」と怒り出した。

「こんな所と言うけど、ここで一緒に働いてる時点で私もみんなも同じじゃないの?」と答えたら、アニキは「こんな所をゴールと思っちゃダメだ!」とまた怒り、それからアニキの説教が止まらなくなった。

「トド山に何ヶ月も前から何着も服を貸したままだって?飲み屋で着る服が無かったにしろ普通は1回目の給料を貰ったら返すだろ。トド山は見た目もだらしない、男にもだらしない、勤務態度もだらしない、全てにだらしない女なんだ。あんな女にいい顔してたら、そのうち”金貸してくれ”って言われるぞ!」とのことだ。

アニキ「あの馬鹿女、X君にピザ奢ってる場合じゃないんだよ。服を返すのが先決だろ。俺は先週、X君に”ピザ食いに行ってもトド山に食われんなよ”と忠告したけど、どうなったんだか」

みかやん「X君だってトド山さんなんかに手を出すほど落ちぶれてないっていうか、女に不自由してないんじゃないの?」

アニキ「悪いけどX君はかなりの変人だよ。一緒に働いてトド山がどんな女か見抜けないって時点で馬鹿じゃん。ピザなんか食いに行って馬鹿丸出しだよ」

みかやん「X君はお育ちが良すぎて世間知らずな所が有るっていうか…」

アニキ「それとも小遣い稼ぎ?トド山なんかと出かけて、小遣い貰ってんじゃないの?」

そこへX君が部屋に入ってきた。

アニキは本人にも「X君てそんなに小遣い稼ぎしたい人?トド山なんかとピザ食いに行ったのも小遣い稼ぎでしょ?」と言った。私は慌てて「だからX君はお坊ちゃま育ちで世間知らずな所が…」と言ったが、X君は困った顔をしてコンビニボックスに商品の補充をして部屋を出た。

アニキはため息をついて「俺が言いたいのはX君はてんでガキで、みかやんが執着するような男じゃないってことだよ。あのガキにはトド山程度がお似合いさ。あの程度のガキにご執心だと、みかやんが物凄く安っぽい女に見えて損だって言いたいんだよ!」と言った。

そして「こんな所に長く居すぎて目が曇ったんじゃない?この班にはみかやんの精神レベルを上げてくれるような人も居ないし、朝のA班の人達と比べてあまりにも志が低いよ。空回りして疲れ切る前に真剣に転職を考えてみたら?」と言った。

最後に「服のこともトド山やX君のことも転職のことも、全部$君から聞いたよ。$君は”俺はガキで馬鹿で、みかやんにアドバイスなんて失礼だから、アニキからアドバイス的なことを言って貰いたい”って言ってたよ。X君なんかより$君の方が全然大人じゃん!」と教えてくれた。

アニキだって、どうでもいい相手ならここまでのことは言わないだろうし、口は悪いけどやっぱり悪い人じゃなくて良かった。幼い$君に心配かけてたことも気付かずに申し訳なかったけど、有り難くて涙が出そうだった。

アニキは”こんな所”と言うけど、あたしゃこの班で$君やアニキと出会えてホントに良かったよ。

感動しながら次の部屋へ移動したら、Uさんが一人でセットの練習をしていたので部屋を出た。EさんとCさんもその部屋へ入ろうとしたので「Uさんがセットしてた」と伝えたら、二人とも変な顔をして無言で立ち去った。

別の部屋へ移動すると、EさんとCさんが乱入してきて、口々に「なんでこのクソ忙しい時にあの馬鹿がセットしてるのさ!」「あんな馬鹿にセットなんか覚えきれないって!」「社員さんも何を考えてるんだか!」「メイクもままならない者にセットの練習させてどうすんの?」と大騒ぎだった。

私はこんなEさんやCさんを物凄く愛おしく感じた。$君やアニキとの別れも辛いけど、私がココを辞めてこの人達と別れるのも辛いかな?なんて思った。
11:30-18:00 本メイク4部屋+クイックメイク10部屋+ベッド1

今日は、Cさん(60代前半・元看護師)と$君(10代後半・ギター少年)、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)と私の勤務。25日で退職する$君と出番がかぶるのは今日で最後だったので、是非一緒に組みたかったが叶わず、クジ引きは時に無情なものだ。

出動前、EさんとCさんとで辞めたフロント可愛い人の話をしていたら、トド山さんが「可愛い人って誰だっけ?」と口を挟み「あぁ!年配なのにフロント頑張ってたオバチャンね!」とのたまった。可愛い人と私が同い年だと知っていて、わざと言ってやがる。

自分も30過ぎててどんだけ若いと思ってんだか。お前がつまんない理由で度々休むから、私が老体にムチ打ってフロントをしなきゃなんないんだろうが!最近じゃ私がフロントを代行しても「すみません」の一言も無いし、”当たり前”とでも思ってんのかよ!

とは思ったが、低レベルなイヤミしか言えないような低俗な女の戯言は聞き流すことにした。この程度のことで、またしたり顔をしたいのであれば、どうぞご自由に。

私より多少若いってだけで、30過ぎのデブのオバサンが”若さ”を武器にしてる時点で、ちゃんちゃらおかしいから。

他にも、私がケロロ軍曹が大好きだと知っていながら「ケロロ軍曹ってどこが可愛いいんだか分からない」とか、本当にしょうもないイヤミをかまし続けてくれたけど、恥ずかしくないんだろうか?あまりに幼稚だ。

義務教育は受けたんですよね?と聞いてみたい。

朝から休憩室にデブが居て暑苦しいと思っていたら、今日の最高気温は31度で9月の30度超えは86年ぶりという記録的な暑さだったそうだ。

出動して廊下を歩いていると、部屋から赤いエプロンに水色のポリバケツ(風呂掃除道具セット)を持った女性が出てきた。Eさんも私も「休みのはずの#さんが、何故こんな時間にこんな所に居るんだろう?朝のA班で仕事をしていたのか?」と思い、確認の為に接近した。

ところが近くでよく見たら、赤いジャンパースカートに水色でビニールのトートバッグを持った女性客だったので、慌てて近くの非常階段へ避難した。

全く紛らわしい。つい先日も紺の上下服の男性客が紺のツナギの特掃氏に見えたり、黄色のポロシャツを着た女性客がフロントの女性に見えたり、何度お客様に「お疲れ様です」と言おうとしたことか…。

それもこれもココの廊下が薄暗いせいだけど、ラブホの廊下が煌々と明るいというのもどうか?と思うよね。

昼休みもトド山さんはテレビを見ながらEさんとCさんを相手に「バンドの追っかけも20代までだよね」等と話していたが、明らかにターゲットは私だ。こんな調子で、いちいち過剰反応していたらキリが無いぐらいのイヤミの波状攻撃を受けた。

どうやら、トド山さんは私に「いいトシして何やってんの?」と言いたいらしく「いいトシなんだからX君に関わらないでよ!」というのがメインのメッセージなのだろう。

私はここまで恥も外聞もなく形振り構わず必死になれるほどX君が好きなわけではない。これからもずっと大切にしたい大好きな男友達が他に沢山居る。でも、トド山さんにも優しい言葉を掛けてくれるのはX君しか居ないから必死なんだろう。気の毒な人だ。

トド山さんのように芸能人の離婚や不倫などスキャンダルに強い関心を持っている人は”周りから愛されている人に対する無意識の嫉妬”や”幸せな家庭を持つ人への妬み”が強いそうだ。

私は、X君に仲良くして貰ってきたし、$君には慕って貰えているし、夫も居る、年長のEさんやCさんにもそれなりに可愛がって貰えている。自分では「もうトシだし」と自信を無くしていたけど、30代前半の人にも妬まれるほど幸せな環境に居たってことじゃないか。

そんなふうに頭を切り換えよう。私は幸せ者だ。友人達によく「アンタほど幸せなオバサンも他に居ない」と言われていたことも思い出した。思い出させてくれてありがとう>トド山さん。

職場で偏屈王やトド山さんのような人と出会って不幸だと思っていたけど、妬まれて久しぶりに自分は幸せなんだと思えましたヮ。トド山さんのお陰です。陰ながらトド山さんの幸せを願わせていただきますヮ。
11:30-18:00 本メイク4部屋+クイックメイク12部屋+ベッド1

今日は、$君(10代後半・ギター少年)と#さん(60代前半・元美容師)、Sさん(10代後半・初バイト)と私の勤務。昨日の歓送迎会に出席した$君と私は二日酔いでヨレヨレだったが、酒豪のフロント・トド山さんだけは誰より元気で喋り倒していた。

酒が大好きで若い頃からホステス一筋で叩き上げてきただけのことは有るようだ。だけど、昨日はトド山さんに女の醜い部分や汚い部分をイヤというほど見せつけられ、正直言ってドン引きした。仕事以外で関わりたくない人種だと思った。

出動してから廊下を一人で歩いている時に、トド山さんに呼び止められた。「私、昨日は酔ってて、みかやんに迷惑かけたかも知れない。ふふふ」と含みのある笑い方をしたので驚いて顔を見ると、”してやったり!”というような底意地の悪い笑みを浮かべていたではないか。

勝手にライバル視されてイヤミ言われ続けても困るって。30過ぎて、ませた小学生みたいな嫌がらせや挑発は止めてよね。小学生の間で流行ってる恋のおまじないを大真面目にやってそうで怖いから。

そもそもトド山さんは酔ってなんかいなかった。一人で居酒屋に行って1万円分も酒を飲むような女が、昨日のあれしきの酒で酔うものか。しかも、昨日のトド山さんは男子社員間の徘徊で忙しくて酒を飲むどころではなかったハズだ。「酔ってて」だなんてよく言うよ。

昼休みは休憩室で大演説して喋り疲れたのか、トド山さんは「はあぁ。眠い」と言った後、大きな身体で大きく伸びをしてから「今日も夜のバイト休もう。疲れた」と言ったので、思わず$君と顔を見合わせた。

この女は、そんな理由でいとも簡単にバイトを休むんだ。ココでも随分と欠勤が多いけど、欠勤の理由はその程度のものなのかい?と呆れ返った。昨日だって夜のバイトを休んで歓送迎会に出席したのに、何を言ってるんだか。

二日酔いやらトド山さんのことやらで胸具合が悪くなった。

帰りにラブホの外で$君が私を待っていた。「昨日、みかやんは二次会に来なくて正解でしたよ。トド山が更に大暴走して男に媚びを売って歩いてて、見ていてムカついて酔いもさめましたから!」と$君は興奮して二次会のことを話してくれた。

$君「あのブタ、俺に”私こないだX君に誘われて飲みに行ってきたけど、$君からは誘って貰えなくて寂しいなぁ。$君はみかやんばっかりだもんねぇ”って言いやがったんですよ!X君に誘われただなんてホラ吹くわ、みかやんに嫉妬するわ、最低ですよ!X君に、そういう女だから気をつけるように言ってやって下さい」

みかやん「私が言ったらヤキモチ妬いてるみたいに思われそうだし、X君が判断することだからねぇ」

$君「だけど、X君が陰で馬鹿にされて笑われるんですよ。某社員さんもトド山の暴走ぶりを見て俺に”女もああなったらお終いだからよく見ておけ!そして将来間違ってもあんな女に引っかかるな”って言いましたし、イケメン氏は露骨に”トド山マジムカつく!”ってブチギレてましたからね」

みかやん「確かに一次会でも”女もああなったらお終いだ”って姿で見ていてイタかったし、今日だってかくかくしかじかで随分意地悪な人だなぁと思ったけど、X君的には気にならないのかも知れないし。だとしたら私とは価値観が違うってことで…」

$君「みかやんになんてことを!すみません。俺、トド山を殴っていいですか?」

みかやん「ダメです(笑)。ま、私はあんな低俗な女の挑発に乗ったりしないから大丈夫だよ。X君にはそれとなくメールしておくわ。$君、ありがとね」

夜のバイトを休んでまで張り切って歓送迎会に参加したのに、みんなに呆れられ疎まれ可哀相な女だとは思うが、私を巻き込まないでくれ!って感じ。周りの私達の方がよっぽど「疲れた」。

次回からは、トド山さんがどんな理由で欠勤しようとも、私はもう信じないと思う。
X君宅&月影荘
今日の私のテーマは”思い出作り”だった。

今夜、社員のイケメン氏と社員になった特大君の歓送迎会がある為、夜にX君と待ち合わせる予定だったが、X君も私も休みだったのでX君宅へお邪魔することにした。

夏の偏屈王事件以来ココで働くことに限界を感じ始め、私の中で「この仕事は大好きだけどココじゃないのかも知れない」という思いが日に日に強くなり、もはや辞め時に迷っている状態だった。しかし後悔はしたくないので、精一杯働いて、良い思い出を残したい…と考えていた。

X君宅へお邪魔したのも、X君がどんな所でどんな風に暮らしているのか、最後に見ておきたかったからで、思い出作りの一環だ。とりとめのない話をしたり、X君が作ってくれた焼きうどんを食べたりして時は流れた。

歓送迎会会場の月影荘では、細長いテーブルの壁側の右角にトド山さん、対角線上の左角にX君と私が座り、向かい側は特大君とイケメン氏で、身体の大きな特大君が動き易いようにと、彼には通路側の角の席が用意されていた。

乾杯の後、特大君が席を立った隙にトド山さんが来た。まんまとX君の近くに来たようだが、イケメン氏に「ここは特大君の席だよ」と窘められたにも関わらず、そんなの関係ねぇ!とばかりに「私、こないだX君と飲みに行ったのぉ」と言った。私にも聞こえよがしだ。

トド山さんは、みんなの前でその一言が言いたくて仕方なかったようだ。イケメン氏は私の顔色を伺いながら、苦し紛れに「そんなことしたら、みかやんに殺されるのにぃ」と言ってくれた。

トド山さんは「みかやんに断ってから行ったもん!つか、みかやんも誘ったけど、急だったから行けなかったんだもん!X君宅でピザ食べようと思ったけど、一人暮らしの男の人の家に行くのも気が引けたから飲みに行ったんだもん」と答えた。

私はようやくトド山さんが私をライバル視していたことに気付いた。しかも恋のライバルらしい(寒)。

イタリア〜ンな店にピザを食べに行くもんだと思っていたが、トド山さんはX君宅でピザを食べようと考えていたようだ。「X君宅へ行くのに気が引けるのはアンタに下心が有るからでしょ?あたしゃX君とどうこうなろうなんて思ってないから、何の抵抗も無くお邪魔してきたよ」という言葉を飲み込んだ。

特大君が戻ると、トド山さんは「アンタ、あっち行きな!あっちのオバサン達が待ってるから!」と、自分が居た席を指差した。特大君は困惑の表情を浮かべたが、壁とみんなの背中の間を大きな身体を小さくして「すみません、すみません」と言いながら通り抜け、壁側の角の狭い席に大きな身体をねじ込んだ。

主役の特大君にそんな思いをさせても、自分がX君の傍に居られりゃいいのか?トド山さんの、なりふり構わぬ姿に呆れ果てた。こんなに必死な30代バツイチ女を初めて見た。特大君が不憫で腹が立ったが平静を装ってX君と話をした。

トド山さんがX君と私の会話に入ってこなかったので安心していたら、トド山さんは男子社員に個別に擦り寄り「○○氏、だ〜い好き♪」としなだれかかったり、トイレに立つ男子社員の手を引いてトイレに行っては暫く戻らない…というのを繰り返していた。

見ていて本当にイタかった。

あまりのことに少しも酔えず、普段は飲まないビールを呷った。そして…悪酔いした(萎)。

二次会へは行かず帰ろうとした時、トド山さんがX君を呼び止めた。「X君さぁ、こないだ言ってたことと話、違うよね?」と言ってX君と私の繋いだ手を睨み、恨みがましい目で私を見た。

トド山さんとX君が飲みに行った時「みかやんとはどうなの?」という質問にX君が「あんなオバサンと俺は何の関係もないよ」みたいな話になったことは容易に想像出来る。それをわざわざ私に聞こえるように言うのは、よほどの敵対心なのだろう。

トド山さんに言われなくてもX君が私をそう思ってるのは承知の上だ。職場で一緒に居る時に仲良くしてくれりゃいいんであって、私はX君と個人的に外で会いたいなんて思ったこともなかった。

X君を二次会会場へ送り届け「私は帰るから楽しんできて」と言ったが、X君は「行かないなら俺も行かない」と言って、結局、街の中を延々と歩くことになった。

こうして私の”思い出づくり”は終わった。トド山さんにぶち壊された感も有るけど、うちの班で楽しく素敵な思い出を残したい!なんて思った私が馬鹿だったと痛感した。
11:30-17:00 本メイク3部屋+クイックメイク10部屋

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)とUさん(30代後半・悪霊憑き)、#さん(60代前半・元美容師)と私の勤務。お陰様で#さんとの関係は完全に修復出来て、また和やかに仕事が出来るようになり、有り難いことだ。

#さん「そう言えば先週の日曜日、アニキが”$君もみかやんも休みで寂しい”って言ってたわよ。三人、仲良しなのね」

みかやん「や、アニキとは仲良しってワケじゃないけど、一緒に組んだらまぁ良く喋ってくれるわ。どんどん話を振ってくれるもの。しかも凄い勢いだからね」

#さん「$君は$君で”もうすぐココを辞めることになって寂しい”って。”忙しくて音楽から離れてたけど、みかやんにライブに誘って貰って良かった”とも言ってたわよ。二人とも居なくなると、こっちも寂しいわよねぇ」

みかやん「ホントさ〜。仲良くして貰ってただけに、かなり寂しいよ」

というか、オバとオバの間でクッションのような役割をしていてくれた漢(男)メイクの子が居なくなると、各オバからの攻撃をダイレクトに受けてしまいそうで怖い。何を勘違いしたのか、男目線を気にしてカマトトしてるオバまで居たぐらいだからね(寒)。

$君もアニキも人の好き嫌いがハッキリしているので、女目線と男目線の違いというか、彼らがどんな角度で職場のオバ達をチェックしていたか、よ〜く分かったので今後の参考にさせてもらおっと。

夕方、最上階のとある部屋へ入ると、ベッド周りの絨毯から強烈なアシガ臭(ワキガの仲間ですか?と思うような足の匂い)が漂っていたので、たまらずファブリーズしてからベッドを組んだ。

#さん「まだブーツの時期でもないのに、こんなに足が臭いのって、やっぱり犯人はオッサンかしらねぇ?」

みかやん「こんな臭い足の持ち主が女だったら、同じ女としていたたまれないし、若いイケメン君だったとしても哀しいよね。犯人は見るからに不潔なオッサンであってほしいよ」

なんて話をしながらベッドを組んでいたら、ベッドの傍らに某コンビニの白っぽいレジ袋が落ちているのを発見した。拾い上げると軽くて、中にシリアルでも入っているようにカサカサと乾いた音がしたが、袋の中には赤い物体が入っているのが透けて見えた。

赤いシリアル?否、もしや…!と恐る恐る袋を開けてみると、垂らされて剥がれたロウソクのロウだった。

みかやん「あらら、ロウだわ!そっち側のフローリングは大丈夫かい?」

#さん「床は全然大丈夫だけど、テーブルの上にはロウが垂れてるわ。所々光ってるもの」

何故だか知らないが最上階はロウの被害に見舞われていることが多い。床に剥がれたロウが落ちているならまだしも、酷い時は床じゅうに直接ロウが垂れていて、薄い色の床だとロウ自体は取れてもロウの色が点々と床に残ったりする。

その点、今回のお客様はマナーが良い。ちゃんとマイシートをご持参で、シートの上のロウを集めて捨てようとしていたのだろう。ロウソクプレイ上級者とお見受けした。でも足が臭い(萎)。

ひょっとして、この臭い足も武器の一つというか、SMプレイの道具として用いられたのだろうか?だとしたら最強で、やられた方は即NGワード連発だろう。

(先日、SMバーへ行った時、http://diarynote.jp/d/26700/20070909.html 初めてプレイをする相手とは予め”NGワード”というのを決めておいて、プレイの最中に、本当に無理!とか勘弁して!という場合にNGワードを言って貰う…と教えて貰った)

(ちなみに、SMバーで餅つきをされていた20女のNGワードは”ごめんなさい”で、20女が”ごめんなさい!ごめんなさい!”と叫んだところで餅つきが終了した。勉強になりました)

そんなことを思い出しながら、もう一度ファブリーズをしてから部屋を出た。この足の臭さは本当に「ごめんなさい」だった。
11:30-18:30 クイックメイク16部屋+リネン折り

今日は、Cさん(60代前半・元看護師)とUさん(30代後半・悪霊憑き)、Sさん(10代後半・初バイト)と#さん(60代前半・元美容師)が早番、$君(10代後半・ギター少年)と私が遅番の勤務。$君はとても気まずそうだった。

$君「あの…土曜日は誰と組んだんですか?」

みかやん「アニキと組んだけど心配しないで。焼肉の日の話なんか聞いてないから。$君がアニキの部屋でカチンカチンだったなんて、全然聞いてないからね(笑)」

$君「聞いたんじゃないですか〜。カチンカチンだなんて、変なことなんかしてませんからね!アニキの部屋に行ったと言ったら、みんながとんでもない想像をしてあっと言う間に噂になると思ったから言わなかったんですよ」

みかやん「そーゆーことは変に隠すと余計勘繰られるもんだよ。ま、どっちにしても、みんな物凄い妄想をしたと思うよ。うへへへ」

$君「や、だから何もしてませんて!何かあるわけないじゃないですか!」

みかやん「年に1度、札幌でレインボーマーチってゲイやビアンの人達のパレードがあるんだけど、メジャーじゃないのにアニキは凄く詳しくて”チン○を写メってコレクションしてる男友達が居るから知ってる”と言ってたけど、自分のことじゃないの?と思って。撮られなかった?」

$君「撮られませんよ!見せませんから!」

みかやん「だってアニキ、先週ずっと$君に”チン○見せてみろ!”って言ってたし〜(笑)」

$君「俺はゲイとか想像しただけで本気で寒いんですよ。やめましょう。寒いと言えば、朝のフロント女子が前に俺を誘惑した女にソックリで寒いんですよ。フロント女子が寒いという意味じゃなくて。あの人は綺麗なのにトド山なんかに”IKKOに似てる”と言われて不憫ですよね」

みかやん「フロント女子は昨日で退職で”皆さんに宜しく”って言ってたよ。明るくてイイ子だったよね」

$君「トド山なんかが一般女性にケチつけるなんてムカつきますよね。鏡と自分の腹を見てみろ!って言いたいですよ。あ…俺、アニキに似てきてますか?」

みかやん「アニキは一昨日もSさんとトド山さんのことで毒吐いてた。もう1隊がEさんとSさんとUさんだったんだけど”貧乳軍団の所へ行ってくる。B班てデブか貧乳かどっちかだよね”と言ってたよ。悪かったね、デブだし貧乳だよ!って思った」

$君「みかやんはデブでも貧乳でもないですよ。アニキの中でみかやんは馬鹿にする対象に入ってないんですよ。アニキはA班の人達とみかやんと社員さんの悪口は絶対言いませんから。しかしまぁ悪口言いまくってるアニキってオバサンみたいですよね」

みかやん「あはは!確かに!アニキのSさんバッシングが、Cさんのセリフと全く同じだったもの!オバサンみたいな感性だよね」

ふと、アニキはゲイの女役の方で、だからオバサン化してくるんだろうか?と思った(笑)そんなこんなで今日もアニキの話で持ちきりだ。

廊下の奥の部屋へ移動しようとしたら、手前の部屋から全身紺色の男性が出てきた。いつも紺のツナギで作業をしている特掃氏が特掃をしていたのだろうと「お疲れ様です!」と言おうとしたところで、お客さんだと気づき、慌ててエレベーターホールへ逃げた。

$君と異口同音に「特掃氏だと思った!」「お疲れ様です!って言うとこだった!」と叫んでしまった。なんて紛らわしい。二人で笑ったけど、背中には変な汗が流れた。やっぱり、お客様に「お疲れ様です」は無いよね。

笑った後、$君は「俺、あと1週間でココを辞めるんですよね。たった半年ぐらいしかココに居ないのに、辞めるのがこんなに辛くて寂しくなるなんて思ってませんでした。来月はまだ札幌に居るんで、暇な時は遊んでくださいね」とシンミリしていた。

残される方も辛いものだ。来週で$君が辞め、来月でアニキも辞めてしまう。キャラの濃い〜人達がいっぺんに居なくなると思うと私も寂しい。でも、東京で$君の夢が叶いますように…音楽の世界で大成しますように…と祈っているから頑張っておくれ。
11:00-18:00 クイックメイク19部屋+リネン折り

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)とSさん(10代後半・初バイト)とUさん(30代後半・悪霊憑き)、アニキ(20代後半・ゲイ風マッチョ)と私の勤務。早速アニキに聞いてみた。

みかやん「$君と焼肉食べた後って真っ直ぐ帰ったの?」

アニキ「いや、$ちゃんは俺の部屋に寄ってったよ。部屋に入ったとたん、$ちゃんたらカチンカチンになっててさぁ」

みかやん「ええっ?どこが?」

アニキ「俺の部屋、間接照明やら高価な酒のビンやらベースやら、高額でデリケートな物が多いからさ、$ちゃんは緊張して座ってたよ」

あぁビックリした。カチンカチンだなんて、$君たら期待で股間を膨らませてたのかと思った。アニキが「高価」とか「高額」と誇示したいが為に、私の「どこが?」という妙な質問をスルーしてくれて良かった。

$君がアニキの家へ寄ったことを隠すところをみれば、やはりナニかあったのだろう。さすがに怖くなって、それ以上は聞けずに話題を変えた。

みかやん「先週、Sさんのこと茶化して遊んだでしょ?」

アニキ「あぁ、Sティーね。ちょっとからかったらギャーギャー騒いで面白かったよ。あの子は男に全く免疫が無いね。つか、あの性格でも見た目が良きゃいいけど、アレじゃ男は近寄らないよね」

みかやん「可哀相に。面白がって散々からかったんでしょ?」

アニキ「だってさ、アレで”友達はギャルが多い”って言うんだよ。嘘だよね?ギャルはあんなの恥ずかしくて連れて歩けないって。それにSティーに、いつメールしても次の日の朝9時頃まで返信が無いんだよ。若者らしくない!」

みかやん「なんだかんだ言ってSさんにマメにメールしてんじゃん!」

アニキ「や、せっかく若いのに男の影が全く無いってのも気の毒でさ。からかいついでのボランティアみたいなもんだよ。俺がまともに相手するような子じゃないって分かるでしょ?俺の守備範囲に馬鹿とガキとブタは入ってないからね」

これが中途半端だと、なんて鼻持ちならない奴!と思うところだけど、毒舌もここまで酷いと笑えてしまう。

それでいてアニキは自慢話も好きで「俺はクリスマスに外でメシ食ったことないんだよ。最高級の食材を調達して全部自分で料理するんだ。俺は、俺以外の人間を台所に立たせないからね。その辺のシェフよりスパイス類も取り揃えてるし、一般人には使いこなせないよ」とのことだ。

アニキは「高額」「高価」「高級」という言葉がお好きなようだ。

今日は朝から大雨で、”天気の悪い日はラブホが儲かる”という噂どおり満室だった。忙しいので廊下を走っていたら、フロント・トド山さんに呼び止められた。

「今日、飲み屋の給料日だって話をしたら、X君に”ピザ食べたいね”って言われちゃって…あ、みかやんも行く?でも無理だよね。旦那さんいる人に今日言って明日って無理だよね。それに明日みかやん休みだよね。ピザの為だけに夜に出てくるなんて無理だよね。旦那さん居るもんね」とのこと。

これって「来るな!」って言ってんのと同じだよね。何が言いたいんだか知らないけど、何だか感じ悪いよね〜と思っていたら、アニキが黙ってなかった(笑)。

アニキ「トド山は、あと20キロ痩せるまでピザなんか食っちゃいけない身体だろうに。X君はデブ専かい?あんなのと出かけられる男の気が知れないね。X君、ピザと一緒にトド山に食われちゃうんじゃないの?俺なら奢られるとしても断るよ。時間の無駄!」

みかやん「や…(そういう貴男は焼肉のデザートに$君を食ったでしょ?)」

アニキ「ブタとピザ食っても美味くないって。トド山って芸能界のスキャンダルしか話題が無いような薄っぺらい女でしょ?話、保たないよね。どうせメシ食いに行くなら、自分の精神レベルを上げられるような相手と実りの有る会話を楽しみたいもんでしょ?」

みかやん「ま、そうだよね」

アニキ「猫にまたたびじゃないんだから、ブタにピザはヤバいよ。X君は何を考えているんだか」

帰りにX君に「明日、トド山さんとピザ食べに行くんだってね」と聞いたら、「あぁ何だかあの人、そんなようなこと言ってましたね」とのことで、X君は「ピザ食べたいね」とは言ってないそうだ。トド山さんが何を考えてるんだか、さっぱり分からない。
11:30-16:00 本メイク4部屋+廊下掃除+リネン折り+セットバッグ上げ

今日は、Cさん(60代前半・元看護師)と$君(10代後半・ギター少年)、Uさん(30代後半・悪霊憑き)と私の勤務。気になって気になって仕方なかったので、早速$君に聞いてみた。

みかやん「アニキと焼肉食べた後、どこか行ったの?」

$君「や…ど、どこも行かないですよ」

みかやん「なぁんだ。てっきりヤバめの場所へ連れ込まれたと思ってたのに」

$君「ヤバめって例えばどんな所ですか?」

みかやん「例えば…?ベッドが有るような所」

$君「ま、真っ直ぐ帰りましたよ。ギ、ギリギリ…ギリギリ大丈夫でした」

そう言ったきり$君は無言になって”これ以上聞かないでくれオーラ”のようなものを発していた。

怪しい…というより明らかに嘘だ。このごろ、若い子の嘘や隠し事がすぐ分かるようになった。Sさんがひた隠しにしてることも、とっくに気付いてるけど知らないフリをしている。

私がSさんや$君ぐらいのトシの頃、親に嘘をついてもバレバレだったってのがよく分かるよ。や〜ね〜、私もトシだわぁ。

やっぱり$君はアニキに”ベッドが有るような所”へ連れ込まれたのだろう。そういやアニキは「ケツの穴、拡張するぞー!」と言っていたから、拡張されたのかも知れないし、「ギリギリ」ってことは寸止め…あらイヤだ!寸止めだなんて私ったらお下品だわ。

って「ケツの穴」とか言ってる時点で十分、下品だから。

変に隠されると、あーあー、$君たらアニキに食われちゃったんだ…と思うよね。絡み合う男と男…重なり合う筋肉と筋肉…(中略)…そして、むせ返るような白子臭(官能的な文が書けないのでいきなりフィニッシュ・苦笑)…ダメだ、妄想が止まらない。

だって暇なんだもの!

今週はずっと暇気味で早帰りばかりだったけど、その中でも今日が一番暇な感じで、昼休みにCさんが「今日も早帰りだわ。せいぜい4時まででないかい?」と言っていたが、本当にそのとおりになった。

てなわけで今日ベッドメイクをしたのは4部屋のみ。体力を持て余して帰ることになった。気になるアニキと$君のことは、明日まで待ってそれとなくアニキに聞いてみよう。

私がロッカーで着替えている間に、$君は逃げるように帰っていった。私の追求から逃れるためなのか、アニキと$君とのことをそっと見守ってほしいのかは謎だ。

今日は$君と組みたかった。
11:30-17:00 本メイク4部屋+クイックメイク11部屋

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)とSさん(10代後半・初バイト)と私の三人勤務。私の中でベストメンバーと思っている三人なので、非常に働き易いし喜々として仕事が出来る有り難い日だ。

昨日、Uさんが社員さんに「最上階の壁からディスプレーが外れて倒れていたので、はめ込んできましたが、後で確認をお願いします」と言うべきところを…。

「さっき〜三人で〜最上階を歩いていたら〜後で〜カタンと音がしたから〜振り返ったら〜ディスプレーが外れてて〜一応〜はめ込んできたんですけど〜二人がもう先に〜エレベーターまで〜歩いてたから〜ちゃんと確認出来なくて〜だから〜」と延々と語っていた。

社員さんも早く話を切り上げたいようで「はい、はい、分かりました。後で見ておきます」と言っても、Uさんは「それで〜場所は〜3号室と〜5号室の間で〜私〜忘れるんで〜メモして〜」と、聞いちゃいられない有様だった。私だったら、つまみ出してる。

社員さんは笑えなかっただろうけど、Eさんと私は大ウケで、朝からずっと二人で昨日のUさんの物真似をしては大笑いしていたら、Sさんに叱られた。

Sさん「もーっ!二人とも、その喋り方、怖いんでやめて下さい!」

Eさん「だって〜私〜頭悪いから〜こんなふうにしか〜伝えられなくて〜。幼稚園児でちゅ〜。ブリッコも〜してるんです〜」

みかやん「社員さんは〜お忙しいんで〜簡潔に〜伝えないと〜ダメですよね〜ということを〜昨日〜彼女は〜私達に〜教えて〜くれたんですよね〜」

Sさん「もーっ!ホントに怖いんですってば!ところで、ソレ誰の物真似なんですか?」

Eさんも私も脱力したが、さすがに”Uさんの物真似カマトトバージョン”とは言えなかった。

今日はやけにふくよかな女性客が多かった。そのせいかどうなのかは知らないけど、最近になって貸し出しコスプレの中でも人気のセーラー服にXLサイズも加わり、今日も業務用エレベーターの中にXLサイズのセーラー服が掛かっていた。

先日も同じ物を見てアニキと$君が「ブタにセーラー服着せてどうすんだよ!」だ「ブタはセーラー服着ちゃダメですよね」だ「きっとエクストララージなオバチャンだよ」だ「ブタってだけで既にコスプレだ!」と怒ってた。怒んなくたって…。

ブタという言葉が私に突き刺さった。でも、私が激太りを気に病んでいた時、天下の女たらしのM君は「男は圧倒的にポッチャリちゃんが好きなのに、ほんの一握りの痩せ好きの男の為に痩せてどうするの?みかやんは今ぐらいが丁度いいよ♪」と慰めてくれた。

そんなことを思い出しながら、ベッドメイクを終えた部屋を出ようとしたら、前方に黒い大きな影。身の危険を感じて隠れると、姉妹か双子か分からないけどよく似たエクストララージな女子2名と、ガリガリに痩せた男子1名が、こともあろうにココで一番狭いタイプの部屋へ入っていった。

ガリガリ君にしたら両手にブタ…いや、両手に花なんだろうけど、XLシスターズがガリガリ君の腕にしがみつくように歩いてるもんだから、壊れる寸前のやじろべえみたいだった。

そうそう、世の中にはデブ専も多いのよ。アニキも$君も「ブタ」だなんて酷い言い草だわ。けど、ガリガリ君が圧死しませんように…と祈らずには居られなかった。

それにしても物凄い3Pを見た。フロント色っぽい人が”トド山さん”なら、あの二人はクジラ姉妹だ。それが、よりにもよって一番狭い部屋へ入るなんて。おぞまし過ぎて妄想できない。最近の私には妄想癖がつき始めているので、断ち切ってくれてありがとうだ。

怖い怖い。私もSさんの若年性怖い怖い病が伝染ったのかも?あ…私の場合は老人性だった。
11:30-17:30 クイックメイク26部屋

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)とUさん(30代後半・悪霊憑き)と私の三人勤務。今日と明日は、勤務表上では特大君も居て4人勤務だったが、特大君が社員になった為に三人勤務に変更になった。

そうじゃなくても三人勤務は慌ただしいというのに、無駄に走り回る者(Uさん)が居て萎えていたら、Eさんが頭を指差してから腕を振って走るジェスチャーをして首を横に振って顔をしかめた。

口に出しては言えないが「また脳病みさんが走ってる。放っておこう」という意味なのだろう。勝手に走らせておくことにした(苦笑)。

Eさんと私は、自分のペースでいつもどおりきっちり仕事をしていても、走り回っているUさんに遅れをとるということはまず無い。だからUさんの走りは無駄なんだってば…と思いながら、トイレのドアを開けたら言い知れぬ違和感を覚えた。

パッと見、普通のトイレだが”何か”が違う。よく見たら、トイレにはナプキンと一緒にタンポンを置いてあるはずなのに、タンポンではなくてスティックシュガーが置いてあった(萎)。

食器棚には最初からスティックシュガーが2本入っていたので、お客さんの悪戯ではなくて、ベッドメイク係の置き間違いということだ。メイク道具バッグからタンポンを取り出したつもりで、スティックシュガーを掴み、タンポンだと信じこんで置いたのだろう。

我が班の某ウッカリさんように、無駄に慌てまくると犯しそうなミスだ。自分がベッドメイク係の時はもちろん、フロントの時もしっかり点検して、トイレにスティックシュガーを置いたまま売り部屋にするようなことがないよう、気をつけなければ!

と言うか…お客さん、すまぬ。スティックシュガーとタンポンと形状は似ているけど、この部屋を使ったお客様は気がついたのだろうか?決してウケ狙いではなかったけど、笑って許して頂けたのだろうか?

「あら!生理になっちゃったわ。タンポン貰いましょっと」と、タンポンを使おうとして砂糖がダーッとこぼれたら、笑えないよね。私のミスではないにしても何だか胸が痛んだ。

以前も「どうも何かが違う」と感じていたら、壁掛けのお面の目にティッシュが詰められていたことがあった。違和感を覚えた場合は、必ずどこかがおかしげなことになっているので心して確認しよう。

次の次の部屋でお風呂メイク中、拭き上げダスター(使い古しのバスタオル)にマジックで何かが書かれているようなので広げてみると、ダスター一面に大きな似顔絵が描かれていて、しかも”ミスター○○”と名前入りだった。

見たことも聞いたこともない人だったけど、多分似顔絵は似ているのだろう。妙に和んだ。

そこへ、フロントから「4P部屋の予約が入ったので、その部屋のベッドメイクを中断して、先に4P部屋のベッドメイクをして下さい」と連絡が入った。Uさんは「えええ〜。土曜日もそうだった」と嘆いていたが、行かないわけにはいかない。

4P部屋は狂気さえ感じるほど荒らされている場合が多い。変に集団心理のようなものが働くのか、みんなで荒らせば怖くない的な荒らされ方だったりもする。腹を括って4P部屋へ行ってみたら、あまりにも綺麗で拍子抜けした。

リッチでお育ちの良いお客様が、高価な4P部屋で優雅にお二人でご利用になった場合などは、今回のように綺麗にご利用頂いている。大変有り難いことだ。

トイレにスティックシュガーが有ってもクレームを入れずにいて下さったお客様、4P部屋を綺麗に使って下さったお客様、素敵なお客様方に感謝。

< 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 >

 

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

日記内を検索