(1からつづく)

馬鹿馬鹿しくてなんだか笑えてきた。この部屋の点検をさっさと終わらせて別の階へ避難しようと、バタバタと点検をしていたら、また偏屈王が来て今度は「うるさい!怒りに任せてバンバン音を立ててやらないで、静かに点検したらどうだ!子供じゃないんだから!」と金切り声を上げてきた。

来たーっ、男ヒステリーだよ。ピンポンピンポンって何回、私が居る部屋に来るんだか。偏屈王のこういうイヤラシさやおぞましさには本気で吐き気がしてくる。そんな暇が有るならセットの一つも終わらせてくれや。

努めて冷静に「なんなんですか?私にセットさせたいなら、そう指示して下さい。セットもかなり溜まってますよね?」と言ったら、「俺には俺のやり方があるんだ!」と大声を張り上げ、その声が廊下に響き渡った。お前の声の方がよっぽどうるさい。

このオヤジ、遂に壊れやがった…つーか元々壊れてるんだよね、ふっ。「分かりました。この旨を伝えて支配人殿の指示を仰ぎます」と言い残し、一礼して階下へ降りた。昨日は「心身共に不健康でお気の毒だと思えば腹も立たない」と思ったけど、やっぱりムカつく(哀)。

支配人殿に「かくかくしかじかで、あーゆー人、どーすればいいんですかっ!」と直訴した。

支配人殿「あの人、時々変だよね。仕事遅いし…」

みかやん「時々じゃないですよ、もーっ!」

支配人殿「あの人には変なプライドが有るから、誰が何を言っても聞く耳を持たないんだよね…じゃ今日はもう上の階に上がらなくていいんで、#さんとリネン折りますか?」

みかやん「はい。申し訳ありません」

そこまで分かってるなら、あのオッサン何とかしてよね…と思うが、そんなことを支配人殿に言えるわけもなく、すごすごとリネン折りを始めた。でも腹の虫が治まらない。

その場に居合わせた#さんと電話番姉さんに「今かくかくしかじかで、あのクソオヤジが…」と訴えたら、二人とも「そりゃ〜みかやんも怒るわ」「酷い言いがかりだ」「あのオッサン、いよいよ惚けたかい?」と言ってくれたので、少し落ち着いた。

偏屈王にイヤミなほど冷静な受け答えをして自分でも生意気だとは思うけど、私も激昂すれば取っ組み合いになりそうだし、言葉を選ばないとつまんない揚げ足を取られて論点をズラされるのが目に見えてるもの。

随分耐えてきたけど、もう無理だ。想い出作りも終えた、ココではラブホQで習得出来なかった本メイクやフロント補助係の仕事も体験できた、世の中にはどうしても理解できない人間も居るということも学んだ。もう十分じゃないか。

ココで学ぶべきことは学んだ気がするのは傲りだろうか?もう、今まさに潮時なんだと思いたい。辞め時に悩んできたけど年末の忙しくなる前に退職しよう。

(でも辞められませんでしたから…)
11:30-18:00 クイックメイク14部屋+点検+リネン折り

今日は、Cさん(60代前半・元看護師)とUさん(30代後半・悪霊憑き)、#さん(60代前半・元美容師)と私の勤務。珍しくSさん(10代後半・初バイト)が欠勤して、代わりにSさんから連絡を受けたUさんが出勤してきた。

そうじゃなくても偏屈王とトド山さんが交互に欠勤している中で、自分まで欠勤するわけにはいかないと考えたらしい。Sさんも私と同様に偏屈王やトド山さんに代わってフロントをしてきた人だ。若いSさんが病に倒れたことで、私は大打撃を受けた。

次は私が病に倒れる番かも?だから社員の二宮和也似氏が「無理しないで下さい」と言っていたのかも?ひゃ〜、どうしよう!

夕方、セットをする部屋や点検をする部屋が溜まってきた頃、支配人殿から「階下へ降りてきて下さい」と連絡が入り、#さんはリネン折りをするよう言われ、私は「溜まってきたんで点検だけバーッとやっちゃって下さい」とのことで、16時から点検をすることになった。

最上階の点検へ向かうエレベーターで、各階のエレベーター前に補充用のドリンク置きをしている偏屈王と乗り合わせ「あれ?フロントするの?」と聞かれたので「いいえ(フォルテ)点検だけです。支配人殿に”点検だけバーッとやっちゃって下さい”と言われて上がってきました」と答えた。

これで、偏屈王がどんなに馬鹿でも「じゃあ俺様はセットをすればいいんだな」と分かるハズだ。

ところが、最上階で点検をしていると部屋に偏屈王が来て「この階には俺が居るんで、他の階へ行って」と言ってきて、あろうことか偏屈王も最上階の部屋の点検をしていた。

出た、真性馬鹿だよ。「俺が居るんで」って私が先に最上階の点検をしてたじゃん!理不尽だとは思ったが、反論せずに私が別の階へ移動した。

偏屈王はとにかく無駄に話の長い男だ。私が一つ意見すれば十の意見が返ってくるが、理に適った説得力の有る意見など返ってきた試しが無い。偏屈王のそういう底の浅さを夏の偏屈王事件の時にイヤというほど見せつけられたので、反論するだけ無駄だ。

別の階の部屋で点検をしていると、そこにも偏屈王が現れ「う〜ん。だからさ、この階にも俺が居るんで他の階へ行って貰えないかな?というのは、同じ階に二人のフロントが居るのは無駄なワケで、同じ階に別のフロントが居たら、その階は任せて違う階へ移動するって考え方や動き方をしてほしい」と言ってきた。

露骨に私を馬鹿にした響きを感じるけど、さっきから私の後をついてきてるの、お前だろ!お前が他の階へ行けよ、つか、セットしたらどうよ?という言葉をグッと飲み込み「あのぅ…私…支配人殿に(スタッカート)点検だけをするよう(メゾフォルテ)言われてきたんですけど…」と言ってみた。

すると「う〜ん。だからさ、この階にも俺が居るんで…(ダカーポ)」と、さっきの話を最初から反復してきた。話にならない。土日にフロントが4人居る時でさえ、偏屈王が居る階には誰も近づかないのが現状なのに。まるで分かっちゃいない。

どうやら偏屈王は持論を振りかざして私をアッと言わせたかったというか「なるほど。偏屈王さんは頭いいですよねぇ。さすがです」などと言ってほしいらしい。賞賛に値するほどでもない陳腐な意見を述べたいが為に、ワケの分からない行動に出られたんじゃ甚だ迷惑だ。

点検もセットも溜まりきっているというのに、偏屈王には相変わらず危機感というものが全くない。私一人でも頑張るから、せめて邪魔しないでくれ!という感じ。これ以上ダカーポされて悪戯に時間を割かれても苛立つだけなので「分かりました」と言って部屋のドアを閉めた。

(つづく…というかつづいちゃう)
ラブホ513日目:白子
11:00-18:00 点検46+セット+回収+ルームサービス他

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)とCさん(60代前半・元看護師)とZさん(20代後半・昔の森尾由美似)の三人勤務。トド山さんが欠勤して私がフロントになった。

朝からEさんとCさんとで「毎度毎度、メイク係のみかやんやSさんをフロントに取られてたんじゃ12月は乗り切れない」とか「今こんなんじゃ年を越せないわ。わちらなんかあの世逝きだ」とか言って、最後は「やってられない!」と投げやりになっていた。

一足先に出動すると、朝のA班の新人メイクさん(厚着さん・20代前半)がフロントデビューで、A班の大ベテランフロント女史にセットを教わっていた為、私はセット以外の仕事をすることになった。

大ベテランフロント女史に直接ご指導頂けるだなんて羨ましいことだ。私は偏屈王に教わったけど、どうも亜流な感じが否めないというか、辞めたIKKO似のフロント女子が嘆いていたとおり、偏屈王は自分のやり方や独自のルールを後輩に押しつけるだけという印象が強い。

なので事ある毎に大ベテランフロント女史を捕まえては「これはこうですよね?」「あれはあぁですよね?」と質問ぜめにしてしまうが、大ベテランフロント女史はきちんと時間を取って懇切丁寧に指導して下さる。

偏屈王の場合は、他人が自分の思いどおりに動かないと、自分自身が不安で身動きが取れなくなってしまうようなケツの穴の小さい男なんだろう。心身共に不健康でお気の毒だと思えば腹も立たない。

あ…アニキ(20代後半・ゲイ風マッチョ…というか多分ゲイ)がココで働いていてくれてた間に、偏屈王のケツの穴を拡張して貰えば良かったよ。あらら、私ったらお下劣。

ココに$君が居てアニキが居て、アニキが$君に「こらー!ケツの穴、拡張すんぞー!」と叫んでいた頃が無性に懐かしい。当時も偏屈王やトド山さんは相変わらずだったけど、アニキも$君も最強の私の味方で本当に心強くて、偏屈王やトド山のことなんか苦にならなかった。

でも今は苦になる。

偏屈王やトド山のことを頭の中から追い払いたいから、フロントの仕事を体得しようと躍起になってるところで、妙に向上心に燃えているのもそのせいなんだと思う。

お昼に、函館カリフォルニアベイビーのシスコライス弁当を食べた。今朝、ローソンで見かけて懐かしさのあまり即買いしてしまった。一口食べたら懐かしさが込み上げてきて「帰りたい…」とホームシックになった。

16時にA班の厚着さんと大ベテランフロント女史がお帰りになり、セットをすることになった。

それほど忙しくない状況だったので、うすぼんやりとセットをしていたら、使用済みスキンを踏んづけて滑るわ、ベッドを剥がしていてよろめいたら手をついた所に白子(精液)が零れていて滑るわ、浴室にローションが垂れているのが見えずに思いっきり滑るわ…滑りまくりだ。

アブナイじゃないの、自分。Cさんじゃないけど、浴室なんかで滑って転倒して打ち所が悪かったらあの世逝きよ。松本氏のすべらない話DVDを見てるから大丈夫ってことじゃないのよ。

そうだった。決して油断ならない仕事をしているんだった。部屋のどこにウン○やゲ□が潜んでいるか分からない。ここは気を引き締めて…と思うが、久々に他人の白子が手に付着して気持ち悪いやら萎えるやら(寒)。

ま、”他人の白子”つっても、自分オンナなんで”自分の白子”ってことは無いんすけどね。

いつもは昼休み明けからクイックメイクになり、三人勤務だと1部屋のベッドメイクが10分程度で終わる為、その間にセットを1つして点検を2つして…と忙しい思いをするが、今日は午後から本メイクになったので、1部屋に30分かけて本メイクをして貰っている間に色んなことが出来て助かった。

普段からこのぐらいの余裕を持ってフロントの仕事が出来ればいいのだけど…やっぱり仕事量が多いんだと思う(哀)。
11:00-18:00 点検11+セット+ダスター上げ+ルームサービス他

今日は、Uさん(30代後半・悪霊憑き)と#さん(60代前半・元美容師)が早番、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)と女将さん(20代後半・寿司屋)が遅番の勤務。トド山さんとZさんが欠勤して、Sさん(10代後半・初バイト)と私がフロントになった。

今日のフロントはX君と電話番姉さんとSさんと私で、出勤した時点でとんでもない数のセット待ちの部屋が有り、12時半頃まで4人で一丸となってセットをし、点検は社員さんがしてくれていた。

セットも落ち着いた頃、Sさんと二人で4P部屋のセットをした。4P部屋に一人でセットに入った時に限って、とんでもない目に遭って物凄く時間がかかる時が多いのに、2人でセットに入れた時はさほど部屋も荒らされておらずにサクッとセットが終わったりするものだ。

セットバッグの片付けやコンビニボックスの補充の為に作業室へ戻る度、社員の二宮和也似氏に「少し休んで下さい」とか「もう走らなくていいですからね」と言われたが、まだまだ仕事は有るし、フロント係も順次昼休みに入るので、休んでもいられない。

次に作業室へ降りた時は、私の目の前で二宮和也似氏が社員になった特大氏にコスプレのお届けを頼んでいたので「何号室ですか?私が行きますよ」と言ったが、「いえいえ、みかやんは少し休んでいて下さい。朝から走りっぱなしですから」と言われた。

私がチーム60を心配するように、二宮和也似氏も私を心配して下さっているのだろう。有り難いことだ。でも私は「年寄りを甘やかすと調子に乗るんですよ(苦笑)」と言い、特大氏からコスプレを奪い取って届けに行った。

私がヒトサマに誇れるのは、陸上で鍛えた強靱な足(太いだけ?)と、スタミナぐらいのものだ。ここは頑張らなければ!それに今は、もっと精力的にフロント係の仕事が出来るようになりたい!と珍しく向上心で燃えている。

昼に4P部屋のセットをしたばかりなのに、4P部屋へ入室されたお客様方が昼休み明けには退室されたので、「も〜!ゆっくり休憩していけばいいのに!」と言いながら、今度は電話番姉さんと2人でセットに入った。

電話番姉さんは普段社員さんと働いているせいか、本当によく働くし「みかやん、いいよ、私がやるから」と気配りも完璧で労力も惜しまない人だ。

フロント係をすると色んな人に様々な形で触発されるのに、偏屈王やトド山さんの堕落ぶりはなんなんだろう。私は普段ベッドメイク係なので、フロント係の仕事が新鮮なだけなんだろうか?たまにするから頑張れるのであって、私も毎日フロント係ならキツいとは思うケド…。

夕方、最上階の広い浴室の床にバスタオルが敷かれていた。タップリと水を吸っていたようなので、いつものように足で丸めながら踏んで水を絞ったら粘液が出てきてヌルヌルだった。

ローションマットの無い浴室でマット代わりにバスタオルを敷いてローションプレイをしたらしいが、ヌメヌメで気持ち悪いったらありゃしない。

そんな時に部屋の電話が鳴り、滑って転倒しそうになりながらも電話に出ると二宮和也似氏からで「明日もBフロントをお願いすることになりますが、今日みたいに頑張らなくていいですからね。走ったりもしなくていいですからね。無理しないでくださいね」とのことだった。

私的には、まだまだやれる、もっともっと頑張れるハズ…と思っていても、二宮和也似氏の目には年寄りの冷や水的な行為に映るんだろうか?ともあれ、こんなにも気遣っていただけるのは有り難いことだし、上司に恵まれていて幸せだ。

明日も頑張ろう。
11:30-18:00 点検24+セット+回収+ダスター上げ+ルームサービス他

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)とCさん(60代前半・元看護師)とZさん(20代後半・昔の森尾由美似)の三人勤務。トド山さんが欠勤して私がフロントになった。

三人勤務2連チャンのCさんは「トド山だったら頭おかしいんでないの?なんで辞めないのさ!」とか「トド山なんかクビにしてくれればいいのに!その方が本人もわちらもラクだべさ!」とブチギレていたが、「何だかもう泣きたくなってきた」と半泣きになった。

私は三人勤務は嫌いじゃないけど、チーム60には心身共にキツいんだろう。だからといって「じゃ、私が三人勤務をするからCさんはフロントやって」なんて言ったら、また怒られる。

朝からA班の大ベテランフロント女史が客室のカラオケ本入れ替えをしていたので、私なりにその他の仕事を一生懸命していたつもりだったが、そんな時に限ってお客様方がガンガン出入りして、あっと言う間に売り部屋が激減して焦った。

客数が増えると、コスプレやシャンプーや加湿器などの貸し出しは増えるわ、ルームサービスは多くなるわで、ますます点検やセットが追いつかなくなり、冷や汗まで出てきた。

移動中に擦れ違ったA班の大ベテランフロント女史まで「追いつかないんだものー!」と叫んでいて、私は完全にテンパった。

これはイカン。落ち着かなければ!と努めて冷静に客室へルームサービスを届けると、出てきた女性に「重いですか?」と聞かれ、「はい。少し重いです…」と何気に女性の手元を見ると、両手が不自由な方だった。

この方にこんなに重いトレーを渡すわけにはいかないと思っていたら、女性が部屋の中の男性に「ねー!重いってー!」と声を掛け、代わりに男性が出てきてくれたのでトレーを渡そうとしたら、女性よりも男性の方が両手に重い障害があった。

男性客「すみませんけど、それを部屋のテーブルの上に乗せて貰えませんか?」

みかやん「(えーーーっ?マジすか?)は、はいっ!」

お客さんが入ってる客室に入るなんて・・・。

うわーっ!部屋の中に脱いだ下着が散らかってたり、大人のオモチャだらけだったり、エログロいプレイの準備が進められてたりしたら、どうしよう!お二方とも既にバスローブ姿じゃないか。よそ見しないで真っ直ぐテーブルを目指さなければ!

おお、そうだ!ドアにスリッパを挟んで入室しないと鍵がかかってしまう。フロントへ電話すりゃ鍵を開けて貰えるが、一瞬とはいえ部屋に三人で閉じ込められてしまっては、あまりに気まずい。

両手で重いトレーを持ってるから、足と腰を上手く使ってドアにスリッパを挟まなきゃなんないじゃん。ひいぃ。

一瞬にして頭の中に様々なことが浮かんできて、客室のチェックなどする余裕は全く無かった。

結局、更に忙しくなり、A班の大ベテランフロント女史が30分残業して、怒濤のセットをして下さった。短時間でハンパない数のセットをこなして下さり、さすが!としか言いようのない驚異の仕事ぶりだった。

状況を見かねた支配人殿もダスターをエレベーターに積んで下さったり、セットバッグを作ってはエレベーターに積んで下さったり…有り難いと言うより申し訳ない。あたしゃなんて無力なんだ…(泣)。

多少忙しくてもヒトサマの手を煩わせずに済むようにならなければ…。急いでいてもA班の大ベテランフロント女史やX君のような、美しいセットも出来るようになりたい。

本職じゃないからと言えばそれまでだけど、代行にしろ手伝いにしろ今よりもっとフロント係の仕事をバリバリとこなせるようになりたいものだ。テンパってばかりもいられない。
11:30-18:00 点検24+回収+セット+ルームサービス他

今日は、Cさん(60代前半・元看護師)とZさん(20代後半・昔の森尾由美似)と#さん(60代前半・元美容師)の三人勤務。トド山さんが欠勤して私がフロントになった。

朝からCさんが「こんなに三人勤務ばっかりしてたら、わちもなんもあの世逝きだわ」とか「三人勤務だって分かってたら来なかったのに」とぐだめいで(訳:愚痴をこぼす、文句を言う=ぐだめく)たけど、言う方も聞く方もウンザリな今日この頃だ。

出動して各部屋のドリンクの補充をしようとしたら、××5号室でドリンクが11本も売れていた。これは何の騒ぎか?と思ったら、4P部屋でもない普通の部屋で3Pが行われ、昨夜からルームサービスだなんだと大騒ぎだったそうだ。

仕方なくカゴに補充用のドリンクを詰めて、その部屋へセットに入ると、部屋じゅうティッシュ系のゴミとペットボトルとルームサービスの残骸だらけで、思わず「やられた」と呟いてしまった。

若者なのか年寄りなのか、3Pの男女の内訳も聞かなかったけど、はしゃぎ過ぎだ。こーゆーのはやっぱり広い4P部屋でやってよね!とモニターを見たら、4P部屋はお客様が宿泊中になっていた。

やっとの思いでこの部屋のセットを終えると、4P部屋が空いたので諦めてセットに入ると、さっきの3P部屋を遙かに超える荒らされ様で、これぞ乱交!という感じだが、ワンダフル!スワッピング!などと喜べる場面ではない。

玄関から点々と煙草の灰が落ちているし、広い部屋のあちこちにバスタオルやバスローブやゴミや怪しげなティッシュが散乱し、トイレの床にはウン○!と思ったら、何故かトイレにカラアゲ君が落ちていたりで、覚悟はしてきたものの散々だった。

やれやれ。

たった2部屋のセットで、ゴミやルームサービスの食器の運搬で何往復もした。しかも4P部屋は、とんだヘビースモーカー軍団で、スキン立てやドリップ置きや皿を全て灰皿として使用しておきながら、床も浴室もトイレも煙草の灰や吸い殻だらけにしてくれていた。

こーゆーのを見ると「よし!禁煙しよう!」と思うが、その時だけだ。

前回ご来店下さった時にアクセサリーの忘れ物をされたお客様が取りに来られたので客室へ届けに行くと、とても感じの良い品の良い40代女性が玄関先に現れて、所定の用紙に快くサインをして下さり「この方なら、きっと部屋を綺麗に使って下さるハズ!」と確信した。

昼休みに階下へ降りると、60代のケバい女性が面接を受けていた。私達が望んでいるのは屈強なフロントの若者なのに、今なにゆえ60代女性なのか?どう見てもフロントというタイプではないし、ベリーショートのヘアスタイルがCさんとかぶる。別にキャラかぶってもいいけど、気難しそうな人だった。

夕方になって、先程のお上品な40代女性が使った部屋にセットに入ると、部屋は想像以上に綺麗で「お客さん、ありがとう!」と叫びたいぐらいだった。

見たまんま、お綺麗でお上品な方は部屋も綺麗に使って下さってる。ということは、今日の3P部屋や4P部屋はどんなガラの悪い連中だったんだか。そもそも股間を拭いたティッシュを剥き出しにして床に放置出来るって無神経さが有り得ない。

昼にエレベーターで社員の二宮和也似氏と二人になった時「こーゆーの(フロント陣の欠勤)いつまで続くんでしょ?みんな…もう…限界にきてると思うんですが」と、つい弱音を吐いてしまった。私はともかく、やはりチーム60が心配だ。本当にあの世に逝かれては困る。

すると二宮和也氏の指示で、夕方からZさんがフロントの手伝いに入り、チーム60の二人は目出度く二人メイクになり、二宮和也似氏のはからいに深く感謝した。
11:30-17:00 本メイク5部屋+クイックメイク3部屋+リネン折り

今日は、Uさん(30代後半・悪霊憑き)と#さん(60代前半・元美容師)、Sさん(10代後半・初バイト)と私の勤務。出動前の休憩室で#さんが昨日の飲み会の話をしてくれた。

有り難いことに年に2回、春と秋に会社主催の親睦会があって、私達はタダ酒&タダ飯にありつくことが出来る。いつも19時頃からの開催だが、24時間営業でも夜から勤務の人や深夜勤務の人も参加出来るよう2日に分けて行われる。

昨日はCさんがたらふくビールを飲んでゴキゲンだったそうだが、先週の飲み会の日に欠勤して参加出来なかった偏屈王が急遽、昨日の飲み会に参加したので一同唖然としたそうだ・・・。

さすが偏屈王だ。やはり「俺にはタダメシを食う権利が有る」と言わんばかりに参加したのだろう。それじゃ忙しい中、何日も前から参加したい日の希望を募って、店の予約や手配をした社員さん達が浮かばれないだろうに。

しかも、謙虚さの欠片も見せずに勝手に権利を振りかざして、昨日の飲み会に強行に参加したらしいから恐れ入った。

大したことのない輩に限って「自分は特別扱いされて当然だ」とか「当然の権利だ」という主張だけが強くて、勘違いだということに気付いてないから困る。その根拠の無い自信がどこから湧き上がるのか全くもって不思議だ。

目を見張るような仕事ぶりでもなければ、フロントとして欠かせない逸材でもない、まして飲み会に不可欠な人気者でもない。それなのに何故?ま、どうしてと言われても、それが偏屈王なのだから…。

ヒソヒソとそんな話をしながら#さんと16時からリネン折りをした。

#さん「冗談じゃないわよねぇ。他の班の有能なフロントの若い人一人と、偏屈王とトド山さんをまとめて交換してほしいぐらいなのに」

みかやん「オマケにUさんを付けちゃってもいいぐらいなのに」

#さん「奮発してCさんも付けちゃうかい?」

みかやん「偏屈王+トド山って時点でトレードとして成立しないと思う」

あまりに暇で17時まで居られたのが奇跡だった。
11:00-18:00 クイックメイク14部屋+ベッドのみ1+セット+点検+ダスター上げ+リネン折り

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)とUさん(30代後半・悪霊憑き)が早番、Cさん(60代前半・元看護師)と女将さん(20代後半・寿司屋)、Sさん(10代後半・初バイト)と私が遅番の勤務。

フロントのトド山さんが今日も欠勤したので、Sさんと私が30分早出をして1時間ほどセットと点検をすることになった。

走り回っていると、昨日私ごときを褒めて下さった心優しいA班のお姉様が、今日も「私達が(ベッドメイクで)ミスとか変なことをしてたら遠慮なく言ってね。じゃないと点検、大変だからね」と暖かい言葉をかけて下さった。

そんなことを言って私を泣かせようとして…。ホントにホントに有り難い(泣)。トド山め、覚えておきやがれ!などと思わず頑張ろう。頑張っていればいつか誰かが認めてくれる。こんな私を労って下さる方が居て幸せだ…と忙しい中で喜びをかみしめた。

ベッドメイクを開始して、隣の部屋へ移動したら部屋の中にX君が居た。

みかやん「あれ?この部屋、随分前にセット終わってたんじゃないの?」

X君「グラスが割れてたんで、後で拾いに来ようと思ってたから…コレちょっと大変だし…」

みかやん「さすがだねぇ。私なら”後でやろう”なんて思ったら、何号室だったかもグラスの存在も忘れちゃうよ」

以前と変わらない笑顔を見せてガラスの破片を拾うX君に「怪我しないでね」と声を掛けた。物凄く久しぶりにX君と話をした気がした。

前回の花風呂事件の時も、X君はセットに入って見て見ぬフリをしたんじゃなくて、今回のように「これじゃメイクさんが大変だ。後で始末しよう」と思っていたに違いない。それでもX君は花風呂事件の後に各方面の方々から責められながらも、言い訳はしなかったそうだ。X君たら漢(男)らしい。

昼休みに女将さんから「こないだ非常階段にダスターを取りに行ったら、非常階段で偏屈王が安座してるのを目撃してしまって、見なかったことにしてドアを閉めた」という話を聞き、そんな不届き者が居るからX君が大変な目に遭うのよ!と自分のことのように腹が立った。

夕方、ダスター上げをしていると、いつもどおりX君がニコニコと手伝いに来てくれた。嬉しくて何か話したくて仕方ないはずなのに、私の口からは「ありがとうございます」とよそよそしい言葉が出てしまって…うわあぁぁん、何でこうなるの〜(泣)と思うがどうしようもない。

X君と仲良くする→トド山に忌まわしいほどイヤミを言われる→暗示にかかったように老け込む…ということが続き、繰り返し加害されたことによる慢性の心理的外傷が思いのほか深くて、これを世間じゃ心的外傷後ストレス障害というのでは?と自分で自分が心配になった。

30分早帰りになったので、帰る前にX君のセットバッグ作りを手伝った。「すみません」と言うX君に「いえ。ガラス拾って貰ったりダスター上げ手伝って貰ったんで…」と言えたが、やっぱりよそよそしい言い方になった(哀)。
11:00-18:00 クイックメイク14部屋+点検+セット+セットバッグ上げ+リネン折り+コスプレお届け他

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)と#さん(60代前半・元美容師)、Zさん(20代後半・昔の森尾由美似)と私の勤務。フロントのトド山さんが欠勤して、Zさんと私が12時過ぎまで点検やセットをした。

忙しいので走り回っていると、A班の大人しそうだけど仕事ぶりはバリバリのお姉様に「みかやんは動くねぇ。凄いわぁ」とお褒めの言葉を戴いた。バリバリのベテラン勢が揃うA班の方に褒めていただけるなんて…有り難くてちょっと涙が出そうになった。

もっともっと頑張らなければ!我がB班のトド山や偏屈王という不甲斐ないフロント係のせいで、A班の皆様方にも迷惑が及んでしまっている。もっと貪欲にフロントの仕事も覚えよう。

ようやくベッドメイクを開始すると、垢風呂にばかり当たって難儀した。

全く…他人と身体を合わせるというのに、こんな汚い身体で来られる人の気が知れない。しかもこんな場合に限って、直前まで熱々のお湯が張られていたようで浴槽も熱い。ということは事後に入浴したということだ。

こんな客が泊まり客だったら目も当てられない。一晩共に過ごして、翌日朝風呂に入ったら身体ドロドロだもの。

幸せな気持ちで一緒に朝風呂に入って、泡の入浴剤を入れてジェットバスのスイッチを入れるや否や、黒い泡と黒い垢が浮かんできたりしたら・・・私なら相手を風呂の窓からベランダへ放り出して、鍵を掛けて先に帰る(笑)。

なんて話をZさんとしていたら、次の部屋には強烈なアシガ臭(ワキガの仲間?と思うような足の匂い)と本物のワキガ臭が入り交じって充満していて、臭くてベッド組みもままならず、ファブリーズを取りに走った。

Zさん「垢とかアシガ臭は自分で何とか出来ますけど、ワキガは自分のせいじゃないし、自分で何とかしようにも限界が有るじゃないですか。そう考えたらワキガって可哀相ですよね」

みかやん「そうだけど…このお客さんの場合は”自分で何とかしよう”なんて気持ちは無いんだよ。足もこんなに臭いんだもの。匂うのに清潔にしてないってことでしょ?有り得ないよ」

と言い残して浴室へ向かったら、案の定、浴槽の上から下まで真っ黒い垢がびっちりとこびり付いていた。

16時でA班の大ベテランフロント女史がお帰りになり、フロントがX君一人になったので、私達もセットバッグ上げやコスプレお届けなどをして手伝ったが、X君は声も掛けられないほど忙しそうに走り回っていた。

最近じゃ忙しくなくてもX君には何となく声を掛けられなくなっているけど、トド山や偏屈王の一番の被害者はX君だと思う。それでもX君は、偏屈王にも気を遣い、トド山にもニコニコと愛想良く振る舞い、本当に頭が下がる。

今の私にゃ真似出来ないけど、真似出来るようにならんとイカンのよねぇ…。そんなX君にねぎらいの言葉の一つもかけたいけど、その言葉が見つからないしタイミングも掴めなかった。
11:30-17:00 本メイク4部屋+クイックメイク7部屋

今日は、Sさん(10代後半・初バイト)とUさん(30代後半・悪霊憑き)、#さん(60代前半・元美容師)と私の勤務。

偏屈王が約十日ぶりに出勤していたが、オッサンが着るようなカーディガンにオッサンがはくようなスラックス姿で、爺さんみたいだった。しかも歩き方が一段と絡繰り人形になってるし、一段とドンヨリしていて、病み上がりと言うより屍寸前の老フロントになってて…(合掌)。

あまりにおどろおどろしくない?もはや本人じゃなくて生き霊かゾ○ビじゃないの?客前に出して大丈夫?と心配になるぐらいだった。

(注:病み上がりの痛々しい姿や、居たたまれないほど心配な気持ちを文才が無くて上手く表現できません)

あれ?よく考えたら偏屈王は元々そんな人だったよ、あはは!なんてことを考えていたせいか、最も手強い4P部屋の部屋係からのスタートとなった。罰当たりな私。

4P部屋の本メイクなので、2つのベッドを組んでから、無駄に広い床に掃除機をかけ、4人分の食器を洗いまくりで、それはそれは大変なはずなのに、久々だったせいかめっちゃ楽しかった。なんてやり甲斐の有る部屋なんだ!と感動してしまったじゃないか。

元々好きでやってる仕事なんで、嫌々やらなければ楽しいのよね。暫く忘れてた気持ちを思い出させてくれてありがとう>偏屈王 

昼休み、#さんが「偏屈王、朝に見たっきりまたどこにも居ないみたいだけど、帰ったのかい?単に行方不明かい?」と言い出したので、私も「また非常階段辺りに隠れてんじゃないの?」と言おうとして、その言葉を飲み込んだ。

同族のSさんやUさんの前で、同族の王・偏屈王を悪く言おうものならチクられて血祭りに上げられる。夏の偏屈王事件で懲りているので固く口を閉ざしていると、偏屈王がノソノソと休憩室に現れ、その後の休憩室は静まり返って息が詰まった。

昼休み明けは、40代後半〜50代の”嬢”を付けてお呼びするのが憚られるようなお年頃のデリヘル嬢さん達の一人歩きが目立った。それまで節制されていた方々も、給料を手にして一斉にデリヘル嬢さんを呼んだらしい。

デリヘル嬢さん達は部屋を綺麗に使って下さる方が多いので、お陰でサクサクとベッドメイクが進み、17時で早帰りになった。

ふいに#さんに「ところで、熟年デリヘルって月収はどのぐらいなんだろね?」と聞かれた。

みかやん「う〜ん。お店やその人にもよるんじゃないの?」

#さん「軽く働いて15万ぐらいになるのかな?」

みかやん「どうなんだろね?分かんないや」

#さん「頑張れば20万や30万になるんだろうか?」

みかやん「”熟年”の程度にもよるのかねぇ。あんまり婆さんでも…あわわ」

やたらと#さんが食い下がるので、もしやヤル気では?と怯んだ。

ふと、一昔前に当時有名というより名物だったタチンボ婆さんを昼間に目撃したのを思い出した。

ロン毛のヅラのこめかみ部分から地毛の白髪はみ出させ、ショートパンツを通り越したホットパンツの裾からユルユルになって煤けたズロースの裾をはみ出させ、タンクトップからブラ紐をはみ出させ、はみ毛はみパンはみブラで観衆が凍り付く中をご本人様はしおれた足で闊歩してらっしゃった。

あの方は当時70歳前後とお見受けしたけど、今もご存命なのだろうか?その数年後、金髪ヅラのタチンボ婆さんが目撃されたが、どうも元祖タチンボ婆さんの後輩か妹らしい。

一部の人はタチンボ婆さんが立つ場所を「心霊スポット」と呼んでいたそうだけど、それでも需要があるって凄いことだ。

やっぱり熟女の程度と需要だと思うよ>#さん
11:30-18:00 点検27+セット+ルームサービス+回収他

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)とSさん(10代後半・初バイト)とUさん(30代後半・悪霊憑き)の三人勤務。トド山さんが欠勤して私がフロントになった。

トド山め、グダグダと欠勤を続けるぐらいなら潔く辞めやが…と思いかけた時、社員さんに「今朝、#さんが来て”みかやんへ”って何かを置いていきましたよ」と重い包みを渡され、開けてみると金箔入り高級日本酒とワインだった。

続いて出勤してきたEさんからはスグレモノの灰皿を貰った。

最近、ココの人から妙に頂き物をするのは何故だろう?と考えたら…。先日、何かの話の時に「私ったらモノに弱くて、イヤな奴!と思ってたりムカついてたりしても、モノを貰ったらコロッと変わって”いや〜ん。なんもいいのにぃ”ってなっちゃうんですよ。あっはっはー」みたいなことを言ったんだった。

だからといって急に寄ってたかって私に貢ぎ物攻撃をしなくたっていいじゃないの。あたしゃそんなに恐くない…と思うんだけど…。

出動すると、エレベーターの点検中で作業が思うように進まなかった。イライラしても仕方ないので作業室へ戻ると、社員の二宮和也似氏がスースーと息を吸いながら懸命に私に微笑みかけるではないか。明らかに様子がおかしい。怖くなって逃げようとしたら呼び止められた。

二宮和也似氏「あれ?気付きません?X君の物真似だったんですけど…」

みかやん「あ…あぁ、そうだったんですか!」

二宮和也似氏「みかやんなら気付いてくれると思ったのにぃ」

みかやん「スミマセン(汗)や、どうしちゃったのかと思いました」

ツボにハマり易い私になんてことを!理知的なお顔立ちと物真似芸のギャップが凄くて、その場を離れてから大笑いした。

給料日前の平日だというのにお客様がザクザクと入ってきて、その分、やれコスプレだ、やれルームサービスだと客室へ伺う機会が多かった。

私は若くない分、お客様には”何でも知ってそう”と思われるのか、客室へ伺う度についでに様々なことを尋ねられてしまう。お金が絡むことは社員さんから折り返し連絡して頂けるように手配するが、今日は違った。

男性客「あの…自販機の中に見たことのないオモチャが入ってるんすけど、どんなのなんすかね?」

みかやん「大きな箱のモノでしょうか?」

男性客「あんま大きくなくて”なんとかキューム”か”パヒューム”って書いてるみたいなんすけど、自販機ん中で斜めってて…」

みかやん「あ!”クリバキューム”ですね♪」

男性客「クリ…」

みかやん「あ…」

男性客「何となく分かりました。す、すみません」

会心の明るい声と笑顔で滑舌良く「クリバキュームですね♪」と答えてしまい、玄関のドアを閉めてから無性に恥ずかし〜くなった(照)。

だけど「で?それは、どうやって?どんなふうに使うんですか?」などと、しつこく追究されなくて良かった。もしもの場合は「フロントからご連絡致しますので、お部屋でお待ち下さい」と言って逃げよう。

でもよく考えたら、キャビネットのドアの内側に、コンビニボックスの商品一覧表みたいのが貼ってあることを思い出した。もーっ!お客さんたら私に恥ずかしいことを言わせないでよね!言葉責めかしら?

てなわけで、お手すきの方はコチラをどうぞ↓
http://uranai.am/3477/

ちなみに私の好きな言葉責めは「もっと…たくさんください…」でした。
11:30-18:00 本メイク9部屋+クイックメイク7部屋

今日は、Cさん(60代前半・元看護師)と#さん(60代前半・元美容師)と私の三人勤務。偏屈王が欠勤してSさん(10代後半・初バイト)がフロントになった。昨日も偏屈王が欠勤してZさんがフロントをしたそうで、#さんは三人勤務2連チャンにゲンナリしていた。

Cさん「昨日のココの飲み会に偏屈王は出たんだべかね?」

#さん「まさか。タダだからって欠勤したのに飲み会に出てたら大顰蹙でしょ」

みかやん「分かんないよ。偏屈王みたいな奴に限って、自分の権利はキッチリ主張するから”俺にはタダメシを食う権利がある!”って参加したかもね」

Cさん「その辺のオバサンよりずうずうしい所あるもんね。わちらは来週の飲み会に出るから、偏屈王が居なくてあずましいわ」

偏屈王が昨日の飲み会に参加したかどうかは、怖くて社員さんに確認出来なかった。

出動して本メイクをしていると、A班の大ベテラン様がお忙しい中、B班の指導に来て下さった。Cさんも#さんも仕事を勝手に年寄りバージョンにアレンジしていて、基本というものを忘れてしまっているフシが有るので、改めてご指導頂けると本当に有り難い。

A班の大ベテランさんの指導が終わってから「そう言えば、Cさんと#さんと三人で組むのも久しぶりだわ…」と思っていて、ふと気付いたらCさんが#さんを扱き使っているではないか!

風呂係の人が稼働表にベッドメイクの開始時間と部屋番号を記入してから浴室へ行くことになっているというのに、Cさんてば#さんにずうずうしく「今、何時さ?見て!」とか「わち見えないから(老眼)アンタ書いて!」とか言ってる。

Cさんと私が新人だった頃、Cさんが私に対して同じことをしていて、諸先輩達に「自分の仕事は自分でしなさい!」と散々注意され、私も甘やかさなかったので私には言わなくなったが、#さんに言っていたとは…。

その後も、Cさんが風呂から「客用のスポンジもう無いわ」と言えば、#さんが「はいっ!」と非常階段まで走り、戻ってきた#さんにCさんが「入浴剤も無かった」と言えば、#さんは「はいっ!」とまた非常階段へ走り…(涙)。どうせ言うなら一度に言え!

そうじゃなくて…これはもう嫌がらせやイジメのレベルじゃないのか?

それからだって、Cさんが「やんや、こんな所にコンドームば捨ててるもんだ」と言えば、#さんが「はいっ!」と拾い、Cさんが「トイレもなんも血とウン○でドロドロで取れないんだわ」と言えば、#さんが「はいどうぞ!」とトイレブラシを持って駆けつけてるじゃないか。

少し前までの私なら猛然とCさんに腹を立てて「ちょっとCさん!そりゃないべさ!」と意見したところだが、夏の偏屈王事件以来冷めてしまった私はどうしたか?といえば、放置した。

麗しく老老介護をしあっていた二人が、いつの間にこんなふうになっていたのだろう。#さんはCさんに大きな借りが有るとか、弱みを握られたりでもしたのだろうか?

それとも、偉そうに振る舞いたいCさんと、Cさんに恩を売りたい#さんの利害が一致したのか…。

それはそうと、17時過ぎたらCさんが「疲れた」だの「帰りたい」と言いだし、さすがに「なんもかんも#さんにやらせといて”疲れた”とはなにごとだい?この古狸!」とムカつき気味になりつつも口には出さなかった。

以前も私はCさんに対して「あンの古狸!」と腹を立てていたことがあったが、水面下で古狸が復活していた。

だけど、うちの班の人達の言動にいちいち腹を立てていてはキリがないということに気付いた。こんな時は腹の立つ方向に考えず、自分にどう反映出来るか考えた方が賢明だ。

私もずっとこの仕事を続けたいと思うけど、ここまで他人の手を煩わせなければ働けないようになったり、ここまでして貰っても疲れるようになった時は、老残の身をさらすより潔く引退しよう。
11:00-18:00 点検22+セット+回収+ベッドメイク手伝い他

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)とUさん(30代後半・悪霊憑き)、Zさん(20代後半・昔の森尾由美似)と女将さん(20代後半・寿司屋)の勤務。偏屈王とトド山さんが欠勤して、Sさん(10代後半・初バイト)と私がフロントになった。

出勤してすぐ社員さんに「フロントお願いします」と言われたので「今日はどっち(偏屈王・トド山)が休みですか?」と聞いたら「どっちもです」と言われ、もう返す言葉も無かった。

おまけにモニターを確認すると、セット待ちの部屋が見るも無惨に大量に有り、すぐに出動して死んだ気になってセットをして回った。

一息ついたところで社員の二宮和也似氏に「いや〜さすがですねぇ。通常メンバーより早く片付きましたよねぇ」と、お褒めの言葉を戴いた。あたしゃバリバリ体育会系上がりの人間なんで、酒浸りのデブのオバサンや絡繰り人形みたいな歩き方のオッサンには負けませんわよ。

二宮和也似氏に××5号室へ割引券を届けるように言われて行こうとしたら「僕らが”○兵衛オジサン”って呼んでる常連さんが出てくると思いますよ。物凄く礼儀正しい方です」と教えて下さった。

どんな素敵なオジサマかしら?と××5号室へ行くと、裸の上にバスローブを着て、その上にロングコートを羽織ったスキンヘッドの男性が不自然なぐらい姿勢良く立っていて、割引券を手渡すと「ありがとうございます!」とほぼ直角に深々と頭を下げられて恐縮してしまった。

というか、全く笑う場面ではないハズなのに何故か可笑しさが込み上げてきて、笑いを堪えるのに必死だった。どんな経緯で”○兵衛オジサン”というあだ名がついたか知らないが、きっと親愛を込めてのネーミングなんだろう。

束の間の休息の後また忙しくなり、セットや点検に走っている時、エレベーター前に妙な花束が有るのを目撃した。茎の量が多くて物凄い束なのに花が少なくて変な花束…と思っていたら、××6号室の浴槽が花風呂と化していたそうだ。

ベッドメイク部隊が××6号室へ入ると、浴槽のお湯が抜かれておらず大量の花びらが浮いたままになっていて、始末に時間がかかった上、作業を終えても部屋じゅう野原のような匂いがして大変だったらしい。

××6号室のセットに入ったのは誰か?という話になり、犯人はX君だった。忙しいので後回しにしようとしていたようだ。

土日祝祭日はフロント4人+ベッドメイク5隊で動いているが、今日はフロントの頭数は確保出来たもののベッドメイクが4隊になり、フロント係も必死にベッドメイクを手伝った。

夕方、忙しいので非常階段を走っているとEさんチームと擦れ違った。Eさんは「忙しくてエレベーターなんか待ってられないんだもん。このクソ忙しいのにメイク係を2人もフロントに取られたら、うちら死んでしまうわ!」と叫びながら走り去って行った。

帰りにSさんに会うと「うちもう無理です。出来ません…本当に…」とグッタリしていた。私はオバなのでX君や社員になった特大氏に何かと気遣って貰えるが、若いSさんに対してはそうではないようで、ご愁傷様だ。

みんなもう限界にきている気がする。
11:00-18:00 点検33+セット+回収+ルームサービス他

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)とCさん(60代前半・元看護師)と#さん(60代前半・元美容師)が早番、Sさん(10代後半・初バイト)とUさん(30代後半・悪霊憑き)が遅番、トド山さんが欠勤して私がフロントになった。

クソ忙しい土曜日に急遽三人勤務になり、チーム60の怒りが爆発した。

#さん「昨日、トド山さんなんか誰より元気でウザいぐらい喋ってたのに。アレでどこが悪いのさ」

Eさん「あんなに太ってて病弱ってこともないでしょ。どうせまた二日酔いさ。どこか悪いとすればアル中か男狂い病だわ」

みかやん「どっちにしても依存症ですね。つーか、酒依存と男依存、どっちもじゃないですか?」

Cさん「わち帰る!土曜に三人なんて死んでしまうもの!二宮和也似氏に聞いてみる!」

みかやん「つっても帰れるわけないべさ!忙しいもの!」

Eさん「じゃ聞いてみればいいっしょ。行ってきな!」

みかやん「ちょ、ちょっと!えーっ?」

Cさんはフロントへ行ったきり暫く戻らなかったが、やがて「今日は無理!だとさ。帰られないわ」とションボリ戻ってきた。私は、Eさんがボソッと「無理に決まってるべさ」と言ったのを聞き逃さなかった。

先週は、私がX君に近寄らなければトド山さんがゴキゲンで、私に対するイヤミ攻撃もしてこないということを学習したが、今週はトド山さんが居ないというのに以前のようにはX君と話せなくなってしまった私が居た。

何て言うか…辞めた$君もアニキも最後まで全力で私の味方で居てくれたけど、当のX君はトド山さんにも私にもニコニコで、それがX君という人なのだから仕方ないと思っても、やっぱり寂しかった。

X君が”来る者拒まず去る者追わず”という対人コミュニケーションの取り方をする人だとは知っていても、X君が他人に対して特別に執着心の薄い人だからなのか、ある程度の愛着を持ちながらも他人に執着しない人なのかは分からない。

アニキはX君を”社交性が無い。まだ自分と自分の家族しか愛せないお子ちゃまだから、他人に対して無関心”とか言ってたけど、それは違うと思う。

ああでもないこうでもないと考えていて、ますますX君と話せなくなった。複雑なオバ心…。

それでもX君は、私がダスター上げやらセットバッグ作りをしていると飛んできてニコニコと手伝ってくれるし、何かあって私がテンパってもすぐに対応出来るように同じ階や近くの部屋に居てくれたりして、相変わらず親切だ。

フロントの仕事じゃ私よりX君の方が先輩だし、私の方が年寄りなんで気を遣って何かと面倒を見てくれてるんだろうけど、私はお礼を言うのにもギクシャクしてしまって、逃げ出したいような気持ちになった。

可愛くて仕方なくて今まで散々いぢり倒してきたX君を茶化せない。それは自分にとって物凄く寂しいことで、私が今までどおり茶化せばX君も今までどおりの笑顔で応えてくれると分かってはいても、どうも一歩踏み込めない。

トド山さんにトシのことでイヤミを言われ続けてきたお陰で、すっかり卑屈になった。

私のようなオバが若いX君を茶化して遊んできたことが、そもそもの間違いなのか?私はトド山さんを「あの風体で男、男と必死でイタいオバサン」と思ってたけど、トド山さんも私を同じように見ていて、その苛立ちが彼女をイヤミ攻撃に駆り立てたのか?

と、どんどん卑屈になった。

そして私は、卑屈という名の真っ暗で深〜い洞窟に迷い込んで抜け出せなくなった。
11:30-18:00 点検34+セット+回収+ルームサービス他

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)とCさん(60代前半・元看護師)とUさん(30代後半・悪霊憑き)の三人勤務。偏屈王が欠勤して私がフロントになった。また急遽三人勤務になって、EさんとCさんの泣き言が止まらない。

Eさん「偏屈王が休みならトド山さんへ電話して出て貰えばいいのに。フロントのことはフロントで賄って貰わないと困るわ!偏屈王もトド山さんも、こうやってみんなに迷惑かけてるって自覚が無いもんね!すみませんの一言も無いし!」

Cさん「三人勤務ばっかりでわちなんかクタクタだもの。わちらなんか年寄りなんだからね!冗談じゃないわ!やってられないって!」

みかやん「じゃ、わちとフロント代わるかい?わちは三人メイクでもいいよ(苦笑)」

Cさん「アンタ、それイヤミだの?わちにフロントなんか出来るわけないべさ!わちにどーしろって言うの!」

みかやん「ごめん。冗談だから…。欠勤しないでバリバリ働いてくれる屈強なフロントの人が欲しいよねぇ。近所に住んでて、誰かが欠勤したら二つ返事で出てきてくれるような人…」

EさんもCさんも、もはや冗談も通じないほどムカついていて、偏屈王とトド山さんに対しては体調不良で欠勤=お気の毒&お大事に…なんて意識は無い。

出動してすぐ××6号室へ、やれルームサービスだ、やれ割引券届けだ、やれコスプレだと三度も足を運んだ。三回とも玄関に出てきたのは中年男性だったが、部屋の中からギャルのはしゃぐ声が聞こえていた。

コスプレ衣装(セーラー服&手術着)を届けに行くと、中年男性は手術着を見て私に「おっ!コレいいね♪」と言い、部屋の中のギャルにも「凄いの届いたよ♪」と嬉しそうだった。「コレいいね♪」と言われても、こっちもコメントに困る。

「ふっ…どんな手術をするんだか…」などと言えるワケがない。

ようやく××6号室の中年男性とギャルがお帰りになり、部屋へセットに入って愕然とした。床じゅうにティッシュや割り箸や食べこぼしが散乱していて、ゴミ箱の中にはゴミ一つ入っていなかった。

若い子と来たからってはしゃぎ過ぎだよ、オッサン!と怒りたくなりながら床のゴミを拾い集めた。全くもう、男ってやつは…。女は若けりゃ馬鹿でも何でもいいのかい?間違って、そーゆー女と結婚したりしたら、アンタのマイホームもゴミ屋敷だよ!

あらイヤだ。私ったら、二度と戻れぬ若さへの妬みってやつかしら?

気を取り直して××1号室へルームサービスを届けに行くと、お客様は既に玄関で待機されていたようで、ドアベルを鳴らしたとたんにドアが開き、30代男性が「おおきに!」と満面の笑みを浮かべて迎えて下さった。

以前にも「おおきに」と言われたことが有るので、このお客様は常連さんなのかも知れない。後でこの部屋にセットに入ると、リネン類はまとめられ、ゴミは分別され、部屋も綺麗だったので、このようなお客様が常連だとホントに助かる…こちらこそ”おおきに”だわ…と思った。

続いて××5号室へコスプレと貸し出ししたシャンプー&リンスの回収へ行くと、60代男性がピンクのメイド服だけ持って玄関に出てきたので、シャンプーのことを尋ねると「そうだ、シャンプーも返すんだよ」と部屋のドアを開けて中の女性に声を掛けた。

ドアの隙間から見えたのは金髪の60代女性だった。ピンクのメイド服を渡された時は「このオッサンも若い子と来てたんかい?」と思ったが、60代の女性とは…。でも、ピンクのメイド服が似合いそうな可憐(不適切?)な60代だった。

17時過ぎ、お客様がたが一斉に帰り始めたのでセットに走っていると、Eさん&Cさんと擦れ違った。

みかやん「あれ?Uさんは?」

Eさん「いや、まだメイクしてるよ。あははは!」

Cさん「あんまり遅いから置いてきたべさ。ひゃはは!」

みかやん「ええ〜?それって酷くない?」

Cさん「したって遅くて待ってられないんだもの」

そう言ってEさんとCさんは、またあはは!しゃはは!と大笑いしたが、なぜ可笑しいのか意味が分からない。シンデレラと意地悪な姉さん達じゃないんだから(不適切?)。

度重なる三人勤務のストレスで逆にハイになったと言うか、ストレスに弱いチーム60から順番に壊れてきたのかも知れない。Uさんは次の部屋でも、部屋に一人置き去りにされてベッドメイクをしていた(哀)。
ラブホ500日目:縄
11:30-16:30 本メイク4部屋+クイックメイク5部屋+ベッドのみ1

今日は、Cさん(60代前半・元看護師)とSさん(20代前半・初バイト)、Uさん(30代後半・悪霊憑き)と私の勤務。フロントは偏屈王だった。

出勤するとCさんが「トド山、昨日も休んで昨日はSさんがフロントだとさ。みかやんもSさんもフロントばっかりで災難だね。わち昨日は休みで良かったよ。三人勤務ばっかりやってられないからね!トド山よりわちらの方が身体壊すわ!」と鼻息を荒くしていた。

トド山さんの場合は、身体を壊してるわけじゃなくて単に”怠け病”だと思うんですけどね…。

出動してからUさんが「先日はどうもすみませんでした。お忙しい時間帯に、とんでもないことをしてしまって…。ご迷惑をお掛けしました」と詫びてきた。先日っていつ?と思ったら8日のことだった。

あの日は部屋に点検に入って、Uさんの仕事ぶりに愕然として思わず苦情を入れてしまったけど「いえいえ。みんなで気をつけましょ」と明るく返事をした。それにしても、Uさんたら随分と日本語がお上手になったというか柔らかくなったというか。

日本人だから当たり前なんだけど、ちょっとビックリ。以前の攻撃的なUさんとは別人のようだ。

その後にUさんが「新しい家具が入った部屋、もう見ました?」と聞いてきた。

みかやん「家具入れ替えたんだぁ。今度はどんなの?」

Uさん「縄?縄みたいな家具って言うの?」

みかやん「ナワ?家具なのに?」

Uさん「や、縄みたいに編んだ家具」

よくよく聞いてみたら籐家具のことだったよ(萎)。ラタンをナワだなんて、さすがUさんだ。縄と聞いてあたしゃ、画像のような蕎麦屋とか甘味処の椅子みたいなのを想像してしまった。

それとも、ベッドがハンモックになってたりして…ラブホなのに、ええ!?と、もしもラブホのベッドがハンモックだったら…と危うく妙な妄想の世界へ突入するところだったよ。

いやいや、ラブホで縄と言えば、縄手錠か亀甲縛りでしょう。

そう言えば、前にコンビニボックスに入ってた縄手錠がいつの間にか無いよね…人気無いのかな?…ラブホQ時代にベッドの布団から縄のような紐のようなモノが出ていたから引っ張ったら見事な亀甲縛りの縄だった…なんてこともあったよね。

・・・ふ〜ん。って結局いろいろ妄想してしまう。

夕方、ベッドを組んでいて最後にベッドの足元の方に帯を掛けようとしたら、帯に血がついていた。今日の相方が血に弱いEさんだったら大騒ぎになっていたけど、Uさんなので淡々と交換した。

一瞬、血のことを忘れて風呂掃除を始めたら、洗い場の床が血だらけで、イヤな予感がしてトイレを確認したら便器の中は血まみれだった。こんなのをEさんが見たら卒倒していたかも。

どう見ても生理の血なんだから、女ならそっとシャワーで流して浴室を出るとか、水を流してからトイレを出るとかいう気遣いがほしいものだ…というかトイレの水を流すのは気遣い以前の問題だと思うんですけど。

Uさんと組んだ日は口数が少ない分、あれこれ考えたり妄想したり。そうこうしているうちに早帰りになった。
11:30-17:30 点検27+セット+ダスター上げ+ルームサービス+生存確認?

今日は、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)とCさん(60代前半・元看護師)と#さん(60代前半・元美容師)の三人勤務。トド山さんが欠勤して私がフロントになった。

出勤してベッドメイク係の服に着替えて休憩室でくつろいでいたら、フロント二宮和也君似氏に「みかやん、フロントお願いします。トド山さん…ウン○が止まらないそうで(ゲーリー)お休みなんです」とのことで、フロント係の服に着替え直した。

ふ〜ん。昨日あんだけX君とはしゃいで、勝ち誇った顔で私をチラ見しといて今日はゲーリーですか。

トド山さんがどんな言い訳をして欠勤しようと、私はもはや信じちゃいないわけで、前回トド山さんが転んで欠勤した時だって、後でX君に聞いたら「二日酔いだったんだって」って話で呆れ返ったばかりだ。

そんな人の代わりに私がフロントをしてヘトヘトになって…こんなアホくさいことも他に無いと思いながら、よくやってるよ私。それでもトド山さんは私と同い年の可愛い人を「年配なのにフロント頑張ってたオバチャン」と言うんだから、ホントやってられない。年配て…あたしゃ60過ぎかい?

こんな気持ちを押し殺してるからストレスが溜まるんだよね。かと言ってまた凹んでると、こんな顔だからみんなに怒ってるように見られるんだよね(泣)。こんなふうに思わないでラクにやり過ごせるような私になりたい。

こないだまでは完全に辞めたい病を患っていたけど、今この状況でトド山や偏屈王から逃げるように辞めてなるものか!という思いが強くなってきた。負けるもんか、自分にも奴等にも。

夕方、支配人殿に「××3号室なんですけど、どうも昨夜から誰も居ないようなんですよね。ピンポン鳴らして”失礼しま〜す”って中を確認して貰えますか?多分、誰も居ないと思うんで…」という指示を受けた。

以前勤めていたラブホQでも同じようなことがあって怖々確認に行くと、ベッドの上で全裸女性が大股開きで仰向けになっていて、思わず死体か?と思い、同行したフロント女性(元看護婦)が、咄嗟に脈をとったのを思い出して急に怖くなった。

(ちなみにラブホQでは深夜勤務だったせいか、泥酔中にヤリ逃げされたり置き去りにされたりする女性が多かったです)

支配人殿はにこやかに「多分、誰も居ないと思うんで…」と仰ったけど、あくまでも”多分”じゃないか。ビビリの私に何てことを!

万が一、部屋に誰かが居たりして、薄暗い部屋で冷たくなってたりしたら、どうしてくれるんだ。第一発見者にはなりたくない。しかし「怖くて行けません」と言えるトシでもないので、支配人のお言葉を信じて行ってみることにした。なんつったって年配だからね、フンだ!

取り敢えず部屋の前でピンポンを鳴らして玄関を開けると、靴が無いのでホッとしたが「失礼しま〜す」と部屋のドアを開けたら、薄暗いどころか真っ暗だったので、またとたんに怖くなった。

とにかく電気をつけたいが、暗闇の中で手探りでテレビのリモコンを探しても見当たらなくて、暗いってだけで怖くて、部屋の奥にあるベッドのパネルの所まで行けそうもない。

「どなたかいらっしゃいますか〜?お客様〜?」と多分半泣きで叫んでみたが返事はナシ・・・どうする?

よし!居ない!

居ない居ない誰も居ない、絶対居ない!と自分に言い聞かせて、支配人殿へ電話して「どなたもいらっしゃいませんでした」と言い切った。

命からがら階下の作業室まで逃げると、ベッドメイク部隊が早帰りをするところだったので、どさくさに紛れて階下に居ると私も早帰り出来ることになった。

良かった。たった30分とはいえ、ベッドメイク係も帰った後にたった一人で館内をうろつくなんて、今日みたいに怖い思いをした日はもう無理だと思ったので助かった。

帰りにEさんに怖い思いをした話をしたら、アッサリと「そんなの絶対怖いよ!よく行ったね。私なら断る!」と言われた。
11:00-18:00 クイックメイク21部屋+ベッドのみ1+リネン折り

今日は、Cさん(60代前半・元看護師)とUさん(30代後半・悪霊憑き)、女将さん(20代後半・寿司屋)と私の勤務。

出勤すると休憩室のテーブルの上に飲み会の出欠確認の用紙が有り、Eさんとトド山さんの欄には最初から印刷で×印が付いていた。Eさんは、予め社員さんに出席できない旨を伝えていたそうだが、それならついでに私も欠席だと伝えてくれれば良かったのに…。

女将さんの話によると、朝のA班でも歓送迎会の時のトド山大暴走の件が噂になっていたそうだ。そりゃそうだ。最も女に嫌われるパターンの女の醜態を晒しちゃったもの。

聡明なA班の皆様の目に、トド山さんがどんだけ愚かで哀れで醜く映ったことか。いま思い出しても、トド山さんと同じ班の者として恥ずかしい。トド山さんが欠席で本当に良かった。みんなの為に気を利かせてくれてアリガト>トド山さん。

そのトド山さんは、X君と親しげに談笑しては勝ち誇ったような顔で私をチラ見していた。そんな”勝ち”で良ければ、いくらでも譲りますよ〜だ。さすがのトド山さんもX君と話している時は、聞こえよがしに私にイヤミを言ったりしないので、私にとってはその方が安泰だ。

トド山さんのチラ見の時の得意気な顔や、イヤミの時のしたり顔にはもうウンザリだ。そこまで私に、女のイヤラシさや底意地の悪さを見せつけなくたって…。

今日もトド山さんが必死にX君に追いすがる姿を見ていてイタかった。アニキが言っていたとおり、トド山さんにも笑顔で接する心優しいX君は、完全にターゲットとしてロックオンされてしまったようだ。ご愁傷様。

出動すると、泡風呂地獄、洗い物地獄、毛地獄に墜ちた。クジ引きの時「女将さんと組めたらいいな。やっぱA班の人と組むとホッとするもんね」と思ってたら、女将さんと組むことになってラッキーだったけど、クジ引きで今日の幸運を使い果たしたらしい。

おまけにお客様に遭遇しまくりで、気をつけていてもお客様が階を間違えてエレベーターから降りてきたり、進行方向を間違えていたりで、どうしようもない。それなのに逃げ惑う姿を笑われたり、強面の男性に睨まれたりで踏んだり蹴ったりだ。

あぁダメだ。

物凄く正直に言うと「トド山さんたら何てお気の毒なのかしら…X君、特技を生かしてトド山さんにも微笑んであげて!」と思う自分と、「フン!トド山なんかシゲばいいのに!(函館弁・敢えて訳さず)」と思う自分が居るわけで、後者が災いを呼び寄せてるんだと思う。

女将さん、ごめんなさい。私のせいだよ。

トド山さんのような次元の低い女に振り回されて、自分が腐ってはイケナイ。

ふとアニキのセリフを思い出した。

「飲み屋勤めの女は二種類いて、ナンバーワンやママを目指す子は自分の力で自分を磨いていけるけど、それ以外は男に寄生して男の経済力やステイタスを自分のものと勘違いする馬鹿で卑しい女なんだよ。トド山なんかは典型的な寄生虫でしょ」

「トド山がX君にロックオンしたのは、X君が金持ちのボンボンだからじゃないの?トド山みたいなゲセンな女は、本能的に金の匂いを嗅ぎ付けるんだよ。あんなのに言い寄られて笑っていられるX君て俺には驚異だね」

と言っていた。アニキはトド山さんに何か恨みでもあるのだろうか?と思っていたけど、飲み屋の女にケツの毛まで抜かれたクチなんだろうか?だから男に走った(ゲイの道)とか?

今も時々、アニキが遺して(死んでない)くれた言葉を思い出す。変な話だけど、アニキのトド山バッシングを聞いていると、気持ちが晴れ晴れとして元気になったものだ。

今、無性にアニキ節が恋しいのは、トド山さんのしたり顔を伴うチラ見攻撃やイヤミ攻撃によるダメージが、自分で思ってる以上に大きいからなんだろう。今以上に弱ってしまう前に何とかしなければ。
11:30-18:00 本メイク5部屋+クイックメイク5部屋+点検+セット

今日は、Aの陽気なIさん(60代前半・萬田久子似)とUさん(30代後半・悪霊憑き)、Cさん(60代前半・元看護師)と私の勤務。フロントは偏屈王だった。

出勤すると、休憩室に朝のA班の陽気なIさんが居て「私、今日はB班なの。宜しくね」と言われ、「またそんな…(笑)一服休憩に来たんですよね?」と冗談だと思ったが本当だった。

出動してからCさんがそれまで閉ざしていた口を開いた。

Cさん「UさんがAのIさんに失礼な口をきかなきゃいいけど…」

みかやん「私もそう思ったよ!だけど、さすがにA班の人には生意気言ったりしないんじゃないの?」

Cさん「だけどもUさんだよ!大丈夫なんだべか?」

みかやん「前にUさんと朝の大ベテランさんが組んだ時も苦情は来てないから、大丈夫なんじゃない?」

Cさん「最近のUさんなんか、また生意気で生意気で!わちになんか口を返して酷いよ。偏屈王とも仲間割れしたみたいで”俺にそんな口のききかたをするんだ”って言われたんだとさ」

みかやん「あの人達の場合は”喧嘩するほど仲がいい”ってやつじゃないの?放っておけばいいよ」

CさんもEさんも割と最近になってからUさんのことをガタガタ言うけど、遅いって。あたしゃもうUさんのゴタゴタには巻き込まれたくない。で、さりげなく話題を変えた。

みかやん「この部屋、なんか臭くない?」

Cさん「そうかい?何の匂いだの?」

みかやん「粕漬けみたいな…」

Cさん「漬け物持参のお客さんだったんだべさ。こないだも皿の上にシオカラの食べ残しが有ったもの」

なるほど…と納得して風呂掃除を終え、トイレ掃除を始めようと便器の蓋を開けて「ゲーローーッ!(ケロロ軍曹風)」と叫んでしまった。

すぐにCさんが「何?ゲ□だのかい?」と駆けつけてくれたが、ゲ□ではない。便器の中には大蛇と見まごう一本グソがデーンと有り、Cさんには半泣きで「まさに大便だよ〜」と答えた。

不思議なことにウン○とワンセットで有るハズのトイレットペーパーが便器の中には無く、もしや…水を流した時にトイレットペーパーだけが流れて、巨大なウン○は重みで流れなかったのかも?だとしたら…ウン○はベッタリと便器に張り付いていたりして…(怖)。

うわあぁぁぁん!無理無理無理無理。私にゃ無理!絶対手強そうだ。

こんな時、病院勤めが長くてウン○慣れしているCさんの存在が有り難い。Cさんが大蛇と格闘している傍らから汚物入れを引きずり出して、何気なく中を確認したらクシャクシャのトイレットペーパーが入っていた。

汚物入れに被せられたビニール袋ごと外そうとした時、トイレットペーパーにウン○が付着しているのが見えて仰け反った。いかにも尻を拭った紙じゃないか。Cさんには申し訳ないが、私の出る幕ではないと判断して部屋へ避難した。

このお客さんはいったい何を考えているんだか(涙)。

普段からトイレにはお小水や便だけを流して、紙はゴミ箱や汚物入れに捨てている人なんだろうか?これは燃えるゴミだ!と分別してるとか?

それとも、確かな手応えを感じて振り返ったら我ながら天晴れと思える逸品が排出されていて、そこへトイレットペーパーなどを添えてしまったら、折角の作品が台無しだ!と考えて紙を別に捨てたのか。そのような美の追究の仕方はやめてほしいものだ。

どっちにしても酷い(泣)。

私は16時半からセットと点検をして偏屈王を手伝うことになり、Cさんはリネン折りをすることになり、Cさんだけ17時で早帰りをした。いつも3時半に帰る陽気なIさんは「B班だと帰り、こんなに暗いのね!怖いわ!痴漢に遭ったらどうしよー!」と怯えていた。

今日は幻のツチノコを見てしまったかと思った。Cさんとペアで本当に良かった。
11:30-18:00 本メイク3部屋+クイックメイク19部屋+ベッドのみ2

今日は、萌えさん(10代後半・超美形)が退職したので、Eさん(60代前半・高見沢俊彦似)とSさん(10代後半・初バイト)と私の三人勤務。フロントは偏屈王だった。

早速、Eさんに昨日のトド山さんの暴挙について話した。

みかやん「かくかくしかじかで、トド山さんに服を貸したことをアニキに説教されたんですけど、そしたら昨日急にトド山さんが凄い剣幕で"お借りしてた服、近いうちに返しますから!"って言ってきて…アニキがトド山さんに何か言ったのかと思って焦りました」

Eさん「えー?まだ返してなかったの?何ヶ月も前だよね?アニキの言うとおり、
X君にご飯を奢るお金が有るなら、それで適当な服を買って借りた服を返すべきでしょ。男、男、って若い男に命賭けてる場合じゃないわ!よっぽど男のことしか頭に無いんだろうね」

Eさん「トド山さん、よく”昨日も飲み屋のバイトの後、お客さんとご飯食べに行った”って言ってるけど、実は狙った男に自腹切ってご飯奢ってたりしてね。だから服も買えなくて返せないんじゃないの?トド山さんは男が一番大事な人だから。あんな人に何を言われても気にするんじゃない」

みかやん「はい」

Eさん「トド山さんて、別れた旦那の所に子供も居るのに…。男、男って男狂いして…。みじめだよねぇ。もう完全に転落の人生でしょ。あれじゃ道も踏み外すわ。可哀相だから貸した服は恵んであげたら?返して貰っても伸びきって着られないと思うよ(笑)」

Eさんは凄いこと言ったけど(苦笑)私は、改めてトド山さんを気の毒に思った。私なんかに対抗意識を燃やすなんて馬鹿げてる。何故もっと上を目指さないんだろ?折角私より若くて独身なんだから、もっと楽しめばいいのに。私なんかに執着してる間に幸せが逃げて行っちゃうよ。

男が絡むと人が変わってしまう女はよくいるけど、仲の良かった私に急に敵対心剥き出しでくるんだもの、怖いから。X君は私のものじゃないし、独身同士好きにやって下さい。邪魔しませんから。

22日と29日にココの飲み会があるが、Eさんも私も参加しないことにした。

私はもうトド山さんの挑発行為やイヤミ攻撃に腹を立てることは無いと思うけど、私の存在がトド山さんの神経を逆撫でするかも知れないし、私的には前回の歓送迎会でココでの想い出作りを終えているし、X君だって私以外の人とも話したり飲んだりしたいだろうから、もう解放してあげましょう…という感じ。

Sさんが16時から偏屈王の手伝いに行くと、Eさんは待ってました!とばかりに偏屈一派(偏屈王、Uさん、Sさん)バッシングを始めた。

「トド山さんは偏屈王を毛嫌いしてるけど、偏屈女二人とは仲良しなんだよね。三人で下世話な三流漫画の貸し借りをしてるならココで読めばいいのに、休憩の時は寝てるか、同じ雑誌をただ広げてるかどっちかだもんね。何を考えてるか分からなくて気持ち悪い人達だわ」

「雑誌なんか全然見てないんだよ。ただ膝の上で同じページを広げてるだけだもの。休憩室にSさんとUさんが二人揃ってると暗くて陰気でゾッとしない?ホント不気味だわ。何、考えてるんだか」

確かに、休憩室にUさんとSさんが揃っていると、Cさんあたりは二人のどんよりとした空気に負けて寝てしまう。三人が寝て、私だけが起きているというパターンが多いが、私はメールの返信や読書の時間に充てたいので、敢えて黙って寝かしつけている。

それでも「さぁ?何も考えてないんだと思います。アニキも”頭の中カラッポの人達”って言ってました」と答えたら、Eさんは「頭カラッポの偏屈女どもと比べたら、偏屈王の方がまだ少し知的だね」と大ウケしてた。

大笑いしながらベッドを組もうとしたら、オネショマットが裏だったので表に返すと表側は血まみれだった。血に弱いEさんに何てことを!Eさんがワーワー言ってる中、速やかにオネショマットを丸めて新しいものと交換に走った。

Eさんは「ホントにもう!偏屈王だったら!裏にするぐらいなら、交換してくれればいいのに!」と、ひとしきり怒った後「気持ち悪い人達の話をしてたから、こんな気持ち悪い目に遭うんだわ」と嘆いていた。

仰るとおりと思います。私も気をつけよう。

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